東京PMC’s

青空鰹

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紫音と生徒達の実力

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 僕達PMC全員がダイナミックエントリーが終わるとお金の折半をしようとしたのだが、サラさんに注意されて後で渡す事となった。

 「さて、彼らの実力がわかったところで、次はお前達の番だ」

 生徒達全員。 えっ!? 俺達もやるの? と言いたそうな顔で下谷先生を見つめる。

 「それじゃあ、名前順に向こうに立つんだ。因みにターゲットを見逃したり、1分30秒を過ぎたら速攻で中止だ。
 それじゃあ、足立。お前からだ」

 「はい!」

 彼はそう返事をすると、スタート地点に立って準備をする。

 「準備が出来ましたか?」

 「はい!」

 「それではカウント5秒前! 4、3、2、1。スタートォ!」

 足立と呼ばれた少年はハウスへと入って行く。

 「お手並拝見だな」

 「そうね」

 ハウスの中からバンバンと銃声が鳴り響く。

 「結構撃ってますね」

 「その分狙いを外しているって事よ」

 それでもM4で狙いを外し過ぎな気がする。

 「この分だと、リロードをしているかもしれませんね」

 「え、どう言う事?」

 「もう彼は30発を撃ちツくしましたよ。それに間があるって事はリロードをしているショウコです。アサルトライフルの弾が無くなったら、ハンドガンに持ち替えればいいに」

 そんな会話をしていると、足立くんが出て来てゴール地点に立った。

 「1分21秒58! ギリギリでしたね」

 「足立、抜弾をした後に私のところに来い」

 「は、はい!」

 足立くんは言われた通り、抜弾をした後に下谷さんの元へ行く。

 「待っているのも時間が勿体無いので、次の方は名前を言ってからスタートラインに立って下さい!」

 「はい! 藍川あいかわ 美沙みさです!」

 「では藍川さん、準備が出来たらお声掛け下さい」

 「は、はい!」

 2番目の藍川と言う女子は緊張しているのか、動きがぎこちない。

 「準備、出来ました!」

  「それではカウント5秒前! 4、3、2、1。スタートォ!」

 彼女は緊張した様子でハウスの中に入って行く。

 「あの子、大丈夫かしら?」

 「結構緊張シテイマシタネ。影響ガ無ケレバ イイノデスガ」

 「彼女の実力次第なんだから、待つしかねぇよ」

 しかし、リトアさん達の心配が祟ったのか、さっきの少年と同様に結構撃っている。

 「残り10秒ぉ!」

 残り時間10秒になったが、出て来る様子はないまま時間が過ぎで行く。

 「5、4、2、1、ストップ! 終了です! 銃口を下に下げたまま、ゴールまで歩いて来て下さい」

 藍川と言う女子はサラさんの指示に従ってハウスから出て来た。

 「抜弾をしてから、下谷さんのところに向かって下さい」

 「・・・・・・はい」

 彼女は残念そうな顔で抜弾作業をしてから、下谷さんの元へ向かおうとした。

 「ちょっと待って!」

 「え、何ですか?」

 「腰に射しているハンドガンの方も抜弾して頂戴」

 「あっ!?」

 彼女は慌てた様子でホルスターからハンドガンを抜き、抜弾作業をする。

 「一応言っておくけど、周りや自分自身の命に関わる事だから今後は気を付けるように」

 「すみませんでした!」

 「わかればよろしい」

 彼女は恥ずかしそうに下谷さんのところへ行った。

 「彼女ノヤッタ事ハ、忘レテイタジャ済マサレナイ事デス」

 「そうだね。基本中の基本を忘れていたのだから、結構怒られると思うよ」

 弾が入っている危険性を充分に知っているからこそ、言える言葉だと思う。

 「次の方どうぞ」

 「はい! 糸風 舞です!」

 そう返事をした彼女は、スタートラインに立つと僕の方を見つめて来た。

 「彼女ハ、シオンクンニ 気ガアルノデショウカ?」

 「彼女はシオンのオサナナジみらしいのです」

 「wats!? ホントウデスカァ?」

 「ええ、まぁ・・・・・・はい」

 PMCの訓練を受けた辺りから疎遠になっていたけど。

 「準備出来ました!」

 「 ではカウントをします。5秒前! 4、3、2、1、スタートォ!」

 サラさんの合図と共にハウスへと突入して行く。

 「勢いよく行ったなぁ」

 「あのスピードじゃ狙いを定めるのが難しいんじゃないかしら?」

 確かに余り早く動き過ぎると、上体が揺れて狙いを定め難くなるかもしれない。

 「もしかして、舞ちゃんは焦ってる?」

 「どう言う事だ紫音?」

 「僕達の実力を見て、 これぐらい早くならないといけないんだ。 って思っているのかもしれません」

 「ああ~・・・・・・なるほどな」

 天野さんは納得した様子をハウスを見つめる。

 「確かにダイナミックエントリーやステルスエントリーはスピーディーな行動を求められるが、それだけじゃ駄目なのを理解していないな」

 「正確な射撃も求められる上に、足音も気にしないといけない」

 「ソレダケジャアリマセンヨ。敵カ民間人ノ区別ヲ シナケナケレバ イケマセェ~ン」

 「今回は敵しか用意していないけど、流石にこの分だとねぇ」

 懸念していた通りなのかはわからないけど、やはり発砲音が多い。

 出て来た。

 反対側の出口から出て来てゴール地点まで行くと、思い通りの動きが出来なかったのか悔しそうな顔をしていた。

 「1分18秒23! 抜弾した後に下谷さんの元へ行って下さい!」

 「はい!」

 舞ちゃんは抜弾した後に、怪訝そうな表情を浮かべている下谷さんのところへと行く。そんな中、次の男子学生がヘッと笑った後にスタートラインに立って準備をする。

 「準備をするのはいいけど、名前を言って」

 「宇野元 忠志。もう準備は出来ているから、チャッチャと始めてくれ」

 何か態度がよくない。

 「アマノよりも感じが悪いわね」

 「あんあのと俺を基準にするなよ」

 僕としては彼よりも天野さんの方がタチが悪そう。

 「それではカウントします。5秒前! 4、3、2、1、スタートォ!」

 顔をニヤニヤさせながらハウスの中に入って行く。

 「マイって子よりも早くハウスの中に入って行っちゃったけど、大丈夫なのかしら?」

 「キにしなくてもいいと思いまぁす」

 「そうだね。コニーくんの言う通り、結果次第で決まるのだから、気にせずに見ていよう」

 発砲音はするが、前の人達に比べて数が少ない。

 「もしかしたら実力は本物かもしれないな」

 「ええ、これだけ発砲音が少ないって事はシオンくん並みに正確な射撃をしている感じね」

 そしてそのまま、反対側の出口から出て来てゴール地点に立った。

 「59秒58!」

 彼の結果に周りから歓声が上がった。

 「俺達並みの速さか」

 「意外とやるわね、あの子」

 「見た目とチガってやりますねぇ~」

 だが険しい顔をしていたサラさんが周りに聞こえるように話す。

 「残念ですか、アナタは失格です!」

 「えっ!?」

 失格ってどう言う事?

 周囲がざわついている中、タイムを出した張本人がサラさんに喰い掛かって行く。

 「何で俺が失格なんだよぉっ!?」

 「理由はアナタが1番よくわかっているでしょう?」

 「ハァ? 俺は全部の的をちゃんと撃ち抜いたんだぞ!」

 「確かにそうね。でもね、ターゲットまで近付いて撃つ行為が問題なのよ。それに他に問題が露出しています」

 サラさんはそう言うと、プロジェクターの電源を入れて先程の様子を映し出した。
 しかもその映像は、直線では武器を構えてただ走り抜けるだけ。曲がり角になればカットパイをせずに身を乗り出して確認。そして挙句の果てには出て来た的に近付いて撃つの問題行動。

 「・・・・・・コレハ酷イデスネェ~」

 ダニエル教官も呆れた様子をしていた。

 「アナタはこれを実戦でやるつもりだったのですか? そうだとしたらキミは実戦で既に死んでいますよ」

 「コ、コイツらだって同じような事をしているから、あんなタイムを出せたんだろう?」

 コイツらって・・・・・・。

 ちょっとカチンと来た僕に対して、天野さんは落ち着けと言いたいのか頭にポンと手を乗せた。それと同時にサラさんは呆れた顔で映像を切り替えると、スタート位置から走り出した僕の姿が映し出された。

 「これは1番早かった紫音くんの映像です」

 「・・・・・・な!?」

 不正紛いの自分とは違い、早く迅速に動き的を撃ち抜く姿に驚いている。

 「カットパイの重心位置をもう少し内側にしないと」

 「歩幅ガ一定ニシタ方ガイイデス!」

 「後はホルスターからリボルバーを取り出す時はもう少し垂直に・・・・・・」

 「もしかして天野さん、僕より遅かった事を根に持ってます?」

 そう言った瞬間、笑顔で指に力を入れて来た!

 「イタタタタッ!? 痛い痛い! 痛いですっ!?」

 「お前、人の親切心をそう言うのか?」

 「ゴメンなさい! ゴメンなさい! 僕が悪かったですぅっ!?」

 「わかればよろしい」

 そう言うとパッと手を離してくれたので、ホッと息を吐いた。

 「これを観て文句はありますか?」

 「・・・・・・」

 「ないのなら抜弾した後に、下谷さんのところへ行って下さい」

 宇野元と言う生徒は、何も言わずに抜弾した後に下谷さんのところへ行った。
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