高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。

青空鰹

文字の大きさ
4 / 111

第4話 姉さんが来た!

しおりを挟む
 「あ・・・・・・自宅だ」

 さっきまで理事長室にいたのが夢のような気がしたが、ゼウス様やティアラ様を見つめると現実だと認識する。

 「そうですよぉ~。では明日から自分で向かって下さいねぇ~」

 「明日から自分で。って、どうやって行けばいいんですか!?」

 「やり方は簡単ですよぉ~。目を瞑ってから、向こうの世界に行きたい。って思えばいいんですよぉ~。その後に【転移】って言えば向こうの世界に行けますよぉ~」

 「そ、そうですか?」

 女神説明された通りに目を瞑り、向こうの世界に行きたいなぁ。と思ってみたら、頭の中に先ほどまでいた理事長室の風紀が浮かぶ。

 「本当だ」

 「【転移】と言うじゃないぞ」

 「わかってます」

 このまま向こうに行ったら理事長先生に迷惑を掛ける。

 「目を開けばキャンセル出来ますよぉ~」

 「あ、そうなんですか」

 目を開いてティアラ様に顔を向けると、頭の中に浮かんだ風景がフッと消えていった。恐らくこれがティアラ様の言っていたキャンセルなんだろう。

 「あと当然のことなのじゃが、転移を使用すると魔力を消費するのを忘れるでないぞ」

 「そうですねぇ~。使い続けると意識を失いますから、気を付けて下さいねぇ~」

 「あ、はい。わかりました」

 ピンポーン!? ピンポォーン!? ピンポォーン!? ピンポォーン!? ピンポォーン!? ピンポォーン!?

 「何だ何だぁ? 誰が来たんだ?」

 インターフォンのボタンを連打しているせいなのか、一定の感覚で鳴り続けていてカオスに感じる。

 「どうやら、お主のお姉さんが来たようじゃな」

 「えっ!? 姉さんが、ここに?」

 今仕事中じゃなかったっけ?

 「お前さんのことを心配して来たみたいじゃな。詳細の方は、恐らく両親経由で知ったんじゃろうな」

 「え、そうなんですか?」

 「それよりも早く、お姉さんをお出迎えするんじゃ。インターフォンの音がうるさくて叶わんわい」

 「は、はい」

 玄関に行き鍵を開けた瞬間、突然ドアが開き、姉が抱きついて来た。

 「洸夜! 大丈夫? 何処か怪我していない?」

今俺に抱きついているスーツ姿の女性は、スタイリストとして活躍している俺の姉こと、海山みやま 千春ちはる である。

 「あぁ~・・・・・・大丈夫、怪我はないよ。それよりも姉さん、仕事の方は?」

 「仕事ね。私以外の人に任せたわ! それよりも心配なのはアナタの方よ」

 「俺の方は大丈夫。ただ、精神的にちょっとくるものがあっただけ」

 普通に高校生活をしていたら、冤罪掛けられて退学。しかもその理由が、校長が自分の学校に通っている息子の赤点をもみ消す為だしな。

 「そうなの・・・・・・先ずはリビングに行きましょう。詳しい話はそこで聞くから」

 「あっ!?」

 今家に神様と女神様がいる。姉さんと鉢合わせしたらマズイかも。

 「ん? どうしたの洸夜?」

 「いや、そのぉ~・・・・・・ねぇ」

 どうしよう・・・・・・今家が散らかっているから入れられない。そんなことを言っても帰ってくれないよなぁ~。

 「あのぉ~・・・・・・いつまでそちらにいるのですかぁ~?」

 どうすればいいだ。と悩んでいたら、何とティアラ様がヒョッコリとリビングから出てきたのだ!

 「げっ!?」

 「えっ!?」

 何で出て来ちゃったんですか、この人は!?

 「洸夜、この人誰?」

 「いや、その!話せば長くなるし、どこから説明すればいいのか、そのぉ~・・・・・・ねぇ」

 ティアラ様に助けて欲しいと思いながら目線を向けたら、気持ちが通じたらしく、コクリと頷いてくれた。

 「そうです、私が女神さまですぅ~!」

 色んな意味でダメだった。

 「はぁ? 何を言ってるのこの人は。頭大丈夫?」

 うん、普通にそうなるよね。

 「うぇぇぇええええええん・・・・・・洸夜さんのお姉さんに信じて貰えませんでしたぁ~!」

 「それよりも学校のこと! 大まかな話はお母さんから聞いてるけど、話なさい。詳しくねぇっ!?」

 姉さんはそう言いながら、胸ぐらを掴みブンブン振ってくる。

 「わかった! わかったから! リビングに行こう!」

 その後、俺とティアラ様とゼウス様で何とか落ち着かせた姉を、リビングに連れて行ってこれまでの経緯を話した。

 「なるほど、話はわかったわ」

 よかった。話のわかる姉で。

 「警察を交えて話をしましょうか」

 いや、わかってねぇ!

 「ストップ! ストップ! マジな話だから信じてくれよ!」

 そう言いながらスマホを操作する姉さんの腕を掴み、警察に電話するのを阻止する。

 「アナタ騙されているわよ!」

 「いやいやいやいや! 騙されてないから安心してくれ! そうだ、これを見れば信じてくれるか?」

 手のひらにスーパーボウルサイズの魔力を出して見せると、姉さんはまじまじと魔力の塊を見つめる。

 「フンッ!」

 あれ? 鼻で笑われたぞ。

 「最近のホログラフィック技術は進んでるからね。それぐらいの映像ならカンタンじゃないの?」

 「じゃ、じゃあこれは?」

 今度はその魔力の塊を結晶化させた。その光景を見た姉さんは流石に驚いていたが、コホンッと咳払いしてから話出した。

 「どうやったかは知らないけど、何かの大道芸マジックみたいね。ねぇどうやったの?」

 これでもダメか!

 「流石洸夜さんですねぇ~。もう1人で魔力を操作出来るようになったんですかぁ~」

 「それにユニークスキルまで出来るとはのぉ~」

 いやいや、関心してないでこの状況を何とかして下さいよ。

 「リタを呼べばいいんじゃないかのぅ?」

 「そうですねぇ~。リタちゃぁ~ん、こっちに来てくださぁ~い!」

 ティアラ様がそう言うと、光と共にリタが姿を現した。

 「お呼びですかティアラ様?」

 「はい。アナタの反対側にいらっしゃる、洸夜さんのお姉さんの説得を手伝ってくれませんかぁ~」

 「コウヤさんの姉ですか?」

 リタはそう言うと、身体を翻して姉さんに近づく。

 「はじめまして、私は妖精族のリタと申します」

 「え、あ・・・・・・これも何かの・・・・・・小型ロボットぉ?」

 「ロボットという種族はわかりませんが、違いますよ。私は妖精族です。コウヤのように魔法も使えますよ」

 リタはそう言うと、自分の身体よりも数倍大きい水の塊を出す。

 「どうぞ、私の魔法で作った水の塊を触れてみて下さい」

 「え、ええ」

  姉さんはそう言うと恐る恐るリタの作った水の塊に触れる。

 「・・・・・・本物の水だ。フォログラフィックじゃない」

 「私ほどの魔術に長けていれば、自由自在に操ることも出来ます。こんな風に」

 空中に出している水を四角い形にしたり、紐状にさせたりして見せる。

 「え、ええ!? 嘘ぉっ! 本当に魔法なの?」

 「ええ、これで信じてくれましたか?」

 「もうこんなの見たら、信じるしかないわ」

 よかったぁ~。リタのおかげようやく信じて貰えたよ。

 「洸夜さん。アナタも頑張れば今やってたことが出来るわ」

 「え、ホント!?」

 「ええ、最もアナタの修行次第だけど」

 リタはそう言うと、辺りをキョロキョロと見回す。

 「コウヤさんは本当に別世界の人間だったんですね」

 「あ、もしかして疑ってた?」

 「いいえ、疑っていたと言うよりも半信半疑でした。ちょっと興味があるので、見て回ってもいい?」

 「見ても構わないけど、外に出るのはダメ。あとは物に勝ってに触れないで欲しい。もし興味ある物があったら呼んでくれ」

 「わかったわ」

リタはそう言うと、ウキウキさせながらリビングを飛び周る。

 「じゃあさっき言っていたことって本当なの」

 「異世界に留学すること?」

 「ええ」

 「紛れもない事実だからな」

 「ズルイ!?」

 いきなり身を乗り出して言うものだから、びっくりして身体をのけ反らせてしまった。

  「私もその世界に行ってみたいから連れてって!」

 「ダメですよぉ~」

 「何で?」

 「洸夜さんの転移は唱えて場所。つまり転移を使用した場所しか行き来出来ませんからぁ~。
 それに今転移してしまうと他の方と鉢合わせしてしまいますので、今回は諦めて下さいねぇ~」

 「そ、そんなっ!?」

 ティアラ様の話を聞いた姉さんはテーブルの上にうつ伏せになり、ガックリしていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...