高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。

青空鰹

文字の大きさ
66 / 111

第33話 ゼウス様の意地

しおりを挟む
 兵士達は王都で窃盗(?)をした犯人に何故か優しく語り掛けた後に優しく立ち上がらせる。因みに足の拘束を取るように言われたので取ってあげた。

 「ほら、歩けるか?」

 「ナンバー4の俺が、こんな身も知らなねぇガキにワンパン・・・・・・」

 「あ、ああ・・・・・・そうだな」

 「あの時に退職届けを出していればよかった」

 「えっ!? 窃盗が職業なのか?」

 「ちぃがぁうぅんだぁああああああああああああっ!!?」

 うわっ!? また泣き出したよ、この人。

 「もうお前黙っていろっ!!」

 「あ、はい!」

 俺が押し黙ると、兵士は窃盗犯に 気にしなくていいから。 とか声を掛けて慰めているので解せん!

 「無自覚って本当に恐いねぇ~」

 「私もコウヤくんにどう言えばいいのか、わからないよ」

 え? 何これ? 何か知らないけど、確実に俺が悪いって流れになって来ていないか? 念の為に聞いておこう。

 「なぁ2人共。俺、何か悪い事をしてる?」

 「してるよ」

 「リタさんの言う通り、コウヤくん無自覚に人を傷付けているよ」

 「マジかっ!?」

 「「マジ」」

 「・・・・・・どの辺が?」

 「もう最初っからだよ!」

 そんなやり取りをしていたら、兵士の1人が気まずそうな顔させながら俺達に近付いて来た。

 「あ、そのぉ~・・・・・・キミ」

 「協力をしてくれてありがとう。彼を捕まえるのに苦労していたんだ」

 「あ、そうなんですか?」

 結構すばしっこい感じがあったもんね。

 「それでその、名前の方を聞いてもいいかなぁ?」

 「構いませんよ。俺の名前は コウヤ・ミヤマ です」

 「セリア・オルコス 子爵です」

 「リタだよぉ!」

 今セリアの名前を聞いた瞬間、ビクッと身体を強張らせたな。

 「ミヤマくんにオルコス子爵様。それにリタですね。この事はディスペル魔法学園の方に話を通しても構いませんか?」

 「はい、アニス学園長に話を通して頂けると俺は助かります」

 「私は、お父様に報告して頂けると助かります」

 「アニス学園長とマルコシス様に報告・・・・・・わかりました。私共の方からお伝えいたします。それでは、失礼いたします」

 兵士さんはそう言うと、涙目の窃盗犯を連れて行ってしまった。

 「まぁ色々あったけど、結果的に捕まえられたからOKということにしておこう」

 「そうだね。行こう」

 「うん、行こうか」

 「え? ちょっ! おいっ!? 俺のことを置いて行くなよぉっ!!」

 先に行く2人の後を慌てて追い付いて一緒に歩くが、何故かジト目で話し掛けるので居心地が悪かった。

 「それじゃあコウヤくん、また明日ね」

 「あ、ああ・・・・・・また明日」

 ちょっと気まずい雰囲気のまま、セリアは自宅へと帰って行く。

 「俺、セリアに悪いことをしたっけ?」

 「悪いことはしてないよ」

 「なら何であんなに不機嫌なんだ?」

 「・・・・・・明日には機嫌が治っていると思うから、安心していいと思うよ」

 そうかぁ? 俺からして見ると、そんな感じがしないんだが。

 「それよりもコウヤ、早くお家に帰ろうよ!」

 「あ、ああ!」

 そう返事をするとドアの鍵を開けて家に入って行き、念の為に戸締りのチェックをする。

 「偶にここに来て換気もした方がいいかな?」

 「そうした方がいいかも。玄関の鍵閉めた?」

 「ああ、さっきチェックしている時に閉めたから大丈夫だ」

 「じゃあ帰ろう!」

 そう言って肩に乗ったので、目を瞑り転移を唱えて自分の世界へと帰る。

 「ただいまぁ!」

 「お帰り、洸夜!」

 母さんが部屋に突入して来ると、嬉しそうな顔を浮かべながら抱き付いて来た。

 「帰って来たみたいですねぇ~」

 「あれ? ティアラ様。どうしてここにいるのですか?」

 「ワシもおるぞぉ~」

 「ゼウス様も来ていたんですか!」

 あ、でも体調が優れないのか表情が暗いなぁ~。

 『お帰り』

 「あ、父さん。いたんだ」

 父さんは相変わらず声が小さいので、メガホンを使って話し掛けて来る。

 『ん、今みんなで麻雀をやっているんだ』

 「あ、そうなんだ」

 神様と麻雀をするって、勇気があるなぁ! てか、ティアラ様とゼウス様は麻雀出来んのかよ!

 「洸夜もこっち来て見てみなよぉ~」

 「わかった! わかったから袖を引っ張らないでくれ!」

 渋々といった感じで玄関に靴を置くことを忘れずにリビングまで行くと、テーブルの上に麻雀台が置かれていた。

 「へぇ~、あれが麻雀なんだぁ~。どうやって遊ぶの?」

 「リタちゃん、麻雀の遊び方はね。同じ柄のコマを2つから3つ集めるか・・・・・・」

 母さんがリタに遊び方を説明している中、あることに気が付いた。

 「あれ? この点数配分おかしくない?」

 「何がおかしいの?」

 「4人中3人が1000点以上あるのに、1人だけ200点で少ない」

 しかも1人だけ3000点とズバ抜けて高い。

 『1人2000点でやっていたんだけど、ゼウス様の運が悪すぎてこうなっているんだよ』

 「200点しかないのって、ゼウス様なのぉ!?」

 『そうだよ』

 だからあんな顔をしていたのか。

 「手加減するとか考えなかったの?」

 つーか全知全能の神様が負けるって、どう言うことだよ。

 『僕も途中で気付いて手加減をしていたよ。でもね、本人に運がないのか全く上がるどころかリーチすらならないんだ』

 「ええ~・・・・・・」

 リーチにすらならないのは流石に問題あるだろう。

 「点数の高い四国無双を狙った?」

 『いやぁ・・・・・・チーとかカンをしていたときもあったから、そんなことはないと思うよ』

 「お流れしたときに、ちゃんと持ち手を見た?」

 『見たよ。点数関係なく無難に揃えようって感じの手だったよ』

 「それじゃあ、やっぱり・・・・・・」

 『うん、洸夜が思っている通りだよ』

 ゼウス様は本当に運がないんだ。

 放って置かれているゼウス様に目を向けて見ると、何と他の人の手持ちの駒を見て回っていた。

 「あっ!? ズルしてる!」

 「これぐらいええじゃないかぁ! このまま負けてしもうたら、ワシの威厳が地に落ちてしまうわい!!」

 ズルをしようとしている時点で威厳が落ちていると俺は思うが。

 「何じゃその目は! 負けっぱなして面白い遊びなんてないじゃろう!! 一回ぐらいは勝ちたいんじゃぁああああああ!!」

 「ま、まぁ気持ちはわかりますよ」

 だからご近所迷惑になるような叫び声を上げないで下さい。

 「一回仕切り直した方がいいんじゃない?」

 『う~ん、どうしようか?』

 「仕切り直して貰えると、ワシは助かる」

 「そうですねぇ~。このままではゼウス様が可哀想なので、仕切り直しましょうかぁ~。サエさんもそれでいいですよねぇ~?」

 「構いませんよ!」

 「ありがとぉ~!」

 こうして仕切り直しとなり、始めっから麻雀をやることになったが、初めてやるリタと父さんがチェンジしたのである。

 「さて、どうなることやら」

 『今度は大丈夫だと思うよ』

 まぁ確かにな。リタ自身はさっきルールを教えられたばかりだから、リタが最下位になるかもしれないな。 ・・・・・・と最初は思っていた。

 「・・・・・・これは」

 『流石にちょっとねぇ?』

 「何故じゃぁ~、何故逆転負けるのじゃぁ~!」

 最初は俺達の予想通りリタが最下位になっていたが、3回目のときにツモをやって神様を追い抜いてしまった。そこから更に不運なことが続き、捨てパイでロンを言い渡されたり、お流れで最下位だったので点数を取られたりと不幸は続き、最初の持ち点の2000点から300点へと一気に下がってしまった。

 「これは、運がないとしか言いようがない」

 だって神様が捨てたコマの中には持っていればチーとか狙えたのがあれば、リーチを掛けられるものまであったのだがら。

 「本当に運がないんだなぁ~」

 「ワ、ワシ・・・・・・麻雀嫌い」

 しょげているゼウス様の背中を優しく摩って慰めてあげる洸夜であった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...