カミセン～神養成専門学校～

鶴山葵土

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３．神への挑戦

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「特殊なケースとは君のように神に対して不満を抱いて死んだ人間に与えられる選択肢なのさ、君のようにね。その選択肢とは新たな神になるということ。神に対して不満がある人間が、その神に代わって神になるという夢のような選択しなのさ」
「そんなこと可能なのか。神は本当に存在するのか。それに人間の霊が神になるなんて可能なのか」

「神は実在するよ。それに人間が神になることは可能さ。実際、今の神は人間だからね。但し、なりたい人間すべてがなれるものではない。神の椅子はたった一つしか用意されていないからね」

「たった一つなのか、何の才能もない俺につかみ取ることができるのだろうか」

「人間として才能があるかどうかは問題じゃない。神に必要とされる才能は特殊なものでね」

「俺にもチャンスがあるのか」

「まぁ、チャンスは十分にあるよ。今の神はその座についてから既に2000年以上経過している。とっくに代替わりの時期なんだけど、代わりになる人間が中々見つからないんだ。今の神は力が弱まっている。だから、君のように苦しむ人間が多くなってきているんだ。代替わりのチャンスなんだ」

「神になるチャンスか。でも、そんなチャンス、与えられているのは俺だけなのか」

「いいや、君一人ではないよ。現時点で41人集められている。君が挑戦するとなれば42人だ。締め切りはなんと今日。君は実に運がいい」

「俺以外に42人もいるのか」

「挑戦者の人数を気にする必要はないよ。神になるために相応の試練を乗り越えてもらわなければならない。試練は厳しいものだけれど、神になれば自分の願うとおりの世界を創ることができる。君のように才能に恵まれず、苦しむ人間を救えるかもしれない。君が理想とする神に、君はなれるかもしれない」

「でも、神になれなかった場合はどうなるんだ」

「神に選ばれたなかった場合には輪廻転生のルールに従って人間として転生することになる。神になることに挑戦することに対して、厳しい試練以外のデメリットはないのさ。どうだい、挑戦してみないかい」

考え込む真一。
「少しだけ、考える時間をくれないか。」

「そうだね、神になる試練は厳しいものだ。すぐに決めるってのは難しいだろう。一時間あげよう。その間に決めるといい」

そう言い残すと、Mr.クロウは姿を消した。

自分の身体に目を向ける、救急車が到着し真一の身体に救急隊員が駆け寄っていた。
しかし、隊員はお互いに目を合わせると、首を横に振る。
真一の身体をのせた救急車は病院へ向けて出発した。

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