創発のバイナリ

ミズイロアシ@文と絵

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第二部 後編

09 盤上遊戯の勝敗予測

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 人々の繋がりが希薄な世の中で、強い結びつきを見つけられた。

 少女は、見えない糸を大事に胸にしまった。
 幾重にも重なって、決して切れない金の糸を想像した。

 繋がりとは大事にしてる分は強固なものだが、存外に扱えば直ぐ様ぷつんと切れてしまう。

 心臓の辺りが温かく感じて、確かに『ここ』に、心を感じた。

 脳の働きが感情を生む。

 そんなの味気ない。
 脳で生まれても、心で感じるものなのだと、大人になったロゼは考える。

 大きくなってようやく、言葉の裏に隠された感情を理解できるようになった。

 今なら、ロボット創始者である彼女の心の断片が見えるかもしれない。

 愛情がある人なんだ。感情がいらないなんて嘘っぱちだ、とロゼは思った。

 生き物は嘘をつく。

 口で言った言葉と、心は違うことを言っている場合があるのだ。感情は、矛盾だらけだ。

 ヒューマノイドロボットと人間の間に違いなど無いように感じる世の中になった。

 しかしその境を定義するなら、それは自己防衛の『嘘』が彼らはちょっぴり下手だということだろう。

 それが彼らの弱点には成り得ない気がした。

 ロボットは誠実だから、とロゼは感じていた。



 ヒューマノイドロボット『アスカデバイス』には心がある。それを信じる人間がいる。

 今日も大好きなあの子の名前を呼んで、新しい一日を過ごすのだ。

 今日こそ、チェスで負かしてやると意気込んで臨む。

 未来は未知数だ。

 勝敗の結果は、まだ誰も知らない。

Fin

《この物語はフィクションです。実在の人物・団体・名称・事件等とは関係ありません。》


「アネモネ」ミズイロアシ

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