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後日談 黒木父との食事会〈野間〉終
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「じゃあまたな。次来るときも一緒に食事しよう」
岳のお父さんは、帰る俺たちを見送るため、ホテルのロビーまで一緒に降りてくれた。お父さんはこのホテルにしばらく滞在だ。
「次は肉にしてくれ」
『おおっ! 岳がリクエストっ! やっと親子って実感するなっ!』
「肉かっ。わかったっ。焼肉か? ステーキか?」
「徹平どっちがいい?」
「え? いや、俺は今日だけでいいって。次からは親子水入らずで食事しろよ」
お父さんは岳と親子の仲を取り戻したばかりなのに邪魔したくない。
するとお父さんが不思議そうな顔で俺を見る。
「お前たち一生離れないってさっき言ってただろう? じゃあもう親子じゃないか。な、徹平っ」
『息子なんだからもう徹平でいいだろ?』
「え……っ!」
お父さんが心で俺に話しかけてきた。
そんなこと岳にしかされたことがないから、あまりの不意打ちに胸が熱くなって涙があふれてしまった。それに息子って……。
岳が優しく頭をポンとするから、とうとう涙がこぼれた。袖で拭おうとしたらお父さんがハンカチで涙を吸い取り、そのハンカチを俺の手に優しくにぎらせてくれた。
「あの……お、俺……、岳……あ、黒木くん……」
「岳でいい。いつもどおりの呼び名で。もう家族なんだから」
今度はお父さんに頭をポンとされて俺の涙は崩壊した。お父さんに渡されたハンカチを慌てて目元に押し付ける。
「俺……岳しか……岳にしかこの力のこと話してなかったから……。岳以外に受け入れてもらったの初めてで……だから……」
だからすごくすごく嬉しかった。自分が思っていたよりもずっと嬉しかったんだって、お父さんに心で話しかけてもらってわかった。
岳も俺もお互い同じ力を持ってるから、理解し合えて当たり前だった。
でも力の無い普通の人に受け入れてもらえるって、こんなに嬉しいんだ。それが岳のお父さんだから、なおさら嬉しい。
「あれ? 徹平のご両親は……」
そういえばさっきはその話をしなかった。
俺は首を横にふる。
「家族は誰も知りません。本当に岳だけだったんです」
「そうだったのか……。ずっと一人で抱え込んでいたんだな。それは苦しかったね」
『徹平も岳も、本当にお互いが癒しの存在なんだな。二人が出会えて本当によかった』
「……ぅ……っ……」
いつまでも泣き止まない俺に、岳は抱きしめるように肩を組んだ。
優しく肩を撫でる岳の手に、俺はますます涙の量が増える。
『そうだよな。この力を受け入れてもらえるってすごいことだよな。俺ももっと父さんに感謝しなきゃな』
『うん……。二人でいっぱい感謝しよ』
『そうだな』
それから岳は、肩を撫でながら優しい声色で俺に聞いた。
「徹平、焼肉とステーキどっちがいい? お前肉食いたがってただろ?」
え、なんの話?
と疑問に思ったけどすぐに思い出した。夏休み前にハンバーグを食べに行こうとしてたこと。俺が肉がいいって言い張ったこと。
「や、焼肉……」
泣きながら答えると、岳もお父さんも声をそろえて笑った。
ホテルを出て、岳と手をつないで駅まで歩く。
お父さんは最後に、岳と俺に順番にハグをして笑顔で「またな」と手を振った。
アメリカ生活が長いせいで、自然と出るスキンシップにほんとドギマギした。
「なぁ岳」
「ん?」
「岳は……大学卒業したら、アメリカに行くのか……?」
お父さんは一年のほとんどをアメリカで過ごしてる。
夏休みにお父さんの仕事を手伝ったことを考えても、岳はアメリカでお父さんと一緒に働くのがきっと一番いい。せっかく親子の仲を取り戻したのに、離れてるのももったいない。
「俺は徹平と一緒にいたい」
「……いま、そういうこと聞いてねぇだろ」
「俺は、徹平といたいからアメリカには行かない」
やっぱり。岳はきっとそう言うと思ったんだ。
「俺は、岳がアメリカに行くなら……俺も行きたい」
「いや……徹平は家の仕事を継ぐんじゃないのか?」
「父さんが、甘えるなって」
「え?」
「進路くらい自分で決めろって。やりたいことちゃんとやれってさ」
ウチを継ごうなんて甘えたこと考えるなよって、まさかそんなこと言われるとは思ってなかった。
俺のやりたいこと……そんなの全然わかんないけど、岳がいるところに俺もいたい。
「アメリカ行ったらさ……。本当に結婚できるかな……」
お父さんに言われてから、もうそればっかり考えて頭から離れない。
いままで考えたことも無かったのに、もう俺、岳と結婚したくてたまらない。
「徹平。その前にクリアしなきゃダメな壁があるだろ」
「え、なにそれ。壁?」
「徹平の家に挨拶に行かないとな」
ハッとした。そうだ、そうだった。まずそこだった。
「結婚の挨拶じゃないぞ?」
「え……違ぇの?」
じゃあなんの挨拶だよ。すごいショックでガッカリした。岳は結婚したくないのかな……。
「まずは一緒に住むための挨拶だ。ちゃんと挨拶して、付き合う許可もらって、高校卒業したら一緒に住みたい」
「が、岳……っ」
「結婚はアメリカに行かなきゃできないし、それもまだ先の話だろ? まずは早く徹平と毎日一緒にいられるようにちゃんとしたい」
「岳……っ! うんっ!」
高校卒業したら一緒に住めるっ。もう一日おきじゃなくて毎日一緒にいられるっ。
「ちゃんと許可がもらえたらだぞ?」
「なぁ、はやくっ! はやく挨拶しよっ! 母さんすぐ許してくれないかも。長期戦かも。だから卒業したらすぐ一緒に住めるようにすぐ挨拶しよっ!」
「ああ、わかった。じゃあ、すぐ挨拶しよう」
「うんっ!」
『あぁ可愛い。ほんと可愛いな。いますぐ抱きしめたい』
『うんっ、いいよっ!』
『……ばぁか』
母さんびっくりするだろな。反対されるかな……。
でも岳のことは気に入ってるからきっと大丈夫だ。
俺がいま岳がいるから笑っていられるんだって、父さんも母さんもわかってる。だからきっと大丈夫。
英語もっと頑張ろう……。
だって俺……岳と結婚したい。絶対アメリカ行きたい。
岳のお父さんの会社ってどうやったら入れるんだろ。
俺でも頑張れば入れるかな。
「父さんに言えば入れてくれると思うぞ?」
「それじゃダメだろっ。ちゃんと入んねぇとっ」
「……えらいな、徹平」
「俺、ちゃんとやるっ」
「そうか。じゃあ一緒に頑張ろう」
「うんっ」
まずは俺の親に挨拶して、俺たちのこと許してもらう。まずはそこから。絶対にクリアするっ!
帰ったら父さんに相談しよ。きっと力になってくれるはず。任せろって言う父さんが簡単に想像できる。
アメリカ行って、岳と結婚。
やばい、どうしよ。想像しただけで、もういまから幸せで死にそうだ。
隣で岳が幸せそうに笑った。
『徹平、はやく帰ってキスしよう』
『キス! うんっ!』
終
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
こちらでこの作品は完結です。
後日談まで読んでくださり本当にありがとうございました♡
本棚登録をしてくださった皆さま、読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。毎日の励みでした。
皆さまのおかげで最後まで書ききることができました。本当に感謝しかありません。ありがとうございました♡
岳のお父さんは、帰る俺たちを見送るため、ホテルのロビーまで一緒に降りてくれた。お父さんはこのホテルにしばらく滞在だ。
「次は肉にしてくれ」
『おおっ! 岳がリクエストっ! やっと親子って実感するなっ!』
「肉かっ。わかったっ。焼肉か? ステーキか?」
「徹平どっちがいい?」
「え? いや、俺は今日だけでいいって。次からは親子水入らずで食事しろよ」
お父さんは岳と親子の仲を取り戻したばかりなのに邪魔したくない。
するとお父さんが不思議そうな顔で俺を見る。
「お前たち一生離れないってさっき言ってただろう? じゃあもう親子じゃないか。な、徹平っ」
『息子なんだからもう徹平でいいだろ?』
「え……っ!」
お父さんが心で俺に話しかけてきた。
そんなこと岳にしかされたことがないから、あまりの不意打ちに胸が熱くなって涙があふれてしまった。それに息子って……。
岳が優しく頭をポンとするから、とうとう涙がこぼれた。袖で拭おうとしたらお父さんがハンカチで涙を吸い取り、そのハンカチを俺の手に優しくにぎらせてくれた。
「あの……お、俺……、岳……あ、黒木くん……」
「岳でいい。いつもどおりの呼び名で。もう家族なんだから」
今度はお父さんに頭をポンとされて俺の涙は崩壊した。お父さんに渡されたハンカチを慌てて目元に押し付ける。
「俺……岳しか……岳にしかこの力のこと話してなかったから……。岳以外に受け入れてもらったの初めてで……だから……」
だからすごくすごく嬉しかった。自分が思っていたよりもずっと嬉しかったんだって、お父さんに心で話しかけてもらってわかった。
岳も俺もお互い同じ力を持ってるから、理解し合えて当たり前だった。
でも力の無い普通の人に受け入れてもらえるって、こんなに嬉しいんだ。それが岳のお父さんだから、なおさら嬉しい。
「あれ? 徹平のご両親は……」
そういえばさっきはその話をしなかった。
俺は首を横にふる。
「家族は誰も知りません。本当に岳だけだったんです」
「そうだったのか……。ずっと一人で抱え込んでいたんだな。それは苦しかったね」
『徹平も岳も、本当にお互いが癒しの存在なんだな。二人が出会えて本当によかった』
「……ぅ……っ……」
いつまでも泣き止まない俺に、岳は抱きしめるように肩を組んだ。
優しく肩を撫でる岳の手に、俺はますます涙の量が増える。
『そうだよな。この力を受け入れてもらえるってすごいことだよな。俺ももっと父さんに感謝しなきゃな』
『うん……。二人でいっぱい感謝しよ』
『そうだな』
それから岳は、肩を撫でながら優しい声色で俺に聞いた。
「徹平、焼肉とステーキどっちがいい? お前肉食いたがってただろ?」
え、なんの話?
と疑問に思ったけどすぐに思い出した。夏休み前にハンバーグを食べに行こうとしてたこと。俺が肉がいいって言い張ったこと。
「や、焼肉……」
泣きながら答えると、岳もお父さんも声をそろえて笑った。
ホテルを出て、岳と手をつないで駅まで歩く。
お父さんは最後に、岳と俺に順番にハグをして笑顔で「またな」と手を振った。
アメリカ生活が長いせいで、自然と出るスキンシップにほんとドギマギした。
「なぁ岳」
「ん?」
「岳は……大学卒業したら、アメリカに行くのか……?」
お父さんは一年のほとんどをアメリカで過ごしてる。
夏休みにお父さんの仕事を手伝ったことを考えても、岳はアメリカでお父さんと一緒に働くのがきっと一番いい。せっかく親子の仲を取り戻したのに、離れてるのももったいない。
「俺は徹平と一緒にいたい」
「……いま、そういうこと聞いてねぇだろ」
「俺は、徹平といたいからアメリカには行かない」
やっぱり。岳はきっとそう言うと思ったんだ。
「俺は、岳がアメリカに行くなら……俺も行きたい」
「いや……徹平は家の仕事を継ぐんじゃないのか?」
「父さんが、甘えるなって」
「え?」
「進路くらい自分で決めろって。やりたいことちゃんとやれってさ」
ウチを継ごうなんて甘えたこと考えるなよって、まさかそんなこと言われるとは思ってなかった。
俺のやりたいこと……そんなの全然わかんないけど、岳がいるところに俺もいたい。
「アメリカ行ったらさ……。本当に結婚できるかな……」
お父さんに言われてから、もうそればっかり考えて頭から離れない。
いままで考えたことも無かったのに、もう俺、岳と結婚したくてたまらない。
「徹平。その前にクリアしなきゃダメな壁があるだろ」
「え、なにそれ。壁?」
「徹平の家に挨拶に行かないとな」
ハッとした。そうだ、そうだった。まずそこだった。
「結婚の挨拶じゃないぞ?」
「え……違ぇの?」
じゃあなんの挨拶だよ。すごいショックでガッカリした。岳は結婚したくないのかな……。
「まずは一緒に住むための挨拶だ。ちゃんと挨拶して、付き合う許可もらって、高校卒業したら一緒に住みたい」
「が、岳……っ」
「結婚はアメリカに行かなきゃできないし、それもまだ先の話だろ? まずは早く徹平と毎日一緒にいられるようにちゃんとしたい」
「岳……っ! うんっ!」
高校卒業したら一緒に住めるっ。もう一日おきじゃなくて毎日一緒にいられるっ。
「ちゃんと許可がもらえたらだぞ?」
「なぁ、はやくっ! はやく挨拶しよっ! 母さんすぐ許してくれないかも。長期戦かも。だから卒業したらすぐ一緒に住めるようにすぐ挨拶しよっ!」
「ああ、わかった。じゃあ、すぐ挨拶しよう」
「うんっ!」
『あぁ可愛い。ほんと可愛いな。いますぐ抱きしめたい』
『うんっ、いいよっ!』
『……ばぁか』
母さんびっくりするだろな。反対されるかな……。
でも岳のことは気に入ってるからきっと大丈夫だ。
俺がいま岳がいるから笑っていられるんだって、父さんも母さんもわかってる。だからきっと大丈夫。
英語もっと頑張ろう……。
だって俺……岳と結婚したい。絶対アメリカ行きたい。
岳のお父さんの会社ってどうやったら入れるんだろ。
俺でも頑張れば入れるかな。
「父さんに言えば入れてくれると思うぞ?」
「それじゃダメだろっ。ちゃんと入んねぇとっ」
「……えらいな、徹平」
「俺、ちゃんとやるっ」
「そうか。じゃあ一緒に頑張ろう」
「うんっ」
まずは俺の親に挨拶して、俺たちのこと許してもらう。まずはそこから。絶対にクリアするっ!
帰ったら父さんに相談しよ。きっと力になってくれるはず。任せろって言う父さんが簡単に想像できる。
アメリカ行って、岳と結婚。
やばい、どうしよ。想像しただけで、もういまから幸せで死にそうだ。
隣で岳が幸せそうに笑った。
『徹平、はやく帰ってキスしよう』
『キス! うんっ!』
終
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
こちらでこの作品は完結です。
後日談まで読んでくださり本当にありがとうございました♡
本棚登録をしてくださった皆さま、読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。毎日の励みでした。
皆さまのおかげで最後まで書ききることができました。本当に感謝しかありません。ありがとうございました♡
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