21 / 76
20 サイファと二人
しおりを挟む
ムーンシュタイナー領が水没してから、おおよそ二ヶ月が過ぎた。サイファが来てからは、ひと月が経過している。季節は夏に移り変わり、まだ朝だというのに、湖の水面から照り返す日光は眩しく熱を帯びている。
水面を割りながら力強く前へ進む木船の脇を、七色に輝く魔魚の群れが通り過ぎていった。当初、あまりにも好調な魔魚料理販売に、この速度で魔魚を乱獲したら拙いのではという心配もあった。
だが実際に蓋を開けてみれば、漁獲量は一切落ち込まず、魚影の数も全く減っていない。むしろ増えている様に見えることから、魔魚の繁殖率は高いのでは、と考えられ始めているところだった。
七色の魔魚の群れよりも深い場所を、赤く発光した大きな魚影が優雅に泳いでいく。時折魔泉から新種の大型魔魚が突如現れることはあったが、七色の魔魚という餌が豊富にあるからか、これまで人や船が被害に遭ったことはなかった。
尚、何とかあの赤い魔魚を捕まえられないかと領民たちが釣りに励んでも、赤の魔魚は水面近くまでその姿を見せにきたことは一度もない。
もしかしたら元々は深海に住む種類なのかもしれないぞ、とは各地を旅して見聞が広いサイファの意見だ。深海魚には脂身が多く含まれているとサイファが漏らした為、領民は「いつか捕まえて味わいたい」と投網の導入の検討を始めたところだった。
領民は商魂逞しいが、食欲も旺盛なのである。
「風が気持ちいいわね」
マーリカは、広い帽子のつばを両手で掴み、日差しを避けながら、高揚を隠し切れない表情でサイファに話しかけた。帽子を被らないとどうなるか分かってますね? とキラに脅しの様な注意を受けてきたので、肩と腕には日除けの肩掛けがしっかりと巻かれている。
「肌が赤くなったら、大変なのはお嬢ですよ。まあ俺は全然治すのはぜーんぜん! 構わないのでいいですけど」と言われて日焼けをして帰るほど、マーリカの心臓は強く出来ていなかった。
キラにうまく転がされている自覚はあったものの、いざ本当に日焼けで赤くなった時のことを考えただけで、顔面に枕を押し付けて寝台の上を転がり回るくらい恥ずかしくなった。
そんなマーリカなので、勿論実践など耐えられる筈がない。下手をすると、領地を水浸しにしたあの水魔法を錯乱して唱えかねない。今度こそ領地全てが水没したら、これまでの苦労が水の泡だ。
そんなキラだったが、散々マーリカに注意しておいた癖に、現在ここにはいない。サイファと大工のラッシュ作である組み立て式の小型木船初号機に乗っているのは、マーリカと漕ぎ手のサイファの二人だけだった。
勿論、キラも直前まで共に市場まで行くつもりでいた。だが今朝になり、ムーンシュタイナー卿が支払い期日の近い請求書の存在を失念し、且つ一週間以上帳簿を付けていなかったことが発覚したのだ。
ムーンシュタイナー卿に張り付いて逃げないか見張っていないといけなくなってしまったキラは、マーリカに今日は市場に行くのをやめませんかと提案した。
だがマーリカにはとある思惑があった為、「あら、サイファがいるから大丈夫よ!」と笑顔で返してしまう。まさか断られると思っていなかったのか、キラが面食らった様に口を閉じた。その瞬間、サイファが追い討ちをかけるように「そうそう、お嬢は俺が面倒みるから。キラ、お前少し過保護だぞ」と言ったのだ。
二人に断られた瞬間、キラの表情は無表情のまま固まった。いつも小言ばかりのキラが、何も言わない。これは拙かったかとマーリカが不安になりかけた頃、キラは「……分かりました」と温度を感じさせない普段より低めの声で答えたのだった。
ピリピリとした雰囲気に居心地の悪さを覚え、マーリカとサイファは顔を見合わせる。キラは二人に一瞥をくれると、くるりと振り返り――そろりと逃げようとしていたムーンシュタイナー卿を見つけた。
キラは即座に微弱な雷魔法を掛けて「ぎゃっ」と痺れて動けなくなったムーンシュタイナー卿の襟首を引っ掴むと、「さっさと片付けましょうね。逃げたらもっと強い魔法を使いますよ」と執務室へと引き摺っていった。
雇い主に攻撃魔法を掛けるのもどうなのかという話もあるが、そもそも逃げようとするムーンシュタイナー卿に原因がある。そんな訳で「いやあ、この国の従者って立場が強いんだなあ」「お父様を管理出来るのはキラだけですしね」と噛み合っているのか微妙な会話を後ろで交わしながら、マーリカとサイファは二人の背中を見送った。
階段の先に消えようとしていたところで、キラが銀髪をふわりと宙に舞わせながら振り返る。
「サイファ! お嬢から絶対目を離すんじゃないぞ!」
「おー。分かってるって。任せなー!」
「……ちっ」
サイファがにこやかに応えると、キラは心底苛立たしげな顔で遠慮のない舌打ちをした。そしてそのまま「ほら! 働きますよ!」とムーンシュタイナー卿を連れ去っていった、ということが今朝あったのだ。
微妙なニヤニヤ笑いを浮かべながら、サイファが城の方面に向かって顎をしゃくる。
「てっきりマーリカ様は、キラが行かないなら自分もって言うかと思ってたんだけどな」
ギイー、ギイー、と勇ましく櫂を漕ぎながら、サイファがマーリカに苦笑を見せた。太さのある腕には力が籠り、動きに沿って筋肉が浮き上がる。元傭兵というのは本当らしく、その腕には戦いで出来たと思われる傷の痕が無数見受けられた。
「……実は、キラに内緒でしたいことがあったの」
マーリカが、目を輝かせながらサイファを見つめる。そんなマーリカを、サイファは眩しそうに目を細めながら見返した。穏やかな声色で、マーリカに問う。
「キラに隠し事なんて、マーリカ様も相変わらず大胆だな。ばれたらキラの血管が切れるんじゃないか?」
低めのクスクスという笑い声は、マーリカを非難するものではない。むしろ、マーリカを見守ろうとする類のものに聞こえた。
「だって、キラを驚かせたかったんだもの」
「驚かせる? しょっちゅうやってる気が……」
「そういうのではなくてよ!」
「あははっ」
サイファは今年で二十五になるそうだ。マーリカとは九つ離れているからか、兄の様な大らかな態度でマーリカに接してくれている。サイファがもつその大らかな雰囲気を、マーリカは嫌いではなかった。
キラと二人でいる時の異常な心臓の動きがサイファとでは確認されないこともあり、マーリカにとってこの異国人は、今や気の置けない兄の様な存在に変わっていた。
「――で? それで何か俺にお願いがあるって感じかな?」
「そうなのよ! 【マグナム】が売れた後でいいのだけれど……」
「うんうん?」
最初こそ丁寧な口調だったサイファだったが、マーリカが遠慮するなと何度も伝えたので、最近ではすっかり砕けきった口調になっている。
キラはどうもそれが気に食わないらしく、事ある毎に「お嬢はもう少し距離感てものを覚えないと駄目ですよ」と小言を言ってきた。
だが、そもそもキラの口調とてかなり崩れているものだろうと言い返すと、「俺はいいんです、俺は」と言って、何を考えているかいまいち読めない切れ長な青い瞳を逸らされた。
キラはよくてサイファが何故駄目なのかを考えてみたマーリカだったが、「異国人だからかしら」という考えをキラに伝えてみたところ、溜息を吐かれた。よく分からない。
マーリカが、おっとりとして見える柔らかな笑みを浮かべた。
「付き合ってもらいたいことがあるのよ」
「ん? そりゃまあ構わないが……何をするんだ?」
サイファが尋ねても、マーリカは微笑むだけで答えなかった。照れくさい、というのがマーリカの言い分である。
「まあ、それはその時に……。な、なので、時間が欲しいので頑張って売りましょうね!」
「ははっ、分かった分かった。しかし頼もしいご令嬢だなあ」
サイファは、見た目にそぐわず大胆で元気一杯とここのところ噂になっている自分の護衛対象に微笑み掛けると、「よーし! じゃあ急ぐか!」と櫂を漕ぐ腕に更に力を込めたのだった。
水面を割りながら力強く前へ進む木船の脇を、七色に輝く魔魚の群れが通り過ぎていった。当初、あまりにも好調な魔魚料理販売に、この速度で魔魚を乱獲したら拙いのではという心配もあった。
だが実際に蓋を開けてみれば、漁獲量は一切落ち込まず、魚影の数も全く減っていない。むしろ増えている様に見えることから、魔魚の繁殖率は高いのでは、と考えられ始めているところだった。
七色の魔魚の群れよりも深い場所を、赤く発光した大きな魚影が優雅に泳いでいく。時折魔泉から新種の大型魔魚が突如現れることはあったが、七色の魔魚という餌が豊富にあるからか、これまで人や船が被害に遭ったことはなかった。
尚、何とかあの赤い魔魚を捕まえられないかと領民たちが釣りに励んでも、赤の魔魚は水面近くまでその姿を見せにきたことは一度もない。
もしかしたら元々は深海に住む種類なのかもしれないぞ、とは各地を旅して見聞が広いサイファの意見だ。深海魚には脂身が多く含まれているとサイファが漏らした為、領民は「いつか捕まえて味わいたい」と投網の導入の検討を始めたところだった。
領民は商魂逞しいが、食欲も旺盛なのである。
「風が気持ちいいわね」
マーリカは、広い帽子のつばを両手で掴み、日差しを避けながら、高揚を隠し切れない表情でサイファに話しかけた。帽子を被らないとどうなるか分かってますね? とキラに脅しの様な注意を受けてきたので、肩と腕には日除けの肩掛けがしっかりと巻かれている。
「肌が赤くなったら、大変なのはお嬢ですよ。まあ俺は全然治すのはぜーんぜん! 構わないのでいいですけど」と言われて日焼けをして帰るほど、マーリカの心臓は強く出来ていなかった。
キラにうまく転がされている自覚はあったものの、いざ本当に日焼けで赤くなった時のことを考えただけで、顔面に枕を押し付けて寝台の上を転がり回るくらい恥ずかしくなった。
そんなマーリカなので、勿論実践など耐えられる筈がない。下手をすると、領地を水浸しにしたあの水魔法を錯乱して唱えかねない。今度こそ領地全てが水没したら、これまでの苦労が水の泡だ。
そんなキラだったが、散々マーリカに注意しておいた癖に、現在ここにはいない。サイファと大工のラッシュ作である組み立て式の小型木船初号機に乗っているのは、マーリカと漕ぎ手のサイファの二人だけだった。
勿論、キラも直前まで共に市場まで行くつもりでいた。だが今朝になり、ムーンシュタイナー卿が支払い期日の近い請求書の存在を失念し、且つ一週間以上帳簿を付けていなかったことが発覚したのだ。
ムーンシュタイナー卿に張り付いて逃げないか見張っていないといけなくなってしまったキラは、マーリカに今日は市場に行くのをやめませんかと提案した。
だがマーリカにはとある思惑があった為、「あら、サイファがいるから大丈夫よ!」と笑顔で返してしまう。まさか断られると思っていなかったのか、キラが面食らった様に口を閉じた。その瞬間、サイファが追い討ちをかけるように「そうそう、お嬢は俺が面倒みるから。キラ、お前少し過保護だぞ」と言ったのだ。
二人に断られた瞬間、キラの表情は無表情のまま固まった。いつも小言ばかりのキラが、何も言わない。これは拙かったかとマーリカが不安になりかけた頃、キラは「……分かりました」と温度を感じさせない普段より低めの声で答えたのだった。
ピリピリとした雰囲気に居心地の悪さを覚え、マーリカとサイファは顔を見合わせる。キラは二人に一瞥をくれると、くるりと振り返り――そろりと逃げようとしていたムーンシュタイナー卿を見つけた。
キラは即座に微弱な雷魔法を掛けて「ぎゃっ」と痺れて動けなくなったムーンシュタイナー卿の襟首を引っ掴むと、「さっさと片付けましょうね。逃げたらもっと強い魔法を使いますよ」と執務室へと引き摺っていった。
雇い主に攻撃魔法を掛けるのもどうなのかという話もあるが、そもそも逃げようとするムーンシュタイナー卿に原因がある。そんな訳で「いやあ、この国の従者って立場が強いんだなあ」「お父様を管理出来るのはキラだけですしね」と噛み合っているのか微妙な会話を後ろで交わしながら、マーリカとサイファは二人の背中を見送った。
階段の先に消えようとしていたところで、キラが銀髪をふわりと宙に舞わせながら振り返る。
「サイファ! お嬢から絶対目を離すんじゃないぞ!」
「おー。分かってるって。任せなー!」
「……ちっ」
サイファがにこやかに応えると、キラは心底苛立たしげな顔で遠慮のない舌打ちをした。そしてそのまま「ほら! 働きますよ!」とムーンシュタイナー卿を連れ去っていった、ということが今朝あったのだ。
微妙なニヤニヤ笑いを浮かべながら、サイファが城の方面に向かって顎をしゃくる。
「てっきりマーリカ様は、キラが行かないなら自分もって言うかと思ってたんだけどな」
ギイー、ギイー、と勇ましく櫂を漕ぎながら、サイファがマーリカに苦笑を見せた。太さのある腕には力が籠り、動きに沿って筋肉が浮き上がる。元傭兵というのは本当らしく、その腕には戦いで出来たと思われる傷の痕が無数見受けられた。
「……実は、キラに内緒でしたいことがあったの」
マーリカが、目を輝かせながらサイファを見つめる。そんなマーリカを、サイファは眩しそうに目を細めながら見返した。穏やかな声色で、マーリカに問う。
「キラに隠し事なんて、マーリカ様も相変わらず大胆だな。ばれたらキラの血管が切れるんじゃないか?」
低めのクスクスという笑い声は、マーリカを非難するものではない。むしろ、マーリカを見守ろうとする類のものに聞こえた。
「だって、キラを驚かせたかったんだもの」
「驚かせる? しょっちゅうやってる気が……」
「そういうのではなくてよ!」
「あははっ」
サイファは今年で二十五になるそうだ。マーリカとは九つ離れているからか、兄の様な大らかな態度でマーリカに接してくれている。サイファがもつその大らかな雰囲気を、マーリカは嫌いではなかった。
キラと二人でいる時の異常な心臓の動きがサイファとでは確認されないこともあり、マーリカにとってこの異国人は、今や気の置けない兄の様な存在に変わっていた。
「――で? それで何か俺にお願いがあるって感じかな?」
「そうなのよ! 【マグナム】が売れた後でいいのだけれど……」
「うんうん?」
最初こそ丁寧な口調だったサイファだったが、マーリカが遠慮するなと何度も伝えたので、最近ではすっかり砕けきった口調になっている。
キラはどうもそれが気に食わないらしく、事ある毎に「お嬢はもう少し距離感てものを覚えないと駄目ですよ」と小言を言ってきた。
だが、そもそもキラの口調とてかなり崩れているものだろうと言い返すと、「俺はいいんです、俺は」と言って、何を考えているかいまいち読めない切れ長な青い瞳を逸らされた。
キラはよくてサイファが何故駄目なのかを考えてみたマーリカだったが、「異国人だからかしら」という考えをキラに伝えてみたところ、溜息を吐かれた。よく分からない。
マーリカが、おっとりとして見える柔らかな笑みを浮かべた。
「付き合ってもらいたいことがあるのよ」
「ん? そりゃまあ構わないが……何をするんだ?」
サイファが尋ねても、マーリカは微笑むだけで答えなかった。照れくさい、というのがマーリカの言い分である。
「まあ、それはその時に……。な、なので、時間が欲しいので頑張って売りましょうね!」
「ははっ、分かった分かった。しかし頼もしいご令嬢だなあ」
サイファは、見た目にそぐわず大胆で元気一杯とここのところ噂になっている自分の護衛対象に微笑み掛けると、「よーし! じゃあ急ぐか!」と櫂を漕ぐ腕に更に力を込めたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる