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75 【最終話】ムーンシュタイナーの民は逞しい
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三国間会談からひと月が経った。
マーリカの自室の露台から見下ろせる湖が、朝日を反射して眩しく煌めく。
「マーリカ、支度は終わったかい?」
待機していたマーリカを、めかしこんだムーンシュタイナー卿が迎えに来た。執事ゴーランの妻、マーヤが代わりに答える。
「完璧ですよ、旦那様」
「うわ、本当だ……女神がいるよ」
頬を赤く染めた父親に褒められて、マーリカははにかんだ。
「えへへ、マーヤがお母様に瓜二つだって言ってるんですけど、そうなんですか?」
「うん……っ!」
ムーンシュタイナー卿は、早くも目尻に涙を浮かべ始める。
「お父様ってば、気が早いですよ」
マーリカが駆け寄ると、ムーンシュタイナー卿は泣き顔に笑みを浮かべた。マーリカに腕を差し出すと、おどけた様子で片目を閉じる。
「……さあ、行こうか。キラが首を長くして待ってるから」
「はい!」
マーリカはムーンシュタイナー卿の腕に手を置いた。一階の大広間まで、親子ふたり、こうして一緒に向かうのだ。
「はあ……それにしても、あっという間の一ヶ月だったよ……」
やや疲れた顔で、ムーンシュタイナー卿がへらりと笑った。マーリカは同情顔で頷く。
「とんでもなく激務でしたものね」
これまでの父親と同じ人とは思えない働きっぷり、いや働かされっぷりに、今までムーンシュタイナー卿はあえて手を抜いていたのだとマーリカは知った。それほどに父がこなす仕事量は多く多岐に渡り、「まだここの領主だから!」と意地でもムーンシュタイナー領から離れようとしない父親の元には、連日王都から官たちが訪れた。
キラが呆れ顔で「王都に行って下さいよ、こっちの仕事はやっときますんで」と言うと、ムーンシュタイナー卿は「やだ! まだ僕は領主だー!」と泣き真似をしては官たちを困らせていた。「あ、これ嘘泣きなんで騙されないで下さいね」とキラが彼らに助言を与えたことで、官たちはキラに「ムーンシュタイナー卿取り扱い説明講座」を開く様依頼されているのは可笑しかった。
実際に講座を受けた後、官たちのムーンシュタイナー卿に対する態度に遠慮がなくなったので、かなりの効果があったと思われる。
結局ムーンシュタイナー卿は今日この日を迎えるまで、絶対にムーンシュタイナー領を離れなかった。国王に幾度も招集されているにも関わらずである。「僕はまだ領主なので宰相じゃありません。用があればそちらから来て下さい」と恐ろしい伝言を残すと、なんと本当に国王自ら来させてしまった。
結局「戻るのが面倒だ」と国王が言い出したことで、後半は毎晩国王と一緒に晩餐を、というとんでもない状況になってしまったのは、今でも笑えない。
尚、一番驚いたのは領民である。だが、ムーンシュタイナー領の民は逞しい。あっという間に国王に馴染むと、一緒に魔魚を釣ったり、酒盛りをしたりしていた。キラはそれを見てみないふりをし、「……まだムーンシュタイナー領の領主は俺ではないですもんね」と責任をムーンシュタイナー卿に押し付けたという。
すっかりムーンシュタイナー領に馴染み切ってしまった国王は、更に今日も参列するのだと言い張った。ということで、なんとロイ国王は現在、ムーンシュタイナー領の領民に混じってマーリカが来るのを待ち侘びているらしい。恐ろしかった。
ムーンシュタイナー卿が、凝りもせず言う。
「……もうちょっと先延ばしにしてもよかったのになあ」
「お父様ってば、もうずっとそればっかりですよ」
「だって寂しいもんなあ。僕のマーリカが……」
ヨヨヨと泣き真似をする父親の姿は情けなかったが、それだけこの人に愛されているのだと思うと、マーリカの胸にじんとしたものが湧き上がった。
一階まで階段で降りると、普段は質素にすぎる通路が花で埋め尽くされている。これは国王が用意させたもので、「私が用意すると言ったのに何もさせてくれなかったから、これくらいはさせてくれ」と笑顔で言われたものだ。
花の通り道を、二人会話をしながら歩く。母の墓前には、昨夜の内に行った。出来れば彼女が生きている間にこの晴れ姿を見せてあげたかった。だけど叶わないのは分かっているからこそ、自分は長生きをしようとマーリカは決めた。決めてどうなるものではない気もするが、とりあえず決めたのだ。だからこれからは、無茶はしない。――大きな無茶は。
大広間から、領民たちの楽しそうな話し声が聞こえてきた。
すると、ムーンシュタイナー卿の足の進みがゆっくりになる。
「……マーリカ」
泣きそうな声で名を呼ばれ、マーリカは父親を見上げた。潤んだ瞳のムーンシュタイナー卿が、微笑みながらマーリカを見つめている。
「今日まで、僕は君を守っているつもりでいた」
「お父様……?」
「だけど気付いたら、君を守っているのはいつの間にか僕じゃなくなっていた」
ムーンシュタイナー卿が、マーリカのおでこに小さなキスをした。
「君の隣には、これから先ずっとキラがいてくれる。楽しい時も辛い時も、いつでも支え合い笑い合える相手が」
「……はい」
マーリカの瞳にも、涙が滲む。喉の奥がキュッと苦しくなった。
「――幸せになるんだよ、僕のマーリカ」
「……はい、お父様。必ずや」
互いに涙目で微笑み合うと、二人は再び歩き出す。今度は速度を緩めることなく、大広間の入り口まで辿り着いた。二人が姿を現した途端、大広間から歓声が湧く。
「――いらしたぞ!」
「わあっ! マーリカ様、綺麗!」
花の絨毯が敷かれた中央の道を、領民たちに歓迎されながら進んだ。
花の絨毯の最奥には、国王が王都から呼んだ大聖堂の神父と、自身の銀髪と同じ銀色の正装に身を包んだキラの姿がある。
マーリカを見たキラの瞳が、驚きで見開かれた。口がうっすらと開き、マーリカの名を声を出さずに呼んだのが動きから分かる。
領民たちと共に最前列にいたのは国王に幾人かの王都の官、そして――。
「サイファ!?」
褐色の肌の大きな男が、にこやかに手を振った。その隣にいるのは。
「マーリカぁ……っグズッ」
なんと、隣領の口ひげ令息、シヴァ・ナイワールが鼻を真っ赤にして泣いているではないか。
「まあそう泣くな、坊っちゃんよ。同じ失恋者同士、祝いの後は飲み食いしてやろうぜ」
「うう、お前実はいいヤツだったんだな……! あの時はすまなかった……っ」
「いいってことよ。さ、祝ってやろうぜ」
「ああ……っ」
サイファとシヴァは、肩を組んでそんなことを話していた。意外なところが仲良くなったものだと、マーリカは驚愕で目を見開く。
キラの前まで行くと、ムーンシュタイナー卿が立ち止まった。
穏やかな笑みを浮かべ、マーリカに声を掛ける。
「さあ、マーリカ」
「……はい」
マーリカは小さく頷くと、ムーンシュタイナー卿の腕から手を離し、自分を熱心に見つめるキラに手を差し伸べた。キラは真剣な顔をしてマーリカの手を取ると、マーリカを神父の前に連れて行く。
神父は祈りの言葉を捧げると、二人に向き直った。
「――新郎、キーラム・アルバトナ・メイテールは、新婦、マーリカ・グロリア・ナダス・ムーンシュタイナーを妻とし、死が二人を別つ時まで愛すると誓いますか」
「誓います」
「新婦、マーリカ・グロリア・ナダス・ムーンシュタイナーは、新郎、キーラム・アルバトナ・メイテールを夫とし、死が二人を別つ時まで愛すると誓いますか」
「ち、誓います!」
やや大きな声が出てしまった。神父はうっすらと微笑むと、「今ここに新たな夫婦が誕生致しました。新郎新婦のお二人は、誓いのキスを」と告げる。
「あああ、マーリカ……!」
「泣くなシヴァ!」
とかいう声が聞こえるが、マーリカの目にはキラしか映っていなかった。キラが、震える掠れ声で呟く。
「お嬢……っ」
いっぱいいっぱいになると、お嬢に戻るらしい。
そして、突然躊躇いなくガッとマーリカの項を片手で掴むと、マーリカが目を見開いている間に噛みつく様なキスをしてきた。
「ぶふっ!」
勢いのあまり、変な息が漏れる。
――それにしても長い。その内もう片方の手が腰に伸びてきて、身体まで引き寄せられた。
参列客からも、ザワザワとした声が聞こえ始める。
結婚式のキスは、こんなに長くガツガツしたものなのか。
マーリカが焦っていると。
城の外から、「うわあああっ!」という男たちの叫び声が聞こえてきた。唇が重なったまま、キラが迷惑そうに目を開ける。
大広間に飛び込んできた国王の護衛兵のひとりが、報告した。
「ま、魔物です! 大きな蛇の魔物が!」
「――チッ」
嫌々顔を離したキラが、思い切り舌打ちをする。
「おじょ……マーリカはここに……」
「さあキラ! 【マグナム】を作るわよ!」
拳を握り締めて力強く頷くマーリカを見て、キラが目を見開き――そして破顔一笑、頷いた。
「そうですね、俺のマーリカはそうでなくちゃ」
その言葉に、マーリカの顔にも満面の笑みが咲く。
「ええ、そうよ! ムーンシュタイナーの民は逞しいんだから!」
各々臨戦体勢に入った領民と共に、キラとマーリカが外へ駆けていく。
それを唖然とした表情で眺めていた国王と目が合ったムーンシュタイナー卿は、肩を竦めると楽しそうに笑ったのだった。
マーリカの自室の露台から見下ろせる湖が、朝日を反射して眩しく煌めく。
「マーリカ、支度は終わったかい?」
待機していたマーリカを、めかしこんだムーンシュタイナー卿が迎えに来た。執事ゴーランの妻、マーヤが代わりに答える。
「完璧ですよ、旦那様」
「うわ、本当だ……女神がいるよ」
頬を赤く染めた父親に褒められて、マーリカははにかんだ。
「えへへ、マーヤがお母様に瓜二つだって言ってるんですけど、そうなんですか?」
「うん……っ!」
ムーンシュタイナー卿は、早くも目尻に涙を浮かべ始める。
「お父様ってば、気が早いですよ」
マーリカが駆け寄ると、ムーンシュタイナー卿は泣き顔に笑みを浮かべた。マーリカに腕を差し出すと、おどけた様子で片目を閉じる。
「……さあ、行こうか。キラが首を長くして待ってるから」
「はい!」
マーリカはムーンシュタイナー卿の腕に手を置いた。一階の大広間まで、親子ふたり、こうして一緒に向かうのだ。
「はあ……それにしても、あっという間の一ヶ月だったよ……」
やや疲れた顔で、ムーンシュタイナー卿がへらりと笑った。マーリカは同情顔で頷く。
「とんでもなく激務でしたものね」
これまでの父親と同じ人とは思えない働きっぷり、いや働かされっぷりに、今までムーンシュタイナー卿はあえて手を抜いていたのだとマーリカは知った。それほどに父がこなす仕事量は多く多岐に渡り、「まだここの領主だから!」と意地でもムーンシュタイナー領から離れようとしない父親の元には、連日王都から官たちが訪れた。
キラが呆れ顔で「王都に行って下さいよ、こっちの仕事はやっときますんで」と言うと、ムーンシュタイナー卿は「やだ! まだ僕は領主だー!」と泣き真似をしては官たちを困らせていた。「あ、これ嘘泣きなんで騙されないで下さいね」とキラが彼らに助言を与えたことで、官たちはキラに「ムーンシュタイナー卿取り扱い説明講座」を開く様依頼されているのは可笑しかった。
実際に講座を受けた後、官たちのムーンシュタイナー卿に対する態度に遠慮がなくなったので、かなりの効果があったと思われる。
結局ムーンシュタイナー卿は今日この日を迎えるまで、絶対にムーンシュタイナー領を離れなかった。国王に幾度も招集されているにも関わらずである。「僕はまだ領主なので宰相じゃありません。用があればそちらから来て下さい」と恐ろしい伝言を残すと、なんと本当に国王自ら来させてしまった。
結局「戻るのが面倒だ」と国王が言い出したことで、後半は毎晩国王と一緒に晩餐を、というとんでもない状況になってしまったのは、今でも笑えない。
尚、一番驚いたのは領民である。だが、ムーンシュタイナー領の民は逞しい。あっという間に国王に馴染むと、一緒に魔魚を釣ったり、酒盛りをしたりしていた。キラはそれを見てみないふりをし、「……まだムーンシュタイナー領の領主は俺ではないですもんね」と責任をムーンシュタイナー卿に押し付けたという。
すっかりムーンシュタイナー領に馴染み切ってしまった国王は、更に今日も参列するのだと言い張った。ということで、なんとロイ国王は現在、ムーンシュタイナー領の領民に混じってマーリカが来るのを待ち侘びているらしい。恐ろしかった。
ムーンシュタイナー卿が、凝りもせず言う。
「……もうちょっと先延ばしにしてもよかったのになあ」
「お父様ってば、もうずっとそればっかりですよ」
「だって寂しいもんなあ。僕のマーリカが……」
ヨヨヨと泣き真似をする父親の姿は情けなかったが、それだけこの人に愛されているのだと思うと、マーリカの胸にじんとしたものが湧き上がった。
一階まで階段で降りると、普段は質素にすぎる通路が花で埋め尽くされている。これは国王が用意させたもので、「私が用意すると言ったのに何もさせてくれなかったから、これくらいはさせてくれ」と笑顔で言われたものだ。
花の通り道を、二人会話をしながら歩く。母の墓前には、昨夜の内に行った。出来れば彼女が生きている間にこの晴れ姿を見せてあげたかった。だけど叶わないのは分かっているからこそ、自分は長生きをしようとマーリカは決めた。決めてどうなるものではない気もするが、とりあえず決めたのだ。だからこれからは、無茶はしない。――大きな無茶は。
大広間から、領民たちの楽しそうな話し声が聞こえてきた。
すると、ムーンシュタイナー卿の足の進みがゆっくりになる。
「……マーリカ」
泣きそうな声で名を呼ばれ、マーリカは父親を見上げた。潤んだ瞳のムーンシュタイナー卿が、微笑みながらマーリカを見つめている。
「今日まで、僕は君を守っているつもりでいた」
「お父様……?」
「だけど気付いたら、君を守っているのはいつの間にか僕じゃなくなっていた」
ムーンシュタイナー卿が、マーリカのおでこに小さなキスをした。
「君の隣には、これから先ずっとキラがいてくれる。楽しい時も辛い時も、いつでも支え合い笑い合える相手が」
「……はい」
マーリカの瞳にも、涙が滲む。喉の奥がキュッと苦しくなった。
「――幸せになるんだよ、僕のマーリカ」
「……はい、お父様。必ずや」
互いに涙目で微笑み合うと、二人は再び歩き出す。今度は速度を緩めることなく、大広間の入り口まで辿り着いた。二人が姿を現した途端、大広間から歓声が湧く。
「――いらしたぞ!」
「わあっ! マーリカ様、綺麗!」
花の絨毯が敷かれた中央の道を、領民たちに歓迎されながら進んだ。
花の絨毯の最奥には、国王が王都から呼んだ大聖堂の神父と、自身の銀髪と同じ銀色の正装に身を包んだキラの姿がある。
マーリカを見たキラの瞳が、驚きで見開かれた。口がうっすらと開き、マーリカの名を声を出さずに呼んだのが動きから分かる。
領民たちと共に最前列にいたのは国王に幾人かの王都の官、そして――。
「サイファ!?」
褐色の肌の大きな男が、にこやかに手を振った。その隣にいるのは。
「マーリカぁ……っグズッ」
なんと、隣領の口ひげ令息、シヴァ・ナイワールが鼻を真っ赤にして泣いているではないか。
「まあそう泣くな、坊っちゃんよ。同じ失恋者同士、祝いの後は飲み食いしてやろうぜ」
「うう、お前実はいいヤツだったんだな……! あの時はすまなかった……っ」
「いいってことよ。さ、祝ってやろうぜ」
「ああ……っ」
サイファとシヴァは、肩を組んでそんなことを話していた。意外なところが仲良くなったものだと、マーリカは驚愕で目を見開く。
キラの前まで行くと、ムーンシュタイナー卿が立ち止まった。
穏やかな笑みを浮かべ、マーリカに声を掛ける。
「さあ、マーリカ」
「……はい」
マーリカは小さく頷くと、ムーンシュタイナー卿の腕から手を離し、自分を熱心に見つめるキラに手を差し伸べた。キラは真剣な顔をしてマーリカの手を取ると、マーリカを神父の前に連れて行く。
神父は祈りの言葉を捧げると、二人に向き直った。
「――新郎、キーラム・アルバトナ・メイテールは、新婦、マーリカ・グロリア・ナダス・ムーンシュタイナーを妻とし、死が二人を別つ時まで愛すると誓いますか」
「誓います」
「新婦、マーリカ・グロリア・ナダス・ムーンシュタイナーは、新郎、キーラム・アルバトナ・メイテールを夫とし、死が二人を別つ時まで愛すると誓いますか」
「ち、誓います!」
やや大きな声が出てしまった。神父はうっすらと微笑むと、「今ここに新たな夫婦が誕生致しました。新郎新婦のお二人は、誓いのキスを」と告げる。
「あああ、マーリカ……!」
「泣くなシヴァ!」
とかいう声が聞こえるが、マーリカの目にはキラしか映っていなかった。キラが、震える掠れ声で呟く。
「お嬢……っ」
いっぱいいっぱいになると、お嬢に戻るらしい。
そして、突然躊躇いなくガッとマーリカの項を片手で掴むと、マーリカが目を見開いている間に噛みつく様なキスをしてきた。
「ぶふっ!」
勢いのあまり、変な息が漏れる。
――それにしても長い。その内もう片方の手が腰に伸びてきて、身体まで引き寄せられた。
参列客からも、ザワザワとした声が聞こえ始める。
結婚式のキスは、こんなに長くガツガツしたものなのか。
マーリカが焦っていると。
城の外から、「うわあああっ!」という男たちの叫び声が聞こえてきた。唇が重なったまま、キラが迷惑そうに目を開ける。
大広間に飛び込んできた国王の護衛兵のひとりが、報告した。
「ま、魔物です! 大きな蛇の魔物が!」
「――チッ」
嫌々顔を離したキラが、思い切り舌打ちをする。
「おじょ……マーリカはここに……」
「さあキラ! 【マグナム】を作るわよ!」
拳を握り締めて力強く頷くマーリカを見て、キラが目を見開き――そして破顔一笑、頷いた。
「そうですね、俺のマーリカはそうでなくちゃ」
その言葉に、マーリカの顔にも満面の笑みが咲く。
「ええ、そうよ! ムーンシュタイナーの民は逞しいんだから!」
各々臨戦体勢に入った領民と共に、キラとマーリカが外へ駆けていく。
それを唖然とした表情で眺めていた国王と目が合ったムーンシュタイナー卿は、肩を竦めると楽しそうに笑ったのだった。
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最後までお読みいただき、ありがとうございましたー(∩︎´∀︎`∩︎)!
シヴァさん、なかなかだしてあげることができず、結局最後にようやく出てこれましたw本当はもっと出したかった!でも文字数が!
そして今日もムーンシュタイナー領には元気な爆発音が鳴り響くのでした(完)
ありがとうー( ´ ▽ ` )ノ!
一度も落とさず駆け抜けました!
シヴァとサイファの友情物語が始ま・・・らないw
いつも応援ありがとうございました♪
はいはいごちそーさまー(棒)www
キラの溺愛はとまらなーい( ´ ▽ ` )ノ