運命の番はこの世に3人いるらしい

さねうずる

文字の大きさ
2 / 48

2 四度目のお別れ


「ごめん、蘭丸。」

「・・・・うん、いいよ。」

その日はネカフェに泊まって、念のためお昼ごろ家に帰った。
玄関を見て、靴が一つしかないことに安堵する。
配達員の彼はどうやら帰ったらしい。
部屋の中はめちゃくちゃ。
どんだけ激しくエッチしたんだよ。って思う。
・・・・言わないけど。

僕が家に戻った時、一応まだ彼氏の飛鳥くんはしっかり服を着て、部屋の中を片付けているところだった。
まだエッチ後の気怠さとか首周りのキスマークとか残ってて、朝のうちに帰らなかったのは正解だったと自分の決断を褒めてやりたくなる。


「何で許すの?俺、約束破ったのに。」


苦しそうな顔でそう言う飛鳥くん。
約束とは、付き合う時に彼が言ってきた約束。
すでに恋人に3回連続で運命の番が現れるというミラクルを起こしていた僕。

飛鳥くんが熱心に僕に声を掛けてくれていた時、僕は完全にお付き合いすることに後ろ向きだった。
だって、二度あることは三度ある。
なら、三度あることは四度あるでしょ?

尻込みしていた僕に飛鳥くんのが言った言葉。
「俺は例え自分に運命の番が現れたとしても、蘭丸を裏切ることはないから。信じてほしい。」

真っ直ぐで真剣なその瞳にもう一度くらい信じてもいいかも。なんて思った僕。
チョロすぎる。
そして、結果はまぁ、こんな感じ。

「しょうがないよ。実際、運命の番が現れてみないと自分がどうなるかなんて分からないものだし。それに・・・・多少は覚悟してたから。」

「・・・・っ、俺のこと信じてなかったってこと?」


えっ?どの口が言ってんの?
完全に僕が100%の力で飛鳥くんのこと信じてたら、今頃泣き喚いて、「捨てないでぇ、嘘つき~~」って床転げ回ってるよ?
一人目の時みたいに。僕の黒歴史だからこれ以上は言わないけど。
こんなに冷静に、潔く別れ話できてることに感謝してくれてもいいぐらいなのに。


「・・・・まぁ、4回目だから。多少は・・・・ね?」
「・・・・・・・・悪かった。」
「気にしないで。後の片付けは僕がやっておくから、帰ってくれるかな?今までありがとう。一年間楽しかった。ばいばい。」

何か言いたそうな飛鳥くんを多少強引に部屋から追い出すと、取り敢えずシーツを真っ先にゴミ袋に突っ込む。
ソファにも幸いカバーを掛けていたので、カバーも捨てる。
勿体無いけど、流石に元カレと配達員の彼の精液がそこら中についたものを使い続けられるほど神経太くない。

一年記念に用意していたプレゼントはどうしよう。
クローゼットに隠していたそれを引っ張り出す。

飛鳥くんが好きなブランドの新作パーカー。いっつもこのブランドの服を着てるので、もうこのロゴ見たら飛鳥くんが浮かぶくらい定着してる。
身長はさほど差がないので、自分でも着れないことはないけど見るたびに思い出しそうでなんか嫌だ。

あぁ、、、なんかこれ選んでる時の自分を思い出して泣けてきた。
これあげたら喜んでくれるだろうなぁ~ってあの時は幸せだった。
僕が買うには高かったけど、それでも記念日だしと思って奮発して買ったのに。

結局これは後で処理しようとクローゼットの奥深くに仕舞い込む。
見えないように念入りに念入りに押し込んだ。

あなたにおすすめの小説

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

いい加減観念して結婚してください

彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話 元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。 2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。 作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。

夢の中の告白

万里
BL
バレー部のムードメーカーで、クラスのどこにいても笑い声の中心にいる駆(かける)。好奇心と高いコミュニケーション能力を持つ彼は、誰とでもすぐに打ち解けるが、唯一、澪(れい)にだけは、いつも「暑苦しい」「触んな」と冷たくあしらわれていた。 そんな二人の関係が、ある日の部活帰りに一変する。 あまりの疲れに電車で寝落ちした駆の耳元で、澪が消え入りそうな声で零した「告白」。 「……好きだよ、駆」 それは、夢か現(うつつ)か判然としないほど甘く切ない響きだった。

恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。

めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。 その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。 ⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる ⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない ※全四話、予約投稿済み。 Rは書こうか悩み中です。本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。