運命の番はこの世に3人いるらしい

さねうずる

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9 アジフライの人、五人目の彼氏になる。


それから二人目の彼と付き合ってもずっと運命の番に怯えていた。
そしたら、本当に現れて思わず白目剥いた。

そのあともさすがに三人連続はないだろうと思ったけど、二度とあることは三度あった。

四人目の飛鳥くんは運命の番が現れてもきっと僕を選んでくれる。だってこんなに熱心に好きって言ってくれてるし、さすがに4度目はないよね?って思ってたら、、、4度目もあった。

そして今も、好きな人が僕を踏み台に運命の番と出会おうとしている。

7年経った今でもまさか運命の番に苦しめられるとは、思ってもみなかった。

これは呪いで間違いない。

ひとしきり満足するまで嘆きまくると、心がだいぶすっきりした。
そして、クッションから顔を上げるころには決意を固める。

うん、一ノ瀬さんと付き合おう。

え?なんで?って思うだろう。
でも、どうせここで一ノ瀬さんの告白を断っても、僕は運命の番に怯えて今後誰とも付き合わないだろう。
これから誰とも付き合えないんだとしたら最後は一ノ瀬さんがいい。
どうせ仮初の恋人なんだし思い出作りだと思おう!
これからの人生、一人で生きていくための糧にするんだ!

それに一ノ瀬さんは運命の番と出会いたがってる。
ポッと出の運命の番に一ノ瀬さんをとられるのは悔しいけど、それは僕のエゴだ。
好きな人の役に立てるならいいじゃないか。
好きな人の幸せを願えることが本当の愛ってもんだ。

自分が思ってる以上にべろべろに酔っ払っていた僕は、その勢いのまま居酒屋で交換した一ノ瀬さんの携帯にメッセージを送る。


翌朝目覚めた僕が、そのメッセージを見て叫び出すまであと6時間ーーー。


■■■■■■


「な、な、なんてことっ!?」

『こんばんは。おつき合いの件ですがお受けします。一ノ瀬さんに運命の番が現れるまでハッピー恋人ライフを送りましょう。(^3^)/』

何送ってるんだ、昨日の自分!
アホな顔文字までつけて!
ガンガン痛む頭を抱えて、ベッドに突っ伏す。

一ノ瀬さんからは僕が送った4分後に返信が来ていた。

『ありがとう。これからよろしく!』

おいおいおいおい・・・・。
僕のふざけた文章に反し、一ノ瀬さんのメッセージはだいぶシンプルだ。
温度差が凄い。

「あ~~~~」

暫くショックと二日酔いのせいでベッドから出られないでいると、ピロリン♪と携帯が鳴る。
通知には一ノ瀬さんの名前。

『おはよう。今日空いてたら恋人らしく映画でも観に行かない?初デート!』

「あ~~~。」

くそっ、もう腹を括るしかない!




車で迎えに来てくれるという一ノ瀬さんを近所の駐車場の広いコンビニで待つ。
マナーとしての買い物も済ませておいた。

「お待たせ。」

「いえ、迎えに来てくれてありがとうございます。これコーヒーよかったら。」

「ありがとう。じゃあ、行くか。」


一ノ瀬さんの車は国産の有名なやつ。
あんまり拘りはないそうで、試乗して乗りやすかったから買ったらしい。
よくCMとかで見て、かっこいいなぁ~と思ってたから実際に乗れて少し感動した。

映画館は僕が住んでる市の一番大きな駅にある映画館に行った。
一ノ瀬さんはアメコミ系の映画が好きらしい。
僕も好きだから趣味が合ってよかった。

「今回の映画って別シリーズの○○って映画と同じ世界線の話らしいですよ。」

映画が始まるまであと10分。
席に座って幕が開くのを待ってる間にパンフレットを眺めながら隣の一ノ瀬さんに話しかける。

「へ~、俺あの映画もめっちゃ好きで何度も観たな。」
「僕もです。楽しみですね。」

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