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13 ドキドキのおうちデート その2
「はぁー、腹一杯。幸せすぎ。」
「良かったです。食後のお茶入れますね。プリンはもう少しお腹慣らしてからにしましょうか。」
「うん。ありがとう。」
少しだけ開けた窓(匂いが気になってさっき少しだけ開けた)からそよそよといい風が吹いてくる。
夏だ。蝉が夏の訪れを鳴き声で知らせている。
「あー、なんかいいな、こういうの。すげえ落ち着く。」
「たまには家でゆっくりするのもいいですよね。」
「・・・・うん。なんか眠くなってきたかも。ちょっとだけ寝てもいい?」
二人並んでソファに座っていると、一ノ瀬さんが僕の肩に頭を乗せてくる。
「っ、はい。ゆっくり休んでください。あれだったらベッドを使ってもらっても・・・・」
「膝もーらい。」
僕の言葉の途中で、一ノ瀬さんが頭を僕の膝の上に移動させた。
目を丸くする僕を下から見上げて、一ノ瀬さんはヤンチャな笑みを零す。
最初はガチガチに固まっていた僕だが、一ノ瀬さんが本格的に寝息を立て始めると、段々と僕の瞼も下がってきた。
木々のさざめく音
テレビから聞こえる小さな声
膝から伝わる人肌の温かさ
全てが僕の眠気を誘う。
一ノ瀬さんの頭を撫でながらいつの間にか僕も一緒に眠っていた。
「ん?いま何時?」
目覚めると昼間より少し涼しい気がする。
眠気眼でテレビの画面を見ると時刻は16:46だった。
4時間近く眠っていたらしい。
膝を見ると一ノ瀬さんはまだスヤスヤと眠っている。
長い時間動かしていなかった脚がビリビリと痺れていたが、気持ちよさそうに寝ている一ノ瀬さんを起こすのはなんだか勿体ない。
最近仕事が忙しいのか、お昼もかき込むようにご飯を食べるとすぐに食堂から出て行ってしまう。それにメッセージもいつも遅い時間に返ってくる。
休みの日くらいはゆっくり過ごしてほしかった。
・・・・のだが、やはり脚が限界だ。
17:00まで耐えて起きなかったら、そっと抜け出してみよう。
17:00になり僕がちょっと身じろぐと、一ノ瀬さんの瞼がゆっくり開いた。
薄いキャラメル色の瞳がぼんやりと僕を見上げている。
「おはようございます。」
「んー?おはよ?」
舌ったらずなの可愛い。
心の中で身悶えてるうちに起き上がった一ノ瀬さんが伸びをする。
太ももの上に乗っていた重さがパッとなくなり、楽になったけどちょっとだけ寂しさも感じた。
「なんかすっごい寝たかも。今何時?」
「17:00ですよ。お夕飯どうします?まだ豚汁が残ってるので、おうどんでも作りましょうか?」
「まじ?いいの?やった!」
ほうれん草とモヤシもあったはず、付け合わせにお浸しでもつけよう。
豚汁うどんに卵を落として夕飯にした。
映画はまた今度にして、夜は僕が撮り溜めていたバラエティ番組を二人で見る。
僕と一ノ瀬さんは笑いのツボが絶妙にズレていてそれはそれで面白い。
「なぁなぁ、沖くん。」
「なんですか?」
「今日泊まってってもいい?」
そろそろ20:00になろうかという時間、一ノ瀬さんが唐突に聞いてきた。
ちょっと泊まってくのかなって期待してたから正直嬉しい。
「いいですよ。じゃあ、ビールとおつまみでも出しましょうか。」
「おっ!やった。」
僕が先にお風呂を済ませ、一ノ瀬さんがお風呂に入ってる間、チーズやたこわさ、枝豆など簡単なものを用意する。
準備が終わるころ、ちょうどよく一ノ瀬さんがお風呂から上がった。
「お風呂ありがとう。」
「いえ、よければ髪乾かしましょうか?」
「ほんとに?至れり尽くせりだな。」
僕は人の髪を乾かすのが好きだ。
なんかその人にとっての特別って感じがするから。
ソファの前に座った一ノ瀬さんの髪を丁寧に乾かす。
ワックスのついていない髪は意外なほど柔らかい。
前髪を下ろすと会社でのキリッとした姿とのギャップがあってなかなかに可愛いらしい。
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