運命の番はこの世に3人いるらしい

さねうずる

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17 BBQにいこう その3



「わりぃ、待たせた。」

大きなクーラーボックスを抱えた男性が、地面にそれを置き、顔を上げた瞬間、ゾクリとした悪寒が背筋を走り抜けた。

意志の強そうな切長の目とバチリと目が合う。

「蘭丸・・・・。」

彼が僕の名前をポツリとつぶいた時、思わず逃げ出したくなった。
僕のBBQトラウマ発端の人、そして僕の初恋の人、、、

「・・・・勇士くん。」

まるであの時の再現のようなシチュエーションだーーー。


「沖くん、勇士と知り合い?」

飲み物を用意し終えたらしい一ノ瀬さんがちょうどよく僕たちの様子を見ていたらしい。

何と答えようか・・・・僕が答えあぐねていると、代わりに勇士くんが口が開く。

「そ。高校が一緒だったんだよ。な?」
「う、うん。」

どうやら勇士くんは付き合ってたことは隠したいみたいだ。
僕もわざわざ言う必要もないかとそれに同調した。

「えー!すごい偶然じゃん!!」

周りにいた人たちの耳にも入ったらしく、何人かが騒ぎ立てる。

「勇士って高校のとき、どんな感じだったの?」
「えっと、生徒会長でサッカー部のキャプテンもしてて、凄い人気者でした。」

「へー!!じゃあ、モテてたんだ。恋人とかは?」
「えっと、、、僕はクラスが違ったからそこまでは・・・・」

僕が言い淀むと、勇士くんが手をパンパンッと叩き、「はい、そこまで。そろそろ乾杯しようぜ」と話題を逸らす。

そこからはみんなの意識も完全にお酒の方にいってくれたので、助かった。


僕も乾杯のあとは、それとなく勇士くんから離れるために佐藤さんの奥さん(詩織さん)たちのグループにちゃっかり混ぜてもらう。
いつも食堂のおばちゃんたちと一緒に働いているので、この女性グループにも違和感なく溶け込めた。

勇士くんが持ってきたらしい明らかに高そうなそのお肉をちょうどいい大きさに切って下味をつける。

和気藹々と話しながら、それらを網の上でじっくり焼いた。

見れば見るほど高そうないいお肉だ。
残念ながら食欲は湧かないけど。。。

僕とは打って変わって佐藤さんの奥さん(しおりさん)たちは目をキラキラさせながら、お箸をスタンバイさせている。
無邪気なその姿が可愛らしくて、勇士くんの姿を見てから落ち着かなかった心が少し和んだ。

焼けたところからトングでお肉を振り分けていくと、みんな美味しそうに頬を緩めて、お肉にかぶりついていた。

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