運命の番はこの世に3人いるらしい

さねうずる

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20 一ノ瀬視点 その2


俺は昔からよくモテた。
オメガでもベータでもアルファでも、女でも男でも、だ。

父と母の影響から遊びの関係というのは好きじゃなかったので、付き合ったらその人だけに一途であろうと努力した。

・・・・でも、

「なんですぐ連絡くれないの!?」
「ごめん、気付いてからはすぐ返したよ。」

「他にも相手がいるんでしょ!?」
「俺には君だけだから。」

「もうイヤ!!今日会ってくれないなら手首切るから!!」
「すぐ行くから、待ってて。」


誰と付き合っても上手くいかない。
俺が相手に真摯に向き合えば向き合うほど、相手は俺に依存する。
俺にはそれが重くて重くて堪らなかった。

最初はサバサバした子だったのに、付き合ってくうちに毎日何十回も電話をかけてくるようになった。

控えめな大人しい子だったのに、俺の対応で気に食わないことがあると、かなぎり声をあげて死ぬと脅してくるようになった。

どんなタイプの子と付き合ってもダメだった。


俺が悪いのか?
俺が相手と同じだけの想いを返せてないから、皆おかしくなっていくのか?

一度だけ一夜の関係を結んでみたことがある。
遊んでいると有名な子で、『一人に絞るのは無理だから真面目な関係は望まない』と本人も言っていた。

あまりいいことではないけど、そういう関係ならまた違った付き合いができるかも・・・・と思ったが、それも結局ダメだった。

彼女はその日以降、俺のストーカーになり、離れるのにかなりの労力と時間を無駄にした。


だから、もう俺には運命の番しかいないと思ったんだ。
運命の番っていうのは会った瞬間から抗い難いほどの情愛を相手に抱いてしまうものだから。
俺も相手と同じだけの愛情を持てるはず。
そこに上も下もないはずなんだ。

運命の番さえいれば、きっと俺にも叔父さんたちみたいな幸せを家庭を築くことができる。

そう思っていたのに、、、


「沖くんは俺の恋人だから、絶対にダメだ。」

自分で形式上なんて布石を打ったくせに。
いざ手放すような状況になれば、途端に惜しくなる。
矛盾した感情、自分の馬鹿さ加減に笑えてくる。


だって沖くんと本当の恋人になって、また今までの恋人たちみたいにダメになってしまったらと考えると怖いのだ。


沖くんが変わってしまうのが怖い、でも勇士に取られたくない。

これは世間一般でいう嫉妬という感情なんだと気付いている。
そして、この歳になるまでまともに嫉妬もしたことがなかったんだと、思い知らされた。

今までだって自分なりに好きだと思っていたけど、かつての恋人たちのことは本心では好きになりきれていなかったのかもしれない。


「俺は沖くんが好きだよ。だから勇士には渡せない。」

真っ直ぐ目を見てそう言うと、さっきまでニヤニヤしていた勇士がスッと表情を消す。

「蘭丸のこと、運命の番に会うための踏み台としか考えてなかったくせによく言う。」

「・・・・っ、確かに最初はそのつもりで沖くんに恋人になって欲しいとお願いした。でも、、、今は本気で彼のことを好きだと思ってる。」

勇士はそれを聞くと、鼻で笑ってバカにしたように目を細めた。

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