運命の番はこの世に3人いるらしい

さねうずる

文字の大きさ
26 / 48

26 普通すぎるおはよう


目が覚めると明るい室内、見たことのない天井、横には寝ててもかっこいい一ノ瀬さん。

飛鳥くんと別れて以来、初めてのセックス。
念のため首を確認。
・・・・うん、噛まれてない。よかった。
体も確認。
シーツは真っ白で見るからに清潔。
体も裸ではあるが綺麗に拭かれていて、どこもカピカピしていない。

僕、結構重いのに一ノ瀬さんシーツ変えて、体も拭いてくれたんだな。

寝起きで僕がぽやっとしていると、横でスヤスヤ眠っていた一ノ瀬さんもうっすら目を開けた。

「おはよ。」
「オハヨウゴザイマス。」

ぽやっとしつつ起き上がって、ちょっと気怠そうに前髪をかき上げる一ノ瀬さん。

なんか、食パンのCMの導入部分みたい。

「腰大丈夫?」
「・・・・・・・・はい。」

なんか、、、一ノ瀬さん、普通だ。
昨日結構強引な感じだったと思うんだけど、全く悪びれてもなければ、喜んでる感じでもない。
昨日のは一体なんなんだったんだろう。

「あの、、、」
「んー?」
「何で急にその、、、」
「あぁ、なんでセックスしたか?」

一ノ瀬さんは表現がストレートすぎるんだ。
昨日の情景を思い出し頬が熱くなる。

「ふふっ、真っ赤。ほんと可愛いな、蘭丸。」
「・・・・っ!」

ポポポポッと音が出そうなほど、顔の温度が急上昇した。
だって、、、だって、初めて名前呼ばれた。

直視できなくて、一ノ瀬さんの腕辺りに焦点を合わせていると、逞しい腕で引き寄せられる。
しっとりとした肌と肌が触れ合って、僕の腰に一ノ瀬さんの大きな腕が回された。

「名前呼んだだけでこんな真っ赤になっちゃうなんて。」

耳元で囁かれる低音の声音。
ゾクゾクした感覚に耐えきれなくてぎゅぅと目を瞑り、体を硬らせた。

「ハハッ、ごめんごめん。可愛くて虐めたくなった。これ以上くっつくいてるとまたやりたくなっちゃうな」

そう言って、体が離される。
ホッとしたような、残念なような?

「なんでセックスしたかだったよな?
まぁ、俺の匂いを沖くんにつけたかったからかな。勇士が沖くんにちょっかい出してきただろ?だから牽制。」

確かに、今僕の体には一ノ瀬さんの匂いがべったりだ。
一ノ瀬さんの匂いはなんだか、森に入った時みたいな木の匂いがして落ち着く。

でも、好きだからしたんだよって言ってもらえるかと思ってちょっと期待してたから、少しだけガッカリした。
僕が勇士くんに靡(なび)いたら困ると思って、牽制したってことか。
運命の番に会えなくなっちゃうもんね。

「沖くんさぁ、別れたあとも勇士と会ってたの?」
「いえ、会ったのは今回が初めてです。7年ぶりですね。」
「ふーん。今の家に住んで何年?」
「??・・・・8年ですけど。。」

なんでそんなこと聞いてくるんだろう。
一ノ瀬さんは真剣な顔で少しの間悩むと、顔を上げて口を開いた。

「沖くん、今日からここ住みなよ。」
「えっ!?いやいや、無理ですよ。」
「なんで?」

なんでって・・・・そりゃ、仮初の恋人だし、そもそもまだ付き合って数ヶ月とかだし、それになにより、

「いや、そろそろヒート来そうですし、自分んちに帰らないと。」

僕の予想だと来週あたりに来るはずだ。

ヒートを共にしたらオメガの本能なのか、相手のアルファに愛情が溢れてしまう。
これ以上、好きになったら一ノ瀬さんの運命の番が現れたとき、目も当てられない状況になるだろう。

だから僕は今までヒートを共にしたのは勇士くんだけだ。
2番目の彼以降、ヒートだけは絶対に一人で乗り越えた。勇士くんのときみたいな二の舞だけはごめんだったし、その判断は正しかったと今でも思う。

そしてそれは今回もだ。

あなたにおすすめの小説

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

いい加減観念して結婚してください

彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話 元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。 2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。 作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。

夢の中の告白

万里
BL
バレー部のムードメーカーで、クラスのどこにいても笑い声の中心にいる駆(かける)。好奇心と高いコミュニケーション能力を持つ彼は、誰とでもすぐに打ち解けるが、唯一、澪(れい)にだけは、いつも「暑苦しい」「触んな」と冷たくあしらわれていた。 そんな二人の関係が、ある日の部活帰りに一変する。 あまりの疲れに電車で寝落ちした駆の耳元で、澪が消え入りそうな声で零した「告白」。 「……好きだよ、駆」 それは、夢か現(うつつ)か判然としないほど甘く切ない響きだった。

恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。

めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。 その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。 ⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる ⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない ※全四話、予約投稿済み。 Rは書こうか悩み中です。本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。