強面騎士団長、異世界ギャルを嫁にもらう

さねうずる

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オスみが強い

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「1.2.3……1.2.3……そこのステップ違うっ」

「あうーー」

「あうーではく、『失礼致しました。』」

「……シツレーイタシマシタ」

あたしは今、超厳しい先生のもと人生初のダンスレッスンを受けております。
ダンスなんて体でリズム感じる系のしか踊ったことないし。
ちゃんと型に嵌ったダンスってめっちゃ難しい……。
あと同時に話し方とか所作のマナーまで習ってる。
このままだと母親のこと「お母様」とか呼ぶようなお嬢様になってしまうぅぅう。







「……ぴえん。」

「ぴえんじゃねぇ。全然上達してねえじゃねえか。」

最近昼間はアッくんが仕事に行ってる間に、ダンス兼マナーの先生のおうちに行って踊り狂ってる。

今は、夕飯食べ終わってアッくんに練習の成果を見せてたんだけど、ステップ間違えまくって最終的にボックスステップになった。まじ謎。

「なんか肩下げないようにとか姿勢とか意識してると足が疎かになるんだもん~~。」

足を意識しすぎると目線が下がったり、背中丸まったりするし全身に全集中するの至難の技。

「なんかさぁー、ダンスってこの形じゃなきゃだめなの?
洋画のラブコメみたいに、あたしがアッくんの首に両手回して、アッくんがあたしの腰掴むみたいなのはダメ?
あれだったら手下がんないし、アッくんが腰支えてる手であたしの動き操れるし、よくない?」

アッくんの目線が鋭くなるが、あたしには分かる。
この顔は……『意味わかってません』て顔だ。


「ちょっと一回だけやってみよ!ヒール持ってくる。」

アッくんとは身長差があるので、ダンスの時は10センチもあるヒールを履いてる。
それ履くと178センチになるけど、アッくんは190センチ超えてるからそれでも全然見上げなきゃならない。


「よしっ、じゃあアッくんそこ立っててね」

ばっちりヒール履いて、訝しげにこちらを見てるアッくんに近づく。
多分、またアホなことしようとしてんな。……みたいなことを思われてる気がする。
アッくんすぐ顔に出るから。


手の届く距離まで近づくとアッくんの両手をあたしの腰に誘導して、あたしはアッくんの首に両手を回す。

洋画の見よう見まねだけど、確かクライマックスのプロムでのダンスシーンでこんな感じに踊ってたはず……

やばー、憧れのダンスシーン再現できるっ!
そう思って見上げるとすぐそこにアッくんの顔があった……。

…………近い。ヤバい。

若葉色の綺麗な目がまっすぐあたしのこと見てる。
急にドキドキしてきて、顔に熱が集まってきた。
ヤバいヤバい。絶対顔紅いし……。

恥ずかしくなって顔を下げると今度はアッくんの逞しい首筋がすぐ目の前にくる。

筋肉が盛り上がってて、筋が妙に色っぽく感じてしまう。

どうしよ……どうしよ……
想像してた倍くらい距離近いんだけど……
胸とか当たっちゃってるし、ドキドキしてるのバレる、ヤバい……。

「…………」
「…………」

初日に一緒のベッドで寝たのに、なんかその時とは全然違う……。

アッくんの体がすぐ近くにあって、あったかくて、逞しくって、ドキドキして……それで、なんか……なんか…………


「あの……あのさ、アッくん。」

「なんだよ…………。」

恥ずかしくて顔見れないからアッくんの鎖骨に向かって話しかけると、上から返事が返ってきた。

暖炉の薪がパチパチっ小気味いい音を奏でる音だけが静かな部屋に広がってく。

いつもはせっかちなくせに、今のアッくんはあたしが話し出すのをジッと待ってる。

パキンっと薪が大きく割れた音を合図に、ゆっくりと顔を上げた。

やっぱり……アッくんは真っ直ぐあたしの目を見つめていた。
アッくんは人と話す時はしっかり目を合わせる人だから……
そういうとことかどうしようもなく……

「だいすき。」

一度出てしまえば栓が外れたかのように気持ちが言葉となって溢れ出す。

「あたしアッくんのこと大好き。
アッくんとご飯たべてるとき、最高に幸せだなっていつも胸がギュッてする。
たまに笑ってくれたら、嬉しくて泣きたくなる。
こ、こうやって触れ合ったらドキドキして……もっと……もっとアッくんに…………っん//」


言い終わらないうちに、アッくんの口づけが落ちてくる。
おっきな体で力も強いのに、触れるだけの優しい口づけ。
ふにふにすっごく柔らかくてあったかい。
何度も角度を変えては、時折いたずらっぽく下唇をついばんでくる。

答えるようにあたしもアッくんの唇をはんでみると、さっきより少しだけ強く押し付けられて、舌で唇を割開かれた。

舌を絡め取られて、くちゅくちゅといやらしい音がする。
ぬるぬるした熱くて大きな舌が口の中を掻き回していく。

上から覆いかぶさるような余裕のない口づけ……
アッくんの唾液が舌を伝い口の中に流し込まれて、飲み込むとき「んっ」と甘い声が漏れた。

「んっ、あっ……」


口の中も脳みそもトロトロに溶かされたころ、ようやく唇が離される。

恐らく今のあたしの顔はさぞやみっともないことになっているだろう。
熱に浮かされたままアッくんを見ると、切れ長の鋭い目がいつも以上にギラギラしていた。

ヤバい……アッくんオスみが強い。
自分に向けられる獲物を狩るような獰猛な目に、今にも腰砕けにされそうになっていると、アッくんの口が動いた。

「ベッド行くぞ。」

「はひ……//」
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