強面騎士団長、異世界ギャルを嫁にもらう

さねうずる

文字の大きさ
26 / 30

ピローなトークで作戦会議

しおりを挟む


「それで聖女って具体的になにすればいいの?」

お互い裸のままシーツに包まり、アッくんの腕枕から顔を起こして尋ねる。
これを世間一般的にピロートークと呼ぶ。


「セックス。」

「…………は?ちょっとよく聞こえなかった。」

「セックスすればいい。」

「聞き間違いかと思ってたけど合ってたわ。
なんでセックス⁉︎
聖なる女と書いて聖女なのに⁉︎」

「聖女と情を交わすと力を授かるんだと。」

「えー?嘘じゃないw?だってアッくん別に変わらないじゃん。それかあたしがやっぱ聖女じゃないとか?」


あたしが聖女とかやっぱ有り得ないよね。
聖なる感じ皆無だし。
それ言ったらあの子もあたしとどっこいどっこいだと思うけど、見た目だけなら確かに10:0で向こうのほうが聖女っぽくはある。


「いや、変わった。魔力が異常に増えたし、今まで腹ん中で渦巻いてるって感じだった魔力が全身に隈なく流れて正確にコントロールできるようになった。」


「ん?ちょっと待って、ちょっと待って、聞き捨てならないワードがあったけど、魔力ってなに??
えっ?この世界ってそんなメルヘン要素あったの?
シルエットがペガサスの般若馬が限界だと思ってたよ。」

アッくんのみならず知り合い全員、思い出しても魔法を使ってる素振りは皆無である。

魔法の世界ならもっとなんかこう……あるよね?


「この腕輪で普段は魔力を使えないようになってる。
危ないからな。
使っていいのは魔物を相手にする騎士だけだ。」



「何それ、そんな設定あったの?聞いてない。
言われてみれば確かに皆その腕輪してるよね。
全然気にしてなかったけど……ただ流行ってんのかと思ってた。

それで……その、話戻すけど……あたしと……その、そういうことすると……アッくんの魔力が増える?みたいな感じでいいのかな……//」

さっきまでヤってたんだけど、口にするとめっちゃ恥ずい。
ファンタジーっていうよりエロゲっぽいし。

「まぁ、そうだな。
手を繋いだり、抱き合ったり、キスするだけでもかなり増えるが、セックスは比じゃないくらい魔力が増加する。

だから、もし他の奴に知られたら狙われる可能性が高い。
そうじゃなくても、この国の男は女好きが多いからな。
お前が聖女だって分かった途端、蛆のように湧いてくるぞ。」


……それはわかる。
ここに来てから、犬も歩けば――じゃないけど、ちょっと出掛けるだけでもすぐ声を掛けられる。
モテ期到来と思って最初はちょっとだけ喜んじゃったけど、あたし以外でも声掛けられてる人はざらにいるし、彼らにとったら多分女の子に対する礼儀のひとつ?てか女の子見掛けたらしなくちゃいけないルールぐらいの認識なんじゃないかな。


「まぁ、魔力目的の人が寄ってくる可能性はあるね、確かに。気をつけよ。」

「騎士の中でも聖女と情を交わして英雄に選ばれたい奴はごまんといるからな。」

「うん?また新たなワード出てきたけど、英雄ってなに?
なんで聖女とその……エッチなことすると英雄になれるわけ?」

アッくんはよく、あたしの言ってること分かんないって言うから、最近は言葉選びを気を付けるようにしてたけど、今現在アッくんの言葉のが遥かに分かんない。

頭の中ハテナだらけのあたしのためにアッくんはこの間の会議で聞いたことを掻い摘んで教えてくれた。

氷河竜のこと……300年前の聖女のこと……あと10人の英雄のこと……。


「や、嫌だよ。アッくん以外となんてできない。」 

まじで血の気が引いた。
さっきまでなんだかんだ言って他人事のような気がしていたけど、もし無理やりそんなことをさせられると想像したら怖くて体が震える。

「大丈夫だ。俺が何とかする。氷河竜の被害を抑えるぐらいの魔力は十分に溜まっているはずだ。

お前を他の奴になんか絶対渡さねぇ。」


俺が何とかするという言葉を聞いて、さっきまで自分のことしか考えられなかった頭に、別の不安が入り込む。
…………アッくん一人で氷河竜に立ち向かうなんてどう考えても危ない。もしかしたら死んじゃうかも……。
それに失敗したら怪我する人とかもいるだろうし、アッくんが責任取らされてなんてことになったら……。

自分のことしか考えてなかったけど、あたしが少し我慢すればアッくん以外にも氷河竜に対抗できる人を用意できる。

アッくんとこの国の人を危ない目に合わせるくらいなら…………。


「何考えてるか知らんが、俺はお前を別の男に抱かせる気はない。」

俯いて黙り込んだあたしが何を考えてるかなんてアッくんには全部お見通しだ。

「……でも、アッくんがもし死んじゃったりしたら、あたし……。」

「俺が死ぬわけねえだろ。余計な心配すんな。」

それから長い時間押し問答を繰り返したけど、アッくんは「抱かせない」の一点張りで、全然折れてくれない。
嬉しい反面……不安で不安で堪らなくなる。

なんか他に対策たてられれば……。


「あっ‼︎じゃあ、こういうのはどう……?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義姉の身代わりで変態侯爵に嫁ぐはずが囚われました〜助けた人は騎士団長で溺愛してきます〜

涙乃(るの)
恋愛
「お姉さまが死んだ……?」 「なくなったというのがきこえなかったのか!お前は耳までグズだな!」 母が亡くなり、後妻としてやってきたメアリー夫人と連れ子のステラによって、執拗に嫌がらせをされて育ったルーナ。 ある日ハワード伯爵は、もうすぐ50になる嗜虐趣味のあるイエール侯爵にステラの身代わりにルーナを嫁がせようとしていた。 結婚が嫌で逃亡したステラのことを誤魔化すように、なくなったと伝えるようにと強要して。 足枷をされていて逃げることのできないルーナは、嫁ぐことを決意する。 最後の日に行き倒れている老人を助けたのだが、その人物はじつは……。 不遇なルーナが溺愛さるまで ゆるっとサクッとショートストーリー ムーンライトノベルズ様にも投稿しています

『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。

カヨワイさつき
恋愛
「えっ?ない?!」 なんで?! 家に帰ると出し忘れたゴミのように、ビニール袋がポツンとあるだけだった。 自分の誕生日=中学生卒業後の日、母親に捨てられた私は生活の為、年齢を偽りバイトを掛け持ちしていたが……気づいたら見知らぬ場所に。 黒は尊く神に愛された色、白は"色なし"と呼ばれ忌み嫌われる色。 しかも小柄で黒髪に黒目、さらに女性である私は、皆から狙われる存在。 10人に1人いるかないかの貴重な女性。 小柄で黒い色はこの世界では、凄くモテるそうだ。 それに対して、銀色の髪に水色の目、王子様カラーなのにこの世界では忌み嫌われる色。 独特な美醜。 やたらとモテるモブ顔の私、それに気づかない私とイケメンなのに忌み嫌われている、不器用な公爵様との恋物語。 じれったい恋物語。 登場人物、割と少なめ(作者比)

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

騎士団長のアレは誰が手に入れるのか!?

うさぎくま
恋愛
黄金のようだと言われるほどに濁りがない金色の瞳。肩より少し短いくらいの、いい塩梅で切り揃えられた柔らかく靡く金色の髪。甘やかな声で、誰もが振り返る美男子であり、屈強な肉体美、魔力、剣技、男の象徴も立派、全てが完璧な騎士団長ギルバルドが、遅い初恋に落ち、男心を振り回される物語。 濃厚で甘やかな『性』やり取りを楽しんで頂けたら幸いです!

【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する

雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。 ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。  「シェイド様、大好き!!」 「〜〜〜〜っっっ!!???」 逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。

【短編完結】元聖女は聖騎士の執着から逃げられない 聖女を辞めた夜、幼馴染の聖騎士に初めてを奪われました

えびのおすし
恋愛
瘴気を祓う任務を終え、聖女の務めから解放されたミヤ。 同じく役目を終えた聖女たちと最後の女子会を開くことに。 聖女セレフィーナが王子との婚約を決めたと知り、彼女たちはお互いの新たな門出を祝い合う。 ミヤには、ずっと心に秘めていた想いがあった。 相手は、幼馴染であり専属聖騎士だったカイル。 けれど、その気持ちを告げるつもりはなかった。 女子会を終え、自室へ戻ったミヤを待っていたのはカイルだった。 いつも通り無邪気に振る舞うミヤに、彼は思いがけない熱を向けてくる。 ――きっとこれが、カイルと過ごす最後の夜になる。 彼の真意が分からないまま、ミヤはカイルを受け入れた。 元聖女と幼馴染聖騎士の、鈍感すれ違いラブ。

【完結】お父様(悪人顔・強面)似のウブな辺境伯令嬢は白い?結婚を望みます。

カヨワイさつき
恋愛
魔物討伐で功績を上げた男勝りの辺境伯の5女は、"子だねがない"とウワサがある王子と政略結婚結婚する事になってしまった。"3年間子ども出来なければ離縁出来る・白い結婚・夜の夫婦生活はダメ"と悪人顔で強面の父(愛妻家で子煩悩)と約束した。だが婚姻後、初夜で……。

燻らせた想いは口付けで蕩かして~睦言は蜜毒のように甘く~

二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
北西の国オルデランタの王妃アリーズは、国王ローデンヴェイクに愛されたいがために、本心を隠して日々を過ごしていた。 しかしある晩、情事の最中「猫かぶりはいい加減にしろ」と彼に言われてしまう。 夫に嫌われたくないが、自分に自信が持てないため涙するアリーズ。だがローデンヴェイクもまた、言いたいことを上手く伝えられないもどかしさを密かに抱えていた。 気持ちを伝え合った二人は、本音しか口にしない、隠し立てをしないという約束を交わし、身体を重ねるが……? 「こんな本性どこに隠してたんだか」 「構って欲しい人だったなんて、思いませんでしたわ」 さてさて、互いの本性を知った夫婦の行く末やいかに。 +ムーンライトノベルズにも掲載しております。

処理中です...