冒険先は、異世界でした。

空彩★

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第1章

第1話『冒険の始まり』

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疾風「見てみて!!でかいゲーム買ってきた!!」
玄冬「ちょっと!畳んだ洗濯物崩さないでよ!」
疾風「あ、ごめん!!汗」
裕哉「はやー、これどこ運べばいい?」
疾風「とりあえず和室ー!!」
耀渡「とりあえずで和室に運ぶなよおい」
菘「ほんとに大きいね?!大人2人余裕で入れる大きさだ!」
悠「ね!まるで棺みたい!」
蒼斗「うぉぉ!!かっけぇぇ!!」
疾風「でしょ?!?!」
耀渡「超テンション高ぇな」
尚「ねぇ、こんなのどこで買ってきたの。」
疾風「えーっとね…最近職場近くにできたらしいリサイクルショップ?だと思う!!」
蒼斗「だと思うで草」
尚「へぇ。なんでこんなもん売ってるんだか。」
耀渡「かなりのサイズだしな。さては尚、このゲーム知っt」
裕哉「おっっも…おいはや!てめぇも運べや!怒」
疾風「ごっめーん!!今運ぶー!!」
玄冬「おいこらクソ兄さん、崩したやつ畳み直して」


 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


裕哉「異世界転生RPGねー…」
蒼斗「超楽しそうじゃん!疾風兄よく見つけたね!」
疾風「でっしょお!?俺こういうの見る目あるんだよねぇ!!」
悠「ほんと!見る目あるト思う!」
尚「洗濯物畳みながら話して…。シュールでおもろいからもっとやってくれ。」
耀渡「相変わらず尚は真顔だな…てか悠はツッコめよ」
菘「ちなみにどんなストーリー?」
裕哉「ん、ちょっとまってな……あ?どこに書いてあんだこれ」
玄冬「説明なしなんてことある?タイトルもそれだけ??」
裕哉「タイトルも『異世界転生RPG』としかねぇな…パッケージの裏にもなんも書いてない。まぁ…あれだ、大抵こういうのは冒険するもんだろ」
菘「テキトーだ!」
蒼斗「あれじゃない?ゲームに取扱説明書が内蔵されてるタイプなんじゃない?」
菘「なるほど!確かに最近のゲームはそうなってるのが多い気がかも!」
尚「ま、やれば分かるでしょ。」
耀渡「んー…まぁいいか、所詮ゲームだろ。やるなら早くやろうか」
疾風「おっしゃ行くぞぉ!!」


 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


[▼キャラクターヲ読ミ込ミマス。コチラデ宜シイデスカ?▼はい いいえ]

蒼斗「おお!髪型も体型も俺そのまんま!はい!」

[▼キャラクターノ設定ガ完了シマシタ。次二、アナタノ名前ヲ教エテクダサイ。]

蒼斗「大和田蒼斗(おおわだ そうと)!」

[▼『オオワダ ソウト』以上デ宜シイデショウカ。▼はい いいえ]

蒼斗「はい!音声認識すごいな!」

[▼名前ノ設定ガ完了シマシタ。次に]

蒼斗「お、職業か?」






[▼この世界で死ぬことは絶対に許されません。それでも世界に入りますか?▼はい はい]





蒼斗「…っぇ…?」

[▼この世界で死ぬことは絶対に許されません。それでも世界に入りますか?▼はい はい]

蒼斗「え、は?怖っ」

[▼この世界で死ぬことは絶対に許されません。それでも世界に入りますか?▼はい はい]

蒼斗「怖い怖い怖いわかった!!はい!!はい!!」

[▼登録ガ完了シマシタ。ソレデハ____










____楽シイ地獄へ、イッテラッシャイマセ。]





ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・





___この時俺は直ぐに意識を手放した。
その後確か…夢を見たはず。
誰かと会話した。…男…かな?
それくらいのことしか思い出せない。
何を話したのか、誰だったのか。どこだったのか。
でも絶対に聞いたことがある声。
何故か、懐かしい声。
だがやはり目を覚ましてしまうと、思い出せなくなっている。
何の変哲もない、いつものような夢だったのかもしれないが、それらとは何かが違う気がする。


菘「蒼斗、大丈夫…?」
玄冬「顔色あんま良くないね…?」
蒼斗「…ん~…ちょっとだけ頭痛いかも…」
裕哉「まー、かなりどんよりした森だしな…」
悠「でモ空気美味しくない?」
裕哉「…そうか?」
尚「でも、これでもう死ねないね。」
疾風「そーだねー、死にたくないー!!」
尚「はや、僕達は死にたくないから気をつけるんじゃなくて、[死ぬことは許されない]から気をつけるの。」
疾風「え???どゆこと??」
耀渡「ゲームだからって何回も生き返れないってことか?」
尚「そうだよ。」
悠「なんで知ッてるの?」
裕哉「確かにな。パッケージにも書いてなかっただろそんなの」
尚「………いやめちゃくちゃ小さい文字で書いてあったし。タイトルの下に。」
裕哉「そんなん書いてあったか…?」
蒼斗「俺、キャラクター作成の時言われたけど…?ちょー怖かったんだから…泣」
尚「そう。僕その時にも言われた。」
玄冬「そんなホラー演出あったっけ???」
悠「それも大事なんだけどさ、まず俺達はどこに向カえばいいんだろうね~」
耀渡「え?あぁ多分、あそこに見えてるでけぇ壁だろ。お前は相変わらずマイペースだなぁ…」
菘「わぁ!なんか広そう…!!」
疾風「すっげー…!!異世界っぽい!!」
尚「モンスターとかいたら怖いから、話とか諸々は街で話さない?」
耀渡「確かにそれもそうだな」
玄冬「うん!なんか、ちょっと怖かったけど楽しみだな!」
蒼斗「…そうだな!美味しいもんあるかなぁ」
裕哉お、いいな、美味しいものめぐりやろうぜ」


___起きてからこの一連の会話中、ずっとモヤモヤしていた。

会話に何か違和感があり、胸の辺りが気持ち悪い。

夢で見た内容も、忘れてはいけないことがあったような気がする。

でも何もはっきりしない。
ずっとモヤモヤ…












そうだ




夢で、あの人が言っていた









耳に残ったあのたった一言…


















































“『   ひ   み   つ   を   さ   が   せ   』”
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