よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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田沼様にあやかって噺

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 日本には数多くの寺社仏閣が点在しているが、その中でも一大勢力を築いているのが稲荷神社である。

 2月の最初の午の日に稲荷に参詣する「初午」、神社の境内の杉の枝を折って持ち帰ると福を招くとされる「験杉」といった風習は、平安時代頃にはじまったとのこと。

 江戸時代になるとこの稲荷信仰はますます盛んになったのだが、その背景には田沼意次の存在があったという。

 意次は紀州藩の足軽の子として生まれたが、8代将軍の徳川吉宗に重用されて旗本になり、その孫で10代将軍となった家治の時代には最側近の側用人にまで出世し、最後は老中にまで上りつめたのだ。

 戦功などのない平和な時代に、このような出世は前代未聞のことであった。

 そんな意次が邸内に稲荷を祀っていたことから、出世は稲荷のご利益だという話が広まり、「自分もあやかりたい」と稲荷を祀る武家が増え、それが庶民にまで広がっていったとのことである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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