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トミー噺
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幕末、ある日本人がアメリカでちょっとしたブームになった。
その人物の名は立石斧次郎、若干17歳ながら、通訳見習いとして幕府使節団に加わっていた。
使節の大部分がじじむさいうえに、初めての異国でコチコチに緊張しているなか、ひとり屈託なく明るく振る舞い、馬車から手を振って応対する少年武士の姿はひときわよく目立った。
斧次郎は猛烈に知識欲が強く、目にしたものは何でも「これは英語で何といいますか?」と質問して単語帳に書き入れるので、ぐんぐんと英語が上達し、記者たちと会話を楽しめるようにまでなっていった。
そんな斧次郎はたちまちアイドル的存在となり、”トミー”という愛称がつけられるとともに、「トミー・ポルカ」という歌まで作られたそうだ。
さらに斧次郎のことが新聞によって報じられるようになると、その姿を一目見ようと訪問先は人であふれ、歓迎会の会場には招待客でない人までが次々と訪れてサインを求めたという。
ついには新聞紙面に「昨夜のトミー」という見出しが躍るまでとなった。
得意満面となる斧次郎であったが、ちょっと浮かれ過ぎたのか、使節団を取り仕切っていた小栗豊後守忠順にハシャギ過ぎだと叱責されてしまう。
すると、「トミーが上役からハラキリをさせられそうだ」という噂が流れ、新聞に「私たちのトミーをいじめるな」という記事が載ったとのこと。
それくらい大人気だった斧次郎、記者のインタビューにおいて「ぜひもう一度アメリカに戻って来たい。そしてチョンマゲを取って髪を伸ばし、海軍士官学校か陸軍士官学校に入って、ゆくゆくはアメリカの女性と結婚したい」といった内容のことを答えていた。
その後、帰国した斧次郎はハリスの通訳や外国奉行所の役人を務め、岩倉使節団の一員として再びアメリカの地を訪れることになるのである。
では、今回はこの辺で失礼いたします。
その人物の名は立石斧次郎、若干17歳ながら、通訳見習いとして幕府使節団に加わっていた。
使節の大部分がじじむさいうえに、初めての異国でコチコチに緊張しているなか、ひとり屈託なく明るく振る舞い、馬車から手を振って応対する少年武士の姿はひときわよく目立った。
斧次郎は猛烈に知識欲が強く、目にしたものは何でも「これは英語で何といいますか?」と質問して単語帳に書き入れるので、ぐんぐんと英語が上達し、記者たちと会話を楽しめるようにまでなっていった。
そんな斧次郎はたちまちアイドル的存在となり、”トミー”という愛称がつけられるとともに、「トミー・ポルカ」という歌まで作られたそうだ。
さらに斧次郎のことが新聞によって報じられるようになると、その姿を一目見ようと訪問先は人であふれ、歓迎会の会場には招待客でない人までが次々と訪れてサインを求めたという。
ついには新聞紙面に「昨夜のトミー」という見出しが躍るまでとなった。
得意満面となる斧次郎であったが、ちょっと浮かれ過ぎたのか、使節団を取り仕切っていた小栗豊後守忠順にハシャギ過ぎだと叱責されてしまう。
すると、「トミーが上役からハラキリをさせられそうだ」という噂が流れ、新聞に「私たちのトミーをいじめるな」という記事が載ったとのこと。
それくらい大人気だった斧次郎、記者のインタビューにおいて「ぜひもう一度アメリカに戻って来たい。そしてチョンマゲを取って髪を伸ばし、海軍士官学校か陸軍士官学校に入って、ゆくゆくはアメリカの女性と結婚したい」といった内容のことを答えていた。
その後、帰国した斧次郎はハリスの通訳や外国奉行所の役人を務め、岩倉使節団の一員として再びアメリカの地を訪れることになるのである。
では、今回はこの辺で失礼いたします。
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