よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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象ブーム噺

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 1728年6月、図鑑で見た象に興味を抱いた8代将軍吉宗の命によって、つがいの象が日本に連れて来られた。

 メスは長崎へ上陸した直後に死んでしまったものの、残ったオスは江戸へ向けて無事出発した。

 象が通る道沿いには「火元注意の徹底」「犬猫はつないでおけ」「見物は騒ぐな」など、細かな指示が伝えられ、さらに象のために道や橋が補強されたうえ、中継地には象小屋の設置マニュアルまで配られたという。

 途中、京都では「従四位広南白象」という位を与えられて天皇に拝謁し、1729年5月に江戸へ到着した。

 江戸では象の移動を見ようと町人が道筋に鈴なりになって大騒ぎ。
 象に関する書物や様々な象グッズも販売され、まるでパンダが初来日した時のようなブームが巻き起こったとのこと。

 その後、象は幕府によって10年以上「浜御殿」で世話をされ、1741年に中野の農民に払い下げられた。

 中野でも多くの人々が見物に訪れたが、1年ほどで象は病死してしまう。

 死後、幕府は死体を解剖し、頭骨と牙を飼い主に与えた。

 そしてその飼い主も亡くなると、遺族は頭骨と牙を江戸の神社で見世物にして、飼い主が残した借金の返済にあてたという。

 まさに、骨までしゃぶりつくされたような一生だった。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
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