よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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非常用噺

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 日本の城の周りには、必ずといっていいほど松の木が植えられている。

 城の威厳や風格を示す意味ではぴったりの存在であるが、もちろんそのような演出のために植えられているのではない。

 松の木は籠城する際の非常食として植えられているのだ。

 一番栄養があるのは松の皮の内側の白い部分で、まず臼でつき、水に浸して苦みや臭みをぬく。

 そのうえで、その汁をこして干せば白い粉ができ、その粉を麦粉などに混ぜると餅を作ることができるとのこと。

 これは古くから非常時の知恵として一般に知られており、飢饉の際には農民たちが争うようにして松の皮をはいだため、街道の松並木が丸裸になってしまったほどだったという。

 さらに松葉には強い殺菌力があるうえ、葉緑素やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいる。

 ただ、決しておいしいものではなかったとのこと。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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