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青空に消えた君
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ある日、リアルでは女の子とまともに目すら合わせたことのないこの俺が、ネットで知り合った女の子とリアルで会うことになった。
緊張して不安だったけれど、待ち合わせ場所にきたその子は優しい笑顔を浮かべてくれて……公園を歩いている最中も、ずっと笑顔でいてくれた。
た、楽しい……これって……で、デート……なのかな……?
キレイな青空のもと微笑んでいるその子は、あまりにも美しくて……空に溶け込んで消えてしまいそうなほどだった。
そんなことを思っていたら、トイレ休憩の時に彼女は本当に消えてしまった。
やり取りをしていたSNSに連絡を入れても返事がない。
どこに消えてしまったんだ……?
――その日から、俺は毎日公園に通って彼女を探した。
再会したら、きっとあの日みたいに優しい笑顔を見せてくれるだろうと、困ったように笑いながら事情を説明してくれるだろうと信じて。
でも、彼女と再会できる日はいっこうに来ない。
――あれから1年くらい経ったかな。
俺はまだ彼女を諦めず、毎日のように公園に通っていた。
でもその日は暑さに負けて、近くにある喫茶店に入ったんだ。
そこで……俺は席に座っている彼女を見つけた……あの青空に溶け込むように美しい笑顔を浮かべている彼女を。
どうやら友人と一緒にいるらしい。
もしかしたら俺に謝りに公園に来たけど、勇気が出なくて友達について来てもらって、それでもまだ勇気が出なくて喫茶店で心の準備をしてるのかな?
じゃあ、俺から声をかけよう。
そう思って近づくと、彼女の声が先に聞こえてきた。
「ほんっと最悪だったわ。暑い中、なんにもない公園をただ歩かされてさ。そいつ、話しかけてもどもるばっかりだし。初デートが公園って小学生かよって感じ。あんまりにもつまんないから、最後はバックレたわ。やっぱりネットの男はダメね。リアルがさいこ――」
俺は気がついたら近くのテーブルからナイフを取り、彼女の顔にそれを突き立てていた。
何度も、何度も、何度も。
記憶にある彼女のあの美しい笑顔が汚される前に、この汚らわしい女を彼女だと脳みそが認識する前に、消さなきゃ。
そして、俺はまたいつものように公園を歩く。
青空に消えてしまった彼女を探して。
ふっと自分の手を見ると真っ赤で、思わず笑みがこぼれる。
「あぁ……君は青だったけど、俺は赤だったんだね」
真っ赤な俺は、きっと青空のような笑顔を浮かべる君と相性バッチリだ。
緊張して不安だったけれど、待ち合わせ場所にきたその子は優しい笑顔を浮かべてくれて……公園を歩いている最中も、ずっと笑顔でいてくれた。
た、楽しい……これって……で、デート……なのかな……?
キレイな青空のもと微笑んでいるその子は、あまりにも美しくて……空に溶け込んで消えてしまいそうなほどだった。
そんなことを思っていたら、トイレ休憩の時に彼女は本当に消えてしまった。
やり取りをしていたSNSに連絡を入れても返事がない。
どこに消えてしまったんだ……?
――その日から、俺は毎日公園に通って彼女を探した。
再会したら、きっとあの日みたいに優しい笑顔を見せてくれるだろうと、困ったように笑いながら事情を説明してくれるだろうと信じて。
でも、彼女と再会できる日はいっこうに来ない。
――あれから1年くらい経ったかな。
俺はまだ彼女を諦めず、毎日のように公園に通っていた。
でもその日は暑さに負けて、近くにある喫茶店に入ったんだ。
そこで……俺は席に座っている彼女を見つけた……あの青空に溶け込むように美しい笑顔を浮かべている彼女を。
どうやら友人と一緒にいるらしい。
もしかしたら俺に謝りに公園に来たけど、勇気が出なくて友達について来てもらって、それでもまだ勇気が出なくて喫茶店で心の準備をしてるのかな?
じゃあ、俺から声をかけよう。
そう思って近づくと、彼女の声が先に聞こえてきた。
「ほんっと最悪だったわ。暑い中、なんにもない公園をただ歩かされてさ。そいつ、話しかけてもどもるばっかりだし。初デートが公園って小学生かよって感じ。あんまりにもつまんないから、最後はバックレたわ。やっぱりネットの男はダメね。リアルがさいこ――」
俺は気がついたら近くのテーブルからナイフを取り、彼女の顔にそれを突き立てていた。
何度も、何度も、何度も。
記憶にある彼女のあの美しい笑顔が汚される前に、この汚らわしい女を彼女だと脳みそが認識する前に、消さなきゃ。
そして、俺はまたいつものように公園を歩く。
青空に消えてしまった彼女を探して。
ふっと自分の手を見ると真っ赤で、思わず笑みがこぼれる。
「あぁ……君は青だったけど、俺は赤だったんだね」
真っ赤な俺は、きっと青空のような笑顔を浮かべる君と相性バッチリだ。
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