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付喪神が異世界に召喚されたようです
所変わって現代日本、とある博物館
しおりを挟む所変わって、別の世界に焦点は移る。ここはいわゆる彼らでいうところの異世界だ。
都会にはビルが立ち並び、サラリーマンが交差点を闊歩する、現代日本と瓜二つの世界。ただ確実に違うのは付喪神が確実に存在しているという点だった。
付喪神とはものに宿る意識体。そして付喪神にはランクがあった。かなりの年月、レベルの高い多く人に触れられることによってランクが上がり、それに従って自我を持ち始める。
だが多くの付喪神が、ぼんやりとした意識しかない。いわゆる魔道具のような、外界に影響を持つ付喪神など一握りといってもよかった。
そして現在現存する最も高いランクの付喪神化した剣といえば、日本という国のの大昔に打たれた刀たちである。
ちなみに最強の武器といえば、近接しか攻撃できない刃物ではなく、銃や戦車などの兵器などが候補にあがると思われるが、しかしかのファンタジー世界において、そういったものは発明されておらず、イメージに含むことが困難。よって幻想的なイメージを持つ付喪神つきの武器がが召喚の対象に選ばれたのであった。
彼らはとある博物館に展示されていた。三振りの刀だった。
彼らは互いに会話できることもあり、会話相手には不足はなかった。
彼らの中での愛称は以下の通りである。
一番小さな刀である、『アザマル』
一番長い刀である『モノホシ』
一番切れ味のいい刀である『マサムネ』
モノホシは軽快な関西弁で口を開いた。
『そういえば、人間たちの間で変な噂が流れてるみたいでっせ~』
アザマルはあざとくいった。
『あっ…!それ僕も聞いたことがありますぅ~』
マサムネが興味なさげにクールに答える。
『……ふん、つまらぬことだったら容赦せぬぞ』
マサムネのあたりに軽く殺気が満ちた。
『ふええ~(カッコいいですぅ~)』
『いやぁ~いつも怖いでんがな~マサムネ殿は』
二人の調子にマサムネはめんどくさそうに
『はぁ…、しょうがないだろ。ここ何百年も血を吸ってないんだからな』
『ま~た妖刀みたいなこと言って・・平和、いいことではないですかマサムネはん』
『あ~でも昔を思い出すその気持ちわかりますわかりますぅ。たまに人を切りたくなることってありません?』
『おまいまで・・まあわてら、人殺すために生まれてきたようなもんやからな。でもまあ人殺しより、見られる快感というものも悪くないと思うけどなぁ・・アイドルみたいでええやん』
『はあ・・?まあそんな気色悪い貴様の趣向は置いといて、話を戻そう。なんの噂が流れているというのだ?』
マサムネはモノホシの言葉を切リ捨てていう。もともと口数が少なく噂好きの性格ではないが、戦闘狂いの彼が気を逸らすためにも今は彼らとの会話を楽しみとしていた。。
『ああ、そのことでっか。というのも、ある刀が妖刀ではないかといううわさが流れているのでっせ。』
『ふーん?例えばうめき声が聞こえたり、カタカタと震えたりとかか?』
『ええ!驚かないでください!その刀というのはなんと…』
『ああ、俺のことか?』
『なんや、このうわさ知ってたんかいな。でも、あんさんはまだそこまで付喪神のランクは上がっておらへんやろ?』
『まあ少なくとも動けるまでにあと百年はかかるかもな』
『うわ~!!あと百年だけで?!すごいですね!!』
『それで、マサムネはんはこの噂の出どころなんだと思います?』
『ああ、実際にうめき声がして、動いているのだろうな』
『おいおい、さっき自分で自分で動けないと言っていたやろ?わいが思うにこれは観覧客を増やすたもの関係者のデマやと思うんやけど…・・』
『いや、実際動いているんだよ。』
『は?』
『え?どういうことです?』
『最近たまに体が勝手に振動したり、妙な声が聞こえるんだ。』
『もしかしてこれって…』
『ユーレイ?』
『ひっ!そっ、そんな非科学的なことありえないですよ!!』
自分たちが非科学的なものということを棚に置いてアザマルが叫ぶ。
そのリアクションが面白いのか、他の二人は
『いや、一理あるかもしれない。貴様は今まで切ってきた人の数を数えているのか?』
『いや、ぼくたちは道具であって恨むなら持ち主を恨んでくださいよぉ~』
『アザマルはん、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いということわざをしってはるか?』
『ううう~~~!!』
こういった、毒にも薬にもならない会話を休憩をはさんで延々と続けていくのだった。
しかし、ちょうどそのころ、異世界の武器召喚の術式が発動したところであった。
突如あたり一面が光り輝いて…
『なんや?!』
『敵襲ッ?!』
『うわぁ!?これもユーレイの仕業ですかぁ?!』
収まったころにはガラスの中に展示されていた、彼らの姿は消えていたのだった。
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