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ウェールズ王国
愛らしき落とし人
しおりを挟む私、桜は今何故か凄いカッコイイおにいさんと絵本に出てくるみたいな馬車に乗っている。
お兄さんの話だと私はこの世界に落ちてきてしまって、もうお家には帰れないと言われた。
これが正に!!クレハちゃんが言ってた異世界!!
クレハちゃんじゃなくて私が来る事になるなんて思わなかったな。
最後…あの時、お兄ちゃん心配してるだろうな。
ママとパパだって…。
でも、悲しんでなんか居られない!
だって!お兄さんの話だとここには魔法があるんだって!!
ワクワクが止まらない!!
何で私がこんなに冷静かって?
んふ、それはね~私には前世の記憶があるからなの~!
家族には言ってないけどね、ちょっと頭の良い幼女を演じてたの。
元々私はバリバリのキャリアウーマン、残念な事に28歳独身でこの世を去った。
死因は事故死。
前世を思い出したのはジャングルジムから落っこちた時だった。
今世も家族とは突然の別れだったな。
「ふぅ~。」
「どうなさいました?サクラ様。お疲れなら少し休憩なさいますか?」
「大丈夫だよ。お兄さんは何で私を桜様って呼ぶの?」
素朴な疑問だった。
皆私を様を付けて呼ぶし、凄く親切にしてくれる。
こんな得体の知れない幼女に。
「少し…説明が必要な様ですね。」
そう言ってお兄さんは説明してくれた。
この国には王様が居て、落とし人?の私は無条件で地位は王国と同格になるらしい。
って…なんだと!!
「私、偉くないよ?」
コテンと首を傾げればお兄さんは顔を反らした。
ちょっと、失礼じゃない?
「いいえ、サクラ様は偉いのでは無く尊いのです。もう存在自体が。」
ふむ、ちょっと意味がイマイチ分からない。
ーガコンっ!
「うわわ!!」
馬車が大きく揺れると私の小さな身体はポーンと浮き上がった。
「サクラ様!!」
ふぅ~、ナイスキャッチお兄さん!!
「ふぅ、サクラ様失礼ですが怪我をされると困るのでここに居て下さい。」
む!お膝抱っこ!
これは…役得!!
「ありがとう、お兄さん。」
ニッコリと見上げるとまた顔を反らされた…。
はっ!もしやこの世界では私の容姿はとっても醜いのかもしれない!
それなら納得がいくよね…。
お兄さんごめんね?こんな幼女だから醜くてもお膝抱っこしなきゃいけないなんて。
これから私はどうなるのかな?
魔法が使えれば何とか1人でも生きて行ける?
そんな事を考えているうちに私は心地よい馬車の揺れで眠ってしまった。
「眠ったか…。」
ルイスは溜息を吐いた。
馬車の少しの揺れで飛んでしまったり、膝からの上目遣いは可愛過ぎた。
破壊力抜群だったのだ。
直視出来ないルイスは思わず顔を反らしていたが、それによって桜が要らぬ誤解をしてしまった事を彼はまだ知らない。
眠った桜を横抱きにして寝易い様に抱き直す。
「しかし、この髪の色と瞳の色の組み合わせは珍しい。」
ルイスは桜の長い髪をひと房取ると目を細めた。
桜の髪は母親譲りの栗色で瞳はこく黒曜石の様にキラキラした大きな瞳。
髪は兎も角、黒い瞳を初めて見たルイスは感動していた。
「これは…城に着いたら一悶着ありそうだな。」
色々考えたルイスは頭痛を覚えた。
国王は若くまだ王妃もいない、よってまだ子供もいないのだこれが救いかもしれない。
「あと一日で王都か…。」
ルイスは馬車のカーテンを閉めると目を閉じた。
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