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海の部族
サクラ死す?
しおりを挟む「サクラ‼︎」
アテネは何とかサクラを抱き素早くサンとルンの母から離れた。
直ぐにサクラの状態を確認するが酷いものだった。
恐らくサンとルンの母親は九尾と言われる魔物はまた違う妖怪だろう。
その尾で貫かれたサクラの胸にはポッカリと大きな穴が開き、そこからは止めど無く血が流れていた。
そこに息を切らせた雅臣が後退して来た。
「サクラは⁉︎」
「不味いです!止血はしました、でも…。」
アテネは苦虫を噛んだ顔をした。
雅臣は視線をサクラに向けると悲しみより怒りが込み上げて来た。
「おい!サクラが何をしたって言うんだ!」
雅臣が叫ぶとサンとルンの母は目を細めた。
「お主、名は何と言う?」
「雅臣。」
「そうか、妾はサンとルンの母九尾の妖狐青嵐と申す。その子供この世の者では無いな?そんな得体の知れぬ者と我娘達が友など許可出来ぬなぁ。」
のぅ?雅臣とやら?と笑う青嵐に雅臣は殺意を覚えた。
雅臣が青嵐と対峙している間にも冷たくなって行くサクラにアテネは焦っていた。
「のぅ!アテネ!サクラは、サクラは無事かえ?」
アテネの腕にしがみ付き取り乱すルンにずっとごめんなさいと号泣するサン。
どうする…もうサクラの息も浅く心音も殆ど聞き取れない。
「アテネ!お主精霊何じゃろ?何とかならんのか!」
「私だって万能では無いんです!私だって助けたい!しかし…」
どうにも出来ない…そこまでは言葉が続かなかった。
サンはふらりと立ち上がると虚な目で母を見るとブワッと見えない衝撃波が母を吹き飛ばした。
「ああ!サン!母になんて事を!」
噎せながらサンの反撃に目を瞠った青嵐は更に目を瞠った。
「母様、初めて出来た友達だったのに…。初めてだったのに‼︎」
サンは耳と尻尾を出したがその姿に母のみならずルンも驚いていた。
ルンの尻尾は四本に分かれていた。
「サン、その尾…。」
ルンが呟くと同時にサンは母に向かって凄い速さで向かって行った。
それを尾で応戦する母親、この親娘にとって初めての親娘喧嘩だった。
その頃サクラは…呑気にお爺さんとお茶を飲んでいた。
「お爺さん神様なんだ~!凄い!で?私は死んじゃったのかな?」
自分を神様だと言うお爺さんはズズっとお茶を啜るといんやと顔を振った。
「死にはして居らん、死んでも居るが死んでもいない。」
はて?このジジイは何を言ってるのか?
矛盾しまくってる。
「分からんか?」
「分かりようが無いと思うけど?」
「ふむ、お主の魂は今身体を離れ此処に居る。」
ふむ、それは何となく分かる。
「だが、現世のお主の身体が瀕死じゃ~。」
は?それは戻る身体が無いと?もうアウトじゃね?
「そんな顔をするで無い、まだ希望はある。お主が築いて来た人望…あ奴らがどう動くかによるのぉ~。」
つまり、私の生死はあの現状なら雅臣とアテネに掛かっていると?
「駄目だったら?死んだらまた…。」
転生するなんて御免だ!
「お主は特殊な存在の様だのぅ~?何心配することは無い、死んだとてまた生まれ変わるの運命よ。」
「それが嫌なの!もう何回も何回も!もううんざりなの!神なんて大嫌い!」
サクラの絶叫が響いた。
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