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一章
ドロボウ帰宅
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6月28日午前10時となった。
晴南達は九木礼図書館に来ていた。
九木礼図書館は二階建てのコンクリート造りの建物だった。
晴南達は閲覧席に座っていた。
図書館の中で晴南はため息をつきながら言った。
「はあー、もう最悪よ!!まさか朝から図書館に来る事になるなんて!!」
隣に座っていた麻衣子が晴南に言った。
「ちょっと晴南?図書館の中では静かにしなきゃダメでしょ?」
晴南が麻衣子に言った。
「別にいいでしょ??利用者なんて私達以外にいないんだし。」
晴南が麻衣子に言った。
「せっかく授業が午後からなのに、なんで朝から図書館なんかに来なきゃいけないのよ!!」
麻衣子が晴南に言った。
「昨日晴南が地下坑道で時間を使いすぎたからでしょ?それで図書館で調べものをする時間が無くなっちゃったんじゃない。」
晴南が麻衣子に言った。
「仕方ないでしょ?久しぶりの地下探検だったのよ、とっても楽しかったの!そりゃ時間が過ぎるのも忘れちゃうわよ。」
晴南が言った。
「ていうか昨日来た時に一緒に調べれば良かったでしょ!!なんで図書館で写真だけ撮って帰っちゃうのよ。」
晃太が晴南に言った。
「そうは言っても仕方ないだろう。昨日は閉館時間ギリギリにしかこれなかったんだ。写真を撮る事を最優先にしないと辻褄が合わなくなる。」
麻衣子が晴南に言った。
「もう晴南の尻ぬぐいをしてくれてるのよ。鳥岩先生のカミナリが落ちないように。」
晴南が晃太に言った。
「でもさ鳥岩先生って今いないじゃない?適当にレポートの辻褄を合わせとけばいいでしょ?」
晃太が晴南に言った。
「その辻褄を合わせるのがかなり大変なんだ。」
晴南が尋ねた。
「どういう事よ?」
優斗が晴南に言った。
「鳥岩先生から渡されたのはフィルム式のデート(日付)機能付きのインスタントカメラだからね。日付が違う写真を撮影して部活動レポートに載せれば一発で他事してたってバレちゃうし。だからと言って写真を使う約束だから部活動レポートに写真を載せない訳にもいかないし。」
晃太が晴南に言った。
「他事をしながら辻褄が合うように部活動レポートを作成するのはなかなか大変だぞ。鳥岩先生もいいやり方を指定してくるな。」
優斗が晃太に言った。
「部活動で他事をやるのはかなり難しいよね。」
晴南が優斗に尋ねた。
「そんな事よりも資料集めは終わりそうなの?」
優斗が晴南に言った。
「ごめん晴南、参考にできそうな資料が多くて、目移りしちゃってさ。たぶん正午くらいまではかかると思うよ。」
晴南が優斗に言った。
「えっー!!まだ2時間以上かかるの?12時までずっと図書館にいるなんて退屈すぎるわ。」
すると晴南が何かを考え始めた。
「うーん、何かないかしら??」
そして晴南が大きな声で言った。
「そうだ!!」
麻衣子が晴南に尋ねた。
「また変な事を思いついたんじゃないでしょうね?」
晴南が麻衣子に言った。
「ごめん何も思いつかなかったわ。そうだ!って言ってみただけ。」
麻衣子が晴南に言った。
「そうなの?ならいいわ。」
晴南が麻衣子に言った。
「ちょっと待ってね。何か思いつくわ。」
麻衣子が晴南に言った。
「ちょっと晴南??無理して思いつかなくていいから。」
晴南が麻衣子に言った。
「ダメよ、私の閃きをみんな待ちわびてるんでしょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「いや、閃かなくて大丈夫だから。」
晴南が麻衣子に言った。
「遠慮しなくていいのよ麻衣子。」
晴南が麻衣子に言った。
「ちょっと待ってね。うーん、うーん???よし思いついたわ!!」
午前11時を過ぎた。
晃太と優斗はまだ図書館の中で資料集めを続けていた。
それ以外のメンバーは図書館の外に出ていた。
拓也と慎吾と美咲以外のメンバーは図書館の出入口前で待っていた。
すると拓也と慎吾が図書館前に戻ってきた。
晴南が拓也に尋ねた。
「拓也?ちゃんと持ってきた?」
拓也が晴南に言った。
「部屋に帰ってこれを持ってきたぞ。」
拓也はそういうと自分の持ってきたテニスラケットを晴南に見せた。
慎吾が晴南に言った。
「晴南、これでよござんすか。」
続いて慎吾が自分の部屋から持ってきた力士の角野里(かくのさと)の手形を晴南に見せた。
晴南が拓也と慎吾に言った。
「うん、いいわよ。誰にも見つかってないわよね?」
拓也が晴南に言った。
「母さんが玄関の掃除をしてる間に窓からこっそり侵入した。」
慎吾が晴南に言った。
「おいも裏口からこっしょり入ったんやけんからよかよかたい。」
晴南が拓也と慎吾に言った。
「オッケー、ならいいわ。」
すると美咲が図書館前に戻ってきた。
戻ってきた美咲が怒り心頭の様子で晴南に言った。
「もう晴南??ママに見つかってすごく怒られたのよ!!どうしてくれるのよ!!」
晴南が美咲に言った。
「えー、見つかっちゃたの?見つからないように上手く自分の部屋に戻って自分のコレクションを持ってこなきゃダメなのに。」
美咲が晴南に言った。
「家に帰ったらママが玄関にいたから、窓から家に入ろうと思ったのよ。そこをママに見られちゃって大目玉を食らったのよ!!」
晴南が美咲に言った。
「仕方ないでしょ美咲?このドロボウ帰宅はドロボウみたいに家に入るのが重要なんだから。」
美咲が晴南に言った。
「なんで自分の家に入るのにドロボウみたいに入らなきゃいけないのよ?普通こんな事しないでしょ?普通は玄関から入るもんでしょ?」
晴南が美咲に言った。
「玄関から入るんじゃ普通すぎるでしょ?家に帰って玄関から入る。それのどこが面白いっていうの?いいこのドロボウ帰宅は自分の家なのにドロボみたいにコソコソ入る。オドオドしながら入る。だからいいのよ。普段しないような事をする。面白さっていうのはそういう所に転がっているものよ。」
美咲が晴南に言った。
「もう!!いっつも変な事ばっかり思いつくんだから!!」
晴南がみんなに言った。
「さあ次はいよいよ私の番ね。」
すると美咲が晴南に言った。
「待って、私も一緒に行くわ。」
晴南が美咲に尋ねた。
「えっ、美咲も一緒に来るの??別にいいけど、なんで?」
美咲が晴南に言った。
「理由なんて言わなくても分かるでしょ。」
晴南が美咲に言った。
「あっそっか!!我が家から金目の物を盗むつもりなのね。」
美咲が晴南に言った。
「そんな事する訳ないでしょ!!」
晴南が美咲に言った。
「えっじゃあもしかして?金目の物を置いてってくれるの?ありがとう??」
美咲が晴南に言った。
「違うわよ!!なんでそんな事をしなきゃならないのよ!!そうじゃなくて、ちゃんとやるかどうかを見届けにいくの。晴南が言い出したんだから、ちゃんとドロボウ帰宅をやってもらないとね。」
晴南が美咲に言った。
「心配しなくてもちゃんとやるわ。私こういうの大好きだから。」
晴南がみんなに言った。
「それじゃあ行ってくるわね。」
晴南と美咲は図書館を後にして晴南の自宅へと向かった。
麻衣子がみんなに言った。
「余計な事言わなきゃ良かった。みんなごめんねー。」
拓也が麻衣子に言った。
「麻衣子、いつもの事だから気にしなくていい。」
長孝が麻衣子に言った。
「堀川先輩、ハル姉らしくていいと思うっす。」
冬湖が麻衣子に言った。
「私も晴南さんの思いつきって結構楽しくて好きですよ。」
麻衣子がみんなに言った。
「みんなありがとう。そう言ってくれると助かるわ。」
それから少し時間が経って正午になった。
晃太と優斗が図書館の中から出てきていた。
麻衣子が優斗に尋ねた。
「優斗君、資料は揃ったの??」
優斗が麻衣子に言った。
「資料はいいのが揃ったからもう大丈夫だよ。」
麻衣子が晃太と優斗に言った。
「晃太君、優斗君ありがとね。」
麻衣子がみんなに言った。
「それじゃあ晴南と美咲が戻ってきたらみんなで登校しましょうか。」
晃太が麻衣子に尋ねた。
「晴南と美咲はいないのか??」
麻衣子が晃太に言った。
「うん、まだ戻ってきてないわ。どっかで道草くってるんじゃないかな。」
するとスマホの着信音楽が周囲に流れた。
麻衣子が自分のスマホの着信に気がついてスマホを取り出した。
麻衣子がスマホを見ながら言った。
「あれっ??知らない番号からだ?誰だろう??」
麻衣子はスマホを操作して電話を取った。
「はいもしもし。はい、はい、えっ??警察ですか???」
その後麻衣子達は慌てて九木礼警察署へと向かった。
九木礼警察署は町役場の向かい側にあった。
九木礼警察署は三階建てのコンクリート作りの建物だった。
麻衣子達は警察署の建物の一階にある地域課へとやってきた。
地域課では晴南と美咲が一人の警察官と話をしていた。
中年の警察官が晴南に言った。
「拓也がみんなに迷惑をかけてないかね?」
美咲がその警察官に言った。
「逆です。晴南が拓也君に迷惑をかけてます。」
晴南が美咲に言った。
「ちょっとそんな事ないでしょ?」
美咲が晴南に言った。
「いつも迷惑な事ばっかり思いついてるじゃない。」
すると地域課に入ってきた麻衣子達に気がついた晴南が大きな声で言った。
「あっ!!ここよ!!麻衣子!!はやかったわね。」
晴南の所までやってきた麻衣子が大きな声で尋ねた。
「ちょっと晴南?一体どういう事よ??」
すると晴南の代わりに美咲が麻衣子に説明した。
「それがさー、晴南ったら窓から出ようとしたところを勇雄(いさお)さんに見つかっちゃったのよ。それで勇雄(いさお)さんに職務質問(しょくむしつもん)されたって訳。」
晴南が麻衣子に言った。
「そうそれでせっかく職務質問してくれたんだから、九木礼警察署までパトカーで連行してってお願いしたの。」
麻衣子が晴南に言った。
「もう晴南??いつも変な事ばっかりやってるからこうなっちゃうのよ!!」
晴南が麻衣子に言った。
「麻衣子、そんなに怒らないでよ、パトカーにも乗れたし、連行もしてもらえたしとっても楽しかったのよ。」
拓也がその警察官に言った。
「親父、これは部活動なんだ!!」
その警察官が拓也に言った。
「拓也、分かってる。事情は晴南ちゃんから聞いた。」
この警察官は松浦(まつうら)勇雄(いさお)という名前で、拓也と亜美の父親であり九木礼警察署に勤めていた。
冬湖が勇雄(いさお)に尋ねた。
「晴南さんは逮捕されてしまうんですか?」
勇雄(いさお)が冬湖に言った。
「はっはっは!!大丈夫、晴南ちゃんは自分の家から出てきただけだからね。逮捕なんかしないよ。」
晴南がみんなに言った。
「そうそうみんな心配しすぎよ。」
勇雄(いさお)が晴南に言った。
「でも晴南ちゃん、紛らわしいから今後はこういう事は止めてね。」
晴南が勇雄(いさお)に言った。
「はーい、今度は見つからないようにします。」
麻衣子が晴南に言った。
「そこは二度としませんって言わなきゃダメでしょ。」
晴南が麻衣子に尋ねた。
「なんで??自分の家から出てきただけでしょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「ドロボウみたいにコソコソ窓から出るから不審者と間違われたんでしょ?」
晴南が麻衣子に言った。
「別にやましい事はしてないんだから別にいいんじゃない?」
麻衣子が晴南に言った。
「やましくはないけど、紛らわしいの!!ちょっとはおとなしくしててよ。」
晴南が麻衣子に言った。
「えー!!」
晴南がみんなに言った。
「そうだ!!それならこういうのはどう?お巡りさんの前で慌てて引き返してみるの??お巡りさんを見て慌てて逃げるのよ。お巡りさんが追いかけてくるかどうか実験してみない?」
麻衣子が晴南に言った。
「もうだから変な事ばっかり思いつかないでよ!!」
すると勇雄(いさお)が晴南に言った。
「警察官として言わせてもらうけど確実に追いかけてくるよ。明らかに挙動不審だからね。」
麻衣子が晴南に言った。
「ほらみなさい。」
拓也が勇雄に尋ねた。
「ところで親父?今日はなんで警察の人が多いんだ??いつもこんなにいないだろう??」
冬湖が拓也に言った。
「そういえば駐車場にも車がいっぱい止まってましたね。」
勇雄がみんなに言った。
「ああここに明井田大規模火災の合同捜査本部を立ち上げたからな。明井田の署員や応援の刑事がここに集まってるんだ。」
麻衣子が勇雄に言った。
「あっそれでこんなに警察の人が多いんですね。」
勇雄がみんなに言った。
「知っての通り明井田大規模火災で明井田警察署も被災してしまったからね。捜査本部を立ち上げようにも場所がない。そこでこの九木礼警察署に合同捜査本部を設置したという訳だ。」
優斗が勇雄に尋ねた。
「捜査本部が設置されたって事は今回の明井田大規模火災は放火の可能性もあるって事ですか?」
勇雄が優斗に尋ねた。
「ああ明井田大規模火災対策本部と協力体制をとっていたんだが放火の可能性が出てきたので捜査本部を立ち上げたという訳だ。」
拓也が勇雄に尋ねた。
「親父今日も遅くなるのか?」
勇雄が拓也に言った。
「ああ捜査は今が大事な時だからな。すまんが今日も遅くなると母さんに伝えておいてくれ。」
拓也が勇雄に言った。
「分かった。」
すると別の警察官が勇雄の所にやってきて、勇雄に言った。
「松浦警視。もうすぐ捜査会議が始まります。」
勇雄がその警察官に言った。
「もうそんな時間か。すまないすぐに行く。」
勇雄は立ち上がるとみんなに言った。
「慌ただしくてすまいな、ここで失礼させてもらうよ。みんな気をつけて登校するんだよ。」
そう言うと勇雄は警察署の奥に入っていった。
その後、晴南達は九木礼警察署を後にして九木礼中学校へと向かった。
晴南達は九木礼図書館に来ていた。
九木礼図書館は二階建てのコンクリート造りの建物だった。
晴南達は閲覧席に座っていた。
図書館の中で晴南はため息をつきながら言った。
「はあー、もう最悪よ!!まさか朝から図書館に来る事になるなんて!!」
隣に座っていた麻衣子が晴南に言った。
「ちょっと晴南?図書館の中では静かにしなきゃダメでしょ?」
晴南が麻衣子に言った。
「別にいいでしょ??利用者なんて私達以外にいないんだし。」
晴南が麻衣子に言った。
「せっかく授業が午後からなのに、なんで朝から図書館なんかに来なきゃいけないのよ!!」
麻衣子が晴南に言った。
「昨日晴南が地下坑道で時間を使いすぎたからでしょ?それで図書館で調べものをする時間が無くなっちゃったんじゃない。」
晴南が麻衣子に言った。
「仕方ないでしょ?久しぶりの地下探検だったのよ、とっても楽しかったの!そりゃ時間が過ぎるのも忘れちゃうわよ。」
晴南が言った。
「ていうか昨日来た時に一緒に調べれば良かったでしょ!!なんで図書館で写真だけ撮って帰っちゃうのよ。」
晃太が晴南に言った。
「そうは言っても仕方ないだろう。昨日は閉館時間ギリギリにしかこれなかったんだ。写真を撮る事を最優先にしないと辻褄が合わなくなる。」
麻衣子が晴南に言った。
「もう晴南の尻ぬぐいをしてくれてるのよ。鳥岩先生のカミナリが落ちないように。」
晴南が晃太に言った。
「でもさ鳥岩先生って今いないじゃない?適当にレポートの辻褄を合わせとけばいいでしょ?」
晃太が晴南に言った。
「その辻褄を合わせるのがかなり大変なんだ。」
晴南が尋ねた。
「どういう事よ?」
優斗が晴南に言った。
「鳥岩先生から渡されたのはフィルム式のデート(日付)機能付きのインスタントカメラだからね。日付が違う写真を撮影して部活動レポートに載せれば一発で他事してたってバレちゃうし。だからと言って写真を使う約束だから部活動レポートに写真を載せない訳にもいかないし。」
晃太が晴南に言った。
「他事をしながら辻褄が合うように部活動レポートを作成するのはなかなか大変だぞ。鳥岩先生もいいやり方を指定してくるな。」
優斗が晃太に言った。
「部活動で他事をやるのはかなり難しいよね。」
晴南が優斗に尋ねた。
「そんな事よりも資料集めは終わりそうなの?」
優斗が晴南に言った。
「ごめん晴南、参考にできそうな資料が多くて、目移りしちゃってさ。たぶん正午くらいまではかかると思うよ。」
晴南が優斗に言った。
「えっー!!まだ2時間以上かかるの?12時までずっと図書館にいるなんて退屈すぎるわ。」
すると晴南が何かを考え始めた。
「うーん、何かないかしら??」
そして晴南が大きな声で言った。
「そうだ!!」
麻衣子が晴南に尋ねた。
「また変な事を思いついたんじゃないでしょうね?」
晴南が麻衣子に言った。
「ごめん何も思いつかなかったわ。そうだ!って言ってみただけ。」
麻衣子が晴南に言った。
「そうなの?ならいいわ。」
晴南が麻衣子に言った。
「ちょっと待ってね。何か思いつくわ。」
麻衣子が晴南に言った。
「ちょっと晴南??無理して思いつかなくていいから。」
晴南が麻衣子に言った。
「ダメよ、私の閃きをみんな待ちわびてるんでしょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「いや、閃かなくて大丈夫だから。」
晴南が麻衣子に言った。
「遠慮しなくていいのよ麻衣子。」
晴南が麻衣子に言った。
「ちょっと待ってね。うーん、うーん???よし思いついたわ!!」
午前11時を過ぎた。
晃太と優斗はまだ図書館の中で資料集めを続けていた。
それ以外のメンバーは図書館の外に出ていた。
拓也と慎吾と美咲以外のメンバーは図書館の出入口前で待っていた。
すると拓也と慎吾が図書館前に戻ってきた。
晴南が拓也に尋ねた。
「拓也?ちゃんと持ってきた?」
拓也が晴南に言った。
「部屋に帰ってこれを持ってきたぞ。」
拓也はそういうと自分の持ってきたテニスラケットを晴南に見せた。
慎吾が晴南に言った。
「晴南、これでよござんすか。」
続いて慎吾が自分の部屋から持ってきた力士の角野里(かくのさと)の手形を晴南に見せた。
晴南が拓也と慎吾に言った。
「うん、いいわよ。誰にも見つかってないわよね?」
拓也が晴南に言った。
「母さんが玄関の掃除をしてる間に窓からこっそり侵入した。」
慎吾が晴南に言った。
「おいも裏口からこっしょり入ったんやけんからよかよかたい。」
晴南が拓也と慎吾に言った。
「オッケー、ならいいわ。」
すると美咲が図書館前に戻ってきた。
戻ってきた美咲が怒り心頭の様子で晴南に言った。
「もう晴南??ママに見つかってすごく怒られたのよ!!どうしてくれるのよ!!」
晴南が美咲に言った。
「えー、見つかっちゃたの?見つからないように上手く自分の部屋に戻って自分のコレクションを持ってこなきゃダメなのに。」
美咲が晴南に言った。
「家に帰ったらママが玄関にいたから、窓から家に入ろうと思ったのよ。そこをママに見られちゃって大目玉を食らったのよ!!」
晴南が美咲に言った。
「仕方ないでしょ美咲?このドロボウ帰宅はドロボウみたいに家に入るのが重要なんだから。」
美咲が晴南に言った。
「なんで自分の家に入るのにドロボウみたいに入らなきゃいけないのよ?普通こんな事しないでしょ?普通は玄関から入るもんでしょ?」
晴南が美咲に言った。
「玄関から入るんじゃ普通すぎるでしょ?家に帰って玄関から入る。それのどこが面白いっていうの?いいこのドロボウ帰宅は自分の家なのにドロボみたいにコソコソ入る。オドオドしながら入る。だからいいのよ。普段しないような事をする。面白さっていうのはそういう所に転がっているものよ。」
美咲が晴南に言った。
「もう!!いっつも変な事ばっかり思いつくんだから!!」
晴南がみんなに言った。
「さあ次はいよいよ私の番ね。」
すると美咲が晴南に言った。
「待って、私も一緒に行くわ。」
晴南が美咲に尋ねた。
「えっ、美咲も一緒に来るの??別にいいけど、なんで?」
美咲が晴南に言った。
「理由なんて言わなくても分かるでしょ。」
晴南が美咲に言った。
「あっそっか!!我が家から金目の物を盗むつもりなのね。」
美咲が晴南に言った。
「そんな事する訳ないでしょ!!」
晴南が美咲に言った。
「えっじゃあもしかして?金目の物を置いてってくれるの?ありがとう??」
美咲が晴南に言った。
「違うわよ!!なんでそんな事をしなきゃならないのよ!!そうじゃなくて、ちゃんとやるかどうかを見届けにいくの。晴南が言い出したんだから、ちゃんとドロボウ帰宅をやってもらないとね。」
晴南が美咲に言った。
「心配しなくてもちゃんとやるわ。私こういうの大好きだから。」
晴南がみんなに言った。
「それじゃあ行ってくるわね。」
晴南と美咲は図書館を後にして晴南の自宅へと向かった。
麻衣子がみんなに言った。
「余計な事言わなきゃ良かった。みんなごめんねー。」
拓也が麻衣子に言った。
「麻衣子、いつもの事だから気にしなくていい。」
長孝が麻衣子に言った。
「堀川先輩、ハル姉らしくていいと思うっす。」
冬湖が麻衣子に言った。
「私も晴南さんの思いつきって結構楽しくて好きですよ。」
麻衣子がみんなに言った。
「みんなありがとう。そう言ってくれると助かるわ。」
それから少し時間が経って正午になった。
晃太と優斗が図書館の中から出てきていた。
麻衣子が優斗に尋ねた。
「優斗君、資料は揃ったの??」
優斗が麻衣子に言った。
「資料はいいのが揃ったからもう大丈夫だよ。」
麻衣子が晃太と優斗に言った。
「晃太君、優斗君ありがとね。」
麻衣子がみんなに言った。
「それじゃあ晴南と美咲が戻ってきたらみんなで登校しましょうか。」
晃太が麻衣子に尋ねた。
「晴南と美咲はいないのか??」
麻衣子が晃太に言った。
「うん、まだ戻ってきてないわ。どっかで道草くってるんじゃないかな。」
するとスマホの着信音楽が周囲に流れた。
麻衣子が自分のスマホの着信に気がついてスマホを取り出した。
麻衣子がスマホを見ながら言った。
「あれっ??知らない番号からだ?誰だろう??」
麻衣子はスマホを操作して電話を取った。
「はいもしもし。はい、はい、えっ??警察ですか???」
その後麻衣子達は慌てて九木礼警察署へと向かった。
九木礼警察署は町役場の向かい側にあった。
九木礼警察署は三階建てのコンクリート作りの建物だった。
麻衣子達は警察署の建物の一階にある地域課へとやってきた。
地域課では晴南と美咲が一人の警察官と話をしていた。
中年の警察官が晴南に言った。
「拓也がみんなに迷惑をかけてないかね?」
美咲がその警察官に言った。
「逆です。晴南が拓也君に迷惑をかけてます。」
晴南が美咲に言った。
「ちょっとそんな事ないでしょ?」
美咲が晴南に言った。
「いつも迷惑な事ばっかり思いついてるじゃない。」
すると地域課に入ってきた麻衣子達に気がついた晴南が大きな声で言った。
「あっ!!ここよ!!麻衣子!!はやかったわね。」
晴南の所までやってきた麻衣子が大きな声で尋ねた。
「ちょっと晴南?一体どういう事よ??」
すると晴南の代わりに美咲が麻衣子に説明した。
「それがさー、晴南ったら窓から出ようとしたところを勇雄(いさお)さんに見つかっちゃったのよ。それで勇雄(いさお)さんに職務質問(しょくむしつもん)されたって訳。」
晴南が麻衣子に言った。
「そうそれでせっかく職務質問してくれたんだから、九木礼警察署までパトカーで連行してってお願いしたの。」
麻衣子が晴南に言った。
「もう晴南??いつも変な事ばっかりやってるからこうなっちゃうのよ!!」
晴南が麻衣子に言った。
「麻衣子、そんなに怒らないでよ、パトカーにも乗れたし、連行もしてもらえたしとっても楽しかったのよ。」
拓也がその警察官に言った。
「親父、これは部活動なんだ!!」
その警察官が拓也に言った。
「拓也、分かってる。事情は晴南ちゃんから聞いた。」
この警察官は松浦(まつうら)勇雄(いさお)という名前で、拓也と亜美の父親であり九木礼警察署に勤めていた。
冬湖が勇雄(いさお)に尋ねた。
「晴南さんは逮捕されてしまうんですか?」
勇雄(いさお)が冬湖に言った。
「はっはっは!!大丈夫、晴南ちゃんは自分の家から出てきただけだからね。逮捕なんかしないよ。」
晴南がみんなに言った。
「そうそうみんな心配しすぎよ。」
勇雄(いさお)が晴南に言った。
「でも晴南ちゃん、紛らわしいから今後はこういう事は止めてね。」
晴南が勇雄(いさお)に言った。
「はーい、今度は見つからないようにします。」
麻衣子が晴南に言った。
「そこは二度としませんって言わなきゃダメでしょ。」
晴南が麻衣子に尋ねた。
「なんで??自分の家から出てきただけでしょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「ドロボウみたいにコソコソ窓から出るから不審者と間違われたんでしょ?」
晴南が麻衣子に言った。
「別にやましい事はしてないんだから別にいいんじゃない?」
麻衣子が晴南に言った。
「やましくはないけど、紛らわしいの!!ちょっとはおとなしくしててよ。」
晴南が麻衣子に言った。
「えー!!」
晴南がみんなに言った。
「そうだ!!それならこういうのはどう?お巡りさんの前で慌てて引き返してみるの??お巡りさんを見て慌てて逃げるのよ。お巡りさんが追いかけてくるかどうか実験してみない?」
麻衣子が晴南に言った。
「もうだから変な事ばっかり思いつかないでよ!!」
すると勇雄(いさお)が晴南に言った。
「警察官として言わせてもらうけど確実に追いかけてくるよ。明らかに挙動不審だからね。」
麻衣子が晴南に言った。
「ほらみなさい。」
拓也が勇雄に尋ねた。
「ところで親父?今日はなんで警察の人が多いんだ??いつもこんなにいないだろう??」
冬湖が拓也に言った。
「そういえば駐車場にも車がいっぱい止まってましたね。」
勇雄がみんなに言った。
「ああここに明井田大規模火災の合同捜査本部を立ち上げたからな。明井田の署員や応援の刑事がここに集まってるんだ。」
麻衣子が勇雄に言った。
「あっそれでこんなに警察の人が多いんですね。」
勇雄がみんなに言った。
「知っての通り明井田大規模火災で明井田警察署も被災してしまったからね。捜査本部を立ち上げようにも場所がない。そこでこの九木礼警察署に合同捜査本部を設置したという訳だ。」
優斗が勇雄に尋ねた。
「捜査本部が設置されたって事は今回の明井田大規模火災は放火の可能性もあるって事ですか?」
勇雄が優斗に尋ねた。
「ああ明井田大規模火災対策本部と協力体制をとっていたんだが放火の可能性が出てきたので捜査本部を立ち上げたという訳だ。」
拓也が勇雄に尋ねた。
「親父今日も遅くなるのか?」
勇雄が拓也に言った。
「ああ捜査は今が大事な時だからな。すまんが今日も遅くなると母さんに伝えておいてくれ。」
拓也が勇雄に言った。
「分かった。」
すると別の警察官が勇雄の所にやってきて、勇雄に言った。
「松浦警視。もうすぐ捜査会議が始まります。」
勇雄がその警察官に言った。
「もうそんな時間か。すまないすぐに行く。」
勇雄は立ち上がるとみんなに言った。
「慌ただしくてすまいな、ここで失礼させてもらうよ。みんな気をつけて登校するんだよ。」
そう言うと勇雄は警察署の奥に入っていった。
その後、晴南達は九木礼警察署を後にして九木礼中学校へと向かった。
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最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
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実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
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役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
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【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
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田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
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「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
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『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
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※※※※※
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すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
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その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
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最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
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