最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

論功行賞

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今日はパルゲア歴752年6月23日だ。

ジール公国ラクリファ宮殿の謁見の間では勇者狩りの論功行賞が行われようとしていた。

玉座にはジール大公が座り、パストーレ伯爵がその横に控えていた。

側近達は玉座の前に整列していた。

ジール大公が大きな声で言った。

「ローシャン男爵!」

ローシャン男爵が前に出て答えた。

「はっ!」

ジール大公がローシャン男爵に言った。

「此度はソルト村村人の避難誘導及び帰還支援ご苦労であった。誰一人として逃げ遅れはいなかった。結果としては上出来だ。だが次は余を動かさずに村人達を説得せよ。良いな?」

ローシャン男爵が答えた。

「はっ!精進致します。」

ローシャン男爵は列へと戻った。

ジール大公が大きな声で言った。

「セッジ男爵!」

セッジ男爵が前に出て答えた。

「はっ!」

「此度のソルト村の偽装工作及び復旧作業の手際は大変良かった。限られた時間の中で、あれだけ違和感がない演出ができたのは称賛に値する。またそちの部下達が命懸けの演技によって勇者を騙す事ができた。あっぱれな働きぶりであった。」

セッジ男爵がジール大公に答えた。

「はっ!大公様ありがき御言葉でございます。部下達も喜びましょう。」

そしてジール大公がセッジ男爵に言った。

「セッジ男爵、そちに一億ガルを授ける。これで部下達に報いてやれ!」

セッジ男爵がジール大公に答えた。

「はっ!お心遣い感謝致します。」

するとセッジ男爵は下がり列へと戻った。

そしてジール大公が言った。

「ターキル子爵!」

すると今度はターキル子爵が前に出た。

そしてターキル子爵がジール大公に答えた。

「はっ!」

ジール大公がターキル子爵に言った。

「そちの部下達が見事にソルト村の村人になりきり、勇者を騙す事ができた。そちの部下達の演技は見事であった。そち達の働きが無ければ勇者狩りは成功しなかっただろう。」

ターキル子爵がジール大公に答えた。

「はっ!大公様お褒め頂きありがとうございます。」

ジール大公がターキル子爵に言った。

「ターキル子爵、そちに一億ガルを授ける。部下達に報いてやれ。」

ターキル子爵がジール大公に言った。

「はっ!大公様感謝致します。」

そしてジール大公が大きな声で言った。

「そして此度の最大の功労者アミラ。」

アミラが前に出てジール大公に答えた。

「はっ!」

ジール大公がアミラに言った。

「此度身を危険にさらして勇者に接近し、見事勇者を討ち果たす事ができた。此度の勇者狩りでの最大の功労者はアミラそちだ。誠に良い働きをしてくれた!」

アミラがジール大公に言った。

「大公様、もったいない御言葉でございます。」

ジール大公がアミラに言った。

「約束どおりアミラお主に男爵位を授ける。」

アミラがジール大公に言った。

「はっ!ありがとうございます。」

すると整列したいた側近達が口々に言った。

「アミラ様、おめでとうございます。」

「おめでとうございます。」

そしてジール大公が大きな声で言った。

「此度の論功行賞は以上だ。そしてこの勇者狩り成功を祝して六笑(ろくしょう)にて閉めたいと思う。」

そして謁見の間は少しの間静寂に包まれた。

そしてジール大公の大きな声が響いた。

「愚かな勇者に、あっはっはー!」

そして一同が大きな声で言った。

「愚かな勇者に、あっはっはー!」

再びジール大公の声が響いた。

「浅はかな勇者に、あっはっはー!」

そして一同が大きな声で言った。

「浅はかな勇者に、あっはっはー!」

またジール大公の声が響いた。

「間抜けな勇者に、あっはっはー!」

再度一同の声が響いた。

「間抜けな勇者に、あっはっはー!」

こうして無事に六笑(ろくしょう)が終了し論功行賞が終了した。
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