最強勇者の物語

しまうま弁当

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1章 目を開けたらそこは異世界でした

こんなの嫌だ

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はー、僕はため息をついた。

世の中は不公平だ。テレビの中では司会の進行に合わせて、芸能人達がトークに花を咲かせている。

この人達は椅子に座って喋っているだけで、大金が貰えるし、周囲からチヤホヤもされる。

なんとも羨ましい仕事だ。

そんな事を考えていると、一階から大きな声が聞こえた。

「良夫もうお昼すぎよ、いい加減起きなさい。」

母の声だ。時計を見ると、午後二時を回っていた。僕は眠い目を擦りながら、ベッドから起き出した。

僕の名は安井良夫(やすいよしお)25歳、高校を出てから、世に言うニートをかれこれ7年続けている。

この二三年は家の外にすら出ていないダメ人間である。

それからtvゲームを数時間やった後、またすぐベッドに入った。

何時間経っただろうか?また寝てしまったようだ。

時計を見ると午後九時をまわっていた。

一階から何やら話し声が聞こえてくる。どうやら親父が帰ってきたようだ。

「良夫は今日はどこかに出かけたか?」

「いいえ、一日中家にいて、寝てたわ。」

「あいつめ、いつになったら真面目になるだ!」

その後、家中に親父の怒声が響き渡った。

「良夫、いつまで父さん母さんに迷惑をかければ気が済むんだ?どうせ寝たフリしてるんだろう!降りてこい良夫!」

怒声は数分続いたが、その後母が取りなして、やっとしずかになった。

その後ベッドの中で泣いていた。

俺は悪くない、この社会そして世界が悪いんだ。俺の事を理解しようともしない連中が悪いに決まってる。もうこんな世界は嫌だ。絶対に嫌だ。


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