最強勇者の物語

しまうま弁当

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2章 目を覚ましたらそこは異世界でした

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クロエに案内してもらって村長宅に入れてもらった。

村の高台にあり外からも大きく見えた村長宅は、中に入るとよりその大きさが分かった。

一階は大きな部屋が一つでーんとあり、二階にいくつか小部屋があるようだった。

僕が一階で待っているとすぐにクロエが二階の一室へと案内してくれた。

きれいに整理された部屋の中央にテーブルと椅子が置いてあり、そこに村長らしき人物が座っていた。

村長らしき人物が僕に言った。

「そなたがクロエが言っていた旅の方か?」

僕は村長らしき人物に答えた。

「はい多和田と申します。」

村長らしき人物が僕に言った。

「わしはこの村の村長をやらせてもらっているガウスだ。それで、旅の方がわしに何の用かな?」

僕はガウス村長に答えた。

「はい王都に行きたいと思いまして。」

ガウス村長は僕に尋ねた。

「王都ラキアに行って、何をされるのかな?」

僕はガウス村長に答えた。

「えっと、一度この目で王都を見ておきたいと思いまして。」

ガウス村長が僕に言った。

「失礼とは思いますが、多和田さん今世界が置かれているの情勢を分かっておいでかな?」

僕はガウス村長に尋ねた。

「と仰っいますと?」

ガウス村長が僕に言った。

「世界は今魔王の脅威に曝されております、魔物が各地で激増し、死者も増加しております。そのような時に旅行とは少し呑気すぎではありませんか?」

僕はガウス村長に答えた。

「そのような時だからこそ、各地を周り見識を深める必要があると僕は思いますが。」

ふむっとガウス村長は少し考えると、立ち上がり棚の中からゴソゴソと取り出してテーブルに並べ始めた。

テーブルには短剣ときれいな鎧と兜と腕輪が置かれていた。

ガウス村長が再び話し始める。

「分かりました、では国王様への紹介状を書きましょう、ガロットに言って王都行きにも同行させましょう。」

僕はガウス村長に言った。

「ありがとうございます。」

ガウス村長は僕に言った。

「ただし一つ条件があります。」

ガウス村長が僕に続けて言った。

「デリール大森林の中の高台に昔村の教会がありましてな、その教会のある高台には永遠の花と呼ばれる白い花が咲いております。それを五輪ほど取って来て頂きたい。」

僕はガウス村長に尋ねた。

「条件にするって事は?」

ガウス村長が僕に言った。

「はい魔物が多数生息しております。永遠の花は教会で治療に使うのですが、それを今切らしておりまして。」

僕はガウス村長に尋ねた。

「あの装備品や腕輪は何ですか?」

ガウス村長が僕に言った。

「森の中は魔物が出ますので、戦う為の装備品です。腕輪は魔物よけの腕輪です。成功した暁には装備品と腕輪は差し上げます。」

ガウス村長が僕に尋ねてきた。

「さてどうされますかな?」

僕は少し考えた後答えた。

「ええやらせてもらいます。」

ガウス村長が僕に言った。

「そうですか、ではお願いします。」

僕は装備品を受け取ると部屋を出て村長宅を出ると、いったん借りている空き家に戻り装備品を装着した後、デリール大森林へと向かった。

ちょうど太陽は真上まで上り正午になろうとしていた。

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