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61.キャパオーバー イーヴォ7 ※
しおりを挟む遠征に持っていきたいと頼まれたクッキーを焼いた。くるみ入りとアーモンド入りの2種類。あれから改良を重ね、なかなか美味しくなった。
イーヴォにハンスのクッキーを持っていってもらおう。
「……なぁ、ミリ、……頼みがあるんだけど」
「なに?」
「遠征行って討伐するだろ? その後って血が騒ぐっていうか、なんか、こう体が収まらねぇっていうか、落ち着かねぇっていうか、そうなっちまうんだよ」
「うん」
「俺ら全員からの頼みなんだけどさ、……帰ったらすぐ抱かせてくんねぇ? 一番活躍した奴が最初でさ」
「え? 全員と?」
「いやいやいや、全員だとミリが大変だから、何人か、2、3人くらいなんだけど」
「ふーん、いいよ。イーヴォと先生は我慢するんだよね?」
「……俺は活躍したら入るし、しなかったら我慢する」
先生は? と見ると、目を背けた。え、我慢する気はない? 鬼畜かよ、先生。まあ、眠っちゃえば手を出してこないしな。
イーヴォが抱き付いて頬ずりしてきた。最近すごく甘えて、くっついてくるんだよね、この人。
「エミリ、俺の主」
「なに?」
「呼んだだけ」
甘えん坊なイーヴォ君。
明日、遠征に行くから今日は誰もこない。イーヴォは早目にベッドに行った。私もお風呂に入ってベッドにのぼった。布団に入るとイーヴォがくっついてきて、パジャマを脱がされた。
「まだ寝てなかったの? 明日に響くよ」
「ミリと眠る」
そう言って、私を抱きしめたイーヴォの背中を撫でる。
「気を付けてねイーヴォ。怪我しないで」
「うん、ミリ」
イーヴォの手が私の顎をすくい、唇に口の縁がふれた。ねっとりした舌で唇の縁をレロっと舐められ、背中がゾクリとする。
口の中に入ってきた温かい舌先をチュルっと吸うと、大きな手が胸を包んだ。イーヴォの大きな舌が首から鎖骨をベロベロと舐めていく。
「今日したら、明日疲れるんじゃないの?」
「大丈夫、俺って体力だけはあっから。……ずっと会えないの寂しい」
「……じゃあ、良いコトしようか?」
「なに?」
イーヴォに膝立ちで跨ってもらい、胸のほうへ誘導する。立ち上がってるペニスを下に向けて乳房で挟んだ。両手で頑張って寄せて、手で押し込めたらなんとか挟めた。イーヴォはびっくりした顔で、手をベッドについて体を支えてる。
おっぱいが大好きなイーヴォ君にパイズリのサービスです。
「イーヴォが動かして」
「ミリ、……これ」
「動かし辛い?」
「違う……なんで、こんな、やらしいこと、……ミリ、俺、おかしくなりそう」
途切れ途切れに言いながら、顔を歪めて腰を動かしてる。動かすごとに、先端から溢れた汁が胸に擦りつけられて、クチュクチュと滑りが良くなった。イーヴォは胸を凝視して呻きながら、腰を動かしてる。
「あっ、っはぁぅっ、ミリ、ああっ、エミリ、俺、俺、もう」
「このまま出していいよ、イヴ、かけて」
「っミリ、ああ、そんな、エミリ、あっ、イイっ、っあぅっくぅっっ……ううぅっっ」
「ちょうだい、イヴ」
「……っあああっぁ……っっ」
イーヴォの体が硬直して、手で押さえた胸の間があたたかくなった。
そのままの体勢で、息を整えていたら先生がベッドに入ってきた。イーヴォはノロノロと起き上がって布を取りに行き、私は胸から手を離して、先生はこちらを凝視している。
精液が零れないように動けないでいる私の横にイーヴォが座り、胸を拭いてくれた。
「ありがとう」
「俺のセリフだよ。あんがと、ミリ。……ミリ、ミリはしたい? 今日は欲しくない?」
「んー、少ししたい気もする」
笑って答えたら、イーヴォも笑いながら両手で胸を寄せ顔を埋めた。
「俺の匂いがする」
「匂いつけられちゃった、ふふ」
頭を撫でると、乳房も乳首もベロベロと舐め始めた。
舌でねっとりと肌を撫でられ、鳥肌が立つ。両方の乳首を一緒に弾かれると、腰が捩れて浮き上がってしまう。
イーヴォに舐られて悶えてると、がら空きな足の間に手が侵入してきて腰が跳ねた。
びっくりして見ると、いつのまにか先生が私の足元にいる。驚いて引けた腰に構わず、先生の指がクチュクチュとクリトリスの根元を撫で回す。
「んっああぅっ、やっ、先生っ、ああっ」
刺激が増えすぎて体が跳ねる。背中が痺れておかしくなりそう。
イーヴォに乳首を甘噛みされて叫び声が出た。仰け反った体を抱きしめられ逃げ場がない。乳首を嬲られ続けて飛びそうなところで、先生の指が芯に触れた。
頭の中が弾けて体が跳ね、絶頂する。体中が突っ張ってガクガクした。
しばらくして力が抜けても動きたくなくて、そのままぼんやりする。
「なんで、先生が入ってくんだよ」
「お前だって、このあいだ邪魔しただろう」
「俺は明日からしばらく会えねぇんだから今日ぐらいいいだろ」
「私には関係ない」
何の言い争いをしてんだよ、アホ2人組め。先生も大人げないな。
「……先生、明日の楽しみにとっておいてください」
「……わかった」
先生はムスッとして横になり、布団をかぶった。こっちを見たままだけど。なんだ、この可愛い生き物は。
頭を撫でて頬にキスを落すと、腕を掴まれて唇を吸いつかれた。少しだけ応えてから耳たぶをいじって『また、明日』と囁くと、トロリとした目になって手を離した。可愛いなぁ。
イーヴォに向き直って笑いながら手を伸ばすと、抱きしめられた。小さい声で名前を呼ぶから、小さい声で呼び返す。
ウロコの顔中にキスをして首を舐め、スベスベの体にもキスをしていく。両手を繋いで腕にも太腿にもキスを落し、また元気に勃ち上がってるイーヴォ君にも唇を濡らしてキスをした。
「ミリ、……あっ、ミリ……こんな」
「イヤ?」
「イヤじゃない、けど、……あ、なんか、恥ずかしい」
唇で食むようにキスをしながら聞くと、腰をモジモジと揺らして、もしょもしょと歯切れ悪く話すのが大変可愛い。可愛いので舌で舐め上げながら、意地悪することにした。
「恥ずかしいから嫌なの?」
「……イヤじゃない」
「気持ち良い?」
「……イイ」
全部を咥えてチュプチュプと上下に動かすと、喘ぎ声を漏らしながら腰を揺らす。
「もう、止めようか?」
「…………もう少し」
「何をもう少し? 言ってごらん」
鈴口を舌先でほじるようにすると、繋いだ手に力が入った。
「……もう少し、……しゃぶって」
顔を伏せて恥ずかしそうに小さい声で言うから、可愛くて鳥肌が立った。
なんかもう、無茶苦茶にしゃぶりつきたい気分だわ。根元まで口に咥えて舌で扱きながら上下に動かした。ウロコに覆われてる、少し硬めの陰嚢を指で撫でてくすぐる。
イーヴォの足が張り詰めて筋肉が盛り上がり、だんだんと喘ぎ声が甘くなっていく。
「ミリ、ミリ、もうダメ、出るから、ミリ」
「これ出しちゃったら、もう出ない? お終いになる?」
「……うん」
それじゃあ、もったいないから乗っかっちゃおう。
座ってるイーヴォに向かい合い、硬く立ってるペニスに腰を沈めた。イーヴォの手が私の腰を支える。
「なんで、笑ってんの?」
「なんか、イーヴォが可愛いコト言うから、楽しくなって」
「…………ミリが、言わせたんだろ」
抱き付いて小さく呟くのが、余計に可愛いんだけどな。気付かないの?
イーヴォの首につかまってゆっくり動く。唇が届く場所にいくつもキスをしては吸い付いた。ウロコの肌ってキスマーク付くのかな?今度試そう。
「ふっ、ああっ、ミリ、……っあ、あっ、あ、ああ、あっ」
「気持ち良い? 目玉ちゃん」
「……うん、っふ、ミリ、ああ、イイ、気持ち良い、ミリ」
「可愛い、私の目玉ちゃん、イーヴォ、……あっ、あ、んっ、良い」
イーヴォが可愛くて、背中が痺れてゾクゾクする。快感に揺れながら擦りつけて上下に動いていると、イーヴォが大きく呻いて体を捩り、私の腰を強く押さえ付けた。
「……っミリ、ダメ、死にそう、もう、ミリ」
「可愛いイヴ、おいで」
「っあああっっ、あぁぁっ、あ、ミリッ」
私の腰を強く抱え込んでイーヴォが声を上げた。
私の中でビクつき、強張って震えてるイーヴォを抱きしめる。
しばらくして息を吐き落ち着いてから、抱き合ったままベッドに横になった。
「……なんで、なんでそんな優しくすんの?」
「ダメだった?」
「ダメじゃねぇけど、……だって、俺、こんな優しくされたことねぇもん。俺、勘違いしちまう。だって、嬉しいし、俺、こんなん初めてだし。だって、こんなん、俺知らねぇ」
私に抱き付いて丸まり、訴えるように話すイーヴォを撫でる。
胸がジワっと痛い。
それって私のこと好きになったってこと? だって、違ってたでしょ。他の誰かを口説く話してたでしょ。
……イーヴォは私の気持ちを知らないんだから、責めてはいけない。私もイーヴォの気持ちを知らないからお互い様。
前にダニエルに注意されたっけ。あんまり、優しくするなって。ダニエルとかはモテ男だから勘違いしないけど、モテないイーヴォは勘違いするってことか。
解呪したら用済みだって思ってたけど、イーヴォはモテないから関係ないのか。そっか、解呪に関係なく、普通に単純に、優しくされたら嬉しくて好かれてると思っちゃうってことか。そっか、そっか、今気付いたわ。
それって、私じゃん。私がイーヴォと先生に好かれてるって勘違いしてたのと同じじゃん。そうだよね、勘違いしちゃうよね。そいで、傷つくよね。……私も酷いことしてるんだ。
でも、私、やっぱりイーヴォのこと好きだし、もしイーヴォに交際申し込まれたらOKするけどな。そんで、口説く話をしだしたら今度は怒るんだ。
あ、でも、私って先生を口説いてる途中じゃない? 先生に好き好き言ってるんだけど。どうしよう。
困った。イーヴォに好かれてないと思ってたし、イーヴォにそういうふうに見られてないと思ってたから、先生に思いっ切り舵を切っちゃった。
え、あれ? 私、先生よりイーヴォが好きなの? どうなの? え、わかんない。どうしよう。どうしよう、お茶をにごそうか。でも、好きだしな。
「……勘違いじゃないよ、イーヴォのこと好きだし」
「…………先生の次に」
「ああ、ええと、……同じくらい好きかな」
「……ホント?」
「うん。…………イーヴォって私のこと好きなの?」
「……スキ。すげぇスキ、エミリ、スキなんだ、俺、初めてなんだ、こんなの」
ギュウギュウ抱きしめられた。
どうしよう、すんごい好かれてるっぽい。どうしよう、嬉しい。どうしよう、可愛い。どうしよう。
「俺を置いていかないで、ミリ。捨てないで」
「……何の話?」
「だって、自分で自分を買い取っていなくなるんだろ? 俺を置いてくんだろ。俺がミリを奴隷のままにしてるから。……ごめん、でも、捨てないで」
あーそうか、そういえば、こいつ等のせいで奴隷娼婦してんだっけ。
うーん、でも、最初は娼館でイジメに遭ってたし買われて良かったって思ってたんだよね、確か。贅沢な環境にも慣れれば文句を言い出す輩は私であったと。
でも、奴隷は辞めたいよね。娼婦も? ……ん? あれ? んんん?
「ねえ、本当のこと言って良い?」
「…………うん」
「私、ちょっと混乱してるの。イーヴォに好かれてると思ってなかったから」
「……そんなこと、……なんで、俺、ミリに嫌なコトした?」
「うん、ちょっと」
「……ごめん、俺、……気づかなくて、俺、何した?」
「あー、今は、ちょっと保留。混乱してるから。遠征から帰ったらまた話そうね」
「……嫌になんない?」
「ならないよ。イーヴォがいないと寂しいって思ってるし」
「ホント?」
またギュウギュウ抱き付いてきたイーヴォを撫でる。なんか、すごい可愛い生き物になってる。どうしよう。
「本当。今日はもう寝ようね」
「うん。スキ、ミリ、スキだ」
「うんうん、私も好きだよ」
イーヴォを撫でながら思考停止に陥る。もうキャパオーバーですわ。
目をつぶってブラックアウト。
応援ありがとうございます!
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