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神殿でのモーニングルーティーン
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「もう朝だよ、寝坊助さん」
そんな優しい声に導かれて俺は目を覚ます。何やら随分昔の夢を見ていた気がする、そう思いながら目を開けると、そこには見慣れた顔があった。
「おはようございます、マキナ様」
「もう~マキナでいいって言ってるのに」
そう言いながら彼女は俺の頭を撫でてくれる。その手つきは優しく、心地よいものだった。
「すみません、呼び捨てであなたを呼ぼうとすると体が熱くなってうまく声がでなくて」
「ふふっ、レインったら照れちゃって可愛い☆」
そう言いながら彼女は俺の頬をツンツンとつつく。くすぐったいけど気持ちがいい。
ここは、街から少し離れたところにあるマキナ様の神殿。俺はこの神殿で彼女と二人で暮らしている。
「そう言えば、今日は試験があるって言ってなかったけ?」
「はい、冒険者ギルドのランク昇格の試験があります」
俺が住んでいる国のギルドにはブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのランクが設けられている。
今の俺のランクは駆け出し冒険者レベルのブロンズ、子供のころからの夢であった英雄の証、プラチナランク冒険者への道の一歩を今日踏み出すことになるのだ。
俺はベッドから降りてマキナ様の神殿に置いてあった黒色のフード付きのローブを鼻歌交じりに身にまとう。
フード下のズボンには小さなかばんを腰に巻いており、昇格試験に必要な書類と、冒険者の証である銅色の冒険者カード入れている。
「うんうん、よく似合ってる」
彼女はそう言いながらすっと俺の背後をとり、俺の身体をそっと抱きしめる。
その小柄な体より少し大きいぐらいの彼女の真っ黒な羽が俺の身体を包みこむ。そんな彼女の暖かい体温を感じるたびに俺の心はどんどん心地よく感じてゆく。
「それじゃあ、行ってきますの前にいつものやつお願い☆」
彼女はそう言ってウインクして見せた。
その吸い込まれそうな目を見つめながら俺はいつものように彼女に宣言するのだ。
「俺の心と体はすべてあなたのために、必要ないものはすべて捨てて暮らすことを誓います」
「よくできました、はいこれ朝ごはん」
マキナ様はそう言って左手で俺の頭をなでながら、右手に黒い球体を生成して俺の口元に近づける。
「あーん」
そして、そのまま食べさせようとしてくる。
俺は口を開けてその球体を咀嚼する。
その球体は不思議な味がするので毎日食べているのに美味しいのかまずいのかよく分からない。
分かっていることは、この球体を食べるだけで一日ご飯を食べないでもいいぐらい腹が十分に満たされることぐらいだ。
それでもマキナ様が俺のためにこの球体を作ってくれたと考えると体が震えるほど喜びが込み上げる。
きっと町で出回っているどんな食材を食べてもこのような気持ちにはならないのだろう。
「それじゃあギルドまでは私が送ってあげるよ。頑張ってきてね」
「はい、行ってきます」
そうして俺は彼女の転送魔法で街のギルドまで移動した。
そんな優しい声に導かれて俺は目を覚ます。何やら随分昔の夢を見ていた気がする、そう思いながら目を開けると、そこには見慣れた顔があった。
「おはようございます、マキナ様」
「もう~マキナでいいって言ってるのに」
そう言いながら彼女は俺の頭を撫でてくれる。その手つきは優しく、心地よいものだった。
「すみません、呼び捨てであなたを呼ぼうとすると体が熱くなってうまく声がでなくて」
「ふふっ、レインったら照れちゃって可愛い☆」
そう言いながら彼女は俺の頬をツンツンとつつく。くすぐったいけど気持ちがいい。
ここは、街から少し離れたところにあるマキナ様の神殿。俺はこの神殿で彼女と二人で暮らしている。
「そう言えば、今日は試験があるって言ってなかったけ?」
「はい、冒険者ギルドのランク昇格の試験があります」
俺が住んでいる国のギルドにはブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのランクが設けられている。
今の俺のランクは駆け出し冒険者レベルのブロンズ、子供のころからの夢であった英雄の証、プラチナランク冒険者への道の一歩を今日踏み出すことになるのだ。
俺はベッドから降りてマキナ様の神殿に置いてあった黒色のフード付きのローブを鼻歌交じりに身にまとう。
フード下のズボンには小さなかばんを腰に巻いており、昇格試験に必要な書類と、冒険者の証である銅色の冒険者カード入れている。
「うんうん、よく似合ってる」
彼女はそう言いながらすっと俺の背後をとり、俺の身体をそっと抱きしめる。
その小柄な体より少し大きいぐらいの彼女の真っ黒な羽が俺の身体を包みこむ。そんな彼女の暖かい体温を感じるたびに俺の心はどんどん心地よく感じてゆく。
「それじゃあ、行ってきますの前にいつものやつお願い☆」
彼女はそう言ってウインクして見せた。
その吸い込まれそうな目を見つめながら俺はいつものように彼女に宣言するのだ。
「俺の心と体はすべてあなたのために、必要ないものはすべて捨てて暮らすことを誓います」
「よくできました、はいこれ朝ごはん」
マキナ様はそう言って左手で俺の頭をなでながら、右手に黒い球体を生成して俺の口元に近づける。
「あーん」
そして、そのまま食べさせようとしてくる。
俺は口を開けてその球体を咀嚼する。
その球体は不思議な味がするので毎日食べているのに美味しいのかまずいのかよく分からない。
分かっていることは、この球体を食べるだけで一日ご飯を食べないでもいいぐらい腹が十分に満たされることぐらいだ。
それでもマキナ様が俺のためにこの球体を作ってくれたと考えると体が震えるほど喜びが込み上げる。
きっと町で出回っているどんな食材を食べてもこのような気持ちにはならないのだろう。
「それじゃあギルドまでは私が送ってあげるよ。頑張ってきてね」
「はい、行ってきます」
そうして俺は彼女の転送魔法で街のギルドまで移動した。
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