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第28話 人を殺す斬撃
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「おいギギラ!!また来るぞ」
「ハイハイ。焦らない焦らない」
ギギラは宙に浮くバランにそう声を掛けながら構えた。
彼女の瞳は対戦相手であるゴルドをしっかりと見据えている。
「音に視覚とのズレは無し。気迫も同じくズレなしっと」
ギギラにとって、この戦いはボーナスステージの様なものだった。
その理由の一つとして、彼女はこの時点でゴルドの手札を全て見切っているという点がある。
「暗殺拳:崩撃」
「グッ……」
「さっきは押し負けたけどさ、次はそう行かないよ」
ゴルドの正体であるウルフリーパーに関しては、過去に狩りの経験があった。
彼の禁術で作り出される幻術には音で対抗すると言う術がある。
それに何より……実は、ギギラの武器には一人、幻術メタとも言える能力を持つ者が存在するのだ。
相手が女の死刑囚であったのなら、いつもの如くここで披露して倒しているだろう。
「……この腐った戦場で戦い続けた人間だけはある」
「そりゃね。それに今のギギラには先輩のグローブがあるから肉弾戦では100%負けないよ」
「そう言う勝ち誇った顔をした人間を何度も殺してきた。お前もそこに加えてやる」
であれば、どうして彼女は無残にゴルドを殺さないのか。
その答えは非常に単純、死刑囚ゴルド・シルバが男であるからだ。
「そう言う目、やっぱりギギラは好きだよ。せっかくだしもっと見せてよ。どうせギギラか君が死ぬまこの戦いは終わらないんだからさ」
とても彼女らしくて、ある意味馬鹿らしい答えだ。
でも、彼氏70人を武器にして保管している彼女にとって何より大切な動機だ。
他の女なんてどうでもいい、だから攻略法が分かった瞬間容赦なく殺す。
だけど男は大歓迎だから、殺し会うだけの関係であっても礼節を尽くしたい。
だからギギラはこうしてゴルドと戦っている。
彼の中にある大切な思い、魂の形をギギラはまだ見抜いていないから。
「大きく飛んだって無駄だよ」
ギギラは体をひねりながら、大きく跳躍したゴルドを見定める。
ゴルドは獣である肉体を生かしながら空中でぐるぐると周り、その爪を振り下ろす。
「カウンター決めるよ!暗殺拳:蛇撃!!」
ギギラの拳が蛇のようにうねりながらゴルドの爪を避ける。
「人を殺す斬撃」
その拳は、そのままゴルドの顔面にカウンターを打ち込んだ……様に見えた。
「へぇ」
「おいギギラ、切られてるぞ!!」
ゴルドにカウンターを決めたはずのギギラの腕に切られた跡があった。
対してゴルドは無傷だ。
「今度こそ死ね」
「おいギギラ!!」
「ッ暗殺拳:崩撃」
「無駄だ」
ゴルドの爪がギギラの首を狙う。
もし、さっきと同じ現象がここで起きてしまったなら……ギギラは無残にも首を切られてしまうだろう。
そして、ギギラの放った拳は空を切る。
頭によぎった最悪の出来事を再現するかのように、彼女の首から少量の血が垂れ始めた。
「残念だけどさ、先輩のグローブにはこんな状況の打開策もあるんだよね」
「何?」
「暗殺拳:幽撃」
暗殺拳:幽撃。
それは、自らが暗殺されそうな時にカウンターをするために編み出された技。
その技に構えはなく、決まった型もない。
体にチクリとした痛みを感じた瞬間、条件反射で相手の位置をつかみながら反撃する。
常に死と隣り合わせのカウンター技だ。
「……しぶとい」
「それはどうも。おかげで君の事、色々と分かったよ」
ギギラは首のかすり傷を抑えながらニヤリと微笑んだ。
「幻術を使ってほんの少しだけ軌道をずらす技ねぇ。なるほど、確かに人間を殺すのに特化してる」
「なんでそんな事で人間を殺す事に特化するんだよ」
「いい、バラン君。人間が一番隙を晒すのは考えている事とは違う事が起こった時なんだよ」
「つまり?」
「視界も、音も、殺意や気迫さえも一致している状況なのに技の軌道だけが微妙に違う。その状況だと人間は簡単に返り討ちに会うって事」
ギギラは装備していたグローブをゲートに戻し、素早くバランをつかんだ。
「こういうだまし討ちは達人って感じの人間ほど嵌っちゃうんだよね」
ギギラは杖に魔力を回す。
光と砂と風の魔力が合わさり、一つの魔弾を作り上げた。
「つまり、さっさと距離取るのが一番って事。いくよバラン君」
「おうよ。足掻きの閃光魔弾」
魔弾はパァンとはじけると、視界を奪う光を放った。
ゴルドがその光に一瞬ひるんだその隙に、ギギラは一歩後ろへと距離をとる。
「凄いねゴルド君。この小細工は人間にしか通用しない類のものだよ」
「……急に何を」
「いやぁ。君は随分と……人間が嫌いなんだなと思って」
一瞬、コロシアムが静寂に包まれる。
バランの放った閃光が晴れ、二人の死刑囚は互いを見合った。
「ギギラはね、ゴルド君の事は結構気に入っちゃったんだ。ワイルド系でカッコいい見た目だし、幻覚の使い方もいぶし銀で良いよね」
ゴルドは相も変わらず、諦観と憤怒を混ぜたまなざしでギギラを見ていた。
それに対し、ギギラは慈しむような表情でゴルドの事を見つめていた。
「でも、きっとギギラの思いは君の心を抉るでしょ。ゴルド君の過去までは分からないけれど、君がもう人間という種族を真っ当な生き物として見ていない事ぐらいわかるよ」
「……ハン。だったらどうする気だ?俺の為に死んでくれるのか?」
「そうはいかないよ。これでもギギラは彼氏達の命を背負ってるんだから」
ギギラの手元にゲートが開く。
彼女はそこから一つの武器を取り出した。
「ゴルド君、君のやりたいことは人間を絶滅させる事?」
「ああそうだ。人間を一人残らず、むごたらしく殺しつくしてこそ俺の復讐は果たされる。そうでもいないとあいつ等の魂は報われない!」
「そっか。なら、ギギラにも、ほかの死刑囚にも、こんな人間の作った檻にも捕まってる場合じゃないね」
それギギラの手元にあるのはワイングラスだった。
そのワイングラスの表面には魔法陣が模様として彫られている。
「何度も言うけど、ゴルド君の為に死んであげる事は出来ない。でも、その代わりに君の思いに敬意をこめて……君にとっての試練になってあげるから」
ワイングラスの魔法陣が青く光る。
ワイングラスの中からどこからか透明な水が湧きだし、それは勢いを増して濁流のように飛び出した。
「人間は考える獣だからさ。いつかはゴルド君の幻覚を完全に見破る日が来るかもしれない。君が人間を絶滅させるのなら、そんなピンチも乗り越えないとでしょ?」
ワイングラスはあくまで形。
その機能は杖と同じ特定の魔法を制御するもの。
「だから、これからするのはその日の為の練習。ゴルド君が人間を絶滅させる力を持っている事を示すための試練」
「……ここで死ぬ様なら、人間どもを殺しつくすなど夢のまた夢という事か」
「そういう事。だから本気で行かせてもらうよ」
そこからあふれ出ている水はただの水にあらず。
大きな流れによって切れ味を付与された液体である。
そして、ひとたび口に含めば脳を麻痺させ、その人の心の内を暴く液体である。
「彼氏No18、【写し鏡の流水剣ルキーラ】」
それは液体を通して世界の真実を見通す魔法剣だった。
「ハイハイ。焦らない焦らない」
ギギラは宙に浮くバランにそう声を掛けながら構えた。
彼女の瞳は対戦相手であるゴルドをしっかりと見据えている。
「音に視覚とのズレは無し。気迫も同じくズレなしっと」
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その理由の一つとして、彼女はこの時点でゴルドの手札を全て見切っているという点がある。
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彼の禁術で作り出される幻術には音で対抗すると言う術がある。
それに何より……実は、ギギラの武器には一人、幻術メタとも言える能力を持つ者が存在するのだ。
相手が女の死刑囚であったのなら、いつもの如くここで披露して倒しているだろう。
「……この腐った戦場で戦い続けた人間だけはある」
「そりゃね。それに今のギギラには先輩のグローブがあるから肉弾戦では100%負けないよ」
「そう言う勝ち誇った顔をした人間を何度も殺してきた。お前もそこに加えてやる」
であれば、どうして彼女は無残にゴルドを殺さないのか。
その答えは非常に単純、死刑囚ゴルド・シルバが男であるからだ。
「そう言う目、やっぱりギギラは好きだよ。せっかくだしもっと見せてよ。どうせギギラか君が死ぬまこの戦いは終わらないんだからさ」
とても彼女らしくて、ある意味馬鹿らしい答えだ。
でも、彼氏70人を武器にして保管している彼女にとって何より大切な動機だ。
他の女なんてどうでもいい、だから攻略法が分かった瞬間容赦なく殺す。
だけど男は大歓迎だから、殺し会うだけの関係であっても礼節を尽くしたい。
だからギギラはこうしてゴルドと戦っている。
彼の中にある大切な思い、魂の形をギギラはまだ見抜いていないから。
「大きく飛んだって無駄だよ」
ギギラは体をひねりながら、大きく跳躍したゴルドを見定める。
ゴルドは獣である肉体を生かしながら空中でぐるぐると周り、その爪を振り下ろす。
「カウンター決めるよ!暗殺拳:蛇撃!!」
ギギラの拳が蛇のようにうねりながらゴルドの爪を避ける。
「人を殺す斬撃」
その拳は、そのままゴルドの顔面にカウンターを打ち込んだ……様に見えた。
「へぇ」
「おいギギラ、切られてるぞ!!」
ゴルドにカウンターを決めたはずのギギラの腕に切られた跡があった。
対してゴルドは無傷だ。
「今度こそ死ね」
「おいギギラ!!」
「ッ暗殺拳:崩撃」
「無駄だ」
ゴルドの爪がギギラの首を狙う。
もし、さっきと同じ現象がここで起きてしまったなら……ギギラは無残にも首を切られてしまうだろう。
そして、ギギラの放った拳は空を切る。
頭によぎった最悪の出来事を再現するかのように、彼女の首から少量の血が垂れ始めた。
「残念だけどさ、先輩のグローブにはこんな状況の打開策もあるんだよね」
「何?」
「暗殺拳:幽撃」
暗殺拳:幽撃。
それは、自らが暗殺されそうな時にカウンターをするために編み出された技。
その技に構えはなく、決まった型もない。
体にチクリとした痛みを感じた瞬間、条件反射で相手の位置をつかみながら反撃する。
常に死と隣り合わせのカウンター技だ。
「……しぶとい」
「それはどうも。おかげで君の事、色々と分かったよ」
ギギラは首のかすり傷を抑えながらニヤリと微笑んだ。
「幻術を使ってほんの少しだけ軌道をずらす技ねぇ。なるほど、確かに人間を殺すのに特化してる」
「なんでそんな事で人間を殺す事に特化するんだよ」
「いい、バラン君。人間が一番隙を晒すのは考えている事とは違う事が起こった時なんだよ」
「つまり?」
「視界も、音も、殺意や気迫さえも一致している状況なのに技の軌道だけが微妙に違う。その状況だと人間は簡単に返り討ちに会うって事」
ギギラは装備していたグローブをゲートに戻し、素早くバランをつかんだ。
「こういうだまし討ちは達人って感じの人間ほど嵌っちゃうんだよね」
ギギラは杖に魔力を回す。
光と砂と風の魔力が合わさり、一つの魔弾を作り上げた。
「つまり、さっさと距離取るのが一番って事。いくよバラン君」
「おうよ。足掻きの閃光魔弾」
魔弾はパァンとはじけると、視界を奪う光を放った。
ゴルドがその光に一瞬ひるんだその隙に、ギギラは一歩後ろへと距離をとる。
「凄いねゴルド君。この小細工は人間にしか通用しない類のものだよ」
「……急に何を」
「いやぁ。君は随分と……人間が嫌いなんだなと思って」
一瞬、コロシアムが静寂に包まれる。
バランの放った閃光が晴れ、二人の死刑囚は互いを見合った。
「ギギラはね、ゴルド君の事は結構気に入っちゃったんだ。ワイルド系でカッコいい見た目だし、幻覚の使い方もいぶし銀で良いよね」
ゴルドは相も変わらず、諦観と憤怒を混ぜたまなざしでギギラを見ていた。
それに対し、ギギラは慈しむような表情でゴルドの事を見つめていた。
「でも、きっとギギラの思いは君の心を抉るでしょ。ゴルド君の過去までは分からないけれど、君がもう人間という種族を真っ当な生き物として見ていない事ぐらいわかるよ」
「……ハン。だったらどうする気だ?俺の為に死んでくれるのか?」
「そうはいかないよ。これでもギギラは彼氏達の命を背負ってるんだから」
ギギラの手元にゲートが開く。
彼女はそこから一つの武器を取り出した。
「ゴルド君、君のやりたいことは人間を絶滅させる事?」
「ああそうだ。人間を一人残らず、むごたらしく殺しつくしてこそ俺の復讐は果たされる。そうでもいないとあいつ等の魂は報われない!」
「そっか。なら、ギギラにも、ほかの死刑囚にも、こんな人間の作った檻にも捕まってる場合じゃないね」
それギギラの手元にあるのはワイングラスだった。
そのワイングラスの表面には魔法陣が模様として彫られている。
「何度も言うけど、ゴルド君の為に死んであげる事は出来ない。でも、その代わりに君の思いに敬意をこめて……君にとっての試練になってあげるから」
ワイングラスの魔法陣が青く光る。
ワイングラスの中からどこからか透明な水が湧きだし、それは勢いを増して濁流のように飛び出した。
「人間は考える獣だからさ。いつかはゴルド君の幻覚を完全に見破る日が来るかもしれない。君が人間を絶滅させるのなら、そんなピンチも乗り越えないとでしょ?」
ワイングラスはあくまで形。
その機能は杖と同じ特定の魔法を制御するもの。
「だから、これからするのはその日の為の練習。ゴルド君が人間を絶滅させる力を持っている事を示すための試練」
「……ここで死ぬ様なら、人間どもを殺しつくすなど夢のまた夢という事か」
「そういう事。だから本気で行かせてもらうよ」
そこからあふれ出ている水はただの水にあらず。
大きな流れによって切れ味を付与された液体である。
そして、ひとたび口に含めば脳を麻痺させ、その人の心の内を暴く液体である。
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