【完】メスイキTrip!〜メスイキした瞬間フリ○んで異世界に飛ばされて魔王を目指す羽目になるとかちょっと意味が分からない〜

唯月漣

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12)少年と魔王様。①

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『鷹夜の体液、蜂蜜みたいに甘いのよ。あのキャンディはきっと、魔王や候補者達のアレを模して作られたのね』


 俺の脳裏に、先日ベッドで聞かされたカヴァの言葉が蘇る。
 魔王候補者の体液は、性的に興奮したり、意図的に魔力が込められると甘くなる。
 碧君の蜂蜜のように強烈に甘いキス。

 急に眠ってしまったルナ、戻らないカヴァと、それを探しに行ったラング。

 転移者である碧君に魔力があること自体は不思議ではないが、碧君の行動はあまりに唐突で、俺の警戒心スイッチを入れるには十分すぎた。


「……っ、何するんだっ……!?」


 俺は碧君を突き飛ばして、ベッドから跳ね起きた。
 碧君の小さな体はあっさりとベッドから落ちて、碧君は床に尻餅をついた。


「いっ、痛ったぁ…………っ!」
「あっ、ごっ……ごめん!」


 痛そうに尻を擦る碧君を見て、俺は反射的に手を伸ばして碧君を助け起こした。碧君は俺の手を借りて立ち上がると、ベッドの縁に座って微笑んだ。


「こちらこそ、ごめんなさい。鷹夜さん……魔力の味が甘いって、ご存知だったんですね?」
「えっ? ……あぁ、まぁな」
「なぁんだ。残念だなー。なんにも知らない鷹夜さんを僕の虜にして、あわよくば側室に……なんて思っていたのに」


 碧君はそう言いながら、するすると身に纏っていた服を脱ぎ捨てた。
 生まれたままの姿になった碧君が、ベッドの上で俺に向かって両手を広げて、うっとりと誘うような眼差しを向けた。


「ねぇ……今からでもどうですか? こちらに飛ばされてきた位ですから、セックスがお好きなんでしょう? 僕、こう見えてもリバなんです。タチでもネコでも、魔力を使って鷹夜さんのお望みのままに乱れさせて……」
「な、なっ……?! 碧君、自分が言ってる意味、分かってんのかよっ。俺は子供に手なんて……」
「ああ。この外見が気になりますか? 安心してください。僕はとっくに成人式を二回迎えるくらいの年齢ですから」
「…………は?!」


 成人式を二回……!? それってつまり、碧君は俺よりもずーっと年上って事じゃ!?

 見た目とは裏腹に妖艶な笑みを浮かべてそう語る碧君を、俺はポカンと口を開けたまま見つめてしまった。
 どうしたもんかと悩んだ末にガシガシ頭を掻いた俺は、眠っているルナにかけてあった毛布を失敬して、裸の碧君に頭からかけてやる。


「わっ……!」
「いいから、早く服を着てくれ。俺は碧君をそういう目で見ることはない。例え実年齢が成人済みだったとしても、だ。ルナのミルクに何か薬を盛ったのか?」
「いいえ。お料理をご馳走になったお礼に、少しだけ魔力を混ぜたミルクを差し上げただけです。彼はリラックスして眠っただけですから、明日の朝にはむしろいつもより元気になっていると思いますよ」


 碧君はチラリと唇の端から舌を覗かせると、俺にソノ気がないと見るや、立ち上がってさっさと服を身に着けた。
 その脇ですやすやと寝息をたてているルナをチラリと見た俺は、少しだけ緊張を解いて言った。


「悪いけど、俺は魔王になんてならない。明日現魔王に会って、あっちの世界に帰る。だから、碧君を側室になんてしない。それとも、他に何か目的が?」
「目的? やだなぁ、ちょっとした好奇心ですよ。僕が自らこうしてベッドに誘っているのに、まさか誘いを断られるなんて思わなかったですけどね。……鈴村鷹夜さん」


 ドキリ、と再び緊張が緊迫に変わる。
 この世界に来て、俺の名前をフルネームで知っている人物は限られている。
 各町のチー・ママと、元彼の涼にカヴァ。それに、花咲から連絡が行っているであろう……。


「あっ!? まさかお前…………っ!」
「ふふ、察しが良くて助かります。改めて、僕が現魔王こと、市川碧と申します」
「いっ…………!?」


 こんな小さな少年が、ま、魔王!?
 この見た目で40超えてるってことにも驚きだったが、こんな可愛い見た目でゲイ族最強ってこと!?
 じゃあ、この場合の『側室に』って、俺が碧君の側室にって意味!?


「あはは。鷹夜さん、百面相なさっていますね? 王宮では色々と面倒なので、フライングして直接会いに来てしまいました」


 碧君はそう言って、無邪気に舌を出して可愛らしく微笑んだ。
 いや、『テヘペロ』じゃねーぞ!? か、可愛いけどもっ!


「因みに、カヴァが帰ってこないのも、アンタの仕業か?」
「……いいえ。カヴァさんという方に関しては、僕は関わっていません。むしろこの件に関しては、僕は貴方の味方だと思ってもらってもいい。必要ならば、夜が明け次第、捜索に人手を貸しましょう」


 にわかに殺気立った俺を宥めるように、碧君はそう言った。その言葉を聞いた俺は、少しだけ肩の力が抜けた。


「花咲さんから連絡を貰った、脱落した転移者の救済システムの件について、現ギルマスであるカヴァさんにお話を伺いたかったのです。王宮の前には、選ばれしゲイ族のみしか通れない特殊な門がありまして。あの門を魔力無しの者を通そうとなると、色々と手続きが厄介で……」
「ああ、あの菊も……いや、うん」


 俺はナチュラルにエロ用語を口走りそうになる自分の頬をつねってから、何事もなかったような顔で碧君の話に相槌を打つ。


「調べたところ、カヴァさんのギルドとは別に、転移者の保護活動を行っているギルドがいくつかあるようなのですが、実はその中の最たるギルドがどうもきな臭いのです」
「きな臭い……と言うと?」
「ああいった大々的な保護活動には、それなりのお金がかかります。けれど、そのギルドは他に目立った活動をしている様子もないのに、資金繰りが豊か過ぎるんです。そこで花咲さんからの報告と照らし合わせ、もしや……と、僕はある仮説を立てました」


 碧君が言うその仮説を、俺は聞かなくても何となく分かってしまった。
 考えただけで、薄ら寒い。
 俺の周りから音が消えてしまったかのよう脳内の雑音が静まって、心臓の音だけが煩いほどに胸を打っていた。
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