探偵 タクト

writing_Haruto

文字の大きさ
上 下
2 / 2

第2話 ホテル密室殺人事件

しおりを挟む
俺はタクト。今日は3連休1日目。親友と一緒に山梨にあるホテルで1泊2日過ごす予定だ。

9:12
親友の永花和人が車で迎えに来た。さあ出発だ。

11:43
ホテルについた。チェックインを済ませ、3階の部屋に要らないものを置き、必要な荷物を持って昼食を食べにホテルから車で10分ほどにある人気の郷土料理屋に向かった。

12:15
郷土料理屋である、「山梨の飯」についた。中は人はいなかった。入ってみるとなかなか良い雰囲気の店だった。俺は、山菜たっぷりのほうとう、和人はとんかつ定食を頼んだ。そして置かれていた氷で冷えている水を飲んだ。おいしい。窓の外を見るといたるところに緑が広がっていた。東京では絶対に見る事のできないものだった。

しばらくすると、先ほど頼んだものが来た。湯気から山菜の深みのあるにおいが伝わってくる。いただきます。
もぐもぐ。麺はこしがあって食べごたえがある。山菜のうまみが溶け込んだ汁が良い。最高。和人はたれのかかったとんかつを白米の上にワンバウンドさせて箸を口に運ぶ。サクッという音が俺にも聞こえてくる。めっちゃおいしそう。
お互いに食べ終わって代金を払い、郷土料理屋をでた。
「次、どこ行きますか?」
と、和人が聞いてきた。

「ぶどう狩りなんてどう?」

「いいですね。」

そうして俺たちはぶどう狩りをするために近くにあるぶどう農園に行くことにした。


14:23
ぶどう農園についた。代金を払い、2時間のぶどうとり放題が始まった。これは巨峰か。15つぶほど採り袋に入れた。これはデラウェア、あっちはピオーネか。結構種類があるんだな。

2時間がたち、和人と合流した。俺は100粒ほど和人は約500ほど持っている。採りすぎだろ。
そうして俺たちはぶどう農園を後にして、ホテルに向かった。

17:02
ホテルにもどってきた。荷物をおき、鍵をかけ1階の温泉に向かった。
体を洗って、湯につかった。虫や鳥の鳴き声が聞こえてくる。あー落ち着くーー。

18:12
俺と和人は2階の食堂に行った。食堂には誰もいなかった。席は6人座れるテーブルが8つ。俺たちは入り口に一番近い所に座った。メニューを見て考えていると、4人組の大学生が来た。

波風 加奈(19)癖強 寛太(20)木村 なみ(20)佐藤 和也(21)

「あのー。他に誰もいないみたいなので相席いいですか?」

「まあ、他に誰もいないみたいですし、良いですよ。」

「ありがとうございます!」

そうして6人で世間話をしながら楽しくすごした。

19:20
「私、眠いから部屋で寝てくる。」と、波風さんがいった。

「わかった。風邪引かないようにね。」と、木村さんが返した。

そうして波風さんは部屋に行った。



19:35
俺がトイレに行くため席を立とうとするとさきほどまで波風さんが座っていたところに携帯が置いてあった。
「この携帯、誰のですか?」

「それ、加奈のやつだよ。」

「じゃあ届けにいきましょう。」

そうして、木村さんの案内で全員で波風さんの部屋に行った。鍵がかかっているため入れない。木村さんは携帯をかばんから出し、
「どうしよう。これ。」

「とりあえず、鍵を借りてきましょう。事情を説明すれば開けてくれるはずです。」

そうして、俺は鍵を借りてきた。それを使って扉を開けると部屋は真っ暗で暖房のせいかとても暑い。暗いので佐藤さんに電気をつけた瞬間、目の前にあったベッドの上に背中をナイフで刺されうつ伏せで倒れている波風さんの姿が。脈は、もうなかった・・・。
和人に警察を呼んでもらった。


20:15
警察が来た。山梨県警の軽石警部と部下の山岸刑事と鑑識官[鑑識官:遺体の状況から死亡推定時刻や死因を割り出す人]だ。
すると軽石警部が
「もしかしてきみ、こないだ新聞でニュースになってた拓斗君じゃなーい。なにー。もう犯人とかわかっちゃってんの?」

「いや。まだわかりませんが、ひとつだけわかっている事があります。」

「なにー。わかってる事って?」

「俺たちは鍵を開けてここに入りました。すなわちこれは。」

「これは・・・・?」

です!そして犯人は被害者の同じ大学で知人である、この3人の中にいる!」

「なるほど、さすがだね。」

「現場の様子を集中してみたいので、現場写真をとりおえたら違う部屋に行っててもらいませんか。」

「名探偵の頼みなら仕方ないですね。皆さん別室に行きましょう。」

そうして俺は殺害現場のへやで一人で捜査することになった。まずは遺体の周辺から見ていこう。なんだこれ?水か?遺体のちょうど上の照明から水がポタポタとたれている。
それにしてもこの部屋暑すぎる。暖房をけそうとリモコンを探したが見つからない。あ、あった。ベッドの下に。
ん、まてよ。そういうことか!!!わかったぞ犯人が!!そして密室殺人のトリックが!

俺は隣の部屋に行き、行った。
「わかりましたよ。犯人が。」

「本当かい?誰だい犯人は?」

「まあ落ち着いてください。事件現場の部屋に来てください。

そうして全員を部屋に集合させた。
「結論からいいます。犯人は木村なみさん。あなただ!!」

「えっ!?まあいいわ。仮に私が犯人だとしてどうやって加奈を殺したのよ。密室だったんでしょ、加奈の部屋は。どうやって?」

「密室のトリックはもうわかりました。トリックは氷ですよ。まずあなたは波風さんに何かしら理由をつけて鍵をもらい部屋に浸入。そして氷に刃物のもち手の部分を叩きつけ持ち手を埋め込み糸で照明に固定しその糸の端をどこかに結び付けておきます。そして夕食にこっそり睡眠薬でもいれて眠気を促しそれにきづかず波風さんはベッドに寝た。後は高温に設定しておいた暖房が氷を溶かし刺さっていたナイフが落下し波風さんに刺さるというトリックです。その後皆で波風さんの部屋に入った時暗い中で糸を回収したんじゃないですか?」

「確かにそうすれば加奈を殺せるわね。でも私がやったという証拠は?」

「リモコンですよ。あなた高温に設定したリモコンをベッドの下に隠したでしょ。さっきそのリモコン鑑識官に渡して指紋の検査をしてもらったんですよ。そしたら指紋がのこっていました。あなたの指紋と一致すれば明確な証拠になります。さあどうですか。木村さん!!」

「そうよ。わたしがやったわ。若いからって皆にちやほやされて調子に乗ってたんです。さらに私がずっと好きだった人まであいつに奪われて悔しかったの。」

「何があっても人を殺す事は許されない。時間をかけて罪を償ってください。」

「はい・・。」

世の中で一番醜いことは、他人の幸福をうらやむこと。世の中で一番美しいことは、すべてのものに愛情を持つこと。 福沢諭吉の言葉だ。
 




 
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...