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1-4 戦力強化の補修と特修
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【 電影空間 】
ホログラムのシリウスが言う
「顔見せは難なく終えたのじゃ 600年振りとあっても まるで2、3度の招集を逃した程度の様子であったわ」
ホログラムのシリウスBが姿を現して言う
『そもそもアウグスタの招集は凡そ200年に1度だ 600年振りは3度の招集を逃したと言う事で 間違いないのだが?』
シリウスが衝撃を受けてから言う
「むっ… そ、そういう意味ではあらぬのじゃっ!」
シリウスBが言う
『それで?アウグスタの様子は 本当に…?お前に食いつくのか?』
シリウスが長い髪を払って自慢げに言う
「当然じゃ!我は美しいからのぉ?アウグスタも 久方振りのシリウスを目に出来て良かったと わざわざ言葉にしておったほどじゃ?」
シリウスBがシリウスの様子を見て言う
『一応 聞いておくが… アウグスタの前に“その姿”を現した訳ではないだろうな?』
シリウスが自身の容姿を得意げに見せていた状態で衝撃を受け 一呼吸置いて言う
「…っ …我としてはこの美しい姿を見せびらかしたいと思うておるが 生憎アウグスタは我とは異なる美意識であるからの… 致し方なく “元の姿”を現しておいたわ」
シリウスBが言う
『それで良い そもそも義体など 出力も剛性も元の我々の半分以下の代物 そのようなモノを美しいと感じるお前の感性が アウグスタの招集へ向かうと言う事へ対し ギリギリとは言え常識の範囲を保たれていた事は奇跡的であったが』
シリウスが考える様子で言う
「ふむ そうか?では それこそ今度は アウグスタの美意識に沿う義体を作って見せれば…?」
シリウスBが衝撃を受け 怒りを押し殺して言う
『…っ 私は本質を見失うなと言っているんだっ シリウス!そもそも そのアウグスタ以前に この第2プラントは今再び リジルやリゲルっ …ともすれば他のプラント管理者どもから 狙われて!』
シリウスのホログラムにノイズが走る シリウスBが反応して言う
『シリウス?』
シリウスが言う
「む?干渉が起きておるのぉ?」
シリウスBが言う
『言っている傍から…っ 別プラントからのハッキングだ 私が逆探知を行う そのまま防壁を強化して 相手を繋ぎ止めて置け』
シリウスが言う
「思っていたより早く動きおったわ… 義体の出力ではプラント管理者の相手は叶わぬ」
シリウスBが周囲にプログラムを現しながら言う
『ならば即興で本体へ意識を繋ぎ 神経経路のアクセスをっ!…そんな事 私に言われるまでもないだろう?何をやっているシリウス!?』
シリウスのホログラムが一段と不鮮明になって言う
「本体へ意識を繋ぐには 当然 それ以前に その本体へ意識を向けねばならぬ じゃが B…?」
シリウスBが探知プログラムを作成しながらシリウスへ向く シリウスが微笑んで言う
「生憎 我の本体は 600年 その行方が分かっておらぬのじゃ?」
シリウスBが呆気に取られて言う
『…は?』
シリウスが言う
「と言う訳で このままお前と通信を繋いでおっては 何処の誰と知れぬ我らの敵に 我らシリウスが2人居る事が知られてしまうのじゃ それを防ぐ防壁も作れぬ今 我は しばらくお前との通信は取り止め スタンドアローンへ移行する 力を抑えられた我に今出来得る 最大の防壁じゃ」
シリウスBが言う
『なにっ!?それでは…っ 戦力強化の話はどうなる!?現状の新人類の力ではっ!』
シリウスが言う
「こちらの新大陸に居る戦士どもの戦力を上げるつもりじゃ その布石も打ってある この通信も その事について お前と話をしたかったのじゃが…」
シリウスBが言う
『私に話したかったと言う事は 私に …こちらの戦士たちの力を借りたいと言う事か?先の時の様に?いや 今はもう これ以上話している時間も稼がれないかっ』
シリウスが言う
「B、これまでの第2プラントの防壁 感謝している お前が迅速に動いてくれたおかげじゃ 今の我では これ以上の事も その管理も出来ぬ 今後も… アウグスタの下へ向かう我の代わりを 頼むのじゃ」
シリウスBが言う
『シリウス…』
シリウスが言う
「頼み事ついでに こちらの新大陸の戦士たちの状況確認を行って 必要とあれば やんわりお前の力で 導いてもらえると助かるのじゃ B!現状のあやつらの状況を記録したデータも付けておくからのぉ?必要とあれば少々荒行時でも構わぬのじゃ?」
シリウスBが怒って言う
『ついでの範囲で お前の管理すべき 新大陸の戦士どもの管理を 全面的に任せやがっ…!』
シリウスとシリウスBのホログラムが瞬時に消える
【 アバロン城 玉座の間 】
家臣Aが言う
「ヘクター陛下 先日の他国への兵力支援で得られました報酬は 如何様に致しましょう?」
ヘクターが疑問して言う
「あ?そう言う事で得た金の使い道は 決まってるもんじゃねーのか?」
家臣Bが言う
「通例でしたら そちらの支援へ向かった兵士たちへの出向手当金の外 臨時収益として国の蓄えとするのですが この度の支援は同日の内に5つの国へ支援を行った為 通例分を省きましても残る金額がとても多くあります ですので こちらはやはり… アバロン城の増強と 城下町の更なる繁栄に充てるべきかと!」
ヘクターが言う
「そっか?ならそれで?」
家臣Aが言う
「いいえ!ヘクター陛下っ それでしたら ここはやはり この度の機械兵の襲撃で被害をこうむった 他国への金銭的支援に当てる事で 今後のアバロンの栄誉へ繋げるべきであると!」
ヘクターが言う
「ん?そっか?ならそっちで?」
家臣Cが資料を見て言う
「いえ!お待ちください陛下!この度の大戦は この世界中の国が一団となって行った事として 現在一部の国からは 他国支援へ対する報酬を和らげようと言う話が上がっているとの情報がございます 従いまして アバロンへ送られてくる報酬も 恐らく大した額にはならないものと思われますので… ここはやはり通例通りでよろしいかと!」
ヘクターが困って言う
「そっか それじゃ… うーん… どうすっかなぁ…?」
ヘクターが視線を向ける 視線の先でデス1stが言う
「何を行うにしても その元となるアバロンの状態維持は必須 報酬額に関わらず アバロン城の増強と 城下の繁栄…ではなく 城下の防衛を上げるための補強を行うべきだろう」
デス2ndが言う
「いや、アバロンは友情と慈愛の国 ここはアバロンの優秀な家臣殿の言う通り 自国は先置いてでも先ずは友人たちの国を支援するべきだ」
デス1stが言う
「支援をしようとも その元となるアバロンが無様な姿では 何の威厳も保てない まずは最小限であってもアバロン城の増強が必須だ!」
デス2ndが言う
「見た目が無様であるかどうかなど そんな体裁を取り繕う余裕があるのなら 友情を前面に押し出す事が重要だ!」
デス2人がいがみ合う ヘクターが困って言う
「だから 喧嘩すんなって…」
デス1stが言う
「ならば ヘクター!お前はどちらを優先するのだっ!?」
ヘクターが一瞬呆気に取られた後 微笑して言う
「あ?俺は… うん!それじゃーよ?」
ヘクターが笑顔で言う
「その両方をやるために!足りねー分の資金を調達しに ひと暴れしてやろうぜ!?そーだなー?どっかアバロンに喧嘩でも売ってくれそうな奴でも 居ると良いんだけどなー?」
家臣たちとデス2人が衝撃を受け ヘクターへ向いて言う
「ヘクター陛下!?」 「何をおっしゃいます!?」 「「他国からの喧嘩を お前が買い求めてどうする!?」」
ヘクターが呆気に取られてから苦笑して言う
「え?ダメなのか…?良い案だと思ったんだけどなー?」
家臣たちが溜息を吐き デス2人が呆れる
【 ベネテクト国 城前 】
バーネットとヴィクトール ベーネットとヴィクトール14世の両者が雷の剣を使って演習訓練をしている ヴィクトール14世の掲げる大剣に雷が落ち ヴィクトール14世が雷の纏う剣を手に構える ヴィクトールが大剣を構え横目にバーネットを見る ヴィクトール14世が言う
「今だっ!」
ヴィクトール14世が大剣を振るう 大剣に纏っていた雷がヴィクトールへ向かう バーネットがニッと口角を上げ周囲にプログラムを現して言う
「行け!ヴィクトール!」
ヴィクトールが構えを深めてから一気にヴィクトール14世へ向かう ヴィクトール14世が驚いて言う
「…えっ!?」
ヴィクトール14世の放った雷撃より速く ヴィクトールがヴィクトール14世の間合いに入り込んで大剣を振り上げる 金属のぶつかり合う音に続いて ヴィクトール14世の大剣が宙を舞い地に刺さって残雷が地に吸収される ヴィクトール14世が呆気に取られて言う
「雷のスピードを… 超えるなんて…?」
ヴィクトールが上体を上げて微笑み ヴィクトール14世の大剣を取って持ち主の下へ向かう ヴィクトールたちの耳にベーネットの怒声が響く
「おいっ!クソ親父!今の出力数値は反則だろぉおがぁあ!」
バーネットが笑んで言う
「はっはー!戦いに反則もクソもあるかぁ?勝ちゃぁ良いんだよ 勝ちゃぁよぉ?」
ベーネットが衝撃を受け 怒って叫ぶ
「なぁっ!?ふざけんなぁあ!クソ親父がぁあ!んな 姑息な手を使うなんざ 元デネシアの王である ローとかルーとか言う ゼック野郎と同じじゃねぇえかぁああ!?」
バーネットが怒って叫ぶ
「なぁあ!?んだとってめぇええ!誰が あのデネシアの ローとかルーとか言いやがる ゼック野郎どもと同じだって 言いやがるんだぁあ!?てめぇええ!!」
バーネットとベーネットが互いに鞭を振り上げる ヴィクトールが呆気に取られて見守る ヴィクトール14世が呆気に取られた後 大泣きして言う
「わーんっ ベーネットが 怖いよぉおおーーっ!!」
ベーネットが衝撃を受け 慌ててヴィクトール14世へ言う
「ぬわぁ!?て、てめぇええ!この大泣き虫ヴィクトールがぁあ!てめぇえの為に喧嘩してやってるってぇえのに てめぇえが泣きやがってどぉおすんだぁああ!?」
ヴィクトール14世が一瞬止まった後大泣きする ベーネットが困ってあたふたしている ヴィクトールとバーネットが顔を見合わせ笑う
【 ローゼント城 玉座の間 】
ヴェルアロンスライツァーがアンネローゼの前に跪き言う
「我が女王 アンネローゼ様 私は今後 いかなる事があろうとも 我が女王のお傍を離れる事無く アンネローゼ様をお守りさせていただく所存にございます どうか…」
アンネローゼが微笑して言う
「ええ、ヴェルアロンスライツァー 私も それはとても嬉しく思うのですが この国の王配である貴方に 私の父 前ローゼント国王ハリッグが 謹んで頼みたい事があると言うのです そして、私もそれは このローゼントの為にも 大切な事であると思うのです」
ヴェルアロンスライツァーが疑問してアンネローゼへ顔を向ける ハリッグが現れ ヴェルアロンスライツァーへ言う
「ヴェルアロンスライツァー 貴殿の働きは この現実世界と共に 夢の世界と言う場の話に置いても確認させてもらった そして、貴殿は 我が娘アンネローゼが選ぶに 十分な男であった」
ヴェルアロンスライツァーが一瞬呆気に取られた後 頭を下げ隠れ微笑して言う
「はっ!ありがたきお言葉 このヴェルアロンスライツァー 光栄の至り!」
ハリッグが微笑して言う
「うむ、共に今 貴殿の父であり 我が剣であった ヴェルアロンゲデルフフォルライツァーとの約束を果たすのに 又と無い好機が訪れたのだ ヴェルアロンスライツァー どうか 古きその約束を果たすためにも これよりすぐ スプローニ国へ赴き その国の 第二国王となってくれ」
ヴェルアロンスライツァーが一瞬呆気に取られた後 衝撃を受け慌てて言う
「…は?そ、それは 如何なるお話でありましょうか!?殿下!?我が父と 殿下とのお約束 そ、それが 私がスプローニの第二国王になるなどとっ!?」
ハリッグが頷いて言う
「ああ、何を隠そう 貴殿は我が愛しの女性 アイネフラーソワと 我が剣 ヴェルアロンゲデルフフォルライツァーの子であるからな 私はアイネを守る事も得る事も叶わなかったが ヴェルアロンスライツァー どうかそんな私に代り 彼女の故郷スプローニをも守る剣となってくれ 頼む」
ヴェルアロンスライツァーが呆気に取られる アンネローゼが苦笑して言う
「父はずっと 敵対国となってしまっていたスプローニとの和平を紡ぐ その切欠を探していました ローゼントがツヴァイザーとの交友を受理したのも ツヴァイザーがスプローニの隣国であったが故でした どんなに遠回りをしてでも 父はスプローニとの縁を取り戻そうとしていたのです 私は幼い頃からその父の姿を見ていました ですから、貴方にこの様な事を頼むのは申し訳ないと分かってはいるのですが どうか、私からも お願いします ヴェルアロンスライツァー…」
ヴェルアロンスライツァーが困惑して床を見つめる
【 スプローニ城 玉座の間 】
ラグヴェルスの前でアシルが言う
「…なっ!?どう言う事だ!?父上が退位の意を決した上で 俺に…っ!?このスプローニ国の王子である俺に スプローニの王を任せる事が出来ないとは!?」
ラグヴェルスがアシルを見て目を伏せて息を吐く アシルが言う
「それこそ 父上の実子である この俺を差し置いて スプローニの王に相応しい者が居るとでも!?」
衛兵が言う
「陛下 御取り込みの所申し訳ありません お呼びしておりました者が…」
ラグヴェルスが伏せていた目を開いて言う
「構わん 丁度良かった 通せ」
衛兵が返事をする
「はっ!」
アシルが顔を向ける アシルの視線の先にロキとロスラグが現れる アシルが沈黙してロキを見る ロキがアシルの視線にわずかに視線を向けてからラグヴェルスの前で敬礼する ロスラグがアシルを見ていた状態からハッとしてロキを見て慌てて倣って敬礼する ロキがラグヴェルスを見る ラグヴェルスがロキをじっと見下ろす ロキが衝撃を受け思わず目を逸らして言葉を飲んでから気を落ち着けて言う
「…ラグヴェルス陛下 紛うことなく… あの国王への献上品にして 闇市場からの押収品… ガルバディアの宝玉の欠片を使用したのは… 俺です …俺は それがスプローニ国憲法三千二百四十五条三十三項 憲法違反者からの剥奪品を 国王献上以前に使用する事を禁ずる との法に触れていると分かっていた上で 使用しました …よってこの事は スプローニ国憲法 七千六百八十五条十二項 スプローニ国憲法に触する事を了知した上での憲法違反者は それ相応の処罰を受託する の法に則り…」
ラグヴェルスが2度3度と頷いた上で ロキの言葉を制して言う
「うむ、従ってわしは 卿をここへ呼び寄せた ロキローゼント… いや、ロキスプローニシュルロルツローゼントカムロルシュガイントシュワルスキーよ」
ロキが衝撃を受けてからラグヴェルスへ視線を向ける アシルが目を丸くして言う
「ロ、ロキスプローニシュルロルツ!?」
ラグヴェルスが一度アシルへ視線を向けた後 気を改め正面を向いて言い放つ
「今この時を持って 卿を スプローニ国の王とする!」
アシルとロキが驚きに言葉を失って固まる ロスラグが一瞬驚いてからロキを見て大喜びで言う
「ロ、ロキ…隊長が…!?す、凄いッスよ!ロキ隊長!?チョー凄いッス!ロキ隊長が スプローニの王様になっちゃったッスよー!」
ロキが突然の出来事に理解が及ばず硬直している アシルが怒ってラグヴェルスへ言う
「何故だ!?たかが一兵士の男に!?スプローニの王子である俺を差し置いて 一体何故!?」
ラグヴェルスが表情を変えずに言う
「アシル… お前はスプローニ国憲法を いくつ正しく言えるのだ?」
アシルが衝撃を受け呆気に取られるが 気を取り直して言う
「…まさか?その様な事で!?父上!本当に その様な理由で 俺を差し置いてこの男へ 王位を譲ろうなどと言うのか!?」
ラグヴェルスがアシルを見つめる アシルが怒って言う
「そんなであるから!スプローニの王は 憲法バカの馬鹿鉄砲と言われるんだっ!」
ロキが衝撃を受け怒って叫ぶ
「なっ… 貴様ぁあーー!自国の王へ対し その様な言葉を吐き捨てるとは!貴様には 国王へ対する忠誠心と言うものがあらぬのかぁあ!」
沈黙が流れる ロキがハッとする ロスラグが呆気に取られて言う
「ロキ隊長… まるで… ヴェルアロンスライツァー副隊長みたいッス…」
ロキが衝撃を受け顔をそむける アシルが踵を返し玉座の間を出て行く ロキがハッとしてアシルの背を見送ってから ラグヴェルスへ向き直って言う
「…わ、我が国の王子へ対し 暴言を行った事へ お詫び… します… …ちなみに国王への冒涜罪に関する法令は…?自分は存じませんが 一般の国民へは知られていないスプローニ国憲法等が?」
ラグヴェルスが目を瞑り顔を横に振った後 強い視線で言う
「ロキ、卿も知っているはずだ スプローニ国憲法は スプローニに住む民 先住民族や後住民族 全ての者を守る為の法だ その法を一つ一つを覚え 必要とあらばいくらでも足して行く この国と民を愛するが故の物… アシルはそれらを覚える事も 調べる事もしようとはしなかった …彼には このスプローニは任せられない」
ロキが呆気に取られた後言う
「…しかし、そうとは言え 一兵士の俺にスプローニの王とは」
ラグヴェルスが微笑して言う
「ロキ これはわしから卿への頼みであるのと同時に 卿へ架せられた実刑だ スプローニ国憲法 七千六百八十五条十二項 スプローニ国憲法に触する事を了知した上での憲法違反者は それ相応の処罰を受託する 卿が使用したガルバディアの宝玉の欠片は ガルバディア国王よりその国の王のみが使用を許されたもの よって 卿はその物を使用する権利を持つ者として 相応の偉業を成し遂げる事で このスプローニがガルバディアからの約束を守っている証拠とせよ 良いな?ロキスプローニシュルロルツ」
ロキが気付きラグヴェルスを見詰めた後 改めて敬礼して言う
「…はっ ロキスプローニシュルロルツローゼントカムロルシュガイントシュワルスキー スプローニ国の為 スプローニの王となり励む事を誓います」
ラグヴェルスが頷いて言う
「うむ よく言った 卿になら安心して任せられる」
ロキが間を置いて顔を上げて言う
「…で、それはそうと 折角得た俺の新しい名の 後に続く部分は やはり消去しては貰えないのだろうか?前スプローニ国国王ラグヴェルス殿下」
ラグヴェルスが言う
「うん?ああ、そこは 何があろうと消す事は出来ない 何故なら それは 卿が このスプローニの第二国王として ローゼントの王配を貰い受けると言う 決約であるからな?」
ロキが一瞬間を置いた後叫ぶ
「なにぃいいーーっ!?」
ロスラグが呆気に取られた後笑顔で喜び 叫ぶ
「…と言う事は ヴェルアロンスライツァー副隊長が このスプローニ国の 第二国王になるッスかー!俺 チョー嬉しいッス!ロキ隊長とヴェルアロンスライツァー副隊長が 2人でスプローニの王様になったッスよー!さっそく俺 皆に伝えるッスー!」
ロスラグが玉座の間を飛び出して行く ロキが衝撃を受け慌てて追いかけて叫ぶ
「ま、待て!俺はそこの了承はしていないぞっ!?余計な事を伝えて回るなー!馬鹿犬ーっ!」
【 シュレイザー城 玉座の間 】
チョッポクルスが笑顔でチーズを掲げて言う
「こ、これが~~ べ、ベネテクトの~~ バーネット3世が贈ってくれた~~ 某国のとろけるチーズじゃぁ~~!さ、さっき~~ か、片腕の銃使いが~~ 持って来てくれたのじゃ~~!」
シュレイザー兵たちが大喜びで喝采を上げている 後方のシュレイザー兵がハッとして走り去る
城下町
レビがシュレイザー城を見上げた後苦笑して立ち去ろうとして 練習所の的に気付き微笑して銃を数発撃つ 全てが的に命中する その的に弓矢が刺さる レビが一瞬呆気に取られ振り返る チッピィが弓を放ち終えた姿で居て 笑顔で言う
「レビ!やっぱりチーズを持って来てくれたのは レビだったね!僕 大急ぎで走って来たね!」
レビが呆気に取られた後シュレイザー城を視線で示して言う
「…ベネテクトのベーネット陛下に 治療の礼をしたいと言ったら 頼まれた あれだけの治療の礼が チーズ一つを届ける事だとは …長く居たシュレイザーをもう一度見ておくというのも 悪くなかった 卿にも 挨拶が出来た これで思い残す事は無い」
チッピィが衝撃を受けた後 慌てて言う
「そ、それはどう言う事!?レビ!あのね!シュレイザーの常駐兵リストから レビの名前が無くなってたね!僕 とっても心配してたね!でも、きっと ただ 怪我が治るまでの間だけだって 僕そう思って待ってたね!」
レビが苦笑して言う
「…フッ スプローニから他国への支援だと言うのに その中に 故障した銃使いなど 入れる訳が無いだろう リストの名は 除名される前に自分で消した …そして、俺は旅に出る事にしたんだ」
レビが歩き始める チッピィが驚いて言う
「旅…?それじゃ レビ シュレイザーから居なくなっちゃうのね?」
レビが立ち止まり振り返らずに言う
「ああ …チッピィ 世話になったな 卿の事は… 嫌いではなかった また …いつか会おう」
レビが歩き始める チッピィが一瞬呆気に取られた後笑顔で追いかけて言う
「うん!僕も レビの事 大好きね!だから いつかじゃなくて 今会うのね!それに これからもずっとずっと会うのね!」
レビが呆気に取られた後 苦笑して言う
「…チッピィ 俺は 旅に出ると」
チッピィがレビの隣へ駆け向かい 笑顔を向けて言う
「うん!だから 僕も一緒に歩くのね!これで僕たちの旅は 始まったね!レビ!」
レビが呆気に取られた後言う
「…シュレイザー城での チーズパーティーには出席しなくて良かったのか?あのチーズは 何でも 世界一貴重で 世界一美味いチーズだとか」
チッピィが衝撃を受け立ち止まる レビが歩みを続けながら苦笑して言う
「…兵は国を守るもの 卿は 卿の国 シュレイザーに留まり 守るべきだろう」
チッピィが強く目を閉じて堪えてから レビを追い駆けて言う
「僕は!国も大切だけど レビの事はもっと大切ね!だから僕は レビと一緒に 旅に出るのね!もう!出ちゃったのね!」
レビが微笑してから言う
「…俺も国を守りたいが 先ずはその力を得たい 父を越える銃使いとしての力と 父を越える相棒を」
チッピィが呆気に取られて言う
「銃使いとしての力と 相棒…?」
レビが小さな包みを取り出してチッピィに渡す チッピィが疑問して見る レビが言う
「…世界一貴重で世界一美味いとは どれ程の物なのか… ネズミではなくとも 気にはなった」
チッピィが驚き慌てて包みを開いて とろけるチーズを見て驚いて言う
「こ、これっ!?レビ!?これっ!これっ!?」
レビが軽く笑って言う
「…とは言え、特にチーズを好む訳でもない俺が味わうより 卿の方が それの価値が分かると言うものだろう 遠慮はいらん」
チッピィが目を丸くした後 大喜びでレビに抱き付いて叫ぶ
「レビー!ありがとうね!僕とっても嬉しいね!チーズも嬉しいけど!やっぱりレビが 僕の事だーい好きだって事が分かっ…」
レビが衝撃を受け チッピィを殴り飛ばす チーズが宙を舞う 2人が慌てる
【 アバロン城下町 近郊の森 】
レクターが大剣を振った後 不満そうに首を傾げて言う
「うーん やっぱり大剣じゃ あいつの速さには太刀打ち出来そうにねーみたいだ しかし、私は…」
ローゼックがやって来て言う
「レクター、アバロン傭兵隊長の座を退き 剣を置く事で プログラマーとして生きるのかと思いきや この様な場所で 貴様は何をやっているのか?」
レクターが振り返る ローゼックと手を繋いでいたニーナが 走って向かいレクターに抱き付いて言う
「お父さん!良かったのー やっぱりお父さんは アバロンの傭兵隊を辞めちゃっても アバロンの大剣使いさんなのー!」
レクターが一瞬驚いた後笑顔を向けて言う
「ああ!私は例え ガルバディアで変な実験に使われちまっても やっぱりアバロンの大剣使いで居てーのだ そんな気がする!」
ローゼックが近くへ来て首を傾げて言う
「…の割には その大剣への思いに 陰りが現れている様だが?」
レクターがローゼックへ向き直り 困った様子で言う
「流石は人の弱みに目敏い デネシアの前々国王 ローゼックのとっつぁんなのだな!実はそうなんだ」
ローゼックが衝撃を受け怒って言う
「馬鹿者っ!レクター!貴様はそれで私を 褒めて居るつもりか!?」
レクターが照れ苦笑をする ローゼックが一息吐いて 改めて言う
「…それで?自身の持つガルバディアの有力な力を否定してまで アバロンの大剣使いで居る事を望む貴様が?その大剣に何の不満を抱えて居るのか… 貴様ならば 大剣の唯一の弱点である その重量から来る 攻撃速度の低下さえも ガルバディアの力を用いて相殺させる事が出来よう?」
レクターが軽く首を傾げ困り顔で言う
「ああ 確かにそうなんだが… それだけじゃ あいつには勝てねー だから このままだと次の時は 負けちまうかもしれねーって思うんだ」
ローゼックがレクターを疑問視する レクターが言う
「あいつの剣は 一見は槍みてーな武器なんだが その実は長剣なんだ 長剣の柄にもう一つ長剣が付いてて 両刃刀として使う事も 2つに分けて持つ事も出来る… あいつはそれを臨機応変に 素早く使いこなしていた」
レクターが自身の持つ大剣を見て言う
「いくら大剣に掛かる重力を無効化して速度を上げたとしても アイツがあれ以上 戦闘力を上げて速度を増されちまったら 大剣使いの戦い方しか出来ねー私には もう対応しきれねーんだ」
ローゼックが考える様子で言う
「ふむ… 両の手から繰り出される俊敏な攻撃と共に 長剣から繰り出される鋭い太刀筋 …確かに その2つの攻撃を兼ね備える者に 大剣一刀で立ち向かうのは酷であるやもしれぬ」
ローゼックがレクターを見る レクターは片腕にニーナを抱き 片手に大剣を持っている ローゼックが気付き微笑して言う
「ならば 貴様も?その両の手に武器を携えてはどうか?」
レクターが疑問する ローゼックが続けて言う
「2つの武器を扱うとなれば 当然 大剣などと言う重武器を用いる事は愚行と言えるが 貴様の事だ 今更 大剣ではない物を持てと申した所で 素直には従わぬだろう それでも、国の為… 引いては愛する者の為とあれば その片手位は妥協すべきであろう?」
ローゼックが自分の剣を引き抜き 柄をレクターへ向ける レクターが呆気に取られていた状態からニーナを見て微笑して言う
「そーだな 半人前の私には 両手に持った大剣の重量を無効化するプログラムは出来ねーのだ けど」
レクターがニーナを地に下ろし ローゼックの剣を受け取って言う
「デネシアの中途半端な剣くれーなら 重量の軽減をしなくても 片手で扱える きっと… 利き手じゃねー手でだって デネシアの我流剣士 ローゼックのとっつぁんに負けねーくらい 使いこなせるんだ!そんな気がする!」
レクターが笑顔になる ローゼックが衝撃を受け怒って叫ぶ
「であるからにして!貴様は貴様の心情を案じ 助言まで致しに来た義父である私を敬う気持ちを 羽虫程度にも持たぬかっ!馬鹿者ーっ!」
レクターが言う
「何だ羽虫程度で良いのか?ローゼックの父つぁんは 本当に謙虚なのだな?とてもあの卑怯国デネシアの元国王とは思えないのだ」
ローゼックが衝撃を受け隠し持っていた剣を抜いて言う
「貴様!我が祖国デネシアを愚弄するとは 如何に間抜けた貴様とは申せど これ以上の愚弄は許せぬ 構えよレクター!今ここで…!」
【 旧世界ガルバディア城 玉座の間 】
玉座に座るシリウスBの前にあるホログラムモニターの中でレクターが笑顔で言う
『ああ!デネシアの我流剣士の相手なら 利き手じゃねぇー手に初めて持った慣れねー剣でも十分なんだ!そんな気が…』
シリウスBが言う
「ガイ お前は新世界へ向かった折 この男と武器を交えていたが 奴の力は」
もう一つのホログラムモニターにガイの姿が映る シリウスBが言う
「例えるなら お前が2人掛りであっても敵わない程であったか?」
ホログラムモニターのガイが言う
『私が1人では討ち取る事が叶いませんでしたが 私と同等の者と共に2人掛り… とあれば 可能かもしれません』
シリウスBが言う
「そうか…」
ホログラムモニターのガイが言う
『シリウス様?そちらが何か?』
シリウスBが言う
「この者は 新世界のシリウスが作り上げた戦士どもの中に置いて 最も高い戦力を持つ者 …しかし この程度では」
シリウスBがホログラムモニターに映っているレクターを見ていた視線を他方へ向ける 視線の先に立っているガイが言う
「我々の戦うべき相手には敵わないと?」
シリウスBがガイへ向けていた視線をホログラムモニターへ移して言う
「私は新世界のシリウスから 奴らの戦力強化を任された …いや どう考えても私が行うべきことではないと思うのだが」
シリウスBが溜息を吐く ガイが呆気に取られて疑問してから気を取り直して言う
「それでしたら シリウス様?」
シリウスBがガイを見る ガイが続ける
「新世界のその戦士らの戦力を高めるのではなく 我々へそちらを行って頂く事は出来ないのでありましょうか?我々は この世界の …我々の神である シリウスB様のお力になられると言う事でありませば どのような訓練やその他苦行をも成し遂げる所存に御座います」
シリウスBがわずかに驚きガイを見る ガイが強い意志を持ってシリウスBを見つめる
【 アバロン城 玉座の間 】
家臣Aが言う
「ヘクター陛下!ローレシアとシュレイザーの了承共に ソルベキアのバーネット1世国王陛下からも アバロン帝国への了承は出ております!」
家臣Bが言う
「その他にも ローゼントのアンネローゼ女王、スプローニのロキ国王、ツヴァイザーのリーザロッテ女王、ベネテクトのベーネット国王、デネシアのファニア女王からも アバロン帝国への了承は提示されております」
家臣Cが言う
「残るはカイッズとガルバディアですが…」
家臣らがデス1stとデス2ndを見る デス1stが言う
「ガルバディアはシリウス国王だが 彼がこの世界の国々の在り方へ口を出した事は無い 今までもそうであった様に 今後も無いだろう …ついでにカイッズに関しては この際深く考える必要も有るまい?」
デス2ndが言う
「旧世界との戦いは収まったとは言え この世界を統括する 帝国があると言うのも悪く無い 魔法剣士部隊を有するローレシアとローゼントが アバロンを推薦すると言うのなら ここは素直にアバロン帝国の設立を 行っても良いのではないだろうか?」
ヘクターが首を傾げて言う
「シュレイザーはともかく ローレシアが言って来るなんてなー?キルビーグ国王がわざわざ 他国への連絡をしてくれたって?ルーゼックの兄貴からも 最近やけにその話が来るんだよなー?」
デス1stが言う
「ローレシア、ローゼントの魔法剣士部隊は 両国の協力体制を強化しつつあるが それはデネシア、ベネテクトの魔法剣士傭兵部隊も同じ ローレシアにとってのライバルである魔法剣傭兵部隊は 初期の時点ではデネシアの魔力者の力を増幅しなければならない分 どれほど力や数を増しても ローレシアが優位に思われていた だが、最近はローレシアがスプローニの魔法銃使い部隊へ魔力者を送り出すようになり、戦力が2分化された 結果、数では勝っているが 現状 実質戦力数値は デネシア、ベネテクト部隊の方が 17%高い」
デス2ndが一瞬反応してからデス1stへ向いて言う
「デネシア、ベネテクト部隊がローレシア、ローゼント部隊比17%上昇か?では 今や彼らの戦力はアバロン、ガルバディアの戦力に」
デス1stが周囲にプログラムを表示させつつ言う
「ああ、彼らの力は 我らの力に近付いている とは言え デネシアの魔力増幅に 我らガルバディアの力を使用している以上 同等の増幅作業を行える ソルベキアとガルバディアが相対する事でも無い限り 脅威になる様な事は無い」
デス2ndが考えながら言う
「そうだな… しかし、各国の戦力に大きな差がなくなりつつある事は 同時にそれらの国々が競い合いを始める切っ掛けとなる」
家臣Cが言う
「では、ここへ来て ローレシアを始めとする各国が アバロン帝国の設立を提唱し始めたのは…」
皆が家臣Cへ向き 家臣Bが言う
「それらの争いを開始させないための 暗黙の抑止力にしようと?」
家臣Aが考えながら言う
「確かに、ヴィクトール12世様がアバロンの国王であられた時も ラインツ様が国王へと代わられた後も 各国は暗黙の内に 世界で一番の力を持つ国は アバロンであると皆が黙認し 共に、両陛下とも その事を気に掛ける素振りは無いながらも 世界の均衡を図られておられた」
デス1stが微笑して言う
「アバロンの王は友情の王 帝国であろうが無かろうが ヴィクトール国王やラインツ国王が 他の国々とも友好的に付き合う事は 彼らにとっては普通の事なのだろう そして」
デス2ndが微笑して言う
「ああ、同じくアバロンの王である 我らの相棒ヘクターもまた同じ」
家臣Cが微笑んで言う
「では、今こそ各国からの推薦と共に 我らアバロンが!」
【 ローレシア城 玉座の間 】
リジューネが強い視線で言う
「今も旧世界に残る シリウスBが!何時 この新世界へ危害を与えぬとも限らぬのだ!この世界の戦士たちの戦力強化は必須!…だと言うのに この世界の各国へ対し その指示を出す所か 提案も出来ぬとは… 今なら分かるぞ!このローレシアが 何故、我らの救出に多くの時間を有したのか!ローレシアは 新世界に置いて 帝国としての力だけでなく その尊厳すらも失ってしまったのだ!」
キルビーグが表情を困らせる ルーゼックが怒りを押し殺している リジューネが不満そうな視線を向けて言う
「ふっ… それとも?所詮は他国の民 私とは違い やはり貴方は アバロンを愛し続けているのか?ルーゼック殿?」
ルーゼックが怒って叫ぶ
「黙れ 無礼者がっ!例え旧ローレシア帝国の女帝で居った者であろうと!ここは新世界のローレシア!そして、貴様らを旧世界から助け出した 新世界のローレシア王と その第二国王である私への侮辱は許されぬ!その程度の事も分からぬのか!馬鹿者っ!」
リジューネが一瞬驚いた後怒って言い掛ける
「ばっ!?同じローレシアの名を持つ国であろうとも 旧ローレシア帝国の土地と民を守っていた私に対して 馬鹿者だと!?貴様こそ無礼者ではあらぬか!このっ!」
キルビーグが制して言う
「リジューネ殿 貴女と貴女の家系の者が 旧世界のローレシア帝国を 長きに渡り守り続けておられた事は分かっている しかし、新世界のローレシア王である我らは 同じく、この新世界の国々と共に 全力を持って 旧ローレシア帝国の民を救い出したのだ 時を有してしまった事や その他の不備があったことは認めるが それなりの偉業を成し遂げた者への言葉としては 少々過ぎるのではなかろうか?」
リジューネがキルビーグへ視線を向け 向き直って言う
「私がザッツロード6世王弟から伺い聞いていた話では この新世界は旧世界の我らの事を すっかり忘れ つまらない争いを続けておられたのだとか?」
キルビーグが言う
「いや、そうとなり掛けていたのを シリウス殿が押し止めてくれたのだ お陰で我々は 無駄な血を流す事無く 夢の世界にて新世界のあり方を…」
リジューネが怒って言う
「シリウス “様” だ!我らの神 シリウス様を軽々しくお呼びするとは!何たる無礼かっ!?」
ルーゼックが気を改めて言う
「そのシリウス殿が旧世界のシリウスBと和平を結んだ事で 両世界の争いは収まったのだ …と、申すのに折角得られた平穏を 貴様が無下に致す必要も無かろうっ?」
リジューネが怒って叫ぶ
「シリウス “様” だと言っている!!この分らず屋の 第二国王!」
ルーゼックが怒って叫ぶ
「黙れっ!同じ国王と言う地位である私が シリウス殿へ上位敬称を使う必要はあらぬ!そもそも奴は 我らにとっては 民の居らぬナンチャッテ一国の 国王であるわ!」
キルビーグが苦笑する
【 旧世界ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスBが言う
「リジルとリゲル… 過去にもこの国… いや、この世界へ悪事を働いた 異世界の王と言うべきか かの2人がまた悪巧みを企てている ザッツロード6世も 奴らの世界へ転送させられたのだ 残念ながら 彼の救出は難しい… とは言え、我らは これ以上黙っている訳には行かない」
ヴァッガスが言う
「黙っている訳にはって… それじゃっ こっちから攻撃をするって事か!?」
シリウスBが言う
「奴らは過去に継ぎ 再び我らの世界へ侵略を行おうとしている 前回は こちらが完全な防御を行う事で諦めさせたが… シリウスはあの頃から 奴らとの戦いを考えていた 奴らが再び行動を開始したとなれば もはや戦いは免れない …だが、この時になって当のシリウスは 現在私との連絡を行う事が出来ない状態にある 私が直接新世界へ向かうのが一番早いのだが この世界と新世界 両世界の防衛を受け持たねばならない今 私はこの城に留まらなければならない」
ヴァッガスが言う
「新世界のシリウス様との連絡が出来ねぇ上 シリウス様がこの世界を離れる訳にも行かねぇ… このままじゃその異世界の王と戦うための 作戦会議が出来ねぇって事か」
ガイが言う
「では、我々が新世界と この世界の行き来を行い 御二方の橋渡しを致すと言うのでは?」
シリウスBが言う
「ああ…そう出来れば良いのだが あの悪魔力を利用する転送は やはりお前たちの身に負担を掛ける 転送時における情報細分化状態は 悪魔力の影響を強く受けてしまうのだ 連絡の橋渡し程も利用しては お前たちの情報が悪化してしまう」
ガイとヴァッガスが困りヴァッガスが言う
「それでも!この世界を守る為だってぇなら!」
シリウスBが苦笑して言う
「ヴァッガス そうお前の命を軽く言うな 私もただ眺めていた訳ではない いずれは来るであろうと思われていた この時の為に 用意していたモノがある」
ガイとヴァッガスが疑問する シリウスBが僅かに顔を横へ動かす 玉座の後ろから 少年とも青年ともとられる男子が現れる ガイとヴァッガスが疑問し ガイが言う
「…シリウス様、そちらの方は?」
シリウスBが言う
「この者の名は ルシフェル 私の息子だ」
ガイとヴァッガスが衝撃を受け ヴァッガスが言う
「えぇえーーっ!?シ…シ、シシ シリウス様の…!?」
ルシフェルがムッとする シリウスBが言う
「本来であれば 戦いが開始された後に 私がこの城を離れる必要があった際に用いる事を想定していたのだが… シリウスの現状を持って 仕方なく用意をした 急を有した為 成長の促進を行わざるを得なかったが それでも 必要な能力は携えている このルシフェルを新世界へ向かわせ 力を失ったシリウスの手助けをさせる」
ガイとヴァッガスが納得しながらも呆気に取られている シリウスBが言う
「…と、そこで お前たちを呼んだのだ お前たちは新世界の者に 既に顔を覚えられているだろう その中に置いて 各国に現れたお前たちを指導した人物として ガイ、お前の事は彼らも一目置いている筈だ」
ガイが言う
「私に行える事があるのでしたら」
シリウスBが言う
「転送には負担をかけると伝えて置いて難だが お前には一度 ルシフェルと共に新世界へと向かって欲しい ルシフェルのみを向かわせても問題は無いと思われるが 万が一シリウスと会う前に 新世界の民と接触し 問題が起きるとも限らんからな」
ガイが微笑し敬礼して言う
「はっ!シリウス様 ルシフェル様の新世界へのお供は このガイへお任せ下さい」
シリウスBが微笑して言う
「ああ… お前が共に行ってくれるのであれば 心強い」
ルシフェルがムッとして言う
「俺は1人でも構わない 愚民が付いて来ては 返って足手纏いだ」
ガイが呆気に取られ ヴァッガスが衝撃を受けムッとして言う
「ぐ…愚民…っ」
シリウスBが言う
「ルシフェル 言った筈だ この世界に留まる民を 愚弄するなと」
ルシフェルがシリウスBへ強い視線を向けて言う
「父上こそ間違ってる!こいつらは この世界に居ながらも 自分たちの神が誰だかも分からねぇ 愚かな奴らだ!それ所か 父上の新世界へ逃げただけでなく 自分の民に騙されて 力を弱めたって言う 馬鹿なシリウスAの事を 未だに神と崇めてるんだ!そんな奴らの為に 父上がこれ以上力を使う必要などっ!」
シリウスBが一瞬目を細める ルシフェルがプログラム衝撃を受け吹っ飛ばされ悲鳴を上げる
「うあっ!」
ガイとヴァッガスが驚き ガイが言う
「ルシフェル様っ」
ルシフェルが床に倒れ上体を起こす 頬が殴られた様に赤く 切れた唇を片手で拭う ガイが向かい横に膝を着き手を貸そうとするが ルシフェルが振り払って言う
「俺に触るなっ!」
ガイが呆気に取られる ルシフェルが横目にシリウスBを見る シリウスBが見下して言う
「この世界の民が シリウスを神と崇めるのは当然だ シリウスはこの国の王であり 彼らの神だ …そして、私は シリウスに代わりこの国と 残された民を任されただけの 仮の王 そのお前も私も 元は この世に生を受ける事さえ 許されざる者」
ルシフェルが怒りの表情を見せる シリウスBが言う
「それと、シリウスは私のパートナーだ 奴を悪く言う事は 私が許さん」
ルシフェルが悔しそうにシリウスBを見つめる シリウスBが無表情に見た後 ガイとヴァッガスへ向いて言う
「ルシフェルの無礼は私が謝ろう 先ほどこの世界へ誕生させたばかりで まだ何も分かっていないのだ 知識だけで物事を判断してしまう… それもまた 愚かな事 だが、それを理解するまでには まだ時間を有するだろう …とは言え 今は一刻を争う時 ガイ、転送装置の設定は済ませてある 生憎 帰還の設定は行え無いが それは 新世界にてシリウスが賄ってくれる筈 心配は無用だ」
ガイが改めて微笑し畏まって言う
「はい 私はシリウス様の仰せの通り 新世界へ向かい 後は 新世界のシリウスA様の指示に従います」
シリウスBが微笑して頷き言う
「頼んだ」
ガイが頷く ルシフェルが不満そうにそっぽを向く ヴァッガスが見ていて苦笑する
シリウスBがガイとルシフェルの後姿を見送る ヴァッガスが軽く笑んでシリウスBへ言う
「案外 俺が一緒に行った方が ルシフェル王子様には良かったかも知れないぜ?ガイは堅物だから あー言う尖ってる時期の子供心は 分かんねーんじゃねーかなー?」
シリウスBが軽く笑って言う
「フッ… 尖っているか そうかもしれんな… 私も ただ向かわせるだけであるのなら お前と行かせるのも 面白くはあると思ったが… ヴァッガス お前が これ以上の悪魔力を受ける事は 危険を伴う」
ヴァッガスが一瞬呆気に取られてシリウスBを見て言う
「え…?」
シリウスBが言う
「お前は 先の転送時に受けた悪魔力の影響が 他の者よりも 26%も高かった お前自身でも分かっているだろう?新世界より戻ってからは… もう 完全に 動物の肉を食せぬ体となっている」
ヴァッガスが衝撃を受け視線を落とす シリウスBが言う
「それだけではない 気を緩めれば 人を襲い その肉を食らいたいと… お前の情報は かなり悪化している」
ヴァッガスが表情を悲しませて言う
「シリウス様 俺… その影響が新世界で… 初めて人を傷付けちまったんだ そいつは俺の前に立ちふさがって まったく動じねぇで 俺に両手に持った武器を向けて来た 俺はすぐに分かったんだ こいつは強ぇって… だからっ ただ そいつと戦って そいつがどれ位強いのかってのを 確認しようって… そう思ってた筈なんだ けど…っ 戦ってる内に意識が飛んじまって 気付いた時には」
ヴァッガスの脳裏にレビの腕を傷付けた時の情景が蘇り 強く眼を閉じ否定するように顔を強く横に振る シリウスBが僅かに表情を悲しませる ヴァッガスが言う
「もし、新世界に行く事があったら 探したって会えねぇかもしれないけど それに、どんな事をしたって許されねぇって分かってる…っけど!あいつに会って 謝りてぇ…」
シリウスBが言う
「…お前の情報解析を急ぐ お前を苦しめたのは私だ お前の罪は 私の罪 …新世界で会ったと言う その戦士の事は いずれ私がシリウスと掛け合い 回復に努めよう」
ヴァッガスが驚き言う
「か、回復…っ!?」
ヴァッガスが呆気に取られてシリウスBを見上げる シリウスBが微笑して頷いて言う
「苦しみは後僅かだ ヴァッガス お前も その戦士も…」
ヴァッガスが苦笑して頭を下げて言う
「有難うございます!シリウス様!」
シリウスBが苦笑する
城内 通路
メテーリとラーニャが通路を歩いている ラーニャが言う
「結局さ?この旧世界は シリウスBが居なければ何も出来ないじゃない?それなのに… 自分は闇の王だ~とか何とか言っちゃって?この世界の神様になりたがらないのは シリウスBの方だと思わない?」
メテーリが表情を困らせて言う
「ちょっとっ シリウスBじゃなくて シリウス様よ この世界の人たちは この世界で起きた神の奇跡は 全部 新世界のシリウス様からの物だって思ってるんだから …だから、シリウス…B様は シリウス様なの!」
ラーニャが不満そうに言う
「えぇ?何言ってるのよぉ?大体その辺りのメリハリを付けないから 訳分からなくなっちゃうんじゃない!?ただでさえ名前が一緒で分かり辛いんだから ちゃんと シリウスBはシリウスB、シリウスAはシリウスAって言えば良いのよ」
メテーリが怒って言う
「だからっ!貴方こそ分かってないのよ!新世界の人もこの世界の人も 元は皆この世界の人で この世界の神様はシリウスA様なの だから、シリウス様って言っておけば!それはどちらのシリウス様であっても 結局シリウスA様のお力って事になるのよ」
ラーニャが立ち止まり不満そうに疑問して言う
「それじゃ!?シリウスBは タダ働きって事?シリウスBがやった事もシリウスAがやった事も ぜ~んぶシリウスA様のお力ってなっちゃうじゃない?」
メテーリが立ち止まり振り返らずに言う
「そ、そうよ… だから シリウスB様は 闇の王なのよ!」
ラーニャが呆気に取られ 一瞬間を置いてからメテーリへ怒って言う
「アンタ!それでも 本当にシリウスBの 仲間なの!?」
メテーリが一瞬驚き振り返って言う
「私はっ!」
ガイとルシフェルがやって来て ガイが言う
「メテーリ、それにラーニャ殿 貴女たちは何を言い争っているのか?」
メテーリが振り返って言う
「ガイ… ん?その子は?」
ルシフェルが衝撃を受け怒って言う
「その子だとっ!?俺の事を言っているのか!?娘!」
メテーリが衝撃を受け怒って言う
「娘!?娘ですって!?ちょっと 貴方!年上の女性に対して 失礼じゃない!親の顔が見てみたいわ!」
ルシフェルが驚き怒って言う
「なっ… なんと言う無礼な娘だっ!」
ガイが慌てて言う
「ルシフェル様っ 大変失礼致しました 彼女は私の部下で 多国籍部隊副隊長のメテーリと申します その後方が 新世界からの使者であられる ラーニャ殿です」
ラーニャが呆気に取られて言う
「ルシフェル様?… 何だか シリウスBに似てるわね?それに… ちょっとだけどバーネット陛下にも…」
メテーリが不満そうに疑問して言う
「えぇ?シリウスB様にぃ?何処がよ?肌だって透けてないし 目だって青っぽいじゃない」
ガイが苦笑して言う
「流石、ラーニャ殿」
メテーリが衝撃を受け小声で言う
「…流石 って どう言う意味よ?」
ガイが言う
「こちらのルシフェル様は シリウス様のご子息であられる」
ラーニャとメテーリが衝撃を受けて驚いて言う
「「えぇええーーっ!?」」
ガイが動じずに言う
「そして これより私は シリウス様の命を受け ルシフェル様をお送りする為 急遽、新世界へと向かう事になった メテーリ 私はいつ戻るか定かではないが 心配は無用だ ヴァッガスやロドウと共に 多国籍部隊を頼む」
メテーリが驚き心配して言う
「え!?新世界へ!?いつ戻るか分からないって… そんなんで どーやって心配しないで居られるのよ!?多国籍部隊の皆にだって 何って言ったら良いのか!」
ガイが微笑して言う
「心配が不要である理由は 新世界にも居られる 我らの神 シリウスA様が 私をこの世界へ戻らせてくれるであろうと言う考えからである これなら心配は無いであろう?」
メテーリが呆気に取られてから視線を下げて一瞬考え ラーニャをチラッと見てからガイへ向いて言う
「そんなのっ… 会った事も無い シリウス様の事なんて どうして 信じられるのよ…っ」
ガイが不思議そうに呆気に取られて言う
「どうして とは…?」
ルシフェルが言う
「俺もその娘の言う事が 正しいと思うけどな?」
皆が驚いてルシフェルを見る ルシフェルが言う
「確かに 父上と会っていた頃のシリウスAは 知識も力も優れていたって言うが… 作り物の体に入って この世界との通信すら出来ねぇ程だって言うんじゃ 過去のその力なんて失われっちまう 父上は期待してるみてぇだが 今更シリウスAと連絡を取り次いだって 他の王から 第二プラントを守るなんて事は…」
ルシフェルが視線を逸らす ラーニャとメテーリが不安げに顔を見合わせる ガイが微笑して言う
「大丈夫です ルシフェル様」
皆が驚いてガイへ向く ガイが言う
「貴方のお父上にして 我らの王である シリウス様が仰るのです こちらの世界の事は今まで通りシリウス様へお任せし 我々は一刻も早く 新世界のシリウスA様と御会い致しましょう」
ルシフェルが呆気に取られた後慌てて言う
「そっ そんな事は分かっている!父上が居られる限り こちらの旧大陸は守られる!俺が言っているのは 今この第二プラントを襲おうと言う 他国の王どもとの戦いに シリウスAや新大陸の者どもの力など不要だと言う事でっ!何故この忙しい時に わざわざ向こうの大陸の事など…っ!」
ガイたちが疑問して顔を見合わせる ルシフェルがハッとして顔を背けて言う
「ええいっ!貴様ら愚民に話したとて意味が無い!…父上の命だっ さっさと案内しろ!ガイ!」
ガイが一瞬呆気に取られた後軽く笑って言う
「はい、我ら下々の者には分かりません ですから、我らはシリウス様を信じ その命に従うまで」
ルシフェルが一瞬驚いた後 視線を逸らし言う
「う… うん お前は愚民の中でも まぁまぁ賢い者らしい 父上が俺の供に付けた理由も 分からなくも無い」
ラーニャとメテーリが呆気に取られ メテーリが怒って言う
「何よっ 子供の癖にっ」
ルシフェルがメテーリを睨み付ける ガイが苦笑し表情を困らせ 誤魔化して言う
「ささっ ルシフェル様 シリウス様も急ぎと仰せであられた 先を急ぐべきかと」
ルシフェルがツンとして言う
「ああっ!これ以上 愚かな娘と話す口は 持ち合わせておらん!行くぞ!」
ルシフェルが歩き出すガイが苦笑して続く メテーリがムッとして言う
「なんって嫌な態度!親の顔が…」
メテーリが言い掛けてシリウスBの顔を思い出しゾッとして言う
「いやぁ… 見たくないわ…」
ラーニャが苦笑して言う
「でも これから行くんじゃなかった?」
メテーリが表情を困らせて言う
「う… そうだった あぁ~… なんで私がリジューネ陛下からの伝達係な訳ぇ?」
メテーリが肩を落として歩き出す ラーニャが軽く笑って言う
「しょうがないじゃない?貴方しか ローレシアとガルバディアの移動魔法が出来る 暇な人が居ないんだから」
メテーリが怒って言う
「なら 貴方がやりなさいよ!?同じじゃない!?」
ラーニャが言い返す
「私は新世界からの使者なの!ザッツの代わりに 新世界とのやり取りをするんだって 決めたんだから!」
メテーリが怒って言う
「出来てない癖に!」
ラーニャが怒って言う
「うるさいわね!」
ヴァッガスが言う
「ああ、うるせぇぞ~?お前ら~」
ラーニャとメテーリが衝撃を受けヴァッガスへ顔を向ける ヴァッガスが玉座の間の中に居るシリウスBを見て言う
「シリウス様はなぁ?な~ん日も寝ねぇで 作業してるんだぜぇ?近くでキャンキャン騒いだら 作業の妨げになっちまうだろ?」
ラーニャとメテーリが一瞬呆気に取られてからヴァッガスの視線の先を見る シリウスBが眼を閉じて周囲にプログラムを発生させている ラーニャとメテーリが顔を見合わせすまなそうな表情をする ヴァッガスが言う
「…とは言え、俺もその要因の一つなんだよな 人の事言えねぇか…」
ヴァッガスが表情を困らせる メテーリが疑問して言う
「ヴァッガスが シリウス様の邪魔をしてるって言うの?」
ヴァッガスが俯いて言う
「ああ… さっきは思わず喜んじまったけど 冷静に考えりゃ 俺の事は後にして 少しでも休んでくれって 言えたかもしれねぇのになぁ…」
メテーリが表情を困らせて言う
「え…!?え…ええっと しょうがないわよ!…何だか分からないけど ヴァッガスの事って事は つまり…その… 私たちには言い辛いって言う 魔物の力を得た事に関係してるんでしょ?だったら… シリウス様には もうちょっと 頑張ってもらわないと…」
ヴァッガスとメテーリが表情を困らせて俯く ラーニャが疑問して言う
「はぁ…?えっとぉ~ 何?つまり、今は少し休んで それから 頑張ってもらったら良いんじゃないの?」
ヴァッガスが苦笑して言う
「まぁ、それはそうだけどよ ガイとルシフェル王子様が これから新世界へ向かう訳だし… 今はやっぱ休んでなんかは 居られねぇのかもな …け、けどなぁ?あんまり無茶しちまって それこそぶっ倒れたりしちまったら この世界の防衛だってやべぇ訳だし…?や、やっぱ~ 俺の事は後回しで良いって… 言うべきだよな!?」
ヴァッガスがラーニャとメテーリへ向く メテーリが慌てて言う
「ちょっとっ!駄目よ馬鹿ヴァッガス!」
ヴァッガスが言う
「けどよぉ!?」
ラーニャが怒って言う
「あーっ!もう!分かった!なら私が言って来てあげるわ!」
メテーリとヴァッガスが呆気に取られて言う
「え?」「あぁ?」
ラーニャが向かいながら言う
「何日も休まずやってるって言うんなら ちょっと休憩して下さいって 言えば良いだけじゃない?私がガツンと言って来てあげる!」
ヴァッガスが驚いて言う
「な!?ガ、ガツンと…!?」
メテーリが目を丸くして言う
「あ、あのっ シリウス様 に…?」
ラーニャが鼻息荒く一息吐いてから玉座の間へ入って行く ヴァッガスとメテーリが呆気に取られたまま見送る ヴァッガスの通信機が鳴り 2人が一瞬驚いてから ヴァッガスが通信機を着信させ言う
「ロドウか?見張りの交代はまだだろ?どうした?…え?新世界の!?」
玉座の間
ラーニャが玉座の間に進み入る シリウスBが玉座に座り目を閉じてプログラムに励んでいる ラーニャが言葉を選びつつ言う
「えっとぉ… シリウス…様?あの…っ 少し 休ん… 休憩を 取りませんか?あ、ほ、ほら!皆!すっごく心配してるし…?」
シリウスBが間を置いてゆっくり目を開く ラーニャが緊張する シリウスBが視線を少し強めて言う
「新世界の民は 世界を救えるほどの力を有しては居ない シリウスは奴らを信じ過ぎている …とは言え 事を急したが故に 私は多国籍部隊の彼らを 危機へと追いやってしまった… ヴァッガスへの影響も悪化させた …これ以上の遅れは 許されん」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後 怒って言う
「け、けどっ!だからってっ!何日も休まずプログラムとかやって そんな無理するアンタを 皆がどんだけ心配してるのか!アンタ全然分かってないんだからっ!」
シリウスBが無表情に驚き呆気に取られる ラーニャがハッとしつつも少し考え 意を決して言う
「す、少しは自分の体の事も考えてっ ちゃ、ちゃんと休む時は休んだりしないと!アンタの代わりなんて 誰も居ないのよ!?」
ラーニャが強く言い終えた後 瞑っていた目を開き慌てる シリウスBが間を置いて苦笑して静かに言う
「…フッ 皆が心配している か… 人々に心配される神など 居よう筈も無い …やはり私は 奴には敵わないな」
ラーニャが驚いて言う
「え?」
シリウスBが言う
「そうだな …少し 休むか」
ラーニャが驚いてシリウスBを見る シリウスBが軽く息を吐いて言う
「確かに… 疲れた ヴァッガスへは まもなく完了すると伝えてくれ 後はオートチェックプログラムが 最終確認を行う あわよくば、多国籍部隊の彼らへの影響も 同じプログラムを使い回せるかもしれない 新世界の防衛についても… ガイたちがシリウスと接触するまでは これ以上の備えは必要は無いかもしれん」
ラーニャが呆気に取られる シリウスBが微笑して言う
「ガルバディア城の防衛に 多国籍部隊の者たち ロドウたちが 付いてくれている ここは… そうだな お前に任せる 何かあれば すぐに起こせ」
シリウスBが目を閉じ眠りに着く ラーニャが止めたそうに手を出し掛けて言う
「あ… え?え?ちょっ!そこでっ!?」
シリウスBが寝息を立てている ラーニャが呆気に取られた後軽く笑い玉座の間を出て行く
玉座の間の外
メテーリが心配そうに玉座の間へ背を向けている ラーニャが玉座の間から出て来る メテーリがハッとして振り返って言う
「ど、どう!?どうだった!?ほ、本当にっ シリウス様に ガツンと言ってくれたの!?」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後 得意気に笑んで言う
「も、もっちろんよ!私が一言ガツンと言ったら 素直に寝ちゃったわよ!?ほ、ほんっとっ アンタ達ってだらしないのね!?」
メテーリが驚いて言う
「す、凄い… あのシリウス様に ガツンと言えるだなんて… でも、良かった…」
メテーリが微笑してホッと一息吐く ラーニャが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「あのさぁ?大体、そんなに心配だったんなら 何で少し休んでくださいーの一言が言えないのよぉ?普通、心から心配して 言ってもらえるんなら 言われた方は喜ぶものじゃない?」
メテーリが驚いて言う
「そ、それはそうかもしれないけどっ!大体っ シリウス様は 私たちの神様なのよ!?ガイだって 下々の我らが お体の心配をするのは 失敬である とか言ってたしっ?」
ラーニャが言う
「神様ねぇ~?それこそ新世界のガルバディア国王にだって 私たちは別に神様だ何て思ってなかった訳だし… あ、そうだ ヴァッガスは?」
メテーリが疑問して言う
「え?」
ラーニャが周囲を見渡して言う
「シリウスBが伝えてくれって…」
メテーリが言う
「シリウス様が ヴァッガスに?何だろう?ヴァッガスならさっき… あ!」
ラインツが現れ軽く笑んで言う
「よう!え~っと ラーニャ!お前 あん時はびっくりしたぜー?!けど、元気そうで何よりだぜ!」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後 驚いて言う
「貴方はあの時の!シリウスAと一緒に居た!どうして貴方がここに!?皆と一緒に新世界に戻ったんじゃなかったの!?」
ラインツが微笑して言う
「おうっ 一度新世界へ帰って また来たんだ!あ~ そうそう、ザッツ6世の事は 聞いたぜ… 連れ戻すのは難しいんだとかってな?…けどよ!シリウスもザッツ6世を取り戻してやるって その為にも戦うって言ってたぜ!?だから、きっと大丈夫だ!」
ラーニャが呆気に取られた後微笑する ラインツが笑んだ後ニヤリと笑って言う
「あ!それで お前!実はその異世界の王に捕まっちまった ザッツ6世を待つ為に こっちの世界に残ったんだって?へへっ妬けるなぁ?」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後顔を赤らめ恥ずかしがって言う
「え!?あ!ちょっ そんな!あ、あたしとザッツは そんな仲じゃないんだから!」
ラインツが笑んで言う
「そう誤魔化す事ねぇ~じゃねぇ~か?早く会えると良いなぁ!?」
ラーニャが照れながらも微笑する メテーリが言う
「貴方が新世界から来た… 新世界のシリウス様の相棒だって言う?」
ラインツが軽く笑んで言う
「おうっ!元新世界アバロンの王で シリウスの相棒もやった ラインツだ シリウスBに会いに来たんだが… 奴は玉座か?」
メテーリが首をかしげながら言う
「元新世界のアバロン王で 新世界のシリウス様の相棒… そんな貴方が わざわざ来ての用事って事は 何か重要な?…もしかして!シリウス様からの使者っ!?」
ラインツが一瞬表情を忍ばせた後微笑して言う
「あ?あ~… おうっ そんな感じだぜ!それじゃ 早くシリウスBに会いてぇからよ!またな!」
ラーニャとメテーリが見送り掛け メテーリがハッとして言う
「あ、ねぇ!待って!?ヴァッガスは?ロドウから貴方が来たって連絡を受けて 確認に行くって…!」
ラインツが一瞬足を止め横目にメテーリを見てから 足を進めて顔を向けずに言う
「あ、ああ… あの狼少年は… 外で見張りするってよ?」
ラーニャとメテーリがラインツを見送りつつ ラーニャが言う
「見張りの交代って まだじゃなかった?」
メテーリが首を傾げてから気を取り直して言う
「どうしたんだろ…?あんなに いつも見張りを嫌がるのに」
ラーニャが思い出して言う
「あっ!いっけなーい!私、シリウスBに 何かあれば起こせって言われたんだった!…もぅ これじゃ結局 全然休ませてないじゃない~っ」
メテーリが微笑して言う
「なら、貴方はシリウス様を起こしに行って?シリウス様からヴァッガスに 何か伝言があるって言ってたわよね?そっちは私がヴァッガスへ伝えるから」
ラーニャが言う
「う~… まぁ そうね、何だかおまけみたいに言われたけど?一応任された訳だし …ラインツ元国王様から もっと新世界の話や 皆の話を聞けるだろうしね?」
ラーニャが微笑みメテーリへ一言伝言を伝え メテーリが頷き外へ向かう ラーニャが玉座の間へ向かう
【 新世界ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが目を閉じてプログラムを行っている ヴィクトール11世が笑顔で居眠りをしている シリウスAが表情を渋らせ目を開き 溜息を吐いて言う
「うむぅ~ 駄目じゃのぉ やはりこの義体のスペックでは こちらの大陸の防衛すら叶わぬか… Bがこちらの防壁を強化してくれおったと言う事は きっとまた この第2プラントを… 我を襲おうとしておる者が居るのじゃ …またリゲルかのぉ?何にせよ 再びBとの連絡を取る方法を探さねばならぬが…」
シリウスAが視線を下げる ヴィクトール11世の猫耳が動き シリウスAを見上げて言う
「シリウス?旧世界のシリウスBと連絡を取るなら また聖魔力を抽出したら良いじゃない?そんなに表情を困らせるシリウスなんて… 僕ちょっとびっくりだよ?」
シリウスAが苦笑し ヴィクトール11世の頭を撫でながら言う
「ヴィクトール お前に心配をかけてしもうたか?案ずるな お前は我の猫じゃ 我のそばに居るからには 何があろうと のんびりとして居れ」
ヴィクトール11世が笑顔で撫でられてから シリウスAを見上げて言う
「うん!僕はシリウスのそばに戻ったんだもの 何も心配はしてないよ!…ただ、シリウスにはやっぱり いつものシリウスで居てもらいたいと思って 何か困ってるみたいなシリウスは シリウスらしくないよ?」
シリウスAが苦笑して言う
「我らしくあらぬか… そうじゃな バーネット2世の遺伝子情報で作ったとは言え やはり義体は義体… これでは 本体の半分も力が出せぬ 今は旧世界との通信より 我の身を探す方が先かのぉ」
ヴィクトール11世が不思議そうに瞬きした後言う
「シリウスの… 本当の体?…僕… 見た事無いよね?」
シリウスAが苦笑して言う
「ふむ、そうじゃな 我の本体は… 昔、我が気に入った美しい女王に恐れられてしもうての?それ以来 ずっと隠して居ったのじゃ 以前は度々戻っては 程良いプログラムなど作っておったのじゃがな… それと 義体が安定せぬ時などにも 良かったのじゃが …まさか 預けておいたまま どこかへ封じられてしもうとは 我も少々甘かったのかのぉ…」
ヴィクトール11世が呆気に取られて言う
「女王様に恐れられた…?シリウスの本当の姿は そんなに怖いの?…僕も 怖いかな?」
ヴィクトール11世が尻尾の毛を逆立て身震いする シリウスAが苦笑して言う
「どうじゃろうのぉ?ヴィクトール お前は あのシリウスBを恐ろしいと思うたか?」
ヴィクトール11世が呆気に取られてから少し考え笑顔で言う
「え?ぜ~んぜん!だって僕 分かったもん!あれはガルバディアの機械のせいだって!シリウスBの体は ガルバディアの民やシリウスよりも とっても機械の匂いがした…っていうか 薬の匂いなのかなぁ?シリウスBのね?肌からそんな匂いがしてたんだ だから…あ、でも そういえば 匂いに敏感じゃなかった時は ちょっとびっくりしたかも…」
ヴィクトール11世が思い返す様に斜め上を見上げ疑問する シリウスAが衝撃を受け言う
「び…びっくりしおったか?や、やはり… 化け物や その類の おぞましい者に見えてしもうたかっ?」
ヴィクトール11世が笑顔を向けて言う
「大丈夫だよシリウス!ちょっと驚いただけで ちゃんと話したら すぐに優しい人だって分かったもん!シリウスBも 僕の大好きなシリウスと同じだって!」
シリウスAが苦笑して言う
「そうか… そうじゃのぉ Bは少々悪ぶって居るが 本当はとても優しい奴なのじゃ 我の大切なパートナーなのじゃ」
シリウスAが笑顔でヴィクトール11世の頭を撫でる ヴィクトール11世が笑顔で撫でられ 間を置いて言う
「ふふふ~ …あれ?何の話してたっけ?…ま、いっか?」
【 ローゼント城 玉座の間 】
アンネローゼが言う
「両世界の和平は結ばれたのです ですから、もう旧世界の民が こちらの新世界へ機械兵や兵士を送る事も無いと思われております」
ベハイムが言う
「旧世界のシリウスBは 両世界の戦いが行われる以前から 兵の強化を行っておりました …本当に和平は結ばれたのでしょうか?アンネローゼ女王は 両世界の和平についての そのお話を 直接シリウスAから 聞かれたのですか?」
アンネローゼが一瞬間を置いた後表情を強めて言う
「私自身が聞き及んだ訳ではありません しかし、私の夫が その耳で聞き 私へ伝えてくれました 従って その言葉を疑う余地は どこにもありません」
ベハイムが一瞬間を置いた後言う
「新世界ローゼントの女王と その夫 …分かりました アンネローゼ女王はシリウスAの言葉を信じるのではなく あくまで その言葉を信じたヴェルアロンスライツァー王配殿下を 信じられると 仰るのですね?」
アンネローゼが言う
「彼の人を見る目は確かです そして、私は ヴェルアロンスライツァーを心から信じております」
ベハイムが言う
「では、その王配殿下を説得しなければ アンネローゼ女王陛下と このローゼントは動かれない それでは早速、私は ヴェルアロンスライツァー第二国王陛下の下へ参ります …もっとも、彼の説得の方が 既に終えられておりますかもしれませんが?…失礼」
ベハイムが微笑した後立ち去る アンネローゼがその後姿を見つめる アンネローゼの後方で僅かにプログラムが見える
【 ソルベキア国 スファルツ邸 】
スファルツがモニターを見上げて言う
「ベハイム… ベハイム・フロッツ・クラウザー… 先ほどローレシアの玉座の間に現われた リジューネ女帝と言い 旧ローレシア帝国から救出した者たちが 旧世界からの襲撃に備える様 伝え向かっている… 両世界の和平は結ばれたと言うのに何故…?」
スファルツがしばらく考えた後顔を上げ 立ち上がって言う
「仕方がありませんね 不本意ではありますが 私だけでは何も出来ません」
スファルツが立ち去る
【 スプローニ城 玉座の間 】
シュリが言う
「…シリウスBは先の新世界侵略以前から 戦力の増加上昇を模索しシミュレートしていた 結果的にその戦力は新世界への侵略に使われはしたが シリウスBは 間違いなく 今も 戦力の増加上昇を模索している このまま新世界の平和に安堵していては 次の時は免れない」
シュリが一度視線を別へ向けてから 再びロキへ戻して言う
「…この新世界スプローニ国は 旧世界スプローニの民である 私にとっても第二の故郷と言える その国の王である卿が 現状の貧弱な戦力に 満足している様では困る」
ロキが言う
「…つまり、旧世界スプローニの 生き残りであると言う卿が 俺に言いたい事は 旧世界との戦いは 近い内に再び行われる …と言う事か 更に、現行のスプローニの兵では その時に 打ち勝てないと」
ヴェルアロンスライツァーが言う
「このスプローニは現在 ローレシアからの魔力者を 正式にスプローニの部隊へ編入させるよう 取り計らっている最中 この事は ローゼントでも行われていない 画期的な試み 全てが順調に行けば スプローニの魔法銃部隊は ローレシア、ローゼントの2国から作られる 魔法剣士部隊を超える力さえ持てるのだ …と、これほどの事を行っている スプローニの王へ 貴殿は何を言われるのかっ!?」
ヴェルアロンスライツァーが怒りを持って手を振り払う ロキがヴェルアロンスライツァーへ向きボソッと言う
「…それはそうかもしれんが …己の祖国を下げる言葉を 当人が… しかも 王配である卿が言うとは やはり俺は卿の考えには」
シュリがヴェルアロンスライツァーへ向いて強く言う
「甘いっ!その程度の戦力では シリウスBの作り出す兵には 到底敵う筈が無い!…俺が言っているのは 既に存在する戦法を超える 新たな力への模索だ!」
ヴェルアロンスライツァーが怒って言う
「新たな力を求めるより!まずは現在存在し得る 最良の試みを確固たるものにしようと 言っているのだ!そもそも王の考えに 口出しするとはっ!貴殿には 国王への忠誠心と言うものがあらぬのかっ!?」
ロキがシュリへ言う
「…何か良策があるのか?」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒って叫ぶ
「ロキーっ!!貴殿は 国王としての尊厳を 徹底死守すべきであると いつもっ」
シュリが言う
「…それは卿が考えろ 俺は模索しろと言っている」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒って言う
「貴様ぁあーーっ!このスプローニを第二の故郷とするのなら!貴殿は少なくとも そのスプローニの王へ対し 敬意を重んじるべきであって!」
ロキがシュリへ言う
「…では、俺は卿を スプローニの策士として向かえる 従って 卿はこのスプローニの為 新たなる力を得る方法を考えろ」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒ってロキへ向いて言う
「待てーいっ!ロキ!スプローニの王は貴殿だけではない!第二国王である このヴェルアロンスライツァーの同意も無ければ その様な大事を任せる策士を迎えるなどと言う事は!」
ロキが言う
「…俺は ラグヴェルス前陛下から このスプローニを任されるに当たり助言を受けた …今までの様に 世界に唯一の銃使い国である事を固持し 他考えとの交わりを遠ざけるのではなく それらと共に進み その中に置いて銃使いとしての心を 強く持ち続けるのだと …俺も それは必要な事であると知っている 卿のお陰でな」
ヴェルアロンスライツァーが呆気に取られて言う
「ロキ… そうか、それで貴殿は この銃使いの国の第二国王と言う 重大な座に 長剣使いである この私を」
ロキが言う
「卿が居てくれれば ローレシアの魔力者を引き抜くのに程良かった 卿は相手が銃使いであろうと魔力者であろうと 何の躊躇も無く踏み入れるからな …と、言う事で 魔力者は間もなく手に入るだろう 次は別の力の元へ踏み入って来て貰うか そうだな、ローレシアの魔力者を手に入れたとなれば、残るは この世界で最強の力 ガルバディアのプログラマーか?ヴェルアロンスライツァー?」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒って言う
「なぁあーーっ!?それはどう言う事か ロキ!?貴殿は 私を長剣使いとして そして、貴殿の相棒として このスプローニへ迎えたのではなかったのか!?…いやっ!もう良い!如何にヴェルアロンスライツァーとの名を持つ私であっても これ以上は我慢ならぬ!やはり私が傅くべき王は アンネローゼ様 唯一なのだ!」
ヴェルアロンスライツァーが怒って立ち去る 周囲のスプローニ兵が顔を見合わせロキへ向く シュリが呆気に取られた後苦笑し 改めてロキへ向いて言う
「…俺を策士に…か… まぁ良いだろう ロキ国王 このスプローニを守る為 卿はまず最良の選択をした 銃使いの国であるスプローニの第二国王の地位に ローゼントの長剣使いなど 何の役にも立たない 同じ銃使いの俺に 全て任せてくれれば この新世界を守る最強のスプローニ国を作れるだろう」
シュリが微笑する ロキがシュリを見下ろし言う
「…スプローニ国憲法 七万六千三百五十四条三項 如何なる理由があろうとも 国王の前で他国の兵を愚弄する事を禁ずる」
シュリが呆気に取られる ロキが続けて言う
「共に 同法同条四項 如何なる理由があろうとも スプローニ国民の相棒を蔑む事を禁ずる 以上の各法に触れし者へ 各々禁固2週間の刑に処する」
ロキの後ろに居た書記が分厚い本に認めた後言う
「スプローニ国新憲法 七万六千三百五十四条三項 同法同条四項 認(したた)めました!」
ロキが言う
「…連行しろ」
シュリが驚いて言う
「なっ!?お前!どう言う事だ!?」
スプローニ兵がシュリを押さえ言う
「ロキ陛下 この者は スプローニ国新憲法 七万六千三百五十四条三項に違反した者 と言う事でよろしいでしょうか?」
ロキが言う
「…違う スプローニ国新憲法七万六千三百五十四条三項 と共に 同法同条四項にも触れている 諸卿も聞いていただろう」
スプローニ兵たちが顔を見合わせ微笑み会う シュリが連行される スプローニ兵たちの後方に居たベルグルが軽く笑った後 急いでヴェルアロンスライツァーを追って駆け出す
スプローニ国 城下町
ベルグルが道を走って行く 先に居るヴェルアロンスライツァーの下へ追いついて言う
「ヴェルアロンスライツァー副隊長ーっ!ロキ隊長はッスね!やっーぱりヴェルアロンスライツァー副隊長の事 相棒として大切に思ってるッスよ!だから!」
ヴェルアロンスライツァーが歩きつつ軽く笑って言う
「ああ、分かっている ロキは私にとっても大切な相棒だ 我々は世界一の相棒だからな」
ベルグルが呆気に取られた後 疑問して言う
「うー…?けど ヴェルアロンスライツァー副隊長?さっきは ロキ隊長も ヴェルアロンスライツァー副隊長も 本気で離れようとしてたッスよ?俺はッスね 2人のそう言う気持ちには すっごく敏感なんッス だから いっつも心配しててッスねー それに、ロキ隊長は 折角ヴェルアロンスライツァー副隊長に スプローニ国の第二国王様になってもらったのに なんだかいっつも 落ち着かない感じだったッス だから俺も 何だかずっと心配で 嬉しいのに心配で あんまり嬉しく思えなかったんッスよ?」
ヴェルアロンスライツァーが苦笑して言う
「それは 私も同じだった ローゼントとスプローニの友好を取り戻す為だと ローゼントのハリッグ前国王陛下に諭され引き受けはしたが 同じく スプローニのラグヴェルス先代国王陛下から諭されたロキも 私と共にスプローニの王を務める事へ 一物の不安があったのだろう」
ベルグルが首を傾げて言う
「一物の不安…?って何ッスか?ヴェルアロンスライツァー副隊長?」
ヴェルアロンスライツァーが言う
「私とロキは アバロンのヘクターとデスの様に 互いの意見を尊重し合うと言う事が 苦手なのだ 元々私とロキの考え方は 似て非なるもの それでも、戦いの場に置いては絶妙な均衡を持って問題は無かったが やはり、一国を賄うと言うことに置いては そうは行かない 国をまとめるべき2人の国王が 互いに譲り合わない2人であってはな」
ベルグルが残念そうに言う
「それじゃ、もしかして さっきのロキ隊長の言葉も 夢の世界と同じで ヴェルアロンスライツァー副隊長の事を 助ける言葉だったんスか?」
ヴェルアロンスライツァーがベルグルへ向き軽く笑って言う
「うむ、よく分かる様になったな ベルグル それでこそロキの第二の相棒だ」
ヴェルアロンスライツァーがベルグルの頭を撫でる ベルグルが一瞬驚いた後嬉しそうに微笑む ヴェルアロンスライツァーが頷いて言う
「これで私も 安心して 貴殿へ一任する事が出来る」
ベルグルが驚き疑問して言う
「え?一任って 何を任せてくれるんッスか?ヴェルアロンスライツァー副隊長?」
スプローニ城 玉座の間
ベルグルが喜んで言う
「ヴェルアロンスライツァー副隊長の代役はッスね!相棒も!第二国王も!どっちも俺がやるッスよー!ロキ隊長!」
ロキが怒って言う
「あの唐変木ー!!馬鹿犬にスプローニの第二国王を任せるとは 相変わらず 奴は何を考えているんだぁー!?」
スプローニ兵たちが焦りの汗をかく ベルグルが笑顔で居る
【 ベネテクト城 玉座の間 】
セーリアが言う
「ベーネット陛下、どうか ベーネット陛下から アバロンやソルベキア、そして ローレシアの国王様方へ 提唱して頂けませんでしょうか?ザッツは 決して新世界の民へ危害を与えるつもりで 旧世界の民を導いた訳ではないのだと」
ベーネットが言う
「私はザッツロード7世が この新世界へ仇なす者ではない と言う事は信じたいと思っている しかし」
ヴィクトール14世が言う
「新世界の危機であった 先の戦いの折 ザッツロード7世は ローレシアの民を使い 私を捕らえさせた …結果的に それによる世界的な損害は免れたが ベーネットが迅速な対応を行わなければ ベネテクト、デネシアの魔法剣士傭兵部隊は 最悪戦えなかったかもしれない」
セーリアが言う
「ザッツはシリウスBからの使者を 各国の王様方へ会わせる為の手招きをしただけなのです それがどう言う訳か シリウスBからの使者たちが 新世界の国々を襲う結果となってしまうとは 夢にも思っていませんでした この様な事を今更言っても にわかには信じて頂けません しかし、慈愛の王であられる ベネテクトの王 ベーネット陛下であるなら そんなザッツにも 力添えを頂けるのではないかと」
ベーネットが苦笑して言う
「セーリア殿、私は確かにベネテクトの王ではあるが 慈愛の王では無いのだよ …もっとも慈愛の王の子孫である事は確かだ 従ってそうありたいとは思っているけれどね?」
セーリアが一瞬呆気に取られる ヴィクトール14世が微笑して言う
「慈愛の王は ガルバディアの王だものね?そして、シリウス国王の子孫であるベーネットは 私から見れば 十分にその精神を受け継いでいると思うよ?」
ベーネットがヴィクトール14世へ向き苦笑して言う
「それは どうも」
ヴィクトール14世が微笑む セーリアがヴィクトール14世へ向いて言う
「ヴィクトール14世様 私たちはずっと夢の世界にて 貴方様の御尊父 ヴィクトール13世様のお導きを受けておりました そして、ヴィクトール陛下の友情の王としての力は とても強く心強いものでした ヴィクトール14世様 貴方様もそのお力を引き継いでおられるでしょう そのヴィクトール14世様の力添えも 頂ければ」
ヴィクトール14世が疑問して言う
「え?私の父が友情の王?」
セーリアが微笑して言う
「はい、ヴィクトール13世様は 夢の世界では アバロンの王であられ 友情の王として とても強いお力を持っておられました この現実世界では ヴィクトール12世様の代で アバロンの王は変わってしまいましたが あの友情のお力は きっと現実世界でもご健在であられるのではないかと」
ベーネットが微笑して言う
「ヴィクトール12世様13世様 そして、このヴィクトール14世も 一大剣使いとしての力と共に アバロンの力を持つ者に変わりはありません しかし、やはり アバロンの王では無く 彼らは我らガルバディアの王族の 歴代の飼い猫です 最近ではすっかりベネテクトに住み着き アバロンに近いベネテクトの料理に満足し 剣術の稽古に遊び 何の悩みも無く 長々と寝ている有様 とても ザッツロード7世の釈放を論ずる事が出来るとは …思えませんね」
ベーネットが一つ溜息を吐く ヴィクトール14世が照れる セーリアが呆気に取られ呆れの汗をかく
【 シュレイザー国 城下町 】
バーネットが上体を上げて言う
「よーし これで漁船探知機の修理は終了だぁ どぉおだぁあ?ちゃぁーんと映ってやがるだろぉお?」
バーネットが高台へ顔を上げて叫ぶ 高台の窓からシュレイザー兵が顔を出して叫ぶ
「レーダーに漁船の船影が映るようになりましたー!これでもう 自国の漁船を異国の戦艦と間違えずに済みます!」
バーネットが苦笑して言う
「やれやれ、んにしても こんな単純な故障を5年以上も放置して 世界一の海軍を持つシュレイザーが 全ての船影にビビってやがったとはなぁ?あのチョッポクルスの奴ぁ 何やってやがるんだぁ?」
バーネットが首を傾げる ヴィクトールが走って来て言う
「バーネットー!」
バーネットが疑問して振り返る ヴィクトールが嬉しそうにやって来て言う
「バーネット!見て見て!僕たちの周囲に潜んでいたネズミを ひっ捕らえたよ!えへへ、僕 猫みたいでしょー?」
ヴィクトールがネズミの尻尾を掴んで持っている ネズミが逃げたそうに暴れている バーネットが呆気に取られた後苦笑して言う
「ハッ!どこほっつき歩いてやがるのかと思ったら てめぇはネズミなんざを 追っ掛け回してやがったのかぁ?」
ヴィクトールが笑顔でネズミをバーネットへ向けて言う
「うん!バーネット 褒めてくれる?飼い猫の功績を ちゃんと褒めるのも 飼い主の務めだよ?」
バーネットが呆れて言う
「あのなぁ…?てめぇらは ガルバディア国王の歴代の飼い猫だって 一応人なんだぁ 夢の世界じゃ アバロン帝国の皇帝様までやりやがった奴がぁ 猫の真似してネズミなんざ おっ駆けてやがるんじゃねぇよ?」
ヴィクトールが頬を膨らして言う
「ぶーっ バーネット、褒めてくれないの?猫の真似は洒落にしても このネズミはずっと僕らを監視してたんだよ?もしかしたら 悪の手先かもしれないじゃない!?」
ネズミが衝撃を受ける バーネットが疑問して言う
「あぁ?このネズミが悪の手先だぁ?」
バーネットがネズミを覗き込む ネズミがバーネットへ向いて慌てて否定する バーネットが悪戯っぽく苦笑した後 ヴィクトールへ向き直って言う
「…フンッ ならぁまずぁその悪ってぇのは 何だぁ?」
ヴィクトールが普通に首をかしげ言う
「さぁ?」
ヴィクトールが笑顔のまま居る バーネットが呆れて一息吐く ヴィクトールが困った様子で言う
「だってぇ、何となくそんな気がするんだもの!バーネットは 僕のアバロンの力を信用してくれないのー?」
バーネットがヴィクトールへ向いて言う
「ヴィクトール、てめぇは 初代ヴィクトール1世が 何でガルバディアに来やがったのか 知ってやがるのかぁ?」
ヴィクトールが呆気に取られて言う
「え?ううん 全然」
バーネットが苦笑して言う
「ヴィクトール1世はなぁ?てめぇのアバロンの力の貧弱さに 落ち込んで現われやがったんだとよ?まぁ丁度その時 ガルバディアの王シリウス国王も 自分が飼っていた猫を失っちまって 落ち込んでやがったぁ …んな訳で 程よく現れやがった その時失った猫と同じ毛色で同じ目の色をしたヴィクトール1世を シリウス国王は その猫の代わりに従えたんだぁ ガルバディアには 茶色の髪の奴ぁは居やがらねぇからなぁ?」
ヴィクトールが一瞬呆気に取られた後 微笑して言う
「へぇ~ そのシリウス国王が飼っていた猫の代わりだから シリウス国王の相棒であるヴィクトールは 飼い猫って呼ばれるんだね?」
バーネットが言う
「そう言うこった ガルバディアに住めるのは プログラムを使えるプログラマーだけだからなぁ?その力を持ち合わせてねぇ てめぇらは ガルバディア国王の飼い猫ってぇ地位を持つ事で 滞在が許されやがったんだよ」
ヴィクトールが苦笑して言う
「シリウス国王が飼い猫を失ってしまった事は残念だったけど お陰でヴィクトール1世はシリウス国王に助けてもらえたんだね 僕らはその猫に感謝しないと!」
バーネットが苦笑して言う
「それこそ本物の猫だっただろう シリウス国王の飼い猫に感謝してぇってぇなら構わねぇが お陰で出来損ないのアバロンの民が 14代に渡って残っちまったけどなぁ?はっはー!」
ヴィクトールが不満そうに言う
「あー!酷いよバーネット!僕のアバロンの力は 貧弱なだけであって 全く無い訳じゃないんだもん!僕にだってアバロンの力は ちゃんとあるの!その力が 僕にこのネズミを捕らえさせたんだよ?」
ヴィクトールがネズミをバーネットへ向ける ネズミが暴れる バーネットが一瞬呆気に取られた後微笑して言う
「まぁ、真相を言い当てる アバロンの力は貧弱かもしれねぇが 何かを感じ取れるってだけでも 大した物だぜぇ …なぁ?チョッポクルス?」
ヴィクトールが呆気に取られて言う
「え?」
バーネットがネズミに手をかざし目を閉じてプログラムを実行する ネズミの体が光り チョッポクルスに変身して チョッポクルスがヴィクトールへ向き怒って言う
「こ、この~~ 適当ヴィクトール~~! よ、余の尻尾を掴むではない~~! さ、逆さまにされるのは く、苦しいのじゃぞ~~!?」
ヴィクトールが呆気に取られた後考え 笑顔で言う
「バーネット ほら、悪の手先ー!」
ヴィクトールがチョッポクルスを指差す チョッポクルスが怒って言う
「よ、余のどこが~~ あ、悪の手先~~ じゃぁ~~!」
バーネットが気を取り直し軽く首を傾げて言う
「ふんっ 悪の手先じゃぁねぇにしても なんったって 俺らの周囲に居やがったんだぁ?漁船探知機の修理なら 事前に話しておいた筈だぁ それとも ネズミに化けて偵察しなきゃならねぇ程に この俺の事が信用出来なかった とでも言いやがるのかぁ?」
チョッポクルスが改めて言う
「ち、違うわ~~ よ、余はお前たちを誤魔化す為 ね、ネズミになってた訳では な、無いんじゃ~~ お、お前に た、助けて貰おうと思って~~ じゃ、じゃなぁ~~」
バーネットが一瞬呆気に取られた後 疑問して言う
「あぁ?俺に助けて貰おうだぁ?悪ぃが うちにはデケェ猫が 2匹も居やがるんだぁ この上ネズミなんざ飼えねぇぜぇ?」
ヴィクトールがふざけて猫の真似をして チョッポクルスに牙をむく チョッポクルスが慌てて怒って言う
「よ、余は 3大国家の一つ シュ、シュレイザーの こ、国王じゃぞ~~!ち、小っぽけなベネテクトへ~~ ぼ、亡命など~~ せぬわ~~!そ、それから お、お前も~~ じょ、冗談でも 牙を剥くでない~~!あ、あいつにそっくりじゃ~~!」
ヴィクトールとバーネットが顔を見合わせ疑問した後 バーネットがチョッポクルスへ言う
「あいつだぁ?一体誰の事を言ってやが…」
バーネットの言葉の途中でヴィクトールがハッと気付き 瞬時に剣を抜き攻撃を弾き返す バーネットとチョッポクルスが驚き顔を向けた後 チョッポクルスが慌てて叫ぶ
「あ、あいつじゃ~~!ほ、ほれ~~ お、お前たちが あ、あいかわらず~~ の、のろのろ~としておったから~~ み、見つかってしまったわ~~!」
チョッポクルスが慌ててバーネットの後ろに隠れる バーネットが一瞬チョッポクルスを見た後 顔を向けると 襲撃者が唸り声を上げて身構える バーネットがハッとして言う
「な!?て、てめぇはっ!旧世界の!?」
ヴィクトールが剣を構える バーネットが言う
「ヴィクトール!待ちやがれ!そいつはっ!」
ヴィクトールが言う
「分かってる、先の戦いで シュレイザーに現われたって言う 旧世界の戦士 ヴァッガス」
ヴァッガスが唸る バーネットがヴィクトールを抑えようとして言う
「なら剣を向けやがるんじゃねぇ!旧世界とは和平を結んだんだぁ 今更争う必要はねぇだろ!?」
ヴィクトールが気を引き締めて言う
「でも、向うは戦うつもりだよ バーネット!僕にサポートを!」
バーネットが言い掛ける
「馬鹿言いやがるんじゃねぇえ!んな事出来やがる訳が!」
ヴァッガスが襲い掛かる ヴィクトールが押さえに向かうが ヴァッガスのスピードが勝りヴィクトールを回避してバーネットへ向かう バーネットが驚くヴィクトールが叫ぶ
「バーネット!!」
バーネットが舌打ちして表情を顰めると 瞳の色が変わり 周囲にプログラムが発生する ヴァッガスの攻撃がバーネットの目前で弾かれ ヴァッガスが一度弾き飛ばされる ヴァッガスが体制を立て直し構えると バーネットの前に ヴィクトールが雷のサポートを受けた状態で身構える
【 ローレシア城 玉座の間 】
ルーゼックが驚いて叫ぶ
「ヴィクトール13世が旧世界の戦士と戦い 重傷だとっ!?」
キルビーグが言う
「旧世界の戦士が 新世界に現れたと申すのか?それとも 以前に来たまま残っていたと申す事なのか?」
ルーゼックが言う
「ええいっ!それより!奴の容態は!?命に別状はあらなんだかっ!?」
通信モニターのスファルツが言う
『詳しい事は教えて頂けませんでしたが シュレイザーにて治療を行い 現在はベネテクト城へ戻られたとの事 そして、旧世界の戦士に関しましては 以前シュレイザーを襲った旧世界の戦士ヴァッガスが 再びシュレイザーへ現われ 国王の命を奪おうとし その折 たまたま同国へ 何でも屋として出張修理へ出向いていた バーネット2世ベネテクト国第二国王陛下と その飼い猫ヴィクトール13世殿が 応戦する事となったそうです しかしながら、彼らの力を持ってしても 旧世界の戦士ヴァッガスとは…』
バーネット1世がホログラムで現われて言う
『バーネットとヴィクトール13世の力が劣った訳じゃねぇ 片や命を奪おうと攻撃を仕掛ける者 片や戦いを止め 理由を問い正そうとする者じゃぁ 端っから戦いにならねぇんだよ』
ヴィクトール12世がホログラムで現われ 苦笑して言う
『とは言え、元々我ら 雷鳴の剣を操る戦士は 一対一の戦いは苦手であるからな?本気で戦い合ったとしても あのヴォーガウルフの力を持つ旧世界の戦士を 打ち負かす事は難しかっただろう』
バーネット1世が衝撃を受け 怒ってヴィクトール12世へ言う
『ばっ!てめぇえは!例え事実でも 他国の王の前で てめぇの弱点を言いやがるんじゃねぇえ!』
ヴィクトール12世が照れる キルビーグが微笑して言う
「お二方のその様子なら ヴィクトール13世殿のお怪我も スファルツ卿が申すほど深刻なものでは あらぬのかもしれぬな?」
ルーゼックがキルビーグを見て苦笑する スファルツが疑問してバーネット1世のホログラムへ向く バーネット1世が少し困った様子で言う
『まぁ、深刻って程じゃぁねぇが あの様子じゃ しばらくは戦えねぇな… とは言え ベネテクトはバーネット3世が 実質国王だからなぁ 第二国王とその相棒が戦え無くったってぇ 国の防衛は賄えやがる』
ヴィクトール12世が言う
『彼らと戦った旧世界の戦士ヴァッガスは バーネット2世殿とヴィクトールが何とか取り押さえる事に成功し 現在はシュレイザー城の檻に捉えられて居る 一先ず 彼によるこれ以上の被害はないだろう』
ルーゼックが言う
「そうか… しかし、その者が 何処から現れたか などの確認が致されぬ限り 他の戦士さえも再び現れると言う事も考えられるであろう 以前確認された移動魔法陣は封鎖したと申すのに 一体何処から参りおったのか」
スファルツが言う
『はい、そこで バーネット1世様が 旧世界の戦士を捜索するプログラムを用意し まずは各国へ警戒を呼びかける事に致しました』
キルビーグが感心して言う
「おおっ 流石はシリウス国王のご子息 その様なすばらしいプログラムを作られ この世界を守ろうと」
バーネット1世が腕組みをして得意気に言う
『おうよ、ちょいと時間を食っちまってるがぁ すぐに作らせるからよぉ それまでの間はてめぇらで 警戒しといてくれや』
ルーゼックとキルビーグが疑問する バーネット1世が笑んで言う
『すまねぇえなぁ?この鈍臭ぇバッツスクロイツの奴が』
スファルツの映っていた通信モニターがジャックされ バッツスクロイツが映って叫ぶ
『俺ーっ!?やっぱ俺っちのせいですかー!?』
バーネット1世が怒って言う
『るせぇええ!てめぇえは スファルツの通信なんざジャックしてやがる暇がありやがんなら とっととプログラムを完成させやがれぇええ!でもって ついでに 奴がどっから現われやがったのか!?奴の目的は何なのかも 確認するプログラムを作りやがれぇええ!』
バッツスクロイツが怒って言う
『超ー信じられないんですけど!?この人ーっ!そーんなプログラムなんて マジ在り得ないーって感じー!』
バーネット1世が怒って言う
『るせぇええ!在り得ねぇえなら てめぇえで在り得る様にしやがれってんだぁあ!これ以上もたもたしてやがったらぁ!!』
バーネット1世が鞭を振りかざし 床を叩く バッツスクロイツが悲鳴を上げ言う
『きゃーっ!俺っちいつまで バーネっちパパに虐められちゃうんですかー!?神様ヘルプミー!』
バッツスクロイツがモニターから消える 再びモニターに映ったスファルツが苦笑している ルーゼックが気を取り直して言う
「プログラムが完成するにしても 旧世界の戦士が再び何処ぞの国へ現われ 同様の事を行うと申す可能性は 在り得ると申す訳か」
キルビーグが頷いて言う
「うむ、では 今一度 この新世界の全ての国々で 力を合わせるべきだろう」
ホログラムのバーネット1世が鼻で笑う ヴィクトール12世が微笑む ルーゼックが腕組みをして頷いてから言う
「よし、では早速… 何処へ連絡致すべきか?」
ホログラムのバーネット1世が転びかけ 怒って叫ぶ
『なぁ!?て、てめぇえ!んなのは 決まってやがるだろぉおがぁあ!』
【 シュレイザー城 玉座の間 】
チョッポクルスが泣きながら叫ぶ
「ほ、本当に~~ あ、あんなに恐ろしい目に会ったのは~~ よ、余は 初めてじゃぁ~~!」
通信モニターのルーゼックが言う
『それで、3大国家の1国であられる シュレイザー国国王殿は この緊急事態へ どの様な対応を 考えておられるのか?同じく3大国家の1国である 我らローレシアも 貴様らの対応を参考に』
通信モニターの前にホログラムのバーネット1世が現われ怒って叫ぶ
『ちょっと待てぇええ!!んで シュレイザーなんざへ 連絡を寄こしやがるんだぁああ!?てめぇええはぁああ!?』
通信モニターのルーゼックが怒って言う
『黙れっ!私が何処の国へ連絡を送ろうと 貴様には関係あらなんだ!バーネット1世!!』
バーネット1世が通信モニターへ掴みかかって叫ぶ
『んだとっ!てめぇええ!!』
ヴィクトール12世のホログラムが現われ バーネット1世をなだめるように言う
『まぁまぁ、バーネット 彼の言い分は正しい 我らソルベキアの王が ローレシアの行動に文句を言える立場ではあるまい?』
バーネット1世が舌打ちをして言う
『チッ… なら勝手にしやがれ わざわざローレシアなんざに声を掛けやがった 俺様がどうかしてやがったぜぇ』
バーネット1世のホログラムが消える ヴィクトール12世が苦笑してホログラムが消える 通信モニターのルーゼックが軽く笑んだ後チョッポクルスへ向き直って言う
『まぁ、貴様が何らかの策を考えよるとは思わなんだが 自国が、それも貴様自身が狙われたとあっては 動かぬわけにも参るまい?どう対処を考えておるのか聞かせよ 場合によっては 我らローレシアも貴様に加担してやろうと』
チョッポクルスが喜んで言う
「お、おおーっ!ろ、ローレシアが~~ きょ、協力してくれるのか~~!?た、助かったぞ~~~ バカーネットや泣き虫ヴィクトールが負けてしまって よ、余は ど、何処へ声を掛けようかと~~ こ、困っておったのじゃ~~」
ルーゼックが言う
『声を掛けようと?では、何やら策でも?』
チョッポクルスが笑顔で言う
「も、もちろんじゃ~~ い、今すぐ余は ろ、ローレシアへ~~ お、お前の所へ行くからな~~? お、お前たちで よ、余を 死守するのだぞ~~?よ、良いな?な?な?」
ルーゼックが呆れ顔で言う
『…で、具体的な策の方は?』
チョッポクルスが地団駄を踏みながら叫ぶ
「そ、そんなものは~~ な、な~んにも な、無いんじゃ~~ よ、余は 争いは 嫌いじゃぁ~~~!」
ルーゼックが顔を引きつらせる 後方でキルビーグが苦笑している
【 デネシア城 玉座の間 】
ファニアが焦って言う
「お兄様っ!お父様が大怪我を負われたと伺いました!それで!御容態は!?ベネテクト城にての治療で 大丈夫なのですか!?」
通信モニターのヴィクトール14世が微笑して言う
『うん、一時は命に関わる大怪我だと聞いて 私も驚いたけど 今は意識もちゃんとあるし 食事も食べられるみたいだから大丈夫だよ それにバーネット様が付いていて下さるから』
ファニアがホッとして言う
「バーネット様が… そうですか では 私たちが案ずる必要はありませんね バーネット様はあのお見かけに寄らず 医学書なども 読まれているとの事ですし」
通信モニターのヴィクトール14世が頷いて言う
『うん、それに 父上もバーネット様が近くに居てくださるのなら 安心して休んで居られるだろうと思うんだ 父上はいつも バーネット、バーネットって 少しでもバーネット様が無断で出掛けられると 心配して泣き出しちゃうんだから』
ヴィクトール14世が苦笑して見せる ファニアが呆気に取られて言う
「…え?お父様が 泣く?」
通信モニターのヴィクトール14世が一瞬驚いて言う
『あれ?ファニアは知らなかったっけ?泣き虫ヴィクトールの別名の事』
ファニアが言う
「それは お兄様の別名では?」
通信モニターのヴィクトール14世が衝撃を受けた後苦笑して言う
『う、うん… まぁ そうでもあるけど』
【 ベネテクト城 ヴィクトール14世の部屋 】
通信モニターのファニアが言う
『それはそうと お父様の安否が分かった事で 一まず安心出来ました では 私はベネテクトからの傭兵部隊と共に デネシアの警戒を強化するよう努めます ベネテクト在中のデネシア魔力者部隊に不足があるようでしたら ご連絡を下さいませ… 出来れば ベーネット陛下から…』
ファニアが顔を逸らし頬を染める ヴィクトール14世が呆気に取られた後慌てて叫ぶ
「えぇええーっ!?ファニア!?それはどう言う事!?お兄ちゃん何も聞いてないよっ!?」
ファニアが慌てて言う
『な、何でもございません!それではっ お父様共々 お兄様も くれぐれも!ベーネット陛下とバーネット第二国王陛下に ご迷惑をお掛けしない様 お願いします!』
通信が慌てて切られる ヴィクトール14世が慌てて言い掛ける
「ちょっと待って!ファニア!ちゃんと説明をっ!」
ヴィクトール14世が 消えたモニターを見つめ困る 部屋のドアがノックされ ベーネットが現われて言う
「ヴィクトール デネシアの様子は分かりました(か)?」
ベーネットの言葉の途中で ヴィクトール14世がベーネットに掴みかかって言う
「ベーネットーー!僕は相棒として君の事は大好きだけど!?ファニアはきっと君の事を誤解してるんだ!そもそもファニアは 本当は怖い君の本性を隠した状態しか 知らないんだから?君の化けの皮が剥がれ 悪魔の様な本性を見せた日には!」
ベーネットが衝撃を受け怒って言う
「なぁあ!?ちょっと待てぇええ!誰が悪魔の様な本性を隠してやがるってぇええんだぁあ!?てめぇえはぁああ!?」
ヴィクトール14世が驚いて一瞬止まった後 大泣きして叫ぶ
「わぁあーん ベーネットが怖いよぉおおーーっ!!」
ベーネットが衝撃を受け 慌てて言う
「ぬぁあ!?て、てめぇえは こんくれぇえで 泣きやがるんじゃねぇえ!」
ヴィクトール14世が一瞬止まってベーネットを見つめた後 再び大泣きして叫ぶ
「わぁあーん こんなのベーネットじゃないよぉおおーーっ! 僕のベーネットは何処へ行っちゃったのぉおおーーっ!?」
ベーネットが慌てて言う
「だぁあ!この泣き虫ヴィクトールがぁ!誰がてめぇのベーネットだぁあ!?でもって せめて 泣くんだか叫ぶんだか どっちかにしやがれぇええ!」
ベネテクト城 ヴィクトール13世の部屋
ヴィクトールがベッドに寝ていて大げさに言う
「バーネット… 僕 やっぱりもう ダメ… みたい だから、お願い 最期に 最期にひと目!」
バーネットが腕組みをしてムッとした表情で目を瞑っている ヴィクトールが続けて言う
「バーネット 君の… 女装姿を!」
バーネットがヴィクトールを殴る ヴィクトールが痛がって叫ぶ
「痛ーっ!ひっ酷いよバーネットっ!僕、大怪我してるのにぃ!」
バーネットが怒って言う
「うるせぇ!大怪我ではありやがろうとも!命に別状はありやがらねぇってぇのに 何が 『最期』だ!?馬鹿野郎がぁあ!」
ヴィクトールが苦笑して言う
「あ、あれ?命に別状は無いって…」
バーネットが目を閉じて言う
「てめぇに回復魔法を施した 2代目勇者の仲間 レーミヤが言ってやがった」
回想
バーネットの前でレーミヤが言う
「ヴィクトール様のお怪我へ 回復魔法を掛けて置きました ご本人も大分楽になったとおっしゃっておりましたので 後は安静になさっていれば 問題なく回復されると思われます」
バーネットがホッとした様子で言う
「そうか 良かったぜ …すまなかったな 最上級魔力者のあんたに 急な依頼をしちまって」
レーミヤが微笑して言う
「御二方には 旧ローレシア帝国の民を救い出すのにお世話になりました それに、夢の世界では ずっと助けて頂いておりましたから」
レーミヤが微笑む バーネットが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「あぁ、夢の世界で 直接あんたと関わったのは 11回目と12回目の時だったかぁ?生憎 俺自身にはその時の記憶はねぇんだが 一応あの世界の出来事は 全て確認したぜ お互い色々大変だったよなぁ?」
レーミヤが軽く笑う バーネットが続いて軽く笑い言う
「まぁ 色々ありやがった中 あんたにとっては 10回目の世界が一番良かったかもしれねぇが ローレシアにとっては」
レーミヤが一瞬驚いて言う
「え?10回目の世界…?」
バーネットがハッとして言う
「おっと 余計な事言っちまうトコだったぁ 気にしやがるな 夢の世界なんざ 所詮 幻想の世界だぜ 重要なのは この現実世界を守るための方法だぁ 皆で力を合わせて世界を守ってやろうってなぁ?」
レーミヤが一瞬呆気に取られた後 詮索を諦め微笑む バーネットが微笑する レーミヤが言う
「では その現実世界を守るためにも 私がヴィクトール様を回復する事は 当然ですね?」
バーネットが笑んで頷いて言う
「おう、俺らは国は違えど 同じ世界に住む仲間だ!…ってぇ あの野郎が元気で居やがれば 言いやがっただろうぜ?なんったって奴ぁ 夢の世界じゃ友情の王様で居やがったからなぁ?現実世界じゃ 俺の飼い猫だとか言う奴がだなぁ?はっはー まぁ、それでも夢の世界の経験は 十分今の奴の力になってやがる筈だぁ」
レーミヤが微笑んで言う
「今でも 私にとってヴィクトール13世様は 友情の王様です …そして、バーネット陛下も」
バーネットが一瞬呆気に取られた後笑んで言う
「あぁ、俺は現実世界でも 一応 ガルバディアの 慈愛の王の子孫で居やがるからなぁ 今じゃガルバディアの力と ついでに親父が乗っ取りやがった ソルベキアの力も使いたい放題だぁ この力があの夢の世界にありやがりゃぁ もっとましな …とは言え ヴィクトールの奴が くたばりやがったら どの道同じか」
バーネットがレーミヤへ向き直って言う
「何にしても 本当に助かったぜぇ あんたには 感謝しきれねぇ」
レーミヤが一瞬呆気に取られてから苦笑して言う
「そんな、私はただ ヴィクトール様の身の苦痛を和らげただけです あのまま私が回復魔法を施さなくとも ヴィクトール様は先に施されていた治療で 十分 回復されました」
バーネットが呆気に取られて言う
「あぁ?…い、いや?ヴィクトールの奴はぁ 何か、かなりやべぇって… ダメみてぇだって 言ってやがったぜ?本人がよぉ?…あ、ああ それに ベネテクトで付けた医者の奴も」
レーミヤが呆気に取られた後 あっと口を押さえて言う
「あっ いけない 私ったら… ヴィクトール様に お願いされていたのに バーネット陛下の心配そうなお顔を見ていたら つい口を滑らせて」
バーネットが衝撃を受けた後 怒りに燃えて言う
「『ヴィクトール様に お願いされていた』 だぁ?あの野郎ぉ… おめぇに 何を お願いしやがったぁああ?」
レーミヤが苦笑して焦りの汗を流す
回想終了
バーネットが怒って叫ぶ
「この野良猫野郎ぉおがぁああ!よくも俺に てめぇえの怪我を 大事に思わせやがったなぁああ!シュレイザーでの応急処置で十分だったって事ぁあ 元々命に関わる様な 怪我じゃなかったって事じゃねぇえかぁあ!それを ダメみてぇえだとか 最期のお願いだとか言いやがってぇええ!てめぇええ!この俺を騙しやがったぁああ!」
バーネットが拳を振り上げる ヴィクトールが慌てて言う
「わぁあーっ!ご、ごめん バーネット!騙すだなんて誤解だよ!?そのっ 最初に言ったのは 本当に苦しくって 本当にダメだと思ったんだよぉ!本当だよ!でも 君があんなに優しくしてくれたから 僕、医者に 全然大丈夫だって言われた時 君にどう言ったら良いか分からなくなっちゃってぇ~」
バーネットが怒りに燃えて言う
「ならぁあ… さっきのは何だぁあ?最初のは てめぇの勘違いだったとは言え さっきの 馬鹿げた最期のお願い とやらはよぉお?」
ヴィクトールが誤魔化して言う
「え?あ、あれ?僕、何かお願いしたっけ?きっと僕 怪我の影響で意識が朦朧としてて…」
ゴッ!という音が鳴り ヴィクトールが頭を抱えて叫ぶ
「痛ぁー!酷いよバーネット!命に別状は無くっても 僕、大怪我してるのにぃ~!」
バーネットがそっぼを向いて言う
「るせぇえ!意識が朦朧としてやがるんなら 今の衝撃で 叶えてやった最初のお願いも 忘れやがれ!」
ヴィクトールが泣きながら言う
「えー!酷いよバーネット!僕の一生涯の願望の一つが叶ったって言うのに その瞬間の大切な記憶を忘れろだなんて~」
バーネットが怒って言う
「るせぇええ!あんなのが てめぇえの一生涯の願望の一つでやがったなら さっきのは てめぇえの願望の 2つ目だとでも 言いやがるのかぁあ!?あぁああ!?」
ヴィクトールが嬉しそうに言う
「え?いやぁー さっきのは2つ目というよりも 1つ目のオプションというか~ えへへっ」
ゴンという音に続きヴィクトールが悲鳴を上げて言う
「痛ぁーっ!酷いよバーネット!」
バーネットが怒って叫ぶ
「るせぇええ!この俺に あんな事させやがってっ!全て忘れやがれぇええ!!」
ヴィクトールが涙目で言う
「えー!酷いよバーネット だって、君は夢でも現実でも 僕の初恋の人…」
ゴッ!と音が鳴る
【 アバロン城 玉座の間 】
デス1stが閉じていた目を開き 周囲のプログラムを消しながら言う
「駄目だ、やはり シリウス国王とは連絡が繋がらない」
ヘクターが首を傾げて言う
「旧世界のシリウスBと話が出来るのは シリウス国王だけなんだろ?何でヴァッガスって奴が シュレイザーの国王を襲おうとしたのかの確認が取れねーんじゃ こっちもどーしたら良いか分かんねーよなぁ?」
デス2ndが言う
「旧世界の戦士ヴァッガスは ヴィクトール13世とバーネット2世の2人へ 本気で攻撃を行ったとの事 襲撃理由を問う言葉にも まったく耳を貸さ無かったと言うのでは やはり 彼らの王である シリウスBへ確認を取るしか無いと思われるのだが…」
ヘクターが言う
「旧世界に帰る為に手を借りてぇんだー… とかなら 攻撃なんかして来ねーもんなぁ?やっぱ」
デス1stが言う
「ああ、この一件は 彼、もしくは旧世界からの」
家臣Aが走って来て言う
「ヘクター陛下!」
ヘクターとデス1st、デス2ndが顔を向ける ヘクターの前に辿り着いた家臣Aへ ヘクターが言う
「どうした?」
家臣Aが上がった息を調えつつ言う
「ツヴァイザーに!再び 旧世界の戦士 ロドウが現われたとの事です!」
ヘクターとデス1st、デス2ndが驚き ヘクターが言う
「ツヴァイザーにも来たのか!?」
デス1stが言う
「ロドウなら 以前の戦闘時に 会話を行ったとのデータが残されている 以前も会話を行わなかったヴァッガスとは違い 今回の襲撃理由を問う事も 可能かもしれない」
ヘクターが笑んで言う
「よし!なら早速 ”ツヴァイザーにヘクターとその相棒が たまたま来てました作戦” やるか!?」
ヘクターが笑顔になるデス1stとデス2ndが衝撃を受け デス1stが言う
「いや… あれはもう 止めておけ」
ヘクターが不思議そうな顔で言う
「あ?なんでだよー?」
デス1stが一息吐いて言う
「傭兵隊であった頃でも 十分に無理のある作戦だったと言うのに 国王である現実世界では もはや言い訳にもならないだろう …それに、その様な事をせずとも ツヴァイザーはアバロンへ支援要請を送って来ると示唆される 確立は89% 何故なら現在リーザロッテ女王は懐妊中だ 如何に自称世界の勇者であろうと 戦闘行動は慎むだろう」
デス2ndが言う
「リーザロッテ女王が戦闘指揮を取れないとあっては 仲間を招集するより 我らアバロンの戦力を頼る事の方が当然の考慮 …では、ツヴァイザーから支援要請が入り次第 オライオン率いる アバロン3番隊を出動させ 事態の収集と鎮圧を行わせよう」
デス1stが頷いてから言う
「ああ、それが良策だろう…とは言え ツヴァイザー程度の小国に アバロンの王子率いる アバロン最強部隊を向かわせると言うのも 少々癪だが…」
デス1stとデス2ndが少し黙って考える ヘクターが不思議そうな表情をした後ひらめいて言う
「なら 俺が行くぜー!?」
デス1stとデス2ndが衝撃を受け 声を合わせて言う
「「国王のお前が行ってどうするっ!?」」
ヘクターが疑問して首を傾げる 家臣Bが走って来て言う
「ヘクター陛下ー!」
家臣Bがヘクターの前へ辿り着き息を整える ヘクターが微笑して言う
「おう!ツヴァイザーから支援要請が入ったか?」
家臣Bが息を切らせながら言う
「ツヴァイザーが支援要請をっ!」
デス2ndが微笑して言う
「では、予定通り アバロン3番隊を」
家臣Bが顔を横に振って言う
「支援要請は!我らアバロンを差し置いて!カイッズへと送られました!」
ヘクターとデス2人が呆気に取られ一瞬止まった後 デス2人が驚いて叫ぶ
「「なにぃいーーっ!?」」
ヘクターが苦笑して言う
「あっちゃぁー… 別の国に支援要請が行っちまったかぁー?どーすっかなぁー?」
デス1stとデス2ndが怒ってヘクターへ叫ぶ
「「ヘクター!」」
ヘクターが疑問する デス2ndが言う
「お前はその前に!アバロンを頼られなかった事へ 怒らないのか!?」
ヘクターが首を傾げる デス1stが言う
「夢の世界では 各国が支援要請を送る国は ソルベキアを除く全ての国が このアバロンだった それは 現実世界に置いても 変わらぬ事だったのだ …と言うのに アバロン所か 世界一戦力の乏しいカイッズへ支援要請を送るなど… ツヴァイザー …いや、リーザロッテ女王は 何を考えている!?」
【 カイッズ国 城下町 】
城門から城下町の門への道をカイッズ国の兵士たちが歩いている カイッズ部隊長が叫ぶ
「我らを導いて下された聖母様!リーザロッテ女王様が 我らカイッズ聖戦部隊を頼られた!我らは この御期待に 全力を持って応える!今こそ我らの携えし 聖なる力を!聖母様にご覧に入れるべきぞ!」
カイッズ部隊員らが声を上げて同意を示す カイッズ部隊長が笑んで頷く 隣に居るレリアンが言う
「リーザは正式に カイッズ国王ファリオル殿へ 自分は聖母ではないと言う事を公言したと言うのに 貴方方の大切な聖母様の敬称を使い 兵を動かしてしまって宜しいの?」
カイッズ部隊長が微笑して言う
「ははっ 我らとて子供ではありません レリアン様 リーザロッテ女王がツヴァイザーの女王様であり 我らと同じ人である事は重々承知です ただ、我らカイッズの者は 古くから自分たちを 力強く導いて下さる そのお方を求めていたのです」
レリアンが苦笑して言う
「では、その人物が たまたまリーザであったと言う事なのね?」
カイッズ部隊長が笑んで言う
「はい、リーザロッテ女王様のお陰で 我らは心を一つにする事が出来ました ですから、次は 我らがリーザロッテ女王のお力になる事で 今度こそ我々は自分たちの力で 立ち上がる事が出来るでしょう」
レリアンが微笑して言う
「そう言う事なら 私も安心して力を借りられるわ」
カイッズ部隊長が頷いて言う
「はい、ツヴァイザーの防衛は 我らカイッズ聖戦部隊に お任せを!」
レリアンが微笑んで言う
「ええ …うふふっ これでは ツヴァイザー第一部隊を率いる レイトも うかうかしていられないわね」
【 ツヴァイザー城 玉座の間 】
リーザロッテが怒って言う
「このツヴァイザーの危機に ツヴァイザーの女王である私が 前線に赴かないだなんて!その様な事は このツヴァイザーの女王としても 小さき国々の勇者としても!許されない事でしてよ!?」
大臣が慌てた後困った様子で言う
「姫様っ その様にお声を張られてはなりませぬと いつも申しております!そして 現在の陛下の御身は とても大切な時です!安静とまでは言わずとも 戦場へ赴くなどは持っての外!どうか 兵たちが応戦しておりますこの間に アバロンへ亡命を!」
リーザロッテが怒って言う
「何を仰るの!?兵たちが戦っていると言うのに それを尻目に私だけが アバロンへ逃げるだなんて!そんな事!」
レイトがやって来て言う
「他国への亡命など不要です 姫様!」
リーザロッテと大臣がレイトへ向き リーザロッテがレイトの甲冑姿に驚き頬を染め ハッとして顔を振って平静を取り戻す レイトが言う
「たった今、シャルロッテとロイが到着しました これより 先に出陣しております ツヴァイザー第ニ部隊隊長ヴェインと共に 私がツヴァイザーの全部隊を持って 我が女王の命を狙わんとする敵を 討ち取って参ります」
リーザロッテが呆気に取られて言う
「レイト…」
レイトが微笑して言う
「兵を思う 姫様のお気持ちは良く分かります しかし、私も勿論兵たちも 姫様の現在のお体の事は重々承知の上 その我らの為にも どうか今回ばかりは 我らを信じ この場所にて御待機をっ」
リーザロッテが一瞬何か言い返そうとした後言葉を飲んで視線を落とす レイトが微笑して言う
「姫様… 例え離れておりましょうとも 姫様のお気持ちは 常に我らと共にあります」
リーザロッテがレイトへ向く レイトが頷く リーザロッテが微笑んで言う
「ええ!分かったわ 今回ばかりは 私はここで待っていて差し上げてよ!レイト!このツヴァイザーへ再三現れたと言う 不届き者を 軽く討ち取っていらっしゃい!」
レイトが微笑んで敬礼して言う
「はっ!直ちに!」
衛兵の二人が顔を見合わせて言う
「再三って言うか 2回目だよな?」
「あ、ああ… あんなのが3度も来たら このツヴァイザーはお終い…」
リーザロッテが顔を向けずに咳払いする 衛兵二人が衝撃を受け黙る
城門前
ツヴァイザー兵たちが振り払われ悲鳴を上げながら地へ倒れる
「うわーっ」
レイトが城内から現れ言う
「旧世界の戦士 ロドウ殿とお見受けする!貴殿らの世界と この新世界は和平を結んだ筈!その中に置いて 貴殿は何故この国へ 再度現れ 武器を振るうのか!?」
ロドウが顔を上げレイトを見る レイトがそれを確認してから槍の柄で床を突いて言う
「答えよ!それ如何に置いては 私は全力を持って貴殿と戦う!」
ロドウが目を細めレイトを確認してから言う
「…お前 …違う ぼ… お れは…」
レイトが疑問してロドウを見る ロドウが頭を抱えて苦しそうに悲鳴を上げる
「あ… あぁあーっ!」
レイトが疑問して言う
「何だ…?」
ロイが隣に現れて言う
「…ツヴァイザーに現れてより ずっとあの様子だそうだ …ついでに、奴は 以前とは少し違うらしい」
レイトがロイへ向いて言う
「違う とは?」
シャルロッテがロイの後ろに居て エアーPCを操作しながら言う
「彼は、以前このツヴァイザーに現れた 旧世界の戦士ロドウで間違いありません しかし、以前の彼の生態情報には100%一致しないんです その上彼を苦しめているこの情報は…」
ヴェインが現れ怒りと共に槍の柄で床を突いて言う
「そんな事はどうだって構わーんっ!奴は俺の部下たちを傷付けた!絶対にっ 許さーんっ!」
シャルロッテが驚いて慌てて言う
「はひぃいっ ヴェ、ヴェインさんっ お、おおおっ 落ち着いて下さいですぅ!い、いいい 今 ロドウさんの意識レベルを測定していますのでっ た、たたた多分っ ロドウさんが苦しんでいる 理由は…っ!」
ヴェインが槍を振り払って叫ぶ
「知らーんっ!奴の意識がどうであろうと!奴の攻撃で俺の部下が傷付いた事に 代わりは無いのだ!」
ロイが正面を見て言う
「…それは卿の部下が 卿の命令に従って無謀な攻撃を行った結果では」
ヴェインがロイへ怒りの表情を向ける ロイが顔を背ける ロドウが悲鳴を上げてから目の色を変えレイトたちを敵視して斧を構える レイトがハッとして言う
「皆!気を付けろ!来るぞっ!」
レイトが言い終えると同時にロドウが武器を振り上げる レイトたちが武器を構える
少し離れた場所で デス1stが周囲にプログラムを発生させながら言う
「シャルロッテの言葉は正しい 旧世界の戦士ロドウの意識レベルは 度々レベル3を下回っている それと共に 彼の生態識別情報は 過去に解析したものに比べ 36.85%魔物の遺伝子情報が上昇し 彼の肉体を支配している」
デス2ndがデス1stへ向いて言う
「36.85%も!?…それでは人の意識レベル3を留める事すら難しい 過去のデータに置いても 彼に影響を与えていた魔物 ギガンヒュルムの遺伝子情報は30%もあったのだ 通常の人の遺伝子情報へ30%もの悪魔力に晒された 悪しき遺伝子情報を与える事は そのまま魔物化現象に陥るもの それを シリウスBの融合プログラムが中和させていたから 彼は人の意識を保持出来ていた」
ヘクターがローブに身を隠していて言う
「つまり ロドウって奴は 人の意識が飛んじまうから ツヴァイザーの奴らを攻撃しちまってるって事か?」
デス1stがプログラムへ集中する デス2ndがヘクターへ向いて言う
「その可能性が極めて高いと思われる 彼の人としての意識を留めさせる事が出来れば 攻撃を中止させ 話をする事も可能かもしれない… とは言え 彼が自らの意思でこの新世界を 襲おうとしているのであれば 話は別だが…」
ヘクターがロドウとレイトたちを見る 彼らが戦いを行っている デス1stが言う
「旧世界の戦士ロドウの戦力は 魔物の遺伝子情報の上昇に伴い 以前の倍とまでは行かずとも それに近い程まで上昇している …対する レイトらは 唯でさえリーザロッテ女王やレリアン元女王が居ない分 彼らの… 仲間同士の力が弱まってしまっている このままでは」
ヘクターとデス2ndがレイトたちを見る
ヴェインが弾き飛ばされ悲鳴を上げつつ城壁へ叩きつけられる
「ぐあっ!」
シャルロッテが悲鳴を上げ慌てて駆け寄って言う
「きゃぁっ!ヴェ、ヴェインさん!」
ヴェインが歯を食いしばって起き上がろうとする シャルロッテが慌てて言う
「ヴェインさんっ!だ、だだだ駄目ですぅ!や、やっぱり 私たちだけの戦力では 彼に敵いませんっ!」
ヴェインが身を起こし ロドウへ向いて言う
「…クッ 例えそうであろうとも 俺は… 俺はっ せめて このツヴァイザーの兵として あ、あいつには」
シャルロッテが心配しながらも疑問して言う
「あ… ああああっ あいつ とは…?ロ、ロドウさんの事です(か)…?」
ヴェインが怒って叫ぶ
「レイトには これ以上負けられぇええーーんっ!」
シャルロッテが驚いて言う
「えぇええ!?ヴェ、ヴェインさん ま、ままま まだ レ、レイトさんに 対抗心を持っていたんですかぁ!?」
ヴェインがシャルロッテへ勢い良く振り向いて叫ぶ
「黙れぇえーっ!まだと言うな まだとはぁああ!姫様の御心だけでなく このツヴァイザーの第一部隊隊長の座まで奪われっ 俺は もう これ以上 何物も奪われてー」
ロイが後退してやって来て言う
「…シャル、そいつの事はもう良い 俺と共に レイトのサポートを」
ヴェインが衝撃を受けて言う
「なぁあーーっ!?」
シャルロッテが苦笑しながら言う
「は… はははは はいぃ… で ででで、ではっ ヴェインさんは… す、少し 休んでいて下さいですぅ…」
ロイが弾倉を変えながら言う
「…少しではなく 永遠に」
シャルロッテが焦りの汗をかく ヴェインが怒って槍をロイへ向けて叫ぶ
「それはどう言う意味だぁあ!ロイー!」
ロイが顔を背ける シャルロッテが苦笑する
【 スプローニ城 玉座の間 】
家臣が言う
「ロキ陛下、先ほどツヴァイザーより ツヴァイザー国元国王であられるソーロス殿が亡命にいらっしゃいましたので これを受け入れ上等客室の方へご案内して置きました ロキ陛下へのご挨拶は ご自身のお気持ちが落ち着きました頃に 改めてさせて頂くとの事ですが」
ロキが言う
「…好きにさせておけ ソーロス殿はツヴァイザーの有事には いち早く他国へ亡命する王である…との噂だ 丁重に 挨拶は不要だと伝え ついでに、ゆっくり黙っていろと」
ベルグルが首を傾げて言う
「うー…?ロキ隊長?それを言うんだったら ゆっくり寛いでいろ の間違えだと思うッスよ?ゆっくりは良いッスけど 黙ってろは悪い言葉ッス!」
ロキが顔を背ける 家臣が軽く笑って言う
「はっはっは では、ロキ陛下のお気持ちを 十分心得ました上で ベルグル代理第二国王陛下のお言葉にて お伝えして参りましょう」
ロキが言う
「…頼んだ」
家臣が笑顔で頭を下げて立ち去る ベルグルが首を傾げて言う
「何だか嬉しそうだったッス 何でッスか?ロキ隊長?」
ベルグルがロキへ向く ロキが軽く溜息を吐いて言う
「…ソーロス殿を好まんと言う気持ちが 同じであるからだ」
ベルグルが呆気に取られ疑問して言う
「え?ソーロス殿の事が 嫌いなんッスか?なら、ゆっくり寛いでいろって伝えるのは 間違いッスよ?嫌いな奴を 上等客室に居させてあげるのだって!おかしいッス!」
ベルグルがプンと怒って見せる ロキが苦笑して言う
「嫌いな奴であろうとも 上等に持て成さねばならない… それが俺たち後住民族のやり方だ」
ベルグルが難しそうに首を傾げる ロキが軽く微笑して言う
「…諸卿には 分からんだろうな」
ベルグルが不満そうに言う
「分からないッス!それに 今回は あんまり分かりたくも無いッスよ!」
ロキが言う
「…分からんで良い」
ベルグルが首を傾げてロキを見る ロキが視線を逸らす 間を置いて ベルグルがあっと声を上げて言う
「あ、そう言えば ロキ隊長!」
ロキが疑問してベルグルへ向く ベルグルが言う
「ロキ隊長が その 嫌でも上等に持て成さなきゃいけないってのをやってた もう1人のあいつにッスね?さっき 面会したいって人が来たッスよ!」
ロキが言う
「…もう1人のあいつ? … …シュリの事か?」
ベルグルが笑顔で言う
「そうッス!さっきロキ隊長が席を外していた時に 面会したいって来たッスよ!それで、そいつはッスね?武器も持ってなかったし 力も弱そうだったッスから!面会の許可を出してあげたッス!」
ロキが一瞬驚いて言う
「…っ 卿が勝手に 面会許可を…!?」
ベルグルが笑顔で言う
「大丈夫ッスよ ロキ隊長!俺には分かるッス!あの人は悪い人じゃ無いッスよ!優しい人ッス!」
ロキが少し考えて言う
「…優しいかどうかはともかく …先住民族の卿が 悪い人ではないと言うからには 信用出来る…のか?」
ロキが考える ベルグルが思い出して言う
「あ!そうだッス!俺、あれをロキ隊長にも あげようと思ってたッスよ!ちょっと 取ってくるッスね!」
ベルグルが走って去る ロキが呆気に取られて言う
「…俺にも?あれを?」
スプローニ城 地下牢
監守が牢を通り過ぎる シュリが顔を覗かして言う
「…おい、そこの」
監守が顔だけ向ける シュリが少し考えてから言う
「っと、その …何か 口にするものは無いのか?」
監守が振り返ってやって来て言う
「昼食なら与えた筈だ それを 大して食べずに突き返したのは 卿の方だろう」
シュリが表情を顰めて言う
「あ、あれはっ …俺の口に合わん」
監守が疑問して言う
「うん?…卿は旧世界の民であっても スプローニの民なのだろう?元来のスプローニ料理が口に合わないなど… それとも 他の囚人たちと同じ 薄い味の共通食が良いのか?旧世界スプローニの民である卿への 心ばかしの計らいだったのだが?」
シュリがハッとして顔を逸らして言う
「そっ それは…っ」
監守が疑問する シュリが気を取り直して言う
「…いや、諸卿の心遣いに 感謝しよう」
監守が微笑する シュリが視線を落として苦笑する 監守が首を傾げて言う
「…とは言え 同じスプローニの民であっても 旧世界の者とは 多少味覚が違うのかも知れんな …なら、何が良い?ちょっとしたものなら 後で買って来てやっても良いぞ?」
シュリが一瞬驚いて監守へ向く 監守が苦笑する シュリが微笑してから少し考えて言う
「…そ、そうか 有難い では… そ、そう だな… こちらの世界の… 増してやスプローニにあるのか 分からないが」
監守が疑問する シュリが顔を逸らして言う
「何か… 餅的な物 …出来れば 団子とか…」
監守が疑問して言う
「は?餅?団子 とは… エド町の あれか?」
シュリがハッとして言う
「あっ!いや!や、やっぱ 聞かなかった事にっ!」
監守が呆気に取られて言う
「うん…?」
監守が牢を覗き込む シュリがバツが悪そうに顔を逸らす 遠くからテスクローネがやって来て言う
「ははは… それほど 先日お出しした 私の故郷 エド国の団子をお気に召して頂けたとは 光栄です シュリ殿」
監守とシュリが一瞬驚いて声の方へ向く テスクローネが現れ微笑する シュリが驚いて言い掛ける
「テ…っ!?」
監守がシュリに先んじて言う
「卿は何者だ?囚人との面会許可は取っているのか?」
監守がテスクローネの前に立つ テスクローネが軽く微笑んで言う
「はい、先ほどしっかりと頂いて参りました こちらをお見せしたら宜しいのですよね?」
テスクローネが面会許可書を出す 監守が一瞬驚いて確認しながら言う
「うむ…確かに… 短期禁固刑の囚人に面会が許可されるとは珍しいな うん?このサインは ベルグル代理第二国王 …なるほど」
監守がテスクローネを見る テスクローネは微笑んだまま居る 囚人が苦笑して言う
「代理とは言え ベルグル第二国王陛下は 先住民族だ かの御方を欺く事は難しいだろう 分かった 私が監視する事になるが 面会を認めよう」
テスクローネが微笑んで言う
「はい、有難うございます …あ、宜しかったら 貴方もお一つ如何です?シュリ殿への差し入れにと思い 持参致しまして」
テスクローネが包みを開いて団子を見せる 監守が一瞬驚いてから慌てて言う
「囚人への差し入れか!?では、全て検査しなければならないぞ?」
テスクローネが微笑んで言う
「はい、どうぞ十分に検査をして下さい」
テスクローネが包みを向ける 監守が検査機を用意して団子にセンサーを向ける シュリが様子を見ている 監守が検査機のモニターに目を向けると テスクローネが一瞬目を細め周囲にプログラムが発生する 検査機のモニターが一瞬ひずんだ後 良好表示が現れ監守が微笑して言う
「うん、毒やその他の薬などの成分も検出されない よし、これなら与えても良いぞ」
監守がテスクローネへ向く テスクローネが微笑んで言う
「それはどうも」
テスクローネがシュリへ包みを向ける シュリが一瞬の間を置いてから微笑んで言う
「テ… テス クローネ殿 …感謝する」
テスクローネが微笑んで言う
「はい、お好きなものを いくらでも召し上がって下さい」
シュリがテスクローネの顔を見る テスクローネが微笑んでいる シュリが微笑して無作為に3種類の団子を一本ずつ取って食べ始める テスクローネが軽く笑い自分も適当に一本取って口に運び 監守へ向いて包みを向ける 監守が一瞬間を置いてから微笑して言う
「…では、すまない 一つ頂くとしよう」
テスクローネが微笑む 監守が包みから少し考えてから一本取って食べる テスクローネがひそかに微笑する
【 ツヴァイザー城 城門前 】
レイトがロドウの攻撃に振り払われ地に身を打ち付けて言う
「うっ!」
ロイがハッとしてレイトの前まで駆け付け レイトを庇ってロドウへ銃を放つ ロドウが銃弾を斧で弾き ロイへ攻撃しようとするがロイの連射にそれが出来ず防御する シャルロッテがレイトへ駆け付け 横に膝を着いて言う
「レイトさんっ!だ、だだだっ 大丈夫ですかぁっ!?」
レイトが身を起こし歯を食いしばって言う
「なんの… これし き…っ」
レイトが痛みに目を瞑り咳込む シャルロッテが慌てて言う
「む、むむむ無理しないで下さいっ レイトさんのダメージ数値は もう限界ギリギリですぅ」
シャルロッテがエアーPCのキーボードを叩く レイトが目を開いて言う
「限界など 関係ないっ ここは 何としても死守しなければ…っ この 先には 姫様がっ!」
シャルロッテが衝撃を受け慌てて言う
「えっ!?ええぇええーーっ!?リーザはアバロンへ亡命したのでは な、ななななな 無かったのですかぁあ!?」
ロイが振り返って叫ぶ
「シャル!レイト!逃げろっ!」
シャルロッテが驚いてロイへ向くと同時に ロイが両手の銃で斧を受けるが吹っ飛ばされる
「ぐあっ!」
シャルロッテが驚いて叫ぶ
「ロイ!」
シャルロッテがロイへ顔を向けている前にロドウが立ち塞がり シャルロッテがハッとしてロドウを見上げる ロドウがシャルロッテを見下ろす シャルロッテが怯えて言う
「だ… 誰かっ リーザ…っ」
シャルロッテが強く目を瞑ると同時に大量の大砲音が轟く シャルロッテが驚き顔を上げると高笑いが響く
「オーホッホッホッホッホ!」
シャルロッテが呆気に取られてから声の方を向いて言う
「リーザ!?」
シャルロッテがハッとして見る シャルロッテの視線の先 レリアンがドラゴンの背に仁王立ちして言う
「待たせたわね!皆!」
シャルロッテが呆気に取られて目を瞬かせた後苦笑して言う
「レリアン…」
少し離れた所でヘクターがデス1stとデス2ndに抑えられている ヘクターが今にも飛び出していきそうな状態で言う
「このままじゃっ やられっちまうだろ!離せ!離せよっ!デスぅうっ!」
デス1stとデス2ndが必死に押さえ付けてデス2ndが言う
「力任せに戦うのでは お前であっても 奴には敵わない ヘクター!」
ヘクターが一瞬驚いてデス2ndへ向く デス1stが言う
「今、奴の生態情報を解析している 奴の中にある魔物の遺伝子情報を 無効化する事が出来れば 奴を通常の人に戻す事も可能だ」
ヘクターがデス1stへ向いて言う
「んな事が出来るのか!?」
デス1stが間を置いて焦りの汗を掻いて言う
「り、理論的には…」
ヘクターが疑いの眼差しで言う
「理論的?なら、実際には!?実際には何%なんだ!?」
デス1stが困りつつ言う
「は… 86% …位か?」
デス1stがデス2ndへ向く デス2ndが衝撃を受け焦って言う
「わ、私には シリウス国王のプログラム能力を 推し測る事などは出来ないっ お前の専売特許だろう!?元偽ガルバディア国王のデス!」
デス1stが衝撃を受け慌てて言う
「なっ!?こんな時だけ 本気で押し付けるなっ!」
ヘクターが2人を見てからデス1stへ詰め寄って言う
「どう言う意味だ!?お前らがやるんじゃねーのかよ!?」
デス1stがヘクターに圧される デス2ndが言う
「我らでは 神と呼ばれるほどの ガルバディア国王のプログラムへ 変化を与える事は出来ない 解析の為の足掛かりとして 彼のデータを シリウス国王へ転送するしか」
ヘクターが言う
「シリウス国王とは 連絡が付かねぇって言ってたじゃねーか!?」
デス1stとデス2ndが顔を見合わせ困り デス1stが言う
「そう ではあるが… これ以外には方法が」
デス2ndがヘクターへ言う
「ヘクター、残念だが 我ら2人のサポートを受けたお前であっても 奴の力には及ばない 相手は我らの遥か上を行く シリウス国王と同等の力を持ったプログラマー シリウスBが作った戦士 我らの力を受けるだけのお前とは 格が違い過ぎる」
ヘクターが呆気に取られてから表情を渋らせて言う
「何でだよ…っ お前ら言ったじゃねーか!世界一のプログラマーを2人も相棒にした俺に 不可能はねーって!」
デス1stとデス2ndが表情を困らせ顔を見合わせる ヘクターが悔しがって視線をレイトたちの方へ向けて言う
「くそっ!何か方法はねーのかよっ!?」
ツヴァイザー城 玉座の間
大砲の音が轟く リーザロッテが顔を上げて言う
「この音は… カイッズの大砲!?レリアンが皆を連れて来てくれたのでしてね!」
家臣が微笑んで言う
「おおっ それは心強い!レリアン様がお戻りになられたのでしたら 姫様のお仲間が皆このツヴァイザーに集結した事になります!きっとレイト王配殿下ともども 見事敵を討ち取ってくだされる事でしょう!」
リーザロッテが一度微笑を家臣へ向けた後疑問して言う
「…皆が集結したと仰るのに 私が その皆の近くに 居ないだなんて」
家臣が気付き苦笑して言う
「姫様 レイト王配殿下も仰っておられました 姫様は 離れておられていても 皆様と ご一緒であられるのだと」
リーザロッテが一度家臣を見てから視線を落として言う
「ええ… もちろん それは分かってはいるのでしてよ でも…」
砲弾が城に当たった爆音が数発轟く リーザロッテと家臣が驚き 思わず目を瞑って耐えてから リーザロッテが顔を上げて言う
「何事でして!?」
家臣が不安そうに言う
「ど、どうやら大砲の弾が 城に当たったようですな?し、しかし… きっと大丈夫…」
リーザロッテが視線を泳がせた後キッと正面を見据えて走り出す 家臣が慌てて叫ぶ
「姫様っ!?なりません!なりませんぞ!姫様っ!!」
ツヴァイザー城 城門前
レリアンが慌てて言う
「きゃぁっ ちょ、ちょっと!駄目よ!城を後ろに砲撃を行っては ツヴァイザー城がっ!」
カイッズ砲撃部隊が慌てる ロドウが苦しそうにもがいた後 カイッズ大砲部隊を睨み付ける カイッズ大砲部隊がハッとして怯える ロドウが斧を振り上げ勢い良く振り下ろす カイッズ砲撃部隊が慌てて逃げ惑う
「わぁーっ!」
ロドウの斧が一台の大砲を切り倒す 金属接触が砲弾の火薬に引火して砲台が爆発する 皆の視界に激しい爆発の炎が映り 皆がその炎にロドウがやられたのではと見つめる ロドウが間を置いて無傷で炎の中を歩いて来る カイッズ大砲部隊が呆気にとられて言う
「ば… 化け物か…っ!?」
レイトとヴェインが呆気に取られてその様子を見る シャルロッテがロイを庇いながらも目を怯えさせて言う
「わ、私たちとは… レベルが違い過ぎますぅ~…」
ロイが悔やむ レリアンがドラゴンから見下ろして言う
「…とても人とは思えない …あれを倒す方法があると言うの?」
皆が息を飲む中 高笑いが響く
「オーホッホッホッホ!皆!何を怯えていらっしゃるのでして!?」
皆の視線が城の出口リーザロッテへ向く 家臣が慌ててリーザロッテへ言う
「姫様っ!ですから!その様にお声をお強く発せられては なりませぬと 何時も申してっ」
リーザロッテが構わず言う
「相手は私たちと和平を結んだ 旧世界のお方でしてよっ!?何かに苦しめられていらっしゃるのでしたら まずはそちらから丁重にお助けして差し上げなさい!」
皆が驚きロドウへ向く ロドウが激しく苦しんで頭を抱えて叫ぶ
「うあぁああーっ う…ううっ ヴァッガ…ス メテーリ… 皆…っ」
皆が呆気に取られる リーザロッテが片手を腰に当て見ている 家臣がリーザロッテへ言う
「姫様 そちらは… ローレシアからの情報にあった!?」
リーザロッテが視線を変えずに言う
「ええ、シュレイザーを襲い 捕らえられた旧世界の戦士ヴァッガスも 時折苦しそうにもがいては 守衛に何かを伝えようとするそうでしてよ… そうとなれば あの彼も きっと同じでしてよ!」
家臣が視線をロドウへ向けて言う
「そうは申しましてもっ こちらには ヴァッガス殿を捕らえた バーネット2世ベネテクト第二国王様も ヴィクトール13世様も居られません… こ、ここはやはり!アバロンへ支援を依頼するしか!」
家臣がリーザロッテへ向く リーザロッテが視線を向けずに言う
「その必要は無くってよ!ここには 私の優秀、勇敢なる仲間たちと カイッズの皆がいらっしゃるのよっ!」
家臣が表情を困らせてレイトたちを見て言う
「しかし…っ」
レイトが立ち上がる ヴェインが横目に見て言う
「レイトっ!?姫様はあの様に言っているが 俺には」
レイトが顔を向けずに言う
「姫様の命だ 姫様が奴をお助けしろと仰るのなら 私はそれに従うまでっ!」
レイトが槍の柄で床を突く ヴェインが焦って言う
「お、おいっ!?俺たちの力では 奴に敵わないんだぞ!?増してや助けるなど!…一体どうやって!?」
レイトがきっぱり言う
「分からんっ!」
ヴェインが叫んで転ぶ
「なぁあーっ!?」
レイトが言う
「それでも 私に出来る事は この槍を持って戦う事のみ!」
ヴェインが慌てて言う
「待てっ!そんな考え無しに突っ込んだ所で また 返り討ちに会うだけだ!」
レイトが槍を向けて叫ぶ
「勝負は最後まで分からん!ロドウ殿!いざっ!参る!」
ヴェインが叫ぶ
「勝負は目に見えて分かってるだろう!?止めろ!レイトーっ!」
レイトがロドウへ向かって走り 飛び上がり 声を上げて槍を振るう
「うおぉおおおーっ!」
ロドウがレイトを見上げる レイトの槍にシャルロッテがプログラムを纏わせる ロドウがそのプログラムを見てハッとする ロイがその隙に目を見張り銃を向けていて言う
「ショットッ!」
レイトがロドウへ槍を突く ロドウはロイの銃弾を斧で振り払っていた為 レイトの攻撃に遅れる 皆が目を見張り レリアンが言う
「やったわっ!」
レイトの槍がロドウの肩に刺さる ロドウが悲鳴を上げる
「あぁああーーっ!」
ロドウがもがきレイトが振り払われる レイトが身を翻して着地する カイッズ大砲部隊がハッと息が合い 隊長のいきなりの号令に皆が見事に砲撃を行う
「撃てぇええーーっ!」
カイッズ大砲部隊の砲撃がいっせいにロドウへ放たれる ロドウが目を見開く 皆の視線の先 ロドウの周囲に一瞬でバリアプログラムが発生し 砲弾が全て力を失いその場に落ちる 皆が驚いて リーザロッテが言う
「え…っ!?」
リーザロッテがシャルロッテへ視線を向ける シャルロッテが呆気に取られていてハッとして慌ててエアーPCを操作する レリアンがシャルロッテへ視線を向けていて言う
「シャルではないわ… では 誰がっ!?」
皆が驚き戸惑っていると 大砲の一斉砲撃が静まり ロドウがおかしな息使いをして平静を乱し始める
「はっ… はっ はっ はっ はっ… ああぁああーーっ!」
皆がハッとしてロドウへ向く ロドウが頭を抱えてもがいた後 怒りに満ちた目でレイトを見る レイトがハッとして槍を構えようとした瞬間には ロドウがレイトの目の前まで迫っていて斧を振り上げる レイトが表情を焦らせる ヴェインが叫ぶ
「レイトーっ!!」
リーザロッテが言葉を失い目を見開く レイトが顔を逸らし目を瞑る 激しい金属音 リーザロッテが呆気に取られる シャルロッテが呆気に取られつつ言う
「へ… ヘクター陛下っ!?デスさん方っ!?」
皆の視線の先 フードの外れたヘクターが歯を食いしばってロドウの斧をプログラムの纏わる大剣で受け止めている レイトが驚いて見上げて言う
「ヘクター国王っ!?貴殿が何故っ!?」
ヘクターがめい一杯力を込めている様子で言う
「お、俺ら…っ はっ た、たま たまっ… 来てた だけ…でっ」
レイトが疑問して言う
「た… たまたま?」
デス1stが叫ぶ
「ヘクター!力ではかなわない!避けろ!」
レイトがハッとして ヘクターが大剣の角度を変えた瞬間に ヘクターと同時に左右へ回避する ロドウの斧がそのまま下へ落とされ 地面が割れる レイトとヘクターが地面を見る ヘクターの横にデス2ndがやって来て言う
「我らのプログラムで強化しても お前の力では奴を抑えられない 奴と戦うには大剣の戦い方では駄目だ」
ヘクターがデス2ndへ向いて言う
「んな事言われたって 俺は大剣使いだ 他の戦い方なんて出来ねーよ!」
ヘクターが大剣を構える デス1stが来て視線を向けずに言う
「デス2nd、お前は 今までのデータを元に ロドウの戦闘解析を 私はそれを元に ヘクターの回避能力を強化させる 奴を捕らえるには …残念ながら 攻撃を与え 弱らせる他に無い」
ヘクターが大剣を構えて視線を向けずに言う
「だってよ!行けるか!?」
レイトが微笑して立ち上がって言い掛ける
「もちろ… うっ!」
ヘクターが疑問して向く レイトが下を向く ヴェインが横に来て言う
「意地を張るな レイト お前はさきほどの着地で 足を痛めたのだろう」
ヘクターがレイトを見る レイトが辛そうに顔を上げて言う
「なんの… これしきっ」
ヴェインが溜息を吐いて言う
「俺が代わる」
ヴェインが槍を構える レイトがヴェインへ向いて言う
「ヴェイン!?し、しかしっ」
ヴェインが苦笑して言う
「これ以上 お前に良い所を持っていかれては …俺の第二部隊長の座すら危ぶまれるだろう やらせろ」
レイトが呆気に取られる ヴェインがレイトを横目に見て苦笑する レイトが微笑して言う
「姫様は 貴殿の事を心から信頼なされているのだ このツヴァイザーの防衛の要である 第二部隊の隊長を 他の者になど譲ったりはしないさ …もっとも、貴殿の定年までは の話だがな?」
レイトが軽く笑う ヴェインが衝撃を受け怒って言う
「一言多いぞっ!若輩者がぁあっ!」
ヘクターが気を入れ直して言う
「よしっ それじゃ 気合入れていくぜ!?」
デス2ndがプログラムを行っている デス1stがヘクターへ向いて言う
「ヘクター 気合を入れて行くのは良いが 回避が最優先だ 一撃でも食らえば致命傷になりかねん 奴はそれこそ 先ほどの大砲一斉射撃を与える位でなければ 倒せぬ相手だ!」
レイトとヴェインがデス1stへ向く ヘクターが頷いて言う
「分かった 全力のサポートを頼むぜ!?デス1st!」
デス1stが微笑して言う
「勿論だ」
ヴェインがハッとしてシャルロッテへ向く シャルロッテが頷き その横に ロイが銃を装填して立つ ヘクターが言う
「行くぜ 野郎ども!」
ヘクターが駆け出す ヴェインが慌てて続く デス2ndとデス1stがプログラムに専念する レイトがデス1stへ向いて言う
「先ほどの大砲一斉射撃から ロドウ殿を守ったのは」
レリアンがドラゴンを降り シャルロッテの横に来て言う
「あのバリアは ヘクター国王の相棒の方々では無かったの?」
シャルロッテがエアーPCを操作しながら言う
「先ほどのバリアプログラムは デスさんたちではありません 私も誰であったのかを確認したいのですが たぶん私では… 今、デスさんが ロドウさんの戦闘データの解析と 同時進行で確認をしています」
レリアンがデス2ndを見る デス2ndの周囲のプログラムが2つの作業を行っている レリアンが悔やんで言う
「あの砲撃が当たってさえ居れば きっと取り押さえる事が出来たでしょうに… え?…と言う事は まさか 何処かに彼の仲間が!?」
レリアンが周囲を見渡す ヘクターとヴェイン、ロドウの戦いが激しく繰り広げられている ロドウが完全に正気を失い2人を攻撃し始める ヴェインが追い込まれ 焦って言う
「ぐっ…駄目だ これ以上 俺には…っ」
ロドウがヴェインを攻撃する ヴェインが慌てて槍を構える シャルロッテが慌てて言う
「駄目です!ヴェインさん!受け止める事は出来ないっ 避けて!」
リーザロッテが叫ぶ
「ヴェインっ!」
ヴェインがハッとしてギリギリで回避する ヘクターがヴェインを庇って構える ロドウがヘクターへ目標を変える デス1stがハッとして言う
「デス2nd!遅れているぞっ!」
デス2ndが言う
「分かっている!それでも 間に合わんのだ!」
デス1stがプログラムを走らせて言う
「先ほどの犯人探しはもう良い!今はそれよりっ」
デス2ndが言う
「そんなものはとっくに止めている!それでも無理だ!奴に関するデータには 強固なプロテクトが!このプロテクトのコードが 解析出来ないっ!」
デス1stがデス2ndへ視線を向ける ロドウがヘクターへ斧を振り下ろす ヘクターが横っ飛びに回避する ロドウが視線を向け斧を持たない手でヘクターを捕らえる ヘクターが悲鳴を上げる
「ぐあぁっ!」
デス1stとデス2ndが焦って叫ぶ
「「ヘクターッ!」」
ロドウがヘクターを掴む手に力を込め握り潰そうとする ヘクターが悲鳴を上げる
「あぁあああっ!!」
リーザロッテが叫ぶ
「ヘクター国王っ!」
リーザロッテが槍を片手に駆け出す 皆が驚き カイッズ巨人族たちが驚いた表情のまま皆で顔を見合わせ頷き合う リーザロッテがヘクターの近くへ辿り着くと同時に カイッズ巨人族たちがやって来て言う
「聖母様は無理しちゃいけねーだっ!」 「ここはっ 俺たちが代わりに行くだ!」
リーザロッテが驚いて言う
「あ、貴方たち…っ」
カイッズ巨人族たちがリーザロッテへ向いて頷くと カイッズ巨人族の1人がロドウへ殴り掛かって言う
「自分より 小さい生き物に 力を使っちゃ 駄目なんだーっ!」
カイッズ巨人族の拳がロドウに当たる カイッズ巨人族たちが見つめる ロドウが一瞬間を置いてから まったくダメージを受けてない状態でカイッズ巨人族たちへ怒りのまなざしを向ける カイッズ巨人族たちが驚く リーザロッテがハッとして叫ぶ
「皆っ!逃げてーっ!」
カイッズ巨人族たちが驚き止まっている ロドウが斧を振り上げる リーザロッテが皆の前に出て ロドウの前で両手を広げる レイトが走りながら叫ぶ
「姫様ぁああーーーっ!!」
皆が焦る ロドウが斧を振り下ろしている間に ガイの声が響く
「ロドウ!止めるのだっ!!」
ロドウが目を見開き リーザロッテのギリギリで斧を止める まったく怖じ気る様子の無いリーザロッテが見上げる先 ロドウが数回瞬きをしてから振り返って言う
「… ガ…イ…?」
リーザロッテがロドウの視線の先を見る ガイがゆっくり歩いて来て ロドウを見上げて言う
「彼らは 我らの仲間だ 貴殿が武器を振るう相手ではない」
ロドウが呆気に取られながら言う
「な…かま… …そ…う… … けど、ぼく… は…」
ガイが疑問し目を細める
【 ソルベキア国 北方領海 】
フェリペウス号の甲板でカイザがぼーっと空を見上げながら言う
「あ~あ~… シュレイザーは 自国の戦艦も 俺たちの海賊船も把握出来ねぇ~で… おまけに 大量のお宝もあったりってんで 格好のカモだったのにぃ~」
カイザが溜息を吐いて言う
「一体何処のだ~れが漁船探知機を 修理しちまったんだろ~?お陰で 今まで良い隠れ蓑だった軍艦が ばっちり 俺らをロックオンして来たもんね~ 危うく蜂の巣にされる所だった… あんなんじゃ もう2度と行けねぇなぁ… 新しい穴場を探すしかねーかなぁ?…なんて そんなの簡単に見つからねーよなぁ 何でフェリペウス号の出力アップを ツケでなんてやっちまったんだろ?これじゃ もう取り立てが怖くて港にも寄れね~じゃねぇの… どうしよ…?」
カイザが激しく困った様子で頭を抱えて言う
「あーーっ!こんな時っ!夢の中みてーに 天使様が舞い降りて来てよー!?俺たちを超~イカしたお宝の元へ 導いてくれたら良いのによー!現実世界の神様は何やってんだぉー!」
カイザが叫び終えて目を開くと 疑問し 表情を驚かせ叫ぶ
「ん?…んんっ!?のわぁああーっ!?」
カイザが慌てて飛び起きて逃げる 元の場所に空から黒い物体が落ちて来て 激しい音と共に甲板を突き破って下の貨物室まで墜落する カイザが呆気に取られてから 慌てて覗き込んで言う
「な… 何だ…?一体…」
カイザが別ルートから貨物室に現れ 埃の煙を払い墜落物の下へ向かいながら言う
「か… 神様からの天罰… とかじゃ… ねーよな?俺以外にも 神様に 文句とか言っちゃう奴も… い、居るだろうし?海賊だって他にもいっぱい…」
カイザが落下物を覗き込む 瓦礫が動き カイザが怯えつつ恐れながら覗き込んで 確認して驚いて叫ぶ
「なっ!?ま、まさかっ!?」
ホログラムのシリウスが言う
「顔見せは難なく終えたのじゃ 600年振りとあっても まるで2、3度の招集を逃した程度の様子であったわ」
ホログラムのシリウスBが姿を現して言う
『そもそもアウグスタの招集は凡そ200年に1度だ 600年振りは3度の招集を逃したと言う事で 間違いないのだが?』
シリウスが衝撃を受けてから言う
「むっ… そ、そういう意味ではあらぬのじゃっ!」
シリウスBが言う
『それで?アウグスタの様子は 本当に…?お前に食いつくのか?』
シリウスが長い髪を払って自慢げに言う
「当然じゃ!我は美しいからのぉ?アウグスタも 久方振りのシリウスを目に出来て良かったと わざわざ言葉にしておったほどじゃ?」
シリウスBがシリウスの様子を見て言う
『一応 聞いておくが… アウグスタの前に“その姿”を現した訳ではないだろうな?』
シリウスが自身の容姿を得意げに見せていた状態で衝撃を受け 一呼吸置いて言う
「…っ …我としてはこの美しい姿を見せびらかしたいと思うておるが 生憎アウグスタは我とは異なる美意識であるからの… 致し方なく “元の姿”を現しておいたわ」
シリウスBが言う
『それで良い そもそも義体など 出力も剛性も元の我々の半分以下の代物 そのようなモノを美しいと感じるお前の感性が アウグスタの招集へ向かうと言う事へ対し ギリギリとは言え常識の範囲を保たれていた事は奇跡的であったが』
シリウスが考える様子で言う
「ふむ そうか?では それこそ今度は アウグスタの美意識に沿う義体を作って見せれば…?」
シリウスBが衝撃を受け 怒りを押し殺して言う
『…っ 私は本質を見失うなと言っているんだっ シリウス!そもそも そのアウグスタ以前に この第2プラントは今再び リジルやリゲルっ …ともすれば他のプラント管理者どもから 狙われて!』
シリウスのホログラムにノイズが走る シリウスBが反応して言う
『シリウス?』
シリウスが言う
「む?干渉が起きておるのぉ?」
シリウスBが言う
『言っている傍から…っ 別プラントからのハッキングだ 私が逆探知を行う そのまま防壁を強化して 相手を繋ぎ止めて置け』
シリウスが言う
「思っていたより早く動きおったわ… 義体の出力ではプラント管理者の相手は叶わぬ」
シリウスBが周囲にプログラムを現しながら言う
『ならば即興で本体へ意識を繋ぎ 神経経路のアクセスをっ!…そんな事 私に言われるまでもないだろう?何をやっているシリウス!?』
シリウスのホログラムが一段と不鮮明になって言う
「本体へ意識を繋ぐには 当然 それ以前に その本体へ意識を向けねばならぬ じゃが B…?」
シリウスBが探知プログラムを作成しながらシリウスへ向く シリウスが微笑んで言う
「生憎 我の本体は 600年 その行方が分かっておらぬのじゃ?」
シリウスBが呆気に取られて言う
『…は?』
シリウスが言う
「と言う訳で このままお前と通信を繋いでおっては 何処の誰と知れぬ我らの敵に 我らシリウスが2人居る事が知られてしまうのじゃ それを防ぐ防壁も作れぬ今 我は しばらくお前との通信は取り止め スタンドアローンへ移行する 力を抑えられた我に今出来得る 最大の防壁じゃ」
シリウスBが言う
『なにっ!?それでは…っ 戦力強化の話はどうなる!?現状の新人類の力ではっ!』
シリウスが言う
「こちらの新大陸に居る戦士どもの戦力を上げるつもりじゃ その布石も打ってある この通信も その事について お前と話をしたかったのじゃが…」
シリウスBが言う
『私に話したかったと言う事は 私に …こちらの戦士たちの力を借りたいと言う事か?先の時の様に?いや 今はもう これ以上話している時間も稼がれないかっ』
シリウスが言う
「B、これまでの第2プラントの防壁 感謝している お前が迅速に動いてくれたおかげじゃ 今の我では これ以上の事も その管理も出来ぬ 今後も… アウグスタの下へ向かう我の代わりを 頼むのじゃ」
シリウスBが言う
『シリウス…』
シリウスが言う
「頼み事ついでに こちらの新大陸の戦士たちの状況確認を行って 必要とあれば やんわりお前の力で 導いてもらえると助かるのじゃ B!現状のあやつらの状況を記録したデータも付けておくからのぉ?必要とあれば少々荒行時でも構わぬのじゃ?」
シリウスBが怒って言う
『ついでの範囲で お前の管理すべき 新大陸の戦士どもの管理を 全面的に任せやがっ…!』
シリウスとシリウスBのホログラムが瞬時に消える
【 アバロン城 玉座の間 】
家臣Aが言う
「ヘクター陛下 先日の他国への兵力支援で得られました報酬は 如何様に致しましょう?」
ヘクターが疑問して言う
「あ?そう言う事で得た金の使い道は 決まってるもんじゃねーのか?」
家臣Bが言う
「通例でしたら そちらの支援へ向かった兵士たちへの出向手当金の外 臨時収益として国の蓄えとするのですが この度の支援は同日の内に5つの国へ支援を行った為 通例分を省きましても残る金額がとても多くあります ですので こちらはやはり… アバロン城の増強と 城下町の更なる繁栄に充てるべきかと!」
ヘクターが言う
「そっか?ならそれで?」
家臣Aが言う
「いいえ!ヘクター陛下っ それでしたら ここはやはり この度の機械兵の襲撃で被害をこうむった 他国への金銭的支援に当てる事で 今後のアバロンの栄誉へ繋げるべきであると!」
ヘクターが言う
「ん?そっか?ならそっちで?」
家臣Cが資料を見て言う
「いえ!お待ちください陛下!この度の大戦は この世界中の国が一団となって行った事として 現在一部の国からは 他国支援へ対する報酬を和らげようと言う話が上がっているとの情報がございます 従いまして アバロンへ送られてくる報酬も 恐らく大した額にはならないものと思われますので… ここはやはり通例通りでよろしいかと!」
ヘクターが困って言う
「そっか それじゃ… うーん… どうすっかなぁ…?」
ヘクターが視線を向ける 視線の先でデス1stが言う
「何を行うにしても その元となるアバロンの状態維持は必須 報酬額に関わらず アバロン城の増強と 城下の繁栄…ではなく 城下の防衛を上げるための補強を行うべきだろう」
デス2ndが言う
「いや、アバロンは友情と慈愛の国 ここはアバロンの優秀な家臣殿の言う通り 自国は先置いてでも先ずは友人たちの国を支援するべきだ」
デス1stが言う
「支援をしようとも その元となるアバロンが無様な姿では 何の威厳も保てない まずは最小限であってもアバロン城の増強が必須だ!」
デス2ndが言う
「見た目が無様であるかどうかなど そんな体裁を取り繕う余裕があるのなら 友情を前面に押し出す事が重要だ!」
デス2人がいがみ合う ヘクターが困って言う
「だから 喧嘩すんなって…」
デス1stが言う
「ならば ヘクター!お前はどちらを優先するのだっ!?」
ヘクターが一瞬呆気に取られた後 微笑して言う
「あ?俺は… うん!それじゃーよ?」
ヘクターが笑顔で言う
「その両方をやるために!足りねー分の資金を調達しに ひと暴れしてやろうぜ!?そーだなー?どっかアバロンに喧嘩でも売ってくれそうな奴でも 居ると良いんだけどなー?」
家臣たちとデス2人が衝撃を受け ヘクターへ向いて言う
「ヘクター陛下!?」 「何をおっしゃいます!?」 「「他国からの喧嘩を お前が買い求めてどうする!?」」
ヘクターが呆気に取られてから苦笑して言う
「え?ダメなのか…?良い案だと思ったんだけどなー?」
家臣たちが溜息を吐き デス2人が呆れる
【 ベネテクト国 城前 】
バーネットとヴィクトール ベーネットとヴィクトール14世の両者が雷の剣を使って演習訓練をしている ヴィクトール14世の掲げる大剣に雷が落ち ヴィクトール14世が雷の纏う剣を手に構える ヴィクトールが大剣を構え横目にバーネットを見る ヴィクトール14世が言う
「今だっ!」
ヴィクトール14世が大剣を振るう 大剣に纏っていた雷がヴィクトールへ向かう バーネットがニッと口角を上げ周囲にプログラムを現して言う
「行け!ヴィクトール!」
ヴィクトールが構えを深めてから一気にヴィクトール14世へ向かう ヴィクトール14世が驚いて言う
「…えっ!?」
ヴィクトール14世の放った雷撃より速く ヴィクトールがヴィクトール14世の間合いに入り込んで大剣を振り上げる 金属のぶつかり合う音に続いて ヴィクトール14世の大剣が宙を舞い地に刺さって残雷が地に吸収される ヴィクトール14世が呆気に取られて言う
「雷のスピードを… 超えるなんて…?」
ヴィクトールが上体を上げて微笑み ヴィクトール14世の大剣を取って持ち主の下へ向かう ヴィクトールたちの耳にベーネットの怒声が響く
「おいっ!クソ親父!今の出力数値は反則だろぉおがぁあ!」
バーネットが笑んで言う
「はっはー!戦いに反則もクソもあるかぁ?勝ちゃぁ良いんだよ 勝ちゃぁよぉ?」
ベーネットが衝撃を受け 怒って叫ぶ
「なぁっ!?ふざけんなぁあ!クソ親父がぁあ!んな 姑息な手を使うなんざ 元デネシアの王である ローとかルーとか言う ゼック野郎と同じじゃねぇえかぁああ!?」
バーネットが怒って叫ぶ
「なぁあ!?んだとってめぇええ!誰が あのデネシアの ローとかルーとか言いやがる ゼック野郎どもと同じだって 言いやがるんだぁあ!?てめぇええ!!」
バーネットとベーネットが互いに鞭を振り上げる ヴィクトールが呆気に取られて見守る ヴィクトール14世が呆気に取られた後 大泣きして言う
「わーんっ ベーネットが 怖いよぉおおーーっ!!」
ベーネットが衝撃を受け 慌ててヴィクトール14世へ言う
「ぬわぁ!?て、てめぇええ!この大泣き虫ヴィクトールがぁあ!てめぇえの為に喧嘩してやってるってぇえのに てめぇえが泣きやがってどぉおすんだぁああ!?」
ヴィクトール14世が一瞬止まった後大泣きする ベーネットが困ってあたふたしている ヴィクトールとバーネットが顔を見合わせ笑う
【 ローゼント城 玉座の間 】
ヴェルアロンスライツァーがアンネローゼの前に跪き言う
「我が女王 アンネローゼ様 私は今後 いかなる事があろうとも 我が女王のお傍を離れる事無く アンネローゼ様をお守りさせていただく所存にございます どうか…」
アンネローゼが微笑して言う
「ええ、ヴェルアロンスライツァー 私も それはとても嬉しく思うのですが この国の王配である貴方に 私の父 前ローゼント国王ハリッグが 謹んで頼みたい事があると言うのです そして、私もそれは このローゼントの為にも 大切な事であると思うのです」
ヴェルアロンスライツァーが疑問してアンネローゼへ顔を向ける ハリッグが現れ ヴェルアロンスライツァーへ言う
「ヴェルアロンスライツァー 貴殿の働きは この現実世界と共に 夢の世界と言う場の話に置いても確認させてもらった そして、貴殿は 我が娘アンネローゼが選ぶに 十分な男であった」
ヴェルアロンスライツァーが一瞬呆気に取られた後 頭を下げ隠れ微笑して言う
「はっ!ありがたきお言葉 このヴェルアロンスライツァー 光栄の至り!」
ハリッグが微笑して言う
「うむ、共に今 貴殿の父であり 我が剣であった ヴェルアロンゲデルフフォルライツァーとの約束を果たすのに 又と無い好機が訪れたのだ ヴェルアロンスライツァー どうか 古きその約束を果たすためにも これよりすぐ スプローニ国へ赴き その国の 第二国王となってくれ」
ヴェルアロンスライツァーが一瞬呆気に取られた後 衝撃を受け慌てて言う
「…は?そ、それは 如何なるお話でありましょうか!?殿下!?我が父と 殿下とのお約束 そ、それが 私がスプローニの第二国王になるなどとっ!?」
ハリッグが頷いて言う
「ああ、何を隠そう 貴殿は我が愛しの女性 アイネフラーソワと 我が剣 ヴェルアロンゲデルフフォルライツァーの子であるからな 私はアイネを守る事も得る事も叶わなかったが ヴェルアロンスライツァー どうかそんな私に代り 彼女の故郷スプローニをも守る剣となってくれ 頼む」
ヴェルアロンスライツァーが呆気に取られる アンネローゼが苦笑して言う
「父はずっと 敵対国となってしまっていたスプローニとの和平を紡ぐ その切欠を探していました ローゼントがツヴァイザーとの交友を受理したのも ツヴァイザーがスプローニの隣国であったが故でした どんなに遠回りをしてでも 父はスプローニとの縁を取り戻そうとしていたのです 私は幼い頃からその父の姿を見ていました ですから、貴方にこの様な事を頼むのは申し訳ないと分かってはいるのですが どうか、私からも お願いします ヴェルアロンスライツァー…」
ヴェルアロンスライツァーが困惑して床を見つめる
【 スプローニ城 玉座の間 】
ラグヴェルスの前でアシルが言う
「…なっ!?どう言う事だ!?父上が退位の意を決した上で 俺に…っ!?このスプローニ国の王子である俺に スプローニの王を任せる事が出来ないとは!?」
ラグヴェルスがアシルを見て目を伏せて息を吐く アシルが言う
「それこそ 父上の実子である この俺を差し置いて スプローニの王に相応しい者が居るとでも!?」
衛兵が言う
「陛下 御取り込みの所申し訳ありません お呼びしておりました者が…」
ラグヴェルスが伏せていた目を開いて言う
「構わん 丁度良かった 通せ」
衛兵が返事をする
「はっ!」
アシルが顔を向ける アシルの視線の先にロキとロスラグが現れる アシルが沈黙してロキを見る ロキがアシルの視線にわずかに視線を向けてからラグヴェルスの前で敬礼する ロスラグがアシルを見ていた状態からハッとしてロキを見て慌てて倣って敬礼する ロキがラグヴェルスを見る ラグヴェルスがロキをじっと見下ろす ロキが衝撃を受け思わず目を逸らして言葉を飲んでから気を落ち着けて言う
「…ラグヴェルス陛下 紛うことなく… あの国王への献上品にして 闇市場からの押収品… ガルバディアの宝玉の欠片を使用したのは… 俺です …俺は それがスプローニ国憲法三千二百四十五条三十三項 憲法違反者からの剥奪品を 国王献上以前に使用する事を禁ずる との法に触れていると分かっていた上で 使用しました …よってこの事は スプローニ国憲法 七千六百八十五条十二項 スプローニ国憲法に触する事を了知した上での憲法違反者は それ相応の処罰を受託する の法に則り…」
ラグヴェルスが2度3度と頷いた上で ロキの言葉を制して言う
「うむ、従ってわしは 卿をここへ呼び寄せた ロキローゼント… いや、ロキスプローニシュルロルツローゼントカムロルシュガイントシュワルスキーよ」
ロキが衝撃を受けてからラグヴェルスへ視線を向ける アシルが目を丸くして言う
「ロ、ロキスプローニシュルロルツ!?」
ラグヴェルスが一度アシルへ視線を向けた後 気を改め正面を向いて言い放つ
「今この時を持って 卿を スプローニ国の王とする!」
アシルとロキが驚きに言葉を失って固まる ロスラグが一瞬驚いてからロキを見て大喜びで言う
「ロ、ロキ…隊長が…!?す、凄いッスよ!ロキ隊長!?チョー凄いッス!ロキ隊長が スプローニの王様になっちゃったッスよー!」
ロキが突然の出来事に理解が及ばず硬直している アシルが怒ってラグヴェルスへ言う
「何故だ!?たかが一兵士の男に!?スプローニの王子である俺を差し置いて 一体何故!?」
ラグヴェルスが表情を変えずに言う
「アシル… お前はスプローニ国憲法を いくつ正しく言えるのだ?」
アシルが衝撃を受け呆気に取られるが 気を取り直して言う
「…まさか?その様な事で!?父上!本当に その様な理由で 俺を差し置いてこの男へ 王位を譲ろうなどと言うのか!?」
ラグヴェルスがアシルを見つめる アシルが怒って言う
「そんなであるから!スプローニの王は 憲法バカの馬鹿鉄砲と言われるんだっ!」
ロキが衝撃を受け怒って叫ぶ
「なっ… 貴様ぁあーー!自国の王へ対し その様な言葉を吐き捨てるとは!貴様には 国王へ対する忠誠心と言うものがあらぬのかぁあ!」
沈黙が流れる ロキがハッとする ロスラグが呆気に取られて言う
「ロキ隊長… まるで… ヴェルアロンスライツァー副隊長みたいッス…」
ロキが衝撃を受け顔をそむける アシルが踵を返し玉座の間を出て行く ロキがハッとしてアシルの背を見送ってから ラグヴェルスへ向き直って言う
「…わ、我が国の王子へ対し 暴言を行った事へ お詫び… します… …ちなみに国王への冒涜罪に関する法令は…?自分は存じませんが 一般の国民へは知られていないスプローニ国憲法等が?」
ラグヴェルスが目を瞑り顔を横に振った後 強い視線で言う
「ロキ、卿も知っているはずだ スプローニ国憲法は スプローニに住む民 先住民族や後住民族 全ての者を守る為の法だ その法を一つ一つを覚え 必要とあらばいくらでも足して行く この国と民を愛するが故の物… アシルはそれらを覚える事も 調べる事もしようとはしなかった …彼には このスプローニは任せられない」
ロキが呆気に取られた後言う
「…しかし、そうとは言え 一兵士の俺にスプローニの王とは」
ラグヴェルスが微笑して言う
「ロキ これはわしから卿への頼みであるのと同時に 卿へ架せられた実刑だ スプローニ国憲法 七千六百八十五条十二項 スプローニ国憲法に触する事を了知した上での憲法違反者は それ相応の処罰を受託する 卿が使用したガルバディアの宝玉の欠片は ガルバディア国王よりその国の王のみが使用を許されたもの よって 卿はその物を使用する権利を持つ者として 相応の偉業を成し遂げる事で このスプローニがガルバディアからの約束を守っている証拠とせよ 良いな?ロキスプローニシュルロルツ」
ロキが気付きラグヴェルスを見詰めた後 改めて敬礼して言う
「…はっ ロキスプローニシュルロルツローゼントカムロルシュガイントシュワルスキー スプローニ国の為 スプローニの王となり励む事を誓います」
ラグヴェルスが頷いて言う
「うむ よく言った 卿になら安心して任せられる」
ロキが間を置いて顔を上げて言う
「…で、それはそうと 折角得た俺の新しい名の 後に続く部分は やはり消去しては貰えないのだろうか?前スプローニ国国王ラグヴェルス殿下」
ラグヴェルスが言う
「うん?ああ、そこは 何があろうと消す事は出来ない 何故なら それは 卿が このスプローニの第二国王として ローゼントの王配を貰い受けると言う 決約であるからな?」
ロキが一瞬間を置いた後叫ぶ
「なにぃいいーーっ!?」
ロスラグが呆気に取られた後笑顔で喜び 叫ぶ
「…と言う事は ヴェルアロンスライツァー副隊長が このスプローニ国の 第二国王になるッスかー!俺 チョー嬉しいッス!ロキ隊長とヴェルアロンスライツァー副隊長が 2人でスプローニの王様になったッスよー!さっそく俺 皆に伝えるッスー!」
ロスラグが玉座の間を飛び出して行く ロキが衝撃を受け慌てて追いかけて叫ぶ
「ま、待て!俺はそこの了承はしていないぞっ!?余計な事を伝えて回るなー!馬鹿犬ーっ!」
【 シュレイザー城 玉座の間 】
チョッポクルスが笑顔でチーズを掲げて言う
「こ、これが~~ べ、ベネテクトの~~ バーネット3世が贈ってくれた~~ 某国のとろけるチーズじゃぁ~~!さ、さっき~~ か、片腕の銃使いが~~ 持って来てくれたのじゃ~~!」
シュレイザー兵たちが大喜びで喝采を上げている 後方のシュレイザー兵がハッとして走り去る
城下町
レビがシュレイザー城を見上げた後苦笑して立ち去ろうとして 練習所の的に気付き微笑して銃を数発撃つ 全てが的に命中する その的に弓矢が刺さる レビが一瞬呆気に取られ振り返る チッピィが弓を放ち終えた姿で居て 笑顔で言う
「レビ!やっぱりチーズを持って来てくれたのは レビだったね!僕 大急ぎで走って来たね!」
レビが呆気に取られた後シュレイザー城を視線で示して言う
「…ベネテクトのベーネット陛下に 治療の礼をしたいと言ったら 頼まれた あれだけの治療の礼が チーズ一つを届ける事だとは …長く居たシュレイザーをもう一度見ておくというのも 悪くなかった 卿にも 挨拶が出来た これで思い残す事は無い」
チッピィが衝撃を受けた後 慌てて言う
「そ、それはどう言う事!?レビ!あのね!シュレイザーの常駐兵リストから レビの名前が無くなってたね!僕 とっても心配してたね!でも、きっと ただ 怪我が治るまでの間だけだって 僕そう思って待ってたね!」
レビが苦笑して言う
「…フッ スプローニから他国への支援だと言うのに その中に 故障した銃使いなど 入れる訳が無いだろう リストの名は 除名される前に自分で消した …そして、俺は旅に出る事にしたんだ」
レビが歩き始める チッピィが驚いて言う
「旅…?それじゃ レビ シュレイザーから居なくなっちゃうのね?」
レビが立ち止まり振り返らずに言う
「ああ …チッピィ 世話になったな 卿の事は… 嫌いではなかった また …いつか会おう」
レビが歩き始める チッピィが一瞬呆気に取られた後笑顔で追いかけて言う
「うん!僕も レビの事 大好きね!だから いつかじゃなくて 今会うのね!それに これからもずっとずっと会うのね!」
レビが呆気に取られた後 苦笑して言う
「…チッピィ 俺は 旅に出ると」
チッピィがレビの隣へ駆け向かい 笑顔を向けて言う
「うん!だから 僕も一緒に歩くのね!これで僕たちの旅は 始まったね!レビ!」
レビが呆気に取られた後言う
「…シュレイザー城での チーズパーティーには出席しなくて良かったのか?あのチーズは 何でも 世界一貴重で 世界一美味いチーズだとか」
チッピィが衝撃を受け立ち止まる レビが歩みを続けながら苦笑して言う
「…兵は国を守るもの 卿は 卿の国 シュレイザーに留まり 守るべきだろう」
チッピィが強く目を閉じて堪えてから レビを追い駆けて言う
「僕は!国も大切だけど レビの事はもっと大切ね!だから僕は レビと一緒に 旅に出るのね!もう!出ちゃったのね!」
レビが微笑してから言う
「…俺も国を守りたいが 先ずはその力を得たい 父を越える銃使いとしての力と 父を越える相棒を」
チッピィが呆気に取られて言う
「銃使いとしての力と 相棒…?」
レビが小さな包みを取り出してチッピィに渡す チッピィが疑問して見る レビが言う
「…世界一貴重で世界一美味いとは どれ程の物なのか… ネズミではなくとも 気にはなった」
チッピィが驚き慌てて包みを開いて とろけるチーズを見て驚いて言う
「こ、これっ!?レビ!?これっ!これっ!?」
レビが軽く笑って言う
「…とは言え、特にチーズを好む訳でもない俺が味わうより 卿の方が それの価値が分かると言うものだろう 遠慮はいらん」
チッピィが目を丸くした後 大喜びでレビに抱き付いて叫ぶ
「レビー!ありがとうね!僕とっても嬉しいね!チーズも嬉しいけど!やっぱりレビが 僕の事だーい好きだって事が分かっ…」
レビが衝撃を受け チッピィを殴り飛ばす チーズが宙を舞う 2人が慌てる
【 アバロン城下町 近郊の森 】
レクターが大剣を振った後 不満そうに首を傾げて言う
「うーん やっぱり大剣じゃ あいつの速さには太刀打ち出来そうにねーみたいだ しかし、私は…」
ローゼックがやって来て言う
「レクター、アバロン傭兵隊長の座を退き 剣を置く事で プログラマーとして生きるのかと思いきや この様な場所で 貴様は何をやっているのか?」
レクターが振り返る ローゼックと手を繋いでいたニーナが 走って向かいレクターに抱き付いて言う
「お父さん!良かったのー やっぱりお父さんは アバロンの傭兵隊を辞めちゃっても アバロンの大剣使いさんなのー!」
レクターが一瞬驚いた後笑顔を向けて言う
「ああ!私は例え ガルバディアで変な実験に使われちまっても やっぱりアバロンの大剣使いで居てーのだ そんな気がする!」
ローゼックが近くへ来て首を傾げて言う
「…の割には その大剣への思いに 陰りが現れている様だが?」
レクターがローゼックへ向き直り 困った様子で言う
「流石は人の弱みに目敏い デネシアの前々国王 ローゼックのとっつぁんなのだな!実はそうなんだ」
ローゼックが衝撃を受け怒って言う
「馬鹿者っ!レクター!貴様はそれで私を 褒めて居るつもりか!?」
レクターが照れ苦笑をする ローゼックが一息吐いて 改めて言う
「…それで?自身の持つガルバディアの有力な力を否定してまで アバロンの大剣使いで居る事を望む貴様が?その大剣に何の不満を抱えて居るのか… 貴様ならば 大剣の唯一の弱点である その重量から来る 攻撃速度の低下さえも ガルバディアの力を用いて相殺させる事が出来よう?」
レクターが軽く首を傾げ困り顔で言う
「ああ 確かにそうなんだが… それだけじゃ あいつには勝てねー だから このままだと次の時は 負けちまうかもしれねーって思うんだ」
ローゼックがレクターを疑問視する レクターが言う
「あいつの剣は 一見は槍みてーな武器なんだが その実は長剣なんだ 長剣の柄にもう一つ長剣が付いてて 両刃刀として使う事も 2つに分けて持つ事も出来る… あいつはそれを臨機応変に 素早く使いこなしていた」
レクターが自身の持つ大剣を見て言う
「いくら大剣に掛かる重力を無効化して速度を上げたとしても アイツがあれ以上 戦闘力を上げて速度を増されちまったら 大剣使いの戦い方しか出来ねー私には もう対応しきれねーんだ」
ローゼックが考える様子で言う
「ふむ… 両の手から繰り出される俊敏な攻撃と共に 長剣から繰り出される鋭い太刀筋 …確かに その2つの攻撃を兼ね備える者に 大剣一刀で立ち向かうのは酷であるやもしれぬ」
ローゼックがレクターを見る レクターは片腕にニーナを抱き 片手に大剣を持っている ローゼックが気付き微笑して言う
「ならば 貴様も?その両の手に武器を携えてはどうか?」
レクターが疑問する ローゼックが続けて言う
「2つの武器を扱うとなれば 当然 大剣などと言う重武器を用いる事は愚行と言えるが 貴様の事だ 今更 大剣ではない物を持てと申した所で 素直には従わぬだろう それでも、国の為… 引いては愛する者の為とあれば その片手位は妥協すべきであろう?」
ローゼックが自分の剣を引き抜き 柄をレクターへ向ける レクターが呆気に取られていた状態からニーナを見て微笑して言う
「そーだな 半人前の私には 両手に持った大剣の重量を無効化するプログラムは出来ねーのだ けど」
レクターがニーナを地に下ろし ローゼックの剣を受け取って言う
「デネシアの中途半端な剣くれーなら 重量の軽減をしなくても 片手で扱える きっと… 利き手じゃねー手でだって デネシアの我流剣士 ローゼックのとっつぁんに負けねーくらい 使いこなせるんだ!そんな気がする!」
レクターが笑顔になる ローゼックが衝撃を受け怒って叫ぶ
「であるからにして!貴様は貴様の心情を案じ 助言まで致しに来た義父である私を敬う気持ちを 羽虫程度にも持たぬかっ!馬鹿者ーっ!」
レクターが言う
「何だ羽虫程度で良いのか?ローゼックの父つぁんは 本当に謙虚なのだな?とてもあの卑怯国デネシアの元国王とは思えないのだ」
ローゼックが衝撃を受け隠し持っていた剣を抜いて言う
「貴様!我が祖国デネシアを愚弄するとは 如何に間抜けた貴様とは申せど これ以上の愚弄は許せぬ 構えよレクター!今ここで…!」
【 旧世界ガルバディア城 玉座の間 】
玉座に座るシリウスBの前にあるホログラムモニターの中でレクターが笑顔で言う
『ああ!デネシアの我流剣士の相手なら 利き手じゃねぇー手に初めて持った慣れねー剣でも十分なんだ!そんな気が…』
シリウスBが言う
「ガイ お前は新世界へ向かった折 この男と武器を交えていたが 奴の力は」
もう一つのホログラムモニターにガイの姿が映る シリウスBが言う
「例えるなら お前が2人掛りであっても敵わない程であったか?」
ホログラムモニターのガイが言う
『私が1人では討ち取る事が叶いませんでしたが 私と同等の者と共に2人掛り… とあれば 可能かもしれません』
シリウスBが言う
「そうか…」
ホログラムモニターのガイが言う
『シリウス様?そちらが何か?』
シリウスBが言う
「この者は 新世界のシリウスが作り上げた戦士どもの中に置いて 最も高い戦力を持つ者 …しかし この程度では」
シリウスBがホログラムモニターに映っているレクターを見ていた視線を他方へ向ける 視線の先に立っているガイが言う
「我々の戦うべき相手には敵わないと?」
シリウスBがガイへ向けていた視線をホログラムモニターへ移して言う
「私は新世界のシリウスから 奴らの戦力強化を任された …いや どう考えても私が行うべきことではないと思うのだが」
シリウスBが溜息を吐く ガイが呆気に取られて疑問してから気を取り直して言う
「それでしたら シリウス様?」
シリウスBがガイを見る ガイが続ける
「新世界のその戦士らの戦力を高めるのではなく 我々へそちらを行って頂く事は出来ないのでありましょうか?我々は この世界の …我々の神である シリウスB様のお力になられると言う事でありませば どのような訓練やその他苦行をも成し遂げる所存に御座います」
シリウスBがわずかに驚きガイを見る ガイが強い意志を持ってシリウスBを見つめる
【 アバロン城 玉座の間 】
家臣Aが言う
「ヘクター陛下!ローレシアとシュレイザーの了承共に ソルベキアのバーネット1世国王陛下からも アバロン帝国への了承は出ております!」
家臣Bが言う
「その他にも ローゼントのアンネローゼ女王、スプローニのロキ国王、ツヴァイザーのリーザロッテ女王、ベネテクトのベーネット国王、デネシアのファニア女王からも アバロン帝国への了承は提示されております」
家臣Cが言う
「残るはカイッズとガルバディアですが…」
家臣らがデス1stとデス2ndを見る デス1stが言う
「ガルバディアはシリウス国王だが 彼がこの世界の国々の在り方へ口を出した事は無い 今までもそうであった様に 今後も無いだろう …ついでにカイッズに関しては この際深く考える必要も有るまい?」
デス2ndが言う
「旧世界との戦いは収まったとは言え この世界を統括する 帝国があると言うのも悪く無い 魔法剣士部隊を有するローレシアとローゼントが アバロンを推薦すると言うのなら ここは素直にアバロン帝国の設立を 行っても良いのではないだろうか?」
ヘクターが首を傾げて言う
「シュレイザーはともかく ローレシアが言って来るなんてなー?キルビーグ国王がわざわざ 他国への連絡をしてくれたって?ルーゼックの兄貴からも 最近やけにその話が来るんだよなー?」
デス1stが言う
「ローレシア、ローゼントの魔法剣士部隊は 両国の協力体制を強化しつつあるが それはデネシア、ベネテクトの魔法剣士傭兵部隊も同じ ローレシアにとってのライバルである魔法剣傭兵部隊は 初期の時点ではデネシアの魔力者の力を増幅しなければならない分 どれほど力や数を増しても ローレシアが優位に思われていた だが、最近はローレシアがスプローニの魔法銃使い部隊へ魔力者を送り出すようになり、戦力が2分化された 結果、数では勝っているが 現状 実質戦力数値は デネシア、ベネテクト部隊の方が 17%高い」
デス2ndが一瞬反応してからデス1stへ向いて言う
「デネシア、ベネテクト部隊がローレシア、ローゼント部隊比17%上昇か?では 今や彼らの戦力はアバロン、ガルバディアの戦力に」
デス1stが周囲にプログラムを表示させつつ言う
「ああ、彼らの力は 我らの力に近付いている とは言え デネシアの魔力増幅に 我らガルバディアの力を使用している以上 同等の増幅作業を行える ソルベキアとガルバディアが相対する事でも無い限り 脅威になる様な事は無い」
デス2ndが考えながら言う
「そうだな… しかし、各国の戦力に大きな差がなくなりつつある事は 同時にそれらの国々が競い合いを始める切っ掛けとなる」
家臣Cが言う
「では、ここへ来て ローレシアを始めとする各国が アバロン帝国の設立を提唱し始めたのは…」
皆が家臣Cへ向き 家臣Bが言う
「それらの争いを開始させないための 暗黙の抑止力にしようと?」
家臣Aが考えながら言う
「確かに、ヴィクトール12世様がアバロンの国王であられた時も ラインツ様が国王へと代わられた後も 各国は暗黙の内に 世界で一番の力を持つ国は アバロンであると皆が黙認し 共に、両陛下とも その事を気に掛ける素振りは無いながらも 世界の均衡を図られておられた」
デス1stが微笑して言う
「アバロンの王は友情の王 帝国であろうが無かろうが ヴィクトール国王やラインツ国王が 他の国々とも友好的に付き合う事は 彼らにとっては普通の事なのだろう そして」
デス2ndが微笑して言う
「ああ、同じくアバロンの王である 我らの相棒ヘクターもまた同じ」
家臣Cが微笑んで言う
「では、今こそ各国からの推薦と共に 我らアバロンが!」
【 ローレシア城 玉座の間 】
リジューネが強い視線で言う
「今も旧世界に残る シリウスBが!何時 この新世界へ危害を与えぬとも限らぬのだ!この世界の戦士たちの戦力強化は必須!…だと言うのに この世界の各国へ対し その指示を出す所か 提案も出来ぬとは… 今なら分かるぞ!このローレシアが 何故、我らの救出に多くの時間を有したのか!ローレシアは 新世界に置いて 帝国としての力だけでなく その尊厳すらも失ってしまったのだ!」
キルビーグが表情を困らせる ルーゼックが怒りを押し殺している リジューネが不満そうな視線を向けて言う
「ふっ… それとも?所詮は他国の民 私とは違い やはり貴方は アバロンを愛し続けているのか?ルーゼック殿?」
ルーゼックが怒って叫ぶ
「黙れ 無礼者がっ!例え旧ローレシア帝国の女帝で居った者であろうと!ここは新世界のローレシア!そして、貴様らを旧世界から助け出した 新世界のローレシア王と その第二国王である私への侮辱は許されぬ!その程度の事も分からぬのか!馬鹿者っ!」
リジューネが一瞬驚いた後怒って言い掛ける
「ばっ!?同じローレシアの名を持つ国であろうとも 旧ローレシア帝国の土地と民を守っていた私に対して 馬鹿者だと!?貴様こそ無礼者ではあらぬか!このっ!」
キルビーグが制して言う
「リジューネ殿 貴女と貴女の家系の者が 旧世界のローレシア帝国を 長きに渡り守り続けておられた事は分かっている しかし、新世界のローレシア王である我らは 同じく、この新世界の国々と共に 全力を持って 旧ローレシア帝国の民を救い出したのだ 時を有してしまった事や その他の不備があったことは認めるが それなりの偉業を成し遂げた者への言葉としては 少々過ぎるのではなかろうか?」
リジューネがキルビーグへ視線を向け 向き直って言う
「私がザッツロード6世王弟から伺い聞いていた話では この新世界は旧世界の我らの事を すっかり忘れ つまらない争いを続けておられたのだとか?」
キルビーグが言う
「いや、そうとなり掛けていたのを シリウス殿が押し止めてくれたのだ お陰で我々は 無駄な血を流す事無く 夢の世界にて新世界のあり方を…」
リジューネが怒って言う
「シリウス “様” だ!我らの神 シリウス様を軽々しくお呼びするとは!何たる無礼かっ!?」
ルーゼックが気を改めて言う
「そのシリウス殿が旧世界のシリウスBと和平を結んだ事で 両世界の争いは収まったのだ …と、申すのに折角得られた平穏を 貴様が無下に致す必要も無かろうっ?」
リジューネが怒って叫ぶ
「シリウス “様” だと言っている!!この分らず屋の 第二国王!」
ルーゼックが怒って叫ぶ
「黙れっ!同じ国王と言う地位である私が シリウス殿へ上位敬称を使う必要はあらぬ!そもそも奴は 我らにとっては 民の居らぬナンチャッテ一国の 国王であるわ!」
キルビーグが苦笑する
【 旧世界ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスBが言う
「リジルとリゲル… 過去にもこの国… いや、この世界へ悪事を働いた 異世界の王と言うべきか かの2人がまた悪巧みを企てている ザッツロード6世も 奴らの世界へ転送させられたのだ 残念ながら 彼の救出は難しい… とは言え、我らは これ以上黙っている訳には行かない」
ヴァッガスが言う
「黙っている訳にはって… それじゃっ こっちから攻撃をするって事か!?」
シリウスBが言う
「奴らは過去に継ぎ 再び我らの世界へ侵略を行おうとしている 前回は こちらが完全な防御を行う事で諦めさせたが… シリウスはあの頃から 奴らとの戦いを考えていた 奴らが再び行動を開始したとなれば もはや戦いは免れない …だが、この時になって当のシリウスは 現在私との連絡を行う事が出来ない状態にある 私が直接新世界へ向かうのが一番早いのだが この世界と新世界 両世界の防衛を受け持たねばならない今 私はこの城に留まらなければならない」
ヴァッガスが言う
「新世界のシリウス様との連絡が出来ねぇ上 シリウス様がこの世界を離れる訳にも行かねぇ… このままじゃその異世界の王と戦うための 作戦会議が出来ねぇって事か」
ガイが言う
「では、我々が新世界と この世界の行き来を行い 御二方の橋渡しを致すと言うのでは?」
シリウスBが言う
「ああ…そう出来れば良いのだが あの悪魔力を利用する転送は やはりお前たちの身に負担を掛ける 転送時における情報細分化状態は 悪魔力の影響を強く受けてしまうのだ 連絡の橋渡し程も利用しては お前たちの情報が悪化してしまう」
ガイとヴァッガスが困りヴァッガスが言う
「それでも!この世界を守る為だってぇなら!」
シリウスBが苦笑して言う
「ヴァッガス そうお前の命を軽く言うな 私もただ眺めていた訳ではない いずれは来るであろうと思われていた この時の為に 用意していたモノがある」
ガイとヴァッガスが疑問する シリウスBが僅かに顔を横へ動かす 玉座の後ろから 少年とも青年ともとられる男子が現れる ガイとヴァッガスが疑問し ガイが言う
「…シリウス様、そちらの方は?」
シリウスBが言う
「この者の名は ルシフェル 私の息子だ」
ガイとヴァッガスが衝撃を受け ヴァッガスが言う
「えぇえーーっ!?シ…シ、シシ シリウス様の…!?」
ルシフェルがムッとする シリウスBが言う
「本来であれば 戦いが開始された後に 私がこの城を離れる必要があった際に用いる事を想定していたのだが… シリウスの現状を持って 仕方なく用意をした 急を有した為 成長の促進を行わざるを得なかったが それでも 必要な能力は携えている このルシフェルを新世界へ向かわせ 力を失ったシリウスの手助けをさせる」
ガイとヴァッガスが納得しながらも呆気に取られている シリウスBが言う
「…と、そこで お前たちを呼んだのだ お前たちは新世界の者に 既に顔を覚えられているだろう その中に置いて 各国に現れたお前たちを指導した人物として ガイ、お前の事は彼らも一目置いている筈だ」
ガイが言う
「私に行える事があるのでしたら」
シリウスBが言う
「転送には負担をかけると伝えて置いて難だが お前には一度 ルシフェルと共に新世界へと向かって欲しい ルシフェルのみを向かわせても問題は無いと思われるが 万が一シリウスと会う前に 新世界の民と接触し 問題が起きるとも限らんからな」
ガイが微笑し敬礼して言う
「はっ!シリウス様 ルシフェル様の新世界へのお供は このガイへお任せ下さい」
シリウスBが微笑して言う
「ああ… お前が共に行ってくれるのであれば 心強い」
ルシフェルがムッとして言う
「俺は1人でも構わない 愚民が付いて来ては 返って足手纏いだ」
ガイが呆気に取られ ヴァッガスが衝撃を受けムッとして言う
「ぐ…愚民…っ」
シリウスBが言う
「ルシフェル 言った筈だ この世界に留まる民を 愚弄するなと」
ルシフェルがシリウスBへ強い視線を向けて言う
「父上こそ間違ってる!こいつらは この世界に居ながらも 自分たちの神が誰だかも分からねぇ 愚かな奴らだ!それ所か 父上の新世界へ逃げただけでなく 自分の民に騙されて 力を弱めたって言う 馬鹿なシリウスAの事を 未だに神と崇めてるんだ!そんな奴らの為に 父上がこれ以上力を使う必要などっ!」
シリウスBが一瞬目を細める ルシフェルがプログラム衝撃を受け吹っ飛ばされ悲鳴を上げる
「うあっ!」
ガイとヴァッガスが驚き ガイが言う
「ルシフェル様っ」
ルシフェルが床に倒れ上体を起こす 頬が殴られた様に赤く 切れた唇を片手で拭う ガイが向かい横に膝を着き手を貸そうとするが ルシフェルが振り払って言う
「俺に触るなっ!」
ガイが呆気に取られる ルシフェルが横目にシリウスBを見る シリウスBが見下して言う
「この世界の民が シリウスを神と崇めるのは当然だ シリウスはこの国の王であり 彼らの神だ …そして、私は シリウスに代わりこの国と 残された民を任されただけの 仮の王 そのお前も私も 元は この世に生を受ける事さえ 許されざる者」
ルシフェルが怒りの表情を見せる シリウスBが言う
「それと、シリウスは私のパートナーだ 奴を悪く言う事は 私が許さん」
ルシフェルが悔しそうにシリウスBを見つめる シリウスBが無表情に見た後 ガイとヴァッガスへ向いて言う
「ルシフェルの無礼は私が謝ろう 先ほどこの世界へ誕生させたばかりで まだ何も分かっていないのだ 知識だけで物事を判断してしまう… それもまた 愚かな事 だが、それを理解するまでには まだ時間を有するだろう …とは言え 今は一刻を争う時 ガイ、転送装置の設定は済ませてある 生憎 帰還の設定は行え無いが それは 新世界にてシリウスが賄ってくれる筈 心配は無用だ」
ガイが改めて微笑し畏まって言う
「はい 私はシリウス様の仰せの通り 新世界へ向かい 後は 新世界のシリウスA様の指示に従います」
シリウスBが微笑して頷き言う
「頼んだ」
ガイが頷く ルシフェルが不満そうにそっぽを向く ヴァッガスが見ていて苦笑する
シリウスBがガイとルシフェルの後姿を見送る ヴァッガスが軽く笑んでシリウスBへ言う
「案外 俺が一緒に行った方が ルシフェル王子様には良かったかも知れないぜ?ガイは堅物だから あー言う尖ってる時期の子供心は 分かんねーんじゃねーかなー?」
シリウスBが軽く笑って言う
「フッ… 尖っているか そうかもしれんな… 私も ただ向かわせるだけであるのなら お前と行かせるのも 面白くはあると思ったが… ヴァッガス お前が これ以上の悪魔力を受ける事は 危険を伴う」
ヴァッガスが一瞬呆気に取られてシリウスBを見て言う
「え…?」
シリウスBが言う
「お前は 先の転送時に受けた悪魔力の影響が 他の者よりも 26%も高かった お前自身でも分かっているだろう?新世界より戻ってからは… もう 完全に 動物の肉を食せぬ体となっている」
ヴァッガスが衝撃を受け視線を落とす シリウスBが言う
「それだけではない 気を緩めれば 人を襲い その肉を食らいたいと… お前の情報は かなり悪化している」
ヴァッガスが表情を悲しませて言う
「シリウス様 俺… その影響が新世界で… 初めて人を傷付けちまったんだ そいつは俺の前に立ちふさがって まったく動じねぇで 俺に両手に持った武器を向けて来た 俺はすぐに分かったんだ こいつは強ぇって… だからっ ただ そいつと戦って そいつがどれ位強いのかってのを 確認しようって… そう思ってた筈なんだ けど…っ 戦ってる内に意識が飛んじまって 気付いた時には」
ヴァッガスの脳裏にレビの腕を傷付けた時の情景が蘇り 強く眼を閉じ否定するように顔を強く横に振る シリウスBが僅かに表情を悲しませる ヴァッガスが言う
「もし、新世界に行く事があったら 探したって会えねぇかもしれないけど それに、どんな事をしたって許されねぇって分かってる…っけど!あいつに会って 謝りてぇ…」
シリウスBが言う
「…お前の情報解析を急ぐ お前を苦しめたのは私だ お前の罪は 私の罪 …新世界で会ったと言う その戦士の事は いずれ私がシリウスと掛け合い 回復に努めよう」
ヴァッガスが驚き言う
「か、回復…っ!?」
ヴァッガスが呆気に取られてシリウスBを見上げる シリウスBが微笑して頷いて言う
「苦しみは後僅かだ ヴァッガス お前も その戦士も…」
ヴァッガスが苦笑して頭を下げて言う
「有難うございます!シリウス様!」
シリウスBが苦笑する
城内 通路
メテーリとラーニャが通路を歩いている ラーニャが言う
「結局さ?この旧世界は シリウスBが居なければ何も出来ないじゃない?それなのに… 自分は闇の王だ~とか何とか言っちゃって?この世界の神様になりたがらないのは シリウスBの方だと思わない?」
メテーリが表情を困らせて言う
「ちょっとっ シリウスBじゃなくて シリウス様よ この世界の人たちは この世界で起きた神の奇跡は 全部 新世界のシリウス様からの物だって思ってるんだから …だから、シリウス…B様は シリウス様なの!」
ラーニャが不満そうに言う
「えぇ?何言ってるのよぉ?大体その辺りのメリハリを付けないから 訳分からなくなっちゃうんじゃない!?ただでさえ名前が一緒で分かり辛いんだから ちゃんと シリウスBはシリウスB、シリウスAはシリウスAって言えば良いのよ」
メテーリが怒って言う
「だからっ!貴方こそ分かってないのよ!新世界の人もこの世界の人も 元は皆この世界の人で この世界の神様はシリウスA様なの だから、シリウス様って言っておけば!それはどちらのシリウス様であっても 結局シリウスA様のお力って事になるのよ」
ラーニャが立ち止まり不満そうに疑問して言う
「それじゃ!?シリウスBは タダ働きって事?シリウスBがやった事もシリウスAがやった事も ぜ~んぶシリウスA様のお力ってなっちゃうじゃない?」
メテーリが立ち止まり振り返らずに言う
「そ、そうよ… だから シリウスB様は 闇の王なのよ!」
ラーニャが呆気に取られ 一瞬間を置いてからメテーリへ怒って言う
「アンタ!それでも 本当にシリウスBの 仲間なの!?」
メテーリが一瞬驚き振り返って言う
「私はっ!」
ガイとルシフェルがやって来て ガイが言う
「メテーリ、それにラーニャ殿 貴女たちは何を言い争っているのか?」
メテーリが振り返って言う
「ガイ… ん?その子は?」
ルシフェルが衝撃を受け怒って言う
「その子だとっ!?俺の事を言っているのか!?娘!」
メテーリが衝撃を受け怒って言う
「娘!?娘ですって!?ちょっと 貴方!年上の女性に対して 失礼じゃない!親の顔が見てみたいわ!」
ルシフェルが驚き怒って言う
「なっ… なんと言う無礼な娘だっ!」
ガイが慌てて言う
「ルシフェル様っ 大変失礼致しました 彼女は私の部下で 多国籍部隊副隊長のメテーリと申します その後方が 新世界からの使者であられる ラーニャ殿です」
ラーニャが呆気に取られて言う
「ルシフェル様?… 何だか シリウスBに似てるわね?それに… ちょっとだけどバーネット陛下にも…」
メテーリが不満そうに疑問して言う
「えぇ?シリウスB様にぃ?何処がよ?肌だって透けてないし 目だって青っぽいじゃない」
ガイが苦笑して言う
「流石、ラーニャ殿」
メテーリが衝撃を受け小声で言う
「…流石 って どう言う意味よ?」
ガイが言う
「こちらのルシフェル様は シリウス様のご子息であられる」
ラーニャとメテーリが衝撃を受けて驚いて言う
「「えぇええーーっ!?」」
ガイが動じずに言う
「そして これより私は シリウス様の命を受け ルシフェル様をお送りする為 急遽、新世界へと向かう事になった メテーリ 私はいつ戻るか定かではないが 心配は無用だ ヴァッガスやロドウと共に 多国籍部隊を頼む」
メテーリが驚き心配して言う
「え!?新世界へ!?いつ戻るか分からないって… そんなんで どーやって心配しないで居られるのよ!?多国籍部隊の皆にだって 何って言ったら良いのか!」
ガイが微笑して言う
「心配が不要である理由は 新世界にも居られる 我らの神 シリウスA様が 私をこの世界へ戻らせてくれるであろうと言う考えからである これなら心配は無いであろう?」
メテーリが呆気に取られてから視線を下げて一瞬考え ラーニャをチラッと見てからガイへ向いて言う
「そんなのっ… 会った事も無い シリウス様の事なんて どうして 信じられるのよ…っ」
ガイが不思議そうに呆気に取られて言う
「どうして とは…?」
ルシフェルが言う
「俺もその娘の言う事が 正しいと思うけどな?」
皆が驚いてルシフェルを見る ルシフェルが言う
「確かに 父上と会っていた頃のシリウスAは 知識も力も優れていたって言うが… 作り物の体に入って この世界との通信すら出来ねぇ程だって言うんじゃ 過去のその力なんて失われっちまう 父上は期待してるみてぇだが 今更シリウスAと連絡を取り次いだって 他の王から 第二プラントを守るなんて事は…」
ルシフェルが視線を逸らす ラーニャとメテーリが不安げに顔を見合わせる ガイが微笑して言う
「大丈夫です ルシフェル様」
皆が驚いてガイへ向く ガイが言う
「貴方のお父上にして 我らの王である シリウス様が仰るのです こちらの世界の事は今まで通りシリウス様へお任せし 我々は一刻も早く 新世界のシリウスA様と御会い致しましょう」
ルシフェルが呆気に取られた後慌てて言う
「そっ そんな事は分かっている!父上が居られる限り こちらの旧大陸は守られる!俺が言っているのは 今この第二プラントを襲おうと言う 他国の王どもとの戦いに シリウスAや新大陸の者どもの力など不要だと言う事でっ!何故この忙しい時に わざわざ向こうの大陸の事など…っ!」
ガイたちが疑問して顔を見合わせる ルシフェルがハッとして顔を背けて言う
「ええいっ!貴様ら愚民に話したとて意味が無い!…父上の命だっ さっさと案内しろ!ガイ!」
ガイが一瞬呆気に取られた後軽く笑って言う
「はい、我ら下々の者には分かりません ですから、我らはシリウス様を信じ その命に従うまで」
ルシフェルが一瞬驚いた後 視線を逸らし言う
「う… うん お前は愚民の中でも まぁまぁ賢い者らしい 父上が俺の供に付けた理由も 分からなくも無い」
ラーニャとメテーリが呆気に取られ メテーリが怒って言う
「何よっ 子供の癖にっ」
ルシフェルがメテーリを睨み付ける ガイが苦笑し表情を困らせ 誤魔化して言う
「ささっ ルシフェル様 シリウス様も急ぎと仰せであられた 先を急ぐべきかと」
ルシフェルがツンとして言う
「ああっ!これ以上 愚かな娘と話す口は 持ち合わせておらん!行くぞ!」
ルシフェルが歩き出すガイが苦笑して続く メテーリがムッとして言う
「なんって嫌な態度!親の顔が…」
メテーリが言い掛けてシリウスBの顔を思い出しゾッとして言う
「いやぁ… 見たくないわ…」
ラーニャが苦笑して言う
「でも これから行くんじゃなかった?」
メテーリが表情を困らせて言う
「う… そうだった あぁ~… なんで私がリジューネ陛下からの伝達係な訳ぇ?」
メテーリが肩を落として歩き出す ラーニャが軽く笑って言う
「しょうがないじゃない?貴方しか ローレシアとガルバディアの移動魔法が出来る 暇な人が居ないんだから」
メテーリが怒って言う
「なら 貴方がやりなさいよ!?同じじゃない!?」
ラーニャが言い返す
「私は新世界からの使者なの!ザッツの代わりに 新世界とのやり取りをするんだって 決めたんだから!」
メテーリが怒って言う
「出来てない癖に!」
ラーニャが怒って言う
「うるさいわね!」
ヴァッガスが言う
「ああ、うるせぇぞ~?お前ら~」
ラーニャとメテーリが衝撃を受けヴァッガスへ顔を向ける ヴァッガスが玉座の間の中に居るシリウスBを見て言う
「シリウス様はなぁ?な~ん日も寝ねぇで 作業してるんだぜぇ?近くでキャンキャン騒いだら 作業の妨げになっちまうだろ?」
ラーニャとメテーリが一瞬呆気に取られてからヴァッガスの視線の先を見る シリウスBが眼を閉じて周囲にプログラムを発生させている ラーニャとメテーリが顔を見合わせすまなそうな表情をする ヴァッガスが言う
「…とは言え、俺もその要因の一つなんだよな 人の事言えねぇか…」
ヴァッガスが表情を困らせる メテーリが疑問して言う
「ヴァッガスが シリウス様の邪魔をしてるって言うの?」
ヴァッガスが俯いて言う
「ああ… さっきは思わず喜んじまったけど 冷静に考えりゃ 俺の事は後にして 少しでも休んでくれって 言えたかもしれねぇのになぁ…」
メテーリが表情を困らせて言う
「え…!?え…ええっと しょうがないわよ!…何だか分からないけど ヴァッガスの事って事は つまり…その… 私たちには言い辛いって言う 魔物の力を得た事に関係してるんでしょ?だったら… シリウス様には もうちょっと 頑張ってもらわないと…」
ヴァッガスとメテーリが表情を困らせて俯く ラーニャが疑問して言う
「はぁ…?えっとぉ~ 何?つまり、今は少し休んで それから 頑張ってもらったら良いんじゃないの?」
ヴァッガスが苦笑して言う
「まぁ、それはそうだけどよ ガイとルシフェル王子様が これから新世界へ向かう訳だし… 今はやっぱ休んでなんかは 居られねぇのかもな …け、けどなぁ?あんまり無茶しちまって それこそぶっ倒れたりしちまったら この世界の防衛だってやべぇ訳だし…?や、やっぱ~ 俺の事は後回しで良いって… 言うべきだよな!?」
ヴァッガスがラーニャとメテーリへ向く メテーリが慌てて言う
「ちょっとっ!駄目よ馬鹿ヴァッガス!」
ヴァッガスが言う
「けどよぉ!?」
ラーニャが怒って言う
「あーっ!もう!分かった!なら私が言って来てあげるわ!」
メテーリとヴァッガスが呆気に取られて言う
「え?」「あぁ?」
ラーニャが向かいながら言う
「何日も休まずやってるって言うんなら ちょっと休憩して下さいって 言えば良いだけじゃない?私がガツンと言って来てあげる!」
ヴァッガスが驚いて言う
「な!?ガ、ガツンと…!?」
メテーリが目を丸くして言う
「あ、あのっ シリウス様 に…?」
ラーニャが鼻息荒く一息吐いてから玉座の間へ入って行く ヴァッガスとメテーリが呆気に取られたまま見送る ヴァッガスの通信機が鳴り 2人が一瞬驚いてから ヴァッガスが通信機を着信させ言う
「ロドウか?見張りの交代はまだだろ?どうした?…え?新世界の!?」
玉座の間
ラーニャが玉座の間に進み入る シリウスBが玉座に座り目を閉じてプログラムに励んでいる ラーニャが言葉を選びつつ言う
「えっとぉ… シリウス…様?あの…っ 少し 休ん… 休憩を 取りませんか?あ、ほ、ほら!皆!すっごく心配してるし…?」
シリウスBが間を置いてゆっくり目を開く ラーニャが緊張する シリウスBが視線を少し強めて言う
「新世界の民は 世界を救えるほどの力を有しては居ない シリウスは奴らを信じ過ぎている …とは言え 事を急したが故に 私は多国籍部隊の彼らを 危機へと追いやってしまった… ヴァッガスへの影響も悪化させた …これ以上の遅れは 許されん」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後 怒って言う
「け、けどっ!だからってっ!何日も休まずプログラムとかやって そんな無理するアンタを 皆がどんだけ心配してるのか!アンタ全然分かってないんだからっ!」
シリウスBが無表情に驚き呆気に取られる ラーニャがハッとしつつも少し考え 意を決して言う
「す、少しは自分の体の事も考えてっ ちゃ、ちゃんと休む時は休んだりしないと!アンタの代わりなんて 誰も居ないのよ!?」
ラーニャが強く言い終えた後 瞑っていた目を開き慌てる シリウスBが間を置いて苦笑して静かに言う
「…フッ 皆が心配している か… 人々に心配される神など 居よう筈も無い …やはり私は 奴には敵わないな」
ラーニャが驚いて言う
「え?」
シリウスBが言う
「そうだな …少し 休むか」
ラーニャが驚いてシリウスBを見る シリウスBが軽く息を吐いて言う
「確かに… 疲れた ヴァッガスへは まもなく完了すると伝えてくれ 後はオートチェックプログラムが 最終確認を行う あわよくば、多国籍部隊の彼らへの影響も 同じプログラムを使い回せるかもしれない 新世界の防衛についても… ガイたちがシリウスと接触するまでは これ以上の備えは必要は無いかもしれん」
ラーニャが呆気に取られる シリウスBが微笑して言う
「ガルバディア城の防衛に 多国籍部隊の者たち ロドウたちが 付いてくれている ここは… そうだな お前に任せる 何かあれば すぐに起こせ」
シリウスBが目を閉じ眠りに着く ラーニャが止めたそうに手を出し掛けて言う
「あ… え?え?ちょっ!そこでっ!?」
シリウスBが寝息を立てている ラーニャが呆気に取られた後軽く笑い玉座の間を出て行く
玉座の間の外
メテーリが心配そうに玉座の間へ背を向けている ラーニャが玉座の間から出て来る メテーリがハッとして振り返って言う
「ど、どう!?どうだった!?ほ、本当にっ シリウス様に ガツンと言ってくれたの!?」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後 得意気に笑んで言う
「も、もっちろんよ!私が一言ガツンと言ったら 素直に寝ちゃったわよ!?ほ、ほんっとっ アンタ達ってだらしないのね!?」
メテーリが驚いて言う
「す、凄い… あのシリウス様に ガツンと言えるだなんて… でも、良かった…」
メテーリが微笑してホッと一息吐く ラーニャが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「あのさぁ?大体、そんなに心配だったんなら 何で少し休んでくださいーの一言が言えないのよぉ?普通、心から心配して 言ってもらえるんなら 言われた方は喜ぶものじゃない?」
メテーリが驚いて言う
「そ、それはそうかもしれないけどっ!大体っ シリウス様は 私たちの神様なのよ!?ガイだって 下々の我らが お体の心配をするのは 失敬である とか言ってたしっ?」
ラーニャが言う
「神様ねぇ~?それこそ新世界のガルバディア国王にだって 私たちは別に神様だ何て思ってなかった訳だし… あ、そうだ ヴァッガスは?」
メテーリが疑問して言う
「え?」
ラーニャが周囲を見渡して言う
「シリウスBが伝えてくれって…」
メテーリが言う
「シリウス様が ヴァッガスに?何だろう?ヴァッガスならさっき… あ!」
ラインツが現れ軽く笑んで言う
「よう!え~っと ラーニャ!お前 あん時はびっくりしたぜー?!けど、元気そうで何よりだぜ!」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後 驚いて言う
「貴方はあの時の!シリウスAと一緒に居た!どうして貴方がここに!?皆と一緒に新世界に戻ったんじゃなかったの!?」
ラインツが微笑して言う
「おうっ 一度新世界へ帰って また来たんだ!あ~ そうそう、ザッツ6世の事は 聞いたぜ… 連れ戻すのは難しいんだとかってな?…けどよ!シリウスもザッツ6世を取り戻してやるって その為にも戦うって言ってたぜ!?だから、きっと大丈夫だ!」
ラーニャが呆気に取られた後微笑する ラインツが笑んだ後ニヤリと笑って言う
「あ!それで お前!実はその異世界の王に捕まっちまった ザッツ6世を待つ為に こっちの世界に残ったんだって?へへっ妬けるなぁ?」
ラーニャが一瞬呆気に取られた後顔を赤らめ恥ずかしがって言う
「え!?あ!ちょっ そんな!あ、あたしとザッツは そんな仲じゃないんだから!」
ラインツが笑んで言う
「そう誤魔化す事ねぇ~じゃねぇ~か?早く会えると良いなぁ!?」
ラーニャが照れながらも微笑する メテーリが言う
「貴方が新世界から来た… 新世界のシリウス様の相棒だって言う?」
ラインツが軽く笑んで言う
「おうっ!元新世界アバロンの王で シリウスの相棒もやった ラインツだ シリウスBに会いに来たんだが… 奴は玉座か?」
メテーリが首をかしげながら言う
「元新世界のアバロン王で 新世界のシリウス様の相棒… そんな貴方が わざわざ来ての用事って事は 何か重要な?…もしかして!シリウス様からの使者っ!?」
ラインツが一瞬表情を忍ばせた後微笑して言う
「あ?あ~… おうっ そんな感じだぜ!それじゃ 早くシリウスBに会いてぇからよ!またな!」
ラーニャとメテーリが見送り掛け メテーリがハッとして言う
「あ、ねぇ!待って!?ヴァッガスは?ロドウから貴方が来たって連絡を受けて 確認に行くって…!」
ラインツが一瞬足を止め横目にメテーリを見てから 足を進めて顔を向けずに言う
「あ、ああ… あの狼少年は… 外で見張りするってよ?」
ラーニャとメテーリがラインツを見送りつつ ラーニャが言う
「見張りの交代って まだじゃなかった?」
メテーリが首を傾げてから気を取り直して言う
「どうしたんだろ…?あんなに いつも見張りを嫌がるのに」
ラーニャが思い出して言う
「あっ!いっけなーい!私、シリウスBに 何かあれば起こせって言われたんだった!…もぅ これじゃ結局 全然休ませてないじゃない~っ」
メテーリが微笑して言う
「なら、貴方はシリウス様を起こしに行って?シリウス様からヴァッガスに 何か伝言があるって言ってたわよね?そっちは私がヴァッガスへ伝えるから」
ラーニャが言う
「う~… まぁ そうね、何だかおまけみたいに言われたけど?一応任された訳だし …ラインツ元国王様から もっと新世界の話や 皆の話を聞けるだろうしね?」
ラーニャが微笑みメテーリへ一言伝言を伝え メテーリが頷き外へ向かう ラーニャが玉座の間へ向かう
【 新世界ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが目を閉じてプログラムを行っている ヴィクトール11世が笑顔で居眠りをしている シリウスAが表情を渋らせ目を開き 溜息を吐いて言う
「うむぅ~ 駄目じゃのぉ やはりこの義体のスペックでは こちらの大陸の防衛すら叶わぬか… Bがこちらの防壁を強化してくれおったと言う事は きっとまた この第2プラントを… 我を襲おうとしておる者が居るのじゃ …またリゲルかのぉ?何にせよ 再びBとの連絡を取る方法を探さねばならぬが…」
シリウスAが視線を下げる ヴィクトール11世の猫耳が動き シリウスAを見上げて言う
「シリウス?旧世界のシリウスBと連絡を取るなら また聖魔力を抽出したら良いじゃない?そんなに表情を困らせるシリウスなんて… 僕ちょっとびっくりだよ?」
シリウスAが苦笑し ヴィクトール11世の頭を撫でながら言う
「ヴィクトール お前に心配をかけてしもうたか?案ずるな お前は我の猫じゃ 我のそばに居るからには 何があろうと のんびりとして居れ」
ヴィクトール11世が笑顔で撫でられてから シリウスAを見上げて言う
「うん!僕はシリウスのそばに戻ったんだもの 何も心配はしてないよ!…ただ、シリウスにはやっぱり いつものシリウスで居てもらいたいと思って 何か困ってるみたいなシリウスは シリウスらしくないよ?」
シリウスAが苦笑して言う
「我らしくあらぬか… そうじゃな バーネット2世の遺伝子情報で作ったとは言え やはり義体は義体… これでは 本体の半分も力が出せぬ 今は旧世界との通信より 我の身を探す方が先かのぉ」
ヴィクトール11世が不思議そうに瞬きした後言う
「シリウスの… 本当の体?…僕… 見た事無いよね?」
シリウスAが苦笑して言う
「ふむ、そうじゃな 我の本体は… 昔、我が気に入った美しい女王に恐れられてしもうての?それ以来 ずっと隠して居ったのじゃ 以前は度々戻っては 程良いプログラムなど作っておったのじゃがな… それと 義体が安定せぬ時などにも 良かったのじゃが …まさか 預けておいたまま どこかへ封じられてしもうとは 我も少々甘かったのかのぉ…」
ヴィクトール11世が呆気に取られて言う
「女王様に恐れられた…?シリウスの本当の姿は そんなに怖いの?…僕も 怖いかな?」
ヴィクトール11世が尻尾の毛を逆立て身震いする シリウスAが苦笑して言う
「どうじゃろうのぉ?ヴィクトール お前は あのシリウスBを恐ろしいと思うたか?」
ヴィクトール11世が呆気に取られてから少し考え笑顔で言う
「え?ぜ~んぜん!だって僕 分かったもん!あれはガルバディアの機械のせいだって!シリウスBの体は ガルバディアの民やシリウスよりも とっても機械の匂いがした…っていうか 薬の匂いなのかなぁ?シリウスBのね?肌からそんな匂いがしてたんだ だから…あ、でも そういえば 匂いに敏感じゃなかった時は ちょっとびっくりしたかも…」
ヴィクトール11世が思い返す様に斜め上を見上げ疑問する シリウスAが衝撃を受け言う
「び…びっくりしおったか?や、やはり… 化け物や その類の おぞましい者に見えてしもうたかっ?」
ヴィクトール11世が笑顔を向けて言う
「大丈夫だよシリウス!ちょっと驚いただけで ちゃんと話したら すぐに優しい人だって分かったもん!シリウスBも 僕の大好きなシリウスと同じだって!」
シリウスAが苦笑して言う
「そうか… そうじゃのぉ Bは少々悪ぶって居るが 本当はとても優しい奴なのじゃ 我の大切なパートナーなのじゃ」
シリウスAが笑顔でヴィクトール11世の頭を撫でる ヴィクトール11世が笑顔で撫でられ 間を置いて言う
「ふふふ~ …あれ?何の話してたっけ?…ま、いっか?」
【 ローゼント城 玉座の間 】
アンネローゼが言う
「両世界の和平は結ばれたのです ですから、もう旧世界の民が こちらの新世界へ機械兵や兵士を送る事も無いと思われております」
ベハイムが言う
「旧世界のシリウスBは 両世界の戦いが行われる以前から 兵の強化を行っておりました …本当に和平は結ばれたのでしょうか?アンネローゼ女王は 両世界の和平についての そのお話を 直接シリウスAから 聞かれたのですか?」
アンネローゼが一瞬間を置いた後表情を強めて言う
「私自身が聞き及んだ訳ではありません しかし、私の夫が その耳で聞き 私へ伝えてくれました 従って その言葉を疑う余地は どこにもありません」
ベハイムが一瞬間を置いた後言う
「新世界ローゼントの女王と その夫 …分かりました アンネローゼ女王はシリウスAの言葉を信じるのではなく あくまで その言葉を信じたヴェルアロンスライツァー王配殿下を 信じられると 仰るのですね?」
アンネローゼが言う
「彼の人を見る目は確かです そして、私は ヴェルアロンスライツァーを心から信じております」
ベハイムが言う
「では、その王配殿下を説得しなければ アンネローゼ女王陛下と このローゼントは動かれない それでは早速、私は ヴェルアロンスライツァー第二国王陛下の下へ参ります …もっとも、彼の説得の方が 既に終えられておりますかもしれませんが?…失礼」
ベハイムが微笑した後立ち去る アンネローゼがその後姿を見つめる アンネローゼの後方で僅かにプログラムが見える
【 ソルベキア国 スファルツ邸 】
スファルツがモニターを見上げて言う
「ベハイム… ベハイム・フロッツ・クラウザー… 先ほどローレシアの玉座の間に現われた リジューネ女帝と言い 旧ローレシア帝国から救出した者たちが 旧世界からの襲撃に備える様 伝え向かっている… 両世界の和平は結ばれたと言うのに何故…?」
スファルツがしばらく考えた後顔を上げ 立ち上がって言う
「仕方がありませんね 不本意ではありますが 私だけでは何も出来ません」
スファルツが立ち去る
【 スプローニ城 玉座の間 】
シュリが言う
「…シリウスBは先の新世界侵略以前から 戦力の増加上昇を模索しシミュレートしていた 結果的にその戦力は新世界への侵略に使われはしたが シリウスBは 間違いなく 今も 戦力の増加上昇を模索している このまま新世界の平和に安堵していては 次の時は免れない」
シュリが一度視線を別へ向けてから 再びロキへ戻して言う
「…この新世界スプローニ国は 旧世界スプローニの民である 私にとっても第二の故郷と言える その国の王である卿が 現状の貧弱な戦力に 満足している様では困る」
ロキが言う
「…つまり、旧世界スプローニの 生き残りであると言う卿が 俺に言いたい事は 旧世界との戦いは 近い内に再び行われる …と言う事か 更に、現行のスプローニの兵では その時に 打ち勝てないと」
ヴェルアロンスライツァーが言う
「このスプローニは現在 ローレシアからの魔力者を 正式にスプローニの部隊へ編入させるよう 取り計らっている最中 この事は ローゼントでも行われていない 画期的な試み 全てが順調に行けば スプローニの魔法銃部隊は ローレシア、ローゼントの2国から作られる 魔法剣士部隊を超える力さえ持てるのだ …と、これほどの事を行っている スプローニの王へ 貴殿は何を言われるのかっ!?」
ヴェルアロンスライツァーが怒りを持って手を振り払う ロキがヴェルアロンスライツァーへ向きボソッと言う
「…それはそうかもしれんが …己の祖国を下げる言葉を 当人が… しかも 王配である卿が言うとは やはり俺は卿の考えには」
シュリがヴェルアロンスライツァーへ向いて強く言う
「甘いっ!その程度の戦力では シリウスBの作り出す兵には 到底敵う筈が無い!…俺が言っているのは 既に存在する戦法を超える 新たな力への模索だ!」
ヴェルアロンスライツァーが怒って言う
「新たな力を求めるより!まずは現在存在し得る 最良の試みを確固たるものにしようと 言っているのだ!そもそも王の考えに 口出しするとはっ!貴殿には 国王への忠誠心と言うものがあらぬのかっ!?」
ロキがシュリへ言う
「…何か良策があるのか?」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒って叫ぶ
「ロキーっ!!貴殿は 国王としての尊厳を 徹底死守すべきであると いつもっ」
シュリが言う
「…それは卿が考えろ 俺は模索しろと言っている」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒って言う
「貴様ぁあーーっ!このスプローニを第二の故郷とするのなら!貴殿は少なくとも そのスプローニの王へ対し 敬意を重んじるべきであって!」
ロキがシュリへ言う
「…では、俺は卿を スプローニの策士として向かえる 従って 卿はこのスプローニの為 新たなる力を得る方法を考えろ」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒ってロキへ向いて言う
「待てーいっ!ロキ!スプローニの王は貴殿だけではない!第二国王である このヴェルアロンスライツァーの同意も無ければ その様な大事を任せる策士を迎えるなどと言う事は!」
ロキが言う
「…俺は ラグヴェルス前陛下から このスプローニを任されるに当たり助言を受けた …今までの様に 世界に唯一の銃使い国である事を固持し 他考えとの交わりを遠ざけるのではなく それらと共に進み その中に置いて銃使いとしての心を 強く持ち続けるのだと …俺も それは必要な事であると知っている 卿のお陰でな」
ヴェルアロンスライツァーが呆気に取られて言う
「ロキ… そうか、それで貴殿は この銃使いの国の第二国王と言う 重大な座に 長剣使いである この私を」
ロキが言う
「卿が居てくれれば ローレシアの魔力者を引き抜くのに程良かった 卿は相手が銃使いであろうと魔力者であろうと 何の躊躇も無く踏み入れるからな …と、言う事で 魔力者は間もなく手に入るだろう 次は別の力の元へ踏み入って来て貰うか そうだな、ローレシアの魔力者を手に入れたとなれば、残るは この世界で最強の力 ガルバディアのプログラマーか?ヴェルアロンスライツァー?」
ヴェルアロンスライツァーが衝撃を受け怒って言う
「なぁあーーっ!?それはどう言う事か ロキ!?貴殿は 私を長剣使いとして そして、貴殿の相棒として このスプローニへ迎えたのではなかったのか!?…いやっ!もう良い!如何にヴェルアロンスライツァーとの名を持つ私であっても これ以上は我慢ならぬ!やはり私が傅くべき王は アンネローゼ様 唯一なのだ!」
ヴェルアロンスライツァーが怒って立ち去る 周囲のスプローニ兵が顔を見合わせロキへ向く シュリが呆気に取られた後苦笑し 改めてロキへ向いて言う
「…俺を策士に…か… まぁ良いだろう ロキ国王 このスプローニを守る為 卿はまず最良の選択をした 銃使いの国であるスプローニの第二国王の地位に ローゼントの長剣使いなど 何の役にも立たない 同じ銃使いの俺に 全て任せてくれれば この新世界を守る最強のスプローニ国を作れるだろう」
シュリが微笑する ロキがシュリを見下ろし言う
「…スプローニ国憲法 七万六千三百五十四条三項 如何なる理由があろうとも 国王の前で他国の兵を愚弄する事を禁ずる」
シュリが呆気に取られる ロキが続けて言う
「共に 同法同条四項 如何なる理由があろうとも スプローニ国民の相棒を蔑む事を禁ずる 以上の各法に触れし者へ 各々禁固2週間の刑に処する」
ロキの後ろに居た書記が分厚い本に認めた後言う
「スプローニ国新憲法 七万六千三百五十四条三項 同法同条四項 認(したた)めました!」
ロキが言う
「…連行しろ」
シュリが驚いて言う
「なっ!?お前!どう言う事だ!?」
スプローニ兵がシュリを押さえ言う
「ロキ陛下 この者は スプローニ国新憲法 七万六千三百五十四条三項に違反した者 と言う事でよろしいでしょうか?」
ロキが言う
「…違う スプローニ国新憲法七万六千三百五十四条三項 と共に 同法同条四項にも触れている 諸卿も聞いていただろう」
スプローニ兵たちが顔を見合わせ微笑み会う シュリが連行される スプローニ兵たちの後方に居たベルグルが軽く笑った後 急いでヴェルアロンスライツァーを追って駆け出す
スプローニ国 城下町
ベルグルが道を走って行く 先に居るヴェルアロンスライツァーの下へ追いついて言う
「ヴェルアロンスライツァー副隊長ーっ!ロキ隊長はッスね!やっーぱりヴェルアロンスライツァー副隊長の事 相棒として大切に思ってるッスよ!だから!」
ヴェルアロンスライツァーが歩きつつ軽く笑って言う
「ああ、分かっている ロキは私にとっても大切な相棒だ 我々は世界一の相棒だからな」
ベルグルが呆気に取られた後 疑問して言う
「うー…?けど ヴェルアロンスライツァー副隊長?さっきは ロキ隊長も ヴェルアロンスライツァー副隊長も 本気で離れようとしてたッスよ?俺はッスね 2人のそう言う気持ちには すっごく敏感なんッス だから いっつも心配しててッスねー それに、ロキ隊長は 折角ヴェルアロンスライツァー副隊長に スプローニ国の第二国王様になってもらったのに なんだかいっつも 落ち着かない感じだったッス だから俺も 何だかずっと心配で 嬉しいのに心配で あんまり嬉しく思えなかったんッスよ?」
ヴェルアロンスライツァーが苦笑して言う
「それは 私も同じだった ローゼントとスプローニの友好を取り戻す為だと ローゼントのハリッグ前国王陛下に諭され引き受けはしたが 同じく スプローニのラグヴェルス先代国王陛下から諭されたロキも 私と共にスプローニの王を務める事へ 一物の不安があったのだろう」
ベルグルが首を傾げて言う
「一物の不安…?って何ッスか?ヴェルアロンスライツァー副隊長?」
ヴェルアロンスライツァーが言う
「私とロキは アバロンのヘクターとデスの様に 互いの意見を尊重し合うと言う事が 苦手なのだ 元々私とロキの考え方は 似て非なるもの それでも、戦いの場に置いては絶妙な均衡を持って問題は無かったが やはり、一国を賄うと言うことに置いては そうは行かない 国をまとめるべき2人の国王が 互いに譲り合わない2人であってはな」
ベルグルが残念そうに言う
「それじゃ、もしかして さっきのロキ隊長の言葉も 夢の世界と同じで ヴェルアロンスライツァー副隊長の事を 助ける言葉だったんスか?」
ヴェルアロンスライツァーがベルグルへ向き軽く笑って言う
「うむ、よく分かる様になったな ベルグル それでこそロキの第二の相棒だ」
ヴェルアロンスライツァーがベルグルの頭を撫でる ベルグルが一瞬驚いた後嬉しそうに微笑む ヴェルアロンスライツァーが頷いて言う
「これで私も 安心して 貴殿へ一任する事が出来る」
ベルグルが驚き疑問して言う
「え?一任って 何を任せてくれるんッスか?ヴェルアロンスライツァー副隊長?」
スプローニ城 玉座の間
ベルグルが喜んで言う
「ヴェルアロンスライツァー副隊長の代役はッスね!相棒も!第二国王も!どっちも俺がやるッスよー!ロキ隊長!」
ロキが怒って言う
「あの唐変木ー!!馬鹿犬にスプローニの第二国王を任せるとは 相変わらず 奴は何を考えているんだぁー!?」
スプローニ兵たちが焦りの汗をかく ベルグルが笑顔で居る
【 ベネテクト城 玉座の間 】
セーリアが言う
「ベーネット陛下、どうか ベーネット陛下から アバロンやソルベキア、そして ローレシアの国王様方へ 提唱して頂けませんでしょうか?ザッツは 決して新世界の民へ危害を与えるつもりで 旧世界の民を導いた訳ではないのだと」
ベーネットが言う
「私はザッツロード7世が この新世界へ仇なす者ではない と言う事は信じたいと思っている しかし」
ヴィクトール14世が言う
「新世界の危機であった 先の戦いの折 ザッツロード7世は ローレシアの民を使い 私を捕らえさせた …結果的に それによる世界的な損害は免れたが ベーネットが迅速な対応を行わなければ ベネテクト、デネシアの魔法剣士傭兵部隊は 最悪戦えなかったかもしれない」
セーリアが言う
「ザッツはシリウスBからの使者を 各国の王様方へ会わせる為の手招きをしただけなのです それがどう言う訳か シリウスBからの使者たちが 新世界の国々を襲う結果となってしまうとは 夢にも思っていませんでした この様な事を今更言っても にわかには信じて頂けません しかし、慈愛の王であられる ベネテクトの王 ベーネット陛下であるなら そんなザッツにも 力添えを頂けるのではないかと」
ベーネットが苦笑して言う
「セーリア殿、私は確かにベネテクトの王ではあるが 慈愛の王では無いのだよ …もっとも慈愛の王の子孫である事は確かだ 従ってそうありたいとは思っているけれどね?」
セーリアが一瞬呆気に取られる ヴィクトール14世が微笑して言う
「慈愛の王は ガルバディアの王だものね?そして、シリウス国王の子孫であるベーネットは 私から見れば 十分にその精神を受け継いでいると思うよ?」
ベーネットがヴィクトール14世へ向き苦笑して言う
「それは どうも」
ヴィクトール14世が微笑む セーリアがヴィクトール14世へ向いて言う
「ヴィクトール14世様 私たちはずっと夢の世界にて 貴方様の御尊父 ヴィクトール13世様のお導きを受けておりました そして、ヴィクトール陛下の友情の王としての力は とても強く心強いものでした ヴィクトール14世様 貴方様もそのお力を引き継いでおられるでしょう そのヴィクトール14世様の力添えも 頂ければ」
ヴィクトール14世が疑問して言う
「え?私の父が友情の王?」
セーリアが微笑して言う
「はい、ヴィクトール13世様は 夢の世界では アバロンの王であられ 友情の王として とても強いお力を持っておられました この現実世界では ヴィクトール12世様の代で アバロンの王は変わってしまいましたが あの友情のお力は きっと現実世界でもご健在であられるのではないかと」
ベーネットが微笑して言う
「ヴィクトール12世様13世様 そして、このヴィクトール14世も 一大剣使いとしての力と共に アバロンの力を持つ者に変わりはありません しかし、やはり アバロンの王では無く 彼らは我らガルバディアの王族の 歴代の飼い猫です 最近ではすっかりベネテクトに住み着き アバロンに近いベネテクトの料理に満足し 剣術の稽古に遊び 何の悩みも無く 長々と寝ている有様 とても ザッツロード7世の釈放を論ずる事が出来るとは …思えませんね」
ベーネットが一つ溜息を吐く ヴィクトール14世が照れる セーリアが呆気に取られ呆れの汗をかく
【 シュレイザー国 城下町 】
バーネットが上体を上げて言う
「よーし これで漁船探知機の修理は終了だぁ どぉおだぁあ?ちゃぁーんと映ってやがるだろぉお?」
バーネットが高台へ顔を上げて叫ぶ 高台の窓からシュレイザー兵が顔を出して叫ぶ
「レーダーに漁船の船影が映るようになりましたー!これでもう 自国の漁船を異国の戦艦と間違えずに済みます!」
バーネットが苦笑して言う
「やれやれ、んにしても こんな単純な故障を5年以上も放置して 世界一の海軍を持つシュレイザーが 全ての船影にビビってやがったとはなぁ?あのチョッポクルスの奴ぁ 何やってやがるんだぁ?」
バーネットが首を傾げる ヴィクトールが走って来て言う
「バーネットー!」
バーネットが疑問して振り返る ヴィクトールが嬉しそうにやって来て言う
「バーネット!見て見て!僕たちの周囲に潜んでいたネズミを ひっ捕らえたよ!えへへ、僕 猫みたいでしょー?」
ヴィクトールがネズミの尻尾を掴んで持っている ネズミが逃げたそうに暴れている バーネットが呆気に取られた後苦笑して言う
「ハッ!どこほっつき歩いてやがるのかと思ったら てめぇはネズミなんざを 追っ掛け回してやがったのかぁ?」
ヴィクトールが笑顔でネズミをバーネットへ向けて言う
「うん!バーネット 褒めてくれる?飼い猫の功績を ちゃんと褒めるのも 飼い主の務めだよ?」
バーネットが呆れて言う
「あのなぁ…?てめぇらは ガルバディア国王の歴代の飼い猫だって 一応人なんだぁ 夢の世界じゃ アバロン帝国の皇帝様までやりやがった奴がぁ 猫の真似してネズミなんざ おっ駆けてやがるんじゃねぇよ?」
ヴィクトールが頬を膨らして言う
「ぶーっ バーネット、褒めてくれないの?猫の真似は洒落にしても このネズミはずっと僕らを監視してたんだよ?もしかしたら 悪の手先かもしれないじゃない!?」
ネズミが衝撃を受ける バーネットが疑問して言う
「あぁ?このネズミが悪の手先だぁ?」
バーネットがネズミを覗き込む ネズミがバーネットへ向いて慌てて否定する バーネットが悪戯っぽく苦笑した後 ヴィクトールへ向き直って言う
「…フンッ ならぁまずぁその悪ってぇのは 何だぁ?」
ヴィクトールが普通に首をかしげ言う
「さぁ?」
ヴィクトールが笑顔のまま居る バーネットが呆れて一息吐く ヴィクトールが困った様子で言う
「だってぇ、何となくそんな気がするんだもの!バーネットは 僕のアバロンの力を信用してくれないのー?」
バーネットがヴィクトールへ向いて言う
「ヴィクトール、てめぇは 初代ヴィクトール1世が 何でガルバディアに来やがったのか 知ってやがるのかぁ?」
ヴィクトールが呆気に取られて言う
「え?ううん 全然」
バーネットが苦笑して言う
「ヴィクトール1世はなぁ?てめぇのアバロンの力の貧弱さに 落ち込んで現われやがったんだとよ?まぁ丁度その時 ガルバディアの王シリウス国王も 自分が飼っていた猫を失っちまって 落ち込んでやがったぁ …んな訳で 程よく現れやがった その時失った猫と同じ毛色で同じ目の色をしたヴィクトール1世を シリウス国王は その猫の代わりに従えたんだぁ ガルバディアには 茶色の髪の奴ぁは居やがらねぇからなぁ?」
ヴィクトールが一瞬呆気に取られた後 微笑して言う
「へぇ~ そのシリウス国王が飼っていた猫の代わりだから シリウス国王の相棒であるヴィクトールは 飼い猫って呼ばれるんだね?」
バーネットが言う
「そう言うこった ガルバディアに住めるのは プログラムを使えるプログラマーだけだからなぁ?その力を持ち合わせてねぇ てめぇらは ガルバディア国王の飼い猫ってぇ地位を持つ事で 滞在が許されやがったんだよ」
ヴィクトールが苦笑して言う
「シリウス国王が飼い猫を失ってしまった事は残念だったけど お陰でヴィクトール1世はシリウス国王に助けてもらえたんだね 僕らはその猫に感謝しないと!」
バーネットが苦笑して言う
「それこそ本物の猫だっただろう シリウス国王の飼い猫に感謝してぇってぇなら構わねぇが お陰で出来損ないのアバロンの民が 14代に渡って残っちまったけどなぁ?はっはー!」
ヴィクトールが不満そうに言う
「あー!酷いよバーネット!僕のアバロンの力は 貧弱なだけであって 全く無い訳じゃないんだもん!僕にだってアバロンの力は ちゃんとあるの!その力が 僕にこのネズミを捕らえさせたんだよ?」
ヴィクトールがネズミをバーネットへ向ける ネズミが暴れる バーネットが一瞬呆気に取られた後微笑して言う
「まぁ、真相を言い当てる アバロンの力は貧弱かもしれねぇが 何かを感じ取れるってだけでも 大した物だぜぇ …なぁ?チョッポクルス?」
ヴィクトールが呆気に取られて言う
「え?」
バーネットがネズミに手をかざし目を閉じてプログラムを実行する ネズミの体が光り チョッポクルスに変身して チョッポクルスがヴィクトールへ向き怒って言う
「こ、この~~ 適当ヴィクトール~~! よ、余の尻尾を掴むではない~~! さ、逆さまにされるのは く、苦しいのじゃぞ~~!?」
ヴィクトールが呆気に取られた後考え 笑顔で言う
「バーネット ほら、悪の手先ー!」
ヴィクトールがチョッポクルスを指差す チョッポクルスが怒って言う
「よ、余のどこが~~ あ、悪の手先~~ じゃぁ~~!」
バーネットが気を取り直し軽く首を傾げて言う
「ふんっ 悪の手先じゃぁねぇにしても なんったって 俺らの周囲に居やがったんだぁ?漁船探知機の修理なら 事前に話しておいた筈だぁ それとも ネズミに化けて偵察しなきゃならねぇ程に この俺の事が信用出来なかった とでも言いやがるのかぁ?」
チョッポクルスが改めて言う
「ち、違うわ~~ よ、余はお前たちを誤魔化す為 ね、ネズミになってた訳では な、無いんじゃ~~ お、お前に た、助けて貰おうと思って~~ じゃ、じゃなぁ~~」
バーネットが一瞬呆気に取られた後 疑問して言う
「あぁ?俺に助けて貰おうだぁ?悪ぃが うちにはデケェ猫が 2匹も居やがるんだぁ この上ネズミなんざ飼えねぇぜぇ?」
ヴィクトールがふざけて猫の真似をして チョッポクルスに牙をむく チョッポクルスが慌てて怒って言う
「よ、余は 3大国家の一つ シュ、シュレイザーの こ、国王じゃぞ~~!ち、小っぽけなベネテクトへ~~ ぼ、亡命など~~ せぬわ~~!そ、それから お、お前も~~ じょ、冗談でも 牙を剥くでない~~!あ、あいつにそっくりじゃ~~!」
ヴィクトールとバーネットが顔を見合わせ疑問した後 バーネットがチョッポクルスへ言う
「あいつだぁ?一体誰の事を言ってやが…」
バーネットの言葉の途中でヴィクトールがハッと気付き 瞬時に剣を抜き攻撃を弾き返す バーネットとチョッポクルスが驚き顔を向けた後 チョッポクルスが慌てて叫ぶ
「あ、あいつじゃ~~!ほ、ほれ~~ お、お前たちが あ、あいかわらず~~ の、のろのろ~としておったから~~ み、見つかってしまったわ~~!」
チョッポクルスが慌ててバーネットの後ろに隠れる バーネットが一瞬チョッポクルスを見た後 顔を向けると 襲撃者が唸り声を上げて身構える バーネットがハッとして言う
「な!?て、てめぇはっ!旧世界の!?」
ヴィクトールが剣を構える バーネットが言う
「ヴィクトール!待ちやがれ!そいつはっ!」
ヴィクトールが言う
「分かってる、先の戦いで シュレイザーに現われたって言う 旧世界の戦士 ヴァッガス」
ヴァッガスが唸る バーネットがヴィクトールを抑えようとして言う
「なら剣を向けやがるんじゃねぇ!旧世界とは和平を結んだんだぁ 今更争う必要はねぇだろ!?」
ヴィクトールが気を引き締めて言う
「でも、向うは戦うつもりだよ バーネット!僕にサポートを!」
バーネットが言い掛ける
「馬鹿言いやがるんじゃねぇえ!んな事出来やがる訳が!」
ヴァッガスが襲い掛かる ヴィクトールが押さえに向かうが ヴァッガスのスピードが勝りヴィクトールを回避してバーネットへ向かう バーネットが驚くヴィクトールが叫ぶ
「バーネット!!」
バーネットが舌打ちして表情を顰めると 瞳の色が変わり 周囲にプログラムが発生する ヴァッガスの攻撃がバーネットの目前で弾かれ ヴァッガスが一度弾き飛ばされる ヴァッガスが体制を立て直し構えると バーネットの前に ヴィクトールが雷のサポートを受けた状態で身構える
【 ローレシア城 玉座の間 】
ルーゼックが驚いて叫ぶ
「ヴィクトール13世が旧世界の戦士と戦い 重傷だとっ!?」
キルビーグが言う
「旧世界の戦士が 新世界に現れたと申すのか?それとも 以前に来たまま残っていたと申す事なのか?」
ルーゼックが言う
「ええいっ!それより!奴の容態は!?命に別状はあらなんだかっ!?」
通信モニターのスファルツが言う
『詳しい事は教えて頂けませんでしたが シュレイザーにて治療を行い 現在はベネテクト城へ戻られたとの事 そして、旧世界の戦士に関しましては 以前シュレイザーを襲った旧世界の戦士ヴァッガスが 再びシュレイザーへ現われ 国王の命を奪おうとし その折 たまたま同国へ 何でも屋として出張修理へ出向いていた バーネット2世ベネテクト国第二国王陛下と その飼い猫ヴィクトール13世殿が 応戦する事となったそうです しかしながら、彼らの力を持ってしても 旧世界の戦士ヴァッガスとは…』
バーネット1世がホログラムで現われて言う
『バーネットとヴィクトール13世の力が劣った訳じゃねぇ 片や命を奪おうと攻撃を仕掛ける者 片や戦いを止め 理由を問い正そうとする者じゃぁ 端っから戦いにならねぇんだよ』
ヴィクトール12世がホログラムで現われ 苦笑して言う
『とは言え、元々我ら 雷鳴の剣を操る戦士は 一対一の戦いは苦手であるからな?本気で戦い合ったとしても あのヴォーガウルフの力を持つ旧世界の戦士を 打ち負かす事は難しかっただろう』
バーネット1世が衝撃を受け 怒ってヴィクトール12世へ言う
『ばっ!てめぇえは!例え事実でも 他国の王の前で てめぇの弱点を言いやがるんじゃねぇえ!』
ヴィクトール12世が照れる キルビーグが微笑して言う
「お二方のその様子なら ヴィクトール13世殿のお怪我も スファルツ卿が申すほど深刻なものでは あらぬのかもしれぬな?」
ルーゼックがキルビーグを見て苦笑する スファルツが疑問してバーネット1世のホログラムへ向く バーネット1世が少し困った様子で言う
『まぁ、深刻って程じゃぁねぇが あの様子じゃ しばらくは戦えねぇな… とは言え ベネテクトはバーネット3世が 実質国王だからなぁ 第二国王とその相棒が戦え無くったってぇ 国の防衛は賄えやがる』
ヴィクトール12世が言う
『彼らと戦った旧世界の戦士ヴァッガスは バーネット2世殿とヴィクトールが何とか取り押さえる事に成功し 現在はシュレイザー城の檻に捉えられて居る 一先ず 彼によるこれ以上の被害はないだろう』
ルーゼックが言う
「そうか… しかし、その者が 何処から現れたか などの確認が致されぬ限り 他の戦士さえも再び現れると言う事も考えられるであろう 以前確認された移動魔法陣は封鎖したと申すのに 一体何処から参りおったのか」
スファルツが言う
『はい、そこで バーネット1世様が 旧世界の戦士を捜索するプログラムを用意し まずは各国へ警戒を呼びかける事に致しました』
キルビーグが感心して言う
「おおっ 流石はシリウス国王のご子息 その様なすばらしいプログラムを作られ この世界を守ろうと」
バーネット1世が腕組みをして得意気に言う
『おうよ、ちょいと時間を食っちまってるがぁ すぐに作らせるからよぉ それまでの間はてめぇらで 警戒しといてくれや』
ルーゼックとキルビーグが疑問する バーネット1世が笑んで言う
『すまねぇえなぁ?この鈍臭ぇバッツスクロイツの奴が』
スファルツの映っていた通信モニターがジャックされ バッツスクロイツが映って叫ぶ
『俺ーっ!?やっぱ俺っちのせいですかー!?』
バーネット1世が怒って言う
『るせぇええ!てめぇえは スファルツの通信なんざジャックしてやがる暇がありやがんなら とっととプログラムを完成させやがれぇええ!でもって ついでに 奴がどっから現われやがったのか!?奴の目的は何なのかも 確認するプログラムを作りやがれぇええ!』
バッツスクロイツが怒って言う
『超ー信じられないんですけど!?この人ーっ!そーんなプログラムなんて マジ在り得ないーって感じー!』
バーネット1世が怒って言う
『るせぇええ!在り得ねぇえなら てめぇえで在り得る様にしやがれってんだぁあ!これ以上もたもたしてやがったらぁ!!』
バーネット1世が鞭を振りかざし 床を叩く バッツスクロイツが悲鳴を上げ言う
『きゃーっ!俺っちいつまで バーネっちパパに虐められちゃうんですかー!?神様ヘルプミー!』
バッツスクロイツがモニターから消える 再びモニターに映ったスファルツが苦笑している ルーゼックが気を取り直して言う
「プログラムが完成するにしても 旧世界の戦士が再び何処ぞの国へ現われ 同様の事を行うと申す可能性は 在り得ると申す訳か」
キルビーグが頷いて言う
「うむ、では 今一度 この新世界の全ての国々で 力を合わせるべきだろう」
ホログラムのバーネット1世が鼻で笑う ヴィクトール12世が微笑む ルーゼックが腕組みをして頷いてから言う
「よし、では早速… 何処へ連絡致すべきか?」
ホログラムのバーネット1世が転びかけ 怒って叫ぶ
『なぁ!?て、てめぇえ!んなのは 決まってやがるだろぉおがぁあ!』
【 シュレイザー城 玉座の間 】
チョッポクルスが泣きながら叫ぶ
「ほ、本当に~~ あ、あんなに恐ろしい目に会ったのは~~ よ、余は 初めてじゃぁ~~!」
通信モニターのルーゼックが言う
『それで、3大国家の1国であられる シュレイザー国国王殿は この緊急事態へ どの様な対応を 考えておられるのか?同じく3大国家の1国である 我らローレシアも 貴様らの対応を参考に』
通信モニターの前にホログラムのバーネット1世が現われ怒って叫ぶ
『ちょっと待てぇええ!!んで シュレイザーなんざへ 連絡を寄こしやがるんだぁああ!?てめぇええはぁああ!?』
通信モニターのルーゼックが怒って言う
『黙れっ!私が何処の国へ連絡を送ろうと 貴様には関係あらなんだ!バーネット1世!!』
バーネット1世が通信モニターへ掴みかかって叫ぶ
『んだとっ!てめぇええ!!』
ヴィクトール12世のホログラムが現われ バーネット1世をなだめるように言う
『まぁまぁ、バーネット 彼の言い分は正しい 我らソルベキアの王が ローレシアの行動に文句を言える立場ではあるまい?』
バーネット1世が舌打ちをして言う
『チッ… なら勝手にしやがれ わざわざローレシアなんざに声を掛けやがった 俺様がどうかしてやがったぜぇ』
バーネット1世のホログラムが消える ヴィクトール12世が苦笑してホログラムが消える 通信モニターのルーゼックが軽く笑んだ後チョッポクルスへ向き直って言う
『まぁ、貴様が何らかの策を考えよるとは思わなんだが 自国が、それも貴様自身が狙われたとあっては 動かぬわけにも参るまい?どう対処を考えておるのか聞かせよ 場合によっては 我らローレシアも貴様に加担してやろうと』
チョッポクルスが喜んで言う
「お、おおーっ!ろ、ローレシアが~~ きょ、協力してくれるのか~~!?た、助かったぞ~~~ バカーネットや泣き虫ヴィクトールが負けてしまって よ、余は ど、何処へ声を掛けようかと~~ こ、困っておったのじゃ~~」
ルーゼックが言う
『声を掛けようと?では、何やら策でも?』
チョッポクルスが笑顔で言う
「も、もちろんじゃ~~ い、今すぐ余は ろ、ローレシアへ~~ お、お前の所へ行くからな~~? お、お前たちで よ、余を 死守するのだぞ~~?よ、良いな?な?な?」
ルーゼックが呆れ顔で言う
『…で、具体的な策の方は?』
チョッポクルスが地団駄を踏みながら叫ぶ
「そ、そんなものは~~ な、な~んにも な、無いんじゃ~~ よ、余は 争いは 嫌いじゃぁ~~~!」
ルーゼックが顔を引きつらせる 後方でキルビーグが苦笑している
【 デネシア城 玉座の間 】
ファニアが焦って言う
「お兄様っ!お父様が大怪我を負われたと伺いました!それで!御容態は!?ベネテクト城にての治療で 大丈夫なのですか!?」
通信モニターのヴィクトール14世が微笑して言う
『うん、一時は命に関わる大怪我だと聞いて 私も驚いたけど 今は意識もちゃんとあるし 食事も食べられるみたいだから大丈夫だよ それにバーネット様が付いていて下さるから』
ファニアがホッとして言う
「バーネット様が… そうですか では 私たちが案ずる必要はありませんね バーネット様はあのお見かけに寄らず 医学書なども 読まれているとの事ですし」
通信モニターのヴィクトール14世が頷いて言う
『うん、それに 父上もバーネット様が近くに居てくださるのなら 安心して休んで居られるだろうと思うんだ 父上はいつも バーネット、バーネットって 少しでもバーネット様が無断で出掛けられると 心配して泣き出しちゃうんだから』
ヴィクトール14世が苦笑して見せる ファニアが呆気に取られて言う
「…え?お父様が 泣く?」
通信モニターのヴィクトール14世が一瞬驚いて言う
『あれ?ファニアは知らなかったっけ?泣き虫ヴィクトールの別名の事』
ファニアが言う
「それは お兄様の別名では?」
通信モニターのヴィクトール14世が衝撃を受けた後苦笑して言う
『う、うん… まぁ そうでもあるけど』
【 ベネテクト城 ヴィクトール14世の部屋 】
通信モニターのファニアが言う
『それはそうと お父様の安否が分かった事で 一まず安心出来ました では 私はベネテクトからの傭兵部隊と共に デネシアの警戒を強化するよう努めます ベネテクト在中のデネシア魔力者部隊に不足があるようでしたら ご連絡を下さいませ… 出来れば ベーネット陛下から…』
ファニアが顔を逸らし頬を染める ヴィクトール14世が呆気に取られた後慌てて叫ぶ
「えぇええーっ!?ファニア!?それはどう言う事!?お兄ちゃん何も聞いてないよっ!?」
ファニアが慌てて言う
『な、何でもございません!それではっ お父様共々 お兄様も くれぐれも!ベーネット陛下とバーネット第二国王陛下に ご迷惑をお掛けしない様 お願いします!』
通信が慌てて切られる ヴィクトール14世が慌てて言い掛ける
「ちょっと待って!ファニア!ちゃんと説明をっ!」
ヴィクトール14世が 消えたモニターを見つめ困る 部屋のドアがノックされ ベーネットが現われて言う
「ヴィクトール デネシアの様子は分かりました(か)?」
ベーネットの言葉の途中で ヴィクトール14世がベーネットに掴みかかって言う
「ベーネットーー!僕は相棒として君の事は大好きだけど!?ファニアはきっと君の事を誤解してるんだ!そもそもファニアは 本当は怖い君の本性を隠した状態しか 知らないんだから?君の化けの皮が剥がれ 悪魔の様な本性を見せた日には!」
ベーネットが衝撃を受け怒って言う
「なぁあ!?ちょっと待てぇええ!誰が悪魔の様な本性を隠してやがるってぇええんだぁあ!?てめぇえはぁああ!?」
ヴィクトール14世が驚いて一瞬止まった後 大泣きして叫ぶ
「わぁあーん ベーネットが怖いよぉおおーーっ!!」
ベーネットが衝撃を受け 慌てて言う
「ぬぁあ!?て、てめぇえは こんくれぇえで 泣きやがるんじゃねぇえ!」
ヴィクトール14世が一瞬止まってベーネットを見つめた後 再び大泣きして叫ぶ
「わぁあーん こんなのベーネットじゃないよぉおおーーっ! 僕のベーネットは何処へ行っちゃったのぉおおーーっ!?」
ベーネットが慌てて言う
「だぁあ!この泣き虫ヴィクトールがぁ!誰がてめぇのベーネットだぁあ!?でもって せめて 泣くんだか叫ぶんだか どっちかにしやがれぇええ!」
ベネテクト城 ヴィクトール13世の部屋
ヴィクトールがベッドに寝ていて大げさに言う
「バーネット… 僕 やっぱりもう ダメ… みたい だから、お願い 最期に 最期にひと目!」
バーネットが腕組みをしてムッとした表情で目を瞑っている ヴィクトールが続けて言う
「バーネット 君の… 女装姿を!」
バーネットがヴィクトールを殴る ヴィクトールが痛がって叫ぶ
「痛ーっ!ひっ酷いよバーネットっ!僕、大怪我してるのにぃ!」
バーネットが怒って言う
「うるせぇ!大怪我ではありやがろうとも!命に別状はありやがらねぇってぇのに 何が 『最期』だ!?馬鹿野郎がぁあ!」
ヴィクトールが苦笑して言う
「あ、あれ?命に別状は無いって…」
バーネットが目を閉じて言う
「てめぇに回復魔法を施した 2代目勇者の仲間 レーミヤが言ってやがった」
回想
バーネットの前でレーミヤが言う
「ヴィクトール様のお怪我へ 回復魔法を掛けて置きました ご本人も大分楽になったとおっしゃっておりましたので 後は安静になさっていれば 問題なく回復されると思われます」
バーネットがホッとした様子で言う
「そうか 良かったぜ …すまなかったな 最上級魔力者のあんたに 急な依頼をしちまって」
レーミヤが微笑して言う
「御二方には 旧ローレシア帝国の民を救い出すのにお世話になりました それに、夢の世界では ずっと助けて頂いておりましたから」
レーミヤが微笑む バーネットが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「あぁ、夢の世界で 直接あんたと関わったのは 11回目と12回目の時だったかぁ?生憎 俺自身にはその時の記憶はねぇんだが 一応あの世界の出来事は 全て確認したぜ お互い色々大変だったよなぁ?」
レーミヤが軽く笑う バーネットが続いて軽く笑い言う
「まぁ 色々ありやがった中 あんたにとっては 10回目の世界が一番良かったかもしれねぇが ローレシアにとっては」
レーミヤが一瞬驚いて言う
「え?10回目の世界…?」
バーネットがハッとして言う
「おっと 余計な事言っちまうトコだったぁ 気にしやがるな 夢の世界なんざ 所詮 幻想の世界だぜ 重要なのは この現実世界を守るための方法だぁ 皆で力を合わせて世界を守ってやろうってなぁ?」
レーミヤが一瞬呆気に取られた後 詮索を諦め微笑む バーネットが微笑する レーミヤが言う
「では その現実世界を守るためにも 私がヴィクトール様を回復する事は 当然ですね?」
バーネットが笑んで頷いて言う
「おう、俺らは国は違えど 同じ世界に住む仲間だ!…ってぇ あの野郎が元気で居やがれば 言いやがっただろうぜ?なんったって奴ぁ 夢の世界じゃ友情の王様で居やがったからなぁ?現実世界じゃ 俺の飼い猫だとか言う奴がだなぁ?はっはー まぁ、それでも夢の世界の経験は 十分今の奴の力になってやがる筈だぁ」
レーミヤが微笑んで言う
「今でも 私にとってヴィクトール13世様は 友情の王様です …そして、バーネット陛下も」
バーネットが一瞬呆気に取られた後笑んで言う
「あぁ、俺は現実世界でも 一応 ガルバディアの 慈愛の王の子孫で居やがるからなぁ 今じゃガルバディアの力と ついでに親父が乗っ取りやがった ソルベキアの力も使いたい放題だぁ この力があの夢の世界にありやがりゃぁ もっとましな …とは言え ヴィクトールの奴が くたばりやがったら どの道同じか」
バーネットがレーミヤへ向き直って言う
「何にしても 本当に助かったぜぇ あんたには 感謝しきれねぇ」
レーミヤが一瞬呆気に取られてから苦笑して言う
「そんな、私はただ ヴィクトール様の身の苦痛を和らげただけです あのまま私が回復魔法を施さなくとも ヴィクトール様は先に施されていた治療で 十分 回復されました」
バーネットが呆気に取られて言う
「あぁ?…い、いや?ヴィクトールの奴はぁ 何か、かなりやべぇって… ダメみてぇだって 言ってやがったぜ?本人がよぉ?…あ、ああ それに ベネテクトで付けた医者の奴も」
レーミヤが呆気に取られた後 あっと口を押さえて言う
「あっ いけない 私ったら… ヴィクトール様に お願いされていたのに バーネット陛下の心配そうなお顔を見ていたら つい口を滑らせて」
バーネットが衝撃を受けた後 怒りに燃えて言う
「『ヴィクトール様に お願いされていた』 だぁ?あの野郎ぉ… おめぇに 何を お願いしやがったぁああ?」
レーミヤが苦笑して焦りの汗を流す
回想終了
バーネットが怒って叫ぶ
「この野良猫野郎ぉおがぁああ!よくも俺に てめぇえの怪我を 大事に思わせやがったなぁああ!シュレイザーでの応急処置で十分だったって事ぁあ 元々命に関わる様な 怪我じゃなかったって事じゃねぇえかぁあ!それを ダメみてぇえだとか 最期のお願いだとか言いやがってぇええ!てめぇええ!この俺を騙しやがったぁああ!」
バーネットが拳を振り上げる ヴィクトールが慌てて言う
「わぁあーっ!ご、ごめん バーネット!騙すだなんて誤解だよ!?そのっ 最初に言ったのは 本当に苦しくって 本当にダメだと思ったんだよぉ!本当だよ!でも 君があんなに優しくしてくれたから 僕、医者に 全然大丈夫だって言われた時 君にどう言ったら良いか分からなくなっちゃってぇ~」
バーネットが怒りに燃えて言う
「ならぁあ… さっきのは何だぁあ?最初のは てめぇの勘違いだったとは言え さっきの 馬鹿げた最期のお願い とやらはよぉお?」
ヴィクトールが誤魔化して言う
「え?あ、あれ?僕、何かお願いしたっけ?きっと僕 怪我の影響で意識が朦朧としてて…」
ゴッ!という音が鳴り ヴィクトールが頭を抱えて叫ぶ
「痛ぁー!酷いよバーネット!命に別状は無くっても 僕、大怪我してるのにぃ~!」
バーネットがそっぼを向いて言う
「るせぇえ!意識が朦朧としてやがるんなら 今の衝撃で 叶えてやった最初のお願いも 忘れやがれ!」
ヴィクトールが泣きながら言う
「えー!酷いよバーネット!僕の一生涯の願望の一つが叶ったって言うのに その瞬間の大切な記憶を忘れろだなんて~」
バーネットが怒って言う
「るせぇええ!あんなのが てめぇえの一生涯の願望の一つでやがったなら さっきのは てめぇえの願望の 2つ目だとでも 言いやがるのかぁあ!?あぁああ!?」
ヴィクトールが嬉しそうに言う
「え?いやぁー さっきのは2つ目というよりも 1つ目のオプションというか~ えへへっ」
ゴンという音に続きヴィクトールが悲鳴を上げて言う
「痛ぁーっ!酷いよバーネット!」
バーネットが怒って叫ぶ
「るせぇええ!この俺に あんな事させやがってっ!全て忘れやがれぇええ!!」
ヴィクトールが涙目で言う
「えー!酷いよバーネット だって、君は夢でも現実でも 僕の初恋の人…」
ゴッ!と音が鳴る
【 アバロン城 玉座の間 】
デス1stが閉じていた目を開き 周囲のプログラムを消しながら言う
「駄目だ、やはり シリウス国王とは連絡が繋がらない」
ヘクターが首を傾げて言う
「旧世界のシリウスBと話が出来るのは シリウス国王だけなんだろ?何でヴァッガスって奴が シュレイザーの国王を襲おうとしたのかの確認が取れねーんじゃ こっちもどーしたら良いか分かんねーよなぁ?」
デス2ndが言う
「旧世界の戦士ヴァッガスは ヴィクトール13世とバーネット2世の2人へ 本気で攻撃を行ったとの事 襲撃理由を問う言葉にも まったく耳を貸さ無かったと言うのでは やはり 彼らの王である シリウスBへ確認を取るしか無いと思われるのだが…」
ヘクターが言う
「旧世界に帰る為に手を借りてぇんだー… とかなら 攻撃なんかして来ねーもんなぁ?やっぱ」
デス1stが言う
「ああ、この一件は 彼、もしくは旧世界からの」
家臣Aが走って来て言う
「ヘクター陛下!」
ヘクターとデス1st、デス2ndが顔を向ける ヘクターの前に辿り着いた家臣Aへ ヘクターが言う
「どうした?」
家臣Aが上がった息を調えつつ言う
「ツヴァイザーに!再び 旧世界の戦士 ロドウが現われたとの事です!」
ヘクターとデス1st、デス2ndが驚き ヘクターが言う
「ツヴァイザーにも来たのか!?」
デス1stが言う
「ロドウなら 以前の戦闘時に 会話を行ったとのデータが残されている 以前も会話を行わなかったヴァッガスとは違い 今回の襲撃理由を問う事も 可能かもしれない」
ヘクターが笑んで言う
「よし!なら早速 ”ツヴァイザーにヘクターとその相棒が たまたま来てました作戦” やるか!?」
ヘクターが笑顔になるデス1stとデス2ndが衝撃を受け デス1stが言う
「いや… あれはもう 止めておけ」
ヘクターが不思議そうな顔で言う
「あ?なんでだよー?」
デス1stが一息吐いて言う
「傭兵隊であった頃でも 十分に無理のある作戦だったと言うのに 国王である現実世界では もはや言い訳にもならないだろう …それに、その様な事をせずとも ツヴァイザーはアバロンへ支援要請を送って来ると示唆される 確立は89% 何故なら現在リーザロッテ女王は懐妊中だ 如何に自称世界の勇者であろうと 戦闘行動は慎むだろう」
デス2ndが言う
「リーザロッテ女王が戦闘指揮を取れないとあっては 仲間を招集するより 我らアバロンの戦力を頼る事の方が当然の考慮 …では、ツヴァイザーから支援要請が入り次第 オライオン率いる アバロン3番隊を出動させ 事態の収集と鎮圧を行わせよう」
デス1stが頷いてから言う
「ああ、それが良策だろう…とは言え ツヴァイザー程度の小国に アバロンの王子率いる アバロン最強部隊を向かわせると言うのも 少々癪だが…」
デス1stとデス2ndが少し黙って考える ヘクターが不思議そうな表情をした後ひらめいて言う
「なら 俺が行くぜー!?」
デス1stとデス2ndが衝撃を受け 声を合わせて言う
「「国王のお前が行ってどうするっ!?」」
ヘクターが疑問して首を傾げる 家臣Bが走って来て言う
「ヘクター陛下ー!」
家臣Bがヘクターの前へ辿り着き息を整える ヘクターが微笑して言う
「おう!ツヴァイザーから支援要請が入ったか?」
家臣Bが息を切らせながら言う
「ツヴァイザーが支援要請をっ!」
デス2ndが微笑して言う
「では、予定通り アバロン3番隊を」
家臣Bが顔を横に振って言う
「支援要請は!我らアバロンを差し置いて!カイッズへと送られました!」
ヘクターとデス2人が呆気に取られ一瞬止まった後 デス2人が驚いて叫ぶ
「「なにぃいーーっ!?」」
ヘクターが苦笑して言う
「あっちゃぁー… 別の国に支援要請が行っちまったかぁー?どーすっかなぁー?」
デス1stとデス2ndが怒ってヘクターへ叫ぶ
「「ヘクター!」」
ヘクターが疑問する デス2ndが言う
「お前はその前に!アバロンを頼られなかった事へ 怒らないのか!?」
ヘクターが首を傾げる デス1stが言う
「夢の世界では 各国が支援要請を送る国は ソルベキアを除く全ての国が このアバロンだった それは 現実世界に置いても 変わらぬ事だったのだ …と言うのに アバロン所か 世界一戦力の乏しいカイッズへ支援要請を送るなど… ツヴァイザー …いや、リーザロッテ女王は 何を考えている!?」
【 カイッズ国 城下町 】
城門から城下町の門への道をカイッズ国の兵士たちが歩いている カイッズ部隊長が叫ぶ
「我らを導いて下された聖母様!リーザロッテ女王様が 我らカイッズ聖戦部隊を頼られた!我らは この御期待に 全力を持って応える!今こそ我らの携えし 聖なる力を!聖母様にご覧に入れるべきぞ!」
カイッズ部隊員らが声を上げて同意を示す カイッズ部隊長が笑んで頷く 隣に居るレリアンが言う
「リーザは正式に カイッズ国王ファリオル殿へ 自分は聖母ではないと言う事を公言したと言うのに 貴方方の大切な聖母様の敬称を使い 兵を動かしてしまって宜しいの?」
カイッズ部隊長が微笑して言う
「ははっ 我らとて子供ではありません レリアン様 リーザロッテ女王がツヴァイザーの女王様であり 我らと同じ人である事は重々承知です ただ、我らカイッズの者は 古くから自分たちを 力強く導いて下さる そのお方を求めていたのです」
レリアンが苦笑して言う
「では、その人物が たまたまリーザであったと言う事なのね?」
カイッズ部隊長が笑んで言う
「はい、リーザロッテ女王様のお陰で 我らは心を一つにする事が出来ました ですから、次は 我らがリーザロッテ女王のお力になる事で 今度こそ我々は自分たちの力で 立ち上がる事が出来るでしょう」
レリアンが微笑して言う
「そう言う事なら 私も安心して力を借りられるわ」
カイッズ部隊長が頷いて言う
「はい、ツヴァイザーの防衛は 我らカイッズ聖戦部隊に お任せを!」
レリアンが微笑んで言う
「ええ …うふふっ これでは ツヴァイザー第一部隊を率いる レイトも うかうかしていられないわね」
【 ツヴァイザー城 玉座の間 】
リーザロッテが怒って言う
「このツヴァイザーの危機に ツヴァイザーの女王である私が 前線に赴かないだなんて!その様な事は このツヴァイザーの女王としても 小さき国々の勇者としても!許されない事でしてよ!?」
大臣が慌てた後困った様子で言う
「姫様っ その様にお声を張られてはなりませぬと いつも申しております!そして 現在の陛下の御身は とても大切な時です!安静とまでは言わずとも 戦場へ赴くなどは持っての外!どうか 兵たちが応戦しておりますこの間に アバロンへ亡命を!」
リーザロッテが怒って言う
「何を仰るの!?兵たちが戦っていると言うのに それを尻目に私だけが アバロンへ逃げるだなんて!そんな事!」
レイトがやって来て言う
「他国への亡命など不要です 姫様!」
リーザロッテと大臣がレイトへ向き リーザロッテがレイトの甲冑姿に驚き頬を染め ハッとして顔を振って平静を取り戻す レイトが言う
「たった今、シャルロッテとロイが到着しました これより 先に出陣しております ツヴァイザー第ニ部隊隊長ヴェインと共に 私がツヴァイザーの全部隊を持って 我が女王の命を狙わんとする敵を 討ち取って参ります」
リーザロッテが呆気に取られて言う
「レイト…」
レイトが微笑して言う
「兵を思う 姫様のお気持ちは良く分かります しかし、私も勿論兵たちも 姫様の現在のお体の事は重々承知の上 その我らの為にも どうか今回ばかりは 我らを信じ この場所にて御待機をっ」
リーザロッテが一瞬何か言い返そうとした後言葉を飲んで視線を落とす レイトが微笑して言う
「姫様… 例え離れておりましょうとも 姫様のお気持ちは 常に我らと共にあります」
リーザロッテがレイトへ向く レイトが頷く リーザロッテが微笑んで言う
「ええ!分かったわ 今回ばかりは 私はここで待っていて差し上げてよ!レイト!このツヴァイザーへ再三現れたと言う 不届き者を 軽く討ち取っていらっしゃい!」
レイトが微笑んで敬礼して言う
「はっ!直ちに!」
衛兵の二人が顔を見合わせて言う
「再三って言うか 2回目だよな?」
「あ、ああ… あんなのが3度も来たら このツヴァイザーはお終い…」
リーザロッテが顔を向けずに咳払いする 衛兵二人が衝撃を受け黙る
城門前
ツヴァイザー兵たちが振り払われ悲鳴を上げながら地へ倒れる
「うわーっ」
レイトが城内から現れ言う
「旧世界の戦士 ロドウ殿とお見受けする!貴殿らの世界と この新世界は和平を結んだ筈!その中に置いて 貴殿は何故この国へ 再度現れ 武器を振るうのか!?」
ロドウが顔を上げレイトを見る レイトがそれを確認してから槍の柄で床を突いて言う
「答えよ!それ如何に置いては 私は全力を持って貴殿と戦う!」
ロドウが目を細めレイトを確認してから言う
「…お前 …違う ぼ… お れは…」
レイトが疑問してロドウを見る ロドウが頭を抱えて苦しそうに悲鳴を上げる
「あ… あぁあーっ!」
レイトが疑問して言う
「何だ…?」
ロイが隣に現れて言う
「…ツヴァイザーに現れてより ずっとあの様子だそうだ …ついでに、奴は 以前とは少し違うらしい」
レイトがロイへ向いて言う
「違う とは?」
シャルロッテがロイの後ろに居て エアーPCを操作しながら言う
「彼は、以前このツヴァイザーに現れた 旧世界の戦士ロドウで間違いありません しかし、以前の彼の生態情報には100%一致しないんです その上彼を苦しめているこの情報は…」
ヴェインが現れ怒りと共に槍の柄で床を突いて言う
「そんな事はどうだって構わーんっ!奴は俺の部下たちを傷付けた!絶対にっ 許さーんっ!」
シャルロッテが驚いて慌てて言う
「はひぃいっ ヴェ、ヴェインさんっ お、おおおっ 落ち着いて下さいですぅ!い、いいい 今 ロドウさんの意識レベルを測定していますのでっ た、たたた多分っ ロドウさんが苦しんでいる 理由は…っ!」
ヴェインが槍を振り払って叫ぶ
「知らーんっ!奴の意識がどうであろうと!奴の攻撃で俺の部下が傷付いた事に 代わりは無いのだ!」
ロイが正面を見て言う
「…それは卿の部下が 卿の命令に従って無謀な攻撃を行った結果では」
ヴェインがロイへ怒りの表情を向ける ロイが顔を背ける ロドウが悲鳴を上げてから目の色を変えレイトたちを敵視して斧を構える レイトがハッとして言う
「皆!気を付けろ!来るぞっ!」
レイトが言い終えると同時にロドウが武器を振り上げる レイトたちが武器を構える
少し離れた場所で デス1stが周囲にプログラムを発生させながら言う
「シャルロッテの言葉は正しい 旧世界の戦士ロドウの意識レベルは 度々レベル3を下回っている それと共に 彼の生態識別情報は 過去に解析したものに比べ 36.85%魔物の遺伝子情報が上昇し 彼の肉体を支配している」
デス2ndがデス1stへ向いて言う
「36.85%も!?…それでは人の意識レベル3を留める事すら難しい 過去のデータに置いても 彼に影響を与えていた魔物 ギガンヒュルムの遺伝子情報は30%もあったのだ 通常の人の遺伝子情報へ30%もの悪魔力に晒された 悪しき遺伝子情報を与える事は そのまま魔物化現象に陥るもの それを シリウスBの融合プログラムが中和させていたから 彼は人の意識を保持出来ていた」
ヘクターがローブに身を隠していて言う
「つまり ロドウって奴は 人の意識が飛んじまうから ツヴァイザーの奴らを攻撃しちまってるって事か?」
デス1stがプログラムへ集中する デス2ndがヘクターへ向いて言う
「その可能性が極めて高いと思われる 彼の人としての意識を留めさせる事が出来れば 攻撃を中止させ 話をする事も可能かもしれない… とは言え 彼が自らの意思でこの新世界を 襲おうとしているのであれば 話は別だが…」
ヘクターがロドウとレイトたちを見る 彼らが戦いを行っている デス1stが言う
「旧世界の戦士ロドウの戦力は 魔物の遺伝子情報の上昇に伴い 以前の倍とまでは行かずとも それに近い程まで上昇している …対する レイトらは 唯でさえリーザロッテ女王やレリアン元女王が居ない分 彼らの… 仲間同士の力が弱まってしまっている このままでは」
ヘクターとデス2ndがレイトたちを見る
ヴェインが弾き飛ばされ悲鳴を上げつつ城壁へ叩きつけられる
「ぐあっ!」
シャルロッテが悲鳴を上げ慌てて駆け寄って言う
「きゃぁっ!ヴェ、ヴェインさん!」
ヴェインが歯を食いしばって起き上がろうとする シャルロッテが慌てて言う
「ヴェインさんっ!だ、だだだ駄目ですぅ!や、やっぱり 私たちだけの戦力では 彼に敵いませんっ!」
ヴェインが身を起こし ロドウへ向いて言う
「…クッ 例えそうであろうとも 俺は… 俺はっ せめて このツヴァイザーの兵として あ、あいつには」
シャルロッテが心配しながらも疑問して言う
「あ… ああああっ あいつ とは…?ロ、ロドウさんの事です(か)…?」
ヴェインが怒って叫ぶ
「レイトには これ以上負けられぇええーーんっ!」
シャルロッテが驚いて言う
「えぇええ!?ヴェ、ヴェインさん ま、ままま まだ レ、レイトさんに 対抗心を持っていたんですかぁ!?」
ヴェインがシャルロッテへ勢い良く振り向いて叫ぶ
「黙れぇえーっ!まだと言うな まだとはぁああ!姫様の御心だけでなく このツヴァイザーの第一部隊隊長の座まで奪われっ 俺は もう これ以上 何物も奪われてー」
ロイが後退してやって来て言う
「…シャル、そいつの事はもう良い 俺と共に レイトのサポートを」
ヴェインが衝撃を受けて言う
「なぁあーーっ!?」
シャルロッテが苦笑しながら言う
「は… はははは はいぃ… で ででで、ではっ ヴェインさんは… す、少し 休んでいて下さいですぅ…」
ロイが弾倉を変えながら言う
「…少しではなく 永遠に」
シャルロッテが焦りの汗をかく ヴェインが怒って槍をロイへ向けて叫ぶ
「それはどう言う意味だぁあ!ロイー!」
ロイが顔を背ける シャルロッテが苦笑する
【 スプローニ城 玉座の間 】
家臣が言う
「ロキ陛下、先ほどツヴァイザーより ツヴァイザー国元国王であられるソーロス殿が亡命にいらっしゃいましたので これを受け入れ上等客室の方へご案内して置きました ロキ陛下へのご挨拶は ご自身のお気持ちが落ち着きました頃に 改めてさせて頂くとの事ですが」
ロキが言う
「…好きにさせておけ ソーロス殿はツヴァイザーの有事には いち早く他国へ亡命する王である…との噂だ 丁重に 挨拶は不要だと伝え ついでに、ゆっくり黙っていろと」
ベルグルが首を傾げて言う
「うー…?ロキ隊長?それを言うんだったら ゆっくり寛いでいろ の間違えだと思うッスよ?ゆっくりは良いッスけど 黙ってろは悪い言葉ッス!」
ロキが顔を背ける 家臣が軽く笑って言う
「はっはっは では、ロキ陛下のお気持ちを 十分心得ました上で ベルグル代理第二国王陛下のお言葉にて お伝えして参りましょう」
ロキが言う
「…頼んだ」
家臣が笑顔で頭を下げて立ち去る ベルグルが首を傾げて言う
「何だか嬉しそうだったッス 何でッスか?ロキ隊長?」
ベルグルがロキへ向く ロキが軽く溜息を吐いて言う
「…ソーロス殿を好まんと言う気持ちが 同じであるからだ」
ベルグルが呆気に取られ疑問して言う
「え?ソーロス殿の事が 嫌いなんッスか?なら、ゆっくり寛いでいろって伝えるのは 間違いッスよ?嫌いな奴を 上等客室に居させてあげるのだって!おかしいッス!」
ベルグルがプンと怒って見せる ロキが苦笑して言う
「嫌いな奴であろうとも 上等に持て成さねばならない… それが俺たち後住民族のやり方だ」
ベルグルが難しそうに首を傾げる ロキが軽く微笑して言う
「…諸卿には 分からんだろうな」
ベルグルが不満そうに言う
「分からないッス!それに 今回は あんまり分かりたくも無いッスよ!」
ロキが言う
「…分からんで良い」
ベルグルが首を傾げてロキを見る ロキが視線を逸らす 間を置いて ベルグルがあっと声を上げて言う
「あ、そう言えば ロキ隊長!」
ロキが疑問してベルグルへ向く ベルグルが言う
「ロキ隊長が その 嫌でも上等に持て成さなきゃいけないってのをやってた もう1人のあいつにッスね?さっき 面会したいって人が来たッスよ!」
ロキが言う
「…もう1人のあいつ? … …シュリの事か?」
ベルグルが笑顔で言う
「そうッス!さっきロキ隊長が席を外していた時に 面会したいって来たッスよ!それで、そいつはッスね?武器も持ってなかったし 力も弱そうだったッスから!面会の許可を出してあげたッス!」
ロキが一瞬驚いて言う
「…っ 卿が勝手に 面会許可を…!?」
ベルグルが笑顔で言う
「大丈夫ッスよ ロキ隊長!俺には分かるッス!あの人は悪い人じゃ無いッスよ!優しい人ッス!」
ロキが少し考えて言う
「…優しいかどうかはともかく …先住民族の卿が 悪い人ではないと言うからには 信用出来る…のか?」
ロキが考える ベルグルが思い出して言う
「あ!そうだッス!俺、あれをロキ隊長にも あげようと思ってたッスよ!ちょっと 取ってくるッスね!」
ベルグルが走って去る ロキが呆気に取られて言う
「…俺にも?あれを?」
スプローニ城 地下牢
監守が牢を通り過ぎる シュリが顔を覗かして言う
「…おい、そこの」
監守が顔だけ向ける シュリが少し考えてから言う
「っと、その …何か 口にするものは無いのか?」
監守が振り返ってやって来て言う
「昼食なら与えた筈だ それを 大して食べずに突き返したのは 卿の方だろう」
シュリが表情を顰めて言う
「あ、あれはっ …俺の口に合わん」
監守が疑問して言う
「うん?…卿は旧世界の民であっても スプローニの民なのだろう?元来のスプローニ料理が口に合わないなど… それとも 他の囚人たちと同じ 薄い味の共通食が良いのか?旧世界スプローニの民である卿への 心ばかしの計らいだったのだが?」
シュリがハッとして顔を逸らして言う
「そっ それは…っ」
監守が疑問する シュリが気を取り直して言う
「…いや、諸卿の心遣いに 感謝しよう」
監守が微笑する シュリが視線を落として苦笑する 監守が首を傾げて言う
「…とは言え 同じスプローニの民であっても 旧世界の者とは 多少味覚が違うのかも知れんな …なら、何が良い?ちょっとしたものなら 後で買って来てやっても良いぞ?」
シュリが一瞬驚いて監守へ向く 監守が苦笑する シュリが微笑してから少し考えて言う
「…そ、そうか 有難い では… そ、そう だな… こちらの世界の… 増してやスプローニにあるのか 分からないが」
監守が疑問する シュリが顔を逸らして言う
「何か… 餅的な物 …出来れば 団子とか…」
監守が疑問して言う
「は?餅?団子 とは… エド町の あれか?」
シュリがハッとして言う
「あっ!いや!や、やっぱ 聞かなかった事にっ!」
監守が呆気に取られて言う
「うん…?」
監守が牢を覗き込む シュリがバツが悪そうに顔を逸らす 遠くからテスクローネがやって来て言う
「ははは… それほど 先日お出しした 私の故郷 エド国の団子をお気に召して頂けたとは 光栄です シュリ殿」
監守とシュリが一瞬驚いて声の方へ向く テスクローネが現れ微笑する シュリが驚いて言い掛ける
「テ…っ!?」
監守がシュリに先んじて言う
「卿は何者だ?囚人との面会許可は取っているのか?」
監守がテスクローネの前に立つ テスクローネが軽く微笑んで言う
「はい、先ほどしっかりと頂いて参りました こちらをお見せしたら宜しいのですよね?」
テスクローネが面会許可書を出す 監守が一瞬驚いて確認しながら言う
「うむ…確かに… 短期禁固刑の囚人に面会が許可されるとは珍しいな うん?このサインは ベルグル代理第二国王 …なるほど」
監守がテスクローネを見る テスクローネは微笑んだまま居る 囚人が苦笑して言う
「代理とは言え ベルグル第二国王陛下は 先住民族だ かの御方を欺く事は難しいだろう 分かった 私が監視する事になるが 面会を認めよう」
テスクローネが微笑んで言う
「はい、有難うございます …あ、宜しかったら 貴方もお一つ如何です?シュリ殿への差し入れにと思い 持参致しまして」
テスクローネが包みを開いて団子を見せる 監守が一瞬驚いてから慌てて言う
「囚人への差し入れか!?では、全て検査しなければならないぞ?」
テスクローネが微笑んで言う
「はい、どうぞ十分に検査をして下さい」
テスクローネが包みを向ける 監守が検査機を用意して団子にセンサーを向ける シュリが様子を見ている 監守が検査機のモニターに目を向けると テスクローネが一瞬目を細め周囲にプログラムが発生する 検査機のモニターが一瞬ひずんだ後 良好表示が現れ監守が微笑して言う
「うん、毒やその他の薬などの成分も検出されない よし、これなら与えても良いぞ」
監守がテスクローネへ向く テスクローネが微笑んで言う
「それはどうも」
テスクローネがシュリへ包みを向ける シュリが一瞬の間を置いてから微笑んで言う
「テ… テス クローネ殿 …感謝する」
テスクローネが微笑んで言う
「はい、お好きなものを いくらでも召し上がって下さい」
シュリがテスクローネの顔を見る テスクローネが微笑んでいる シュリが微笑して無作為に3種類の団子を一本ずつ取って食べ始める テスクローネが軽く笑い自分も適当に一本取って口に運び 監守へ向いて包みを向ける 監守が一瞬間を置いてから微笑して言う
「…では、すまない 一つ頂くとしよう」
テスクローネが微笑む 監守が包みから少し考えてから一本取って食べる テスクローネがひそかに微笑する
【 ツヴァイザー城 城門前 】
レイトがロドウの攻撃に振り払われ地に身を打ち付けて言う
「うっ!」
ロイがハッとしてレイトの前まで駆け付け レイトを庇ってロドウへ銃を放つ ロドウが銃弾を斧で弾き ロイへ攻撃しようとするがロイの連射にそれが出来ず防御する シャルロッテがレイトへ駆け付け 横に膝を着いて言う
「レイトさんっ!だ、だだだっ 大丈夫ですかぁっ!?」
レイトが身を起こし歯を食いしばって言う
「なんの… これし き…っ」
レイトが痛みに目を瞑り咳込む シャルロッテが慌てて言う
「む、むむむ無理しないで下さいっ レイトさんのダメージ数値は もう限界ギリギリですぅ」
シャルロッテがエアーPCのキーボードを叩く レイトが目を開いて言う
「限界など 関係ないっ ここは 何としても死守しなければ…っ この 先には 姫様がっ!」
シャルロッテが衝撃を受け慌てて言う
「えっ!?ええぇええーーっ!?リーザはアバロンへ亡命したのでは な、ななななな 無かったのですかぁあ!?」
ロイが振り返って叫ぶ
「シャル!レイト!逃げろっ!」
シャルロッテが驚いてロイへ向くと同時に ロイが両手の銃で斧を受けるが吹っ飛ばされる
「ぐあっ!」
シャルロッテが驚いて叫ぶ
「ロイ!」
シャルロッテがロイへ顔を向けている前にロドウが立ち塞がり シャルロッテがハッとしてロドウを見上げる ロドウがシャルロッテを見下ろす シャルロッテが怯えて言う
「だ… 誰かっ リーザ…っ」
シャルロッテが強く目を瞑ると同時に大量の大砲音が轟く シャルロッテが驚き顔を上げると高笑いが響く
「オーホッホッホッホッホ!」
シャルロッテが呆気に取られてから声の方を向いて言う
「リーザ!?」
シャルロッテがハッとして見る シャルロッテの視線の先 レリアンがドラゴンの背に仁王立ちして言う
「待たせたわね!皆!」
シャルロッテが呆気に取られて目を瞬かせた後苦笑して言う
「レリアン…」
少し離れた所でヘクターがデス1stとデス2ndに抑えられている ヘクターが今にも飛び出していきそうな状態で言う
「このままじゃっ やられっちまうだろ!離せ!離せよっ!デスぅうっ!」
デス1stとデス2ndが必死に押さえ付けてデス2ndが言う
「力任せに戦うのでは お前であっても 奴には敵わない ヘクター!」
ヘクターが一瞬驚いてデス2ndへ向く デス1stが言う
「今、奴の生態情報を解析している 奴の中にある魔物の遺伝子情報を 無効化する事が出来れば 奴を通常の人に戻す事も可能だ」
ヘクターがデス1stへ向いて言う
「んな事が出来るのか!?」
デス1stが間を置いて焦りの汗を掻いて言う
「り、理論的には…」
ヘクターが疑いの眼差しで言う
「理論的?なら、実際には!?実際には何%なんだ!?」
デス1stが困りつつ言う
「は… 86% …位か?」
デス1stがデス2ndへ向く デス2ndが衝撃を受け焦って言う
「わ、私には シリウス国王のプログラム能力を 推し測る事などは出来ないっ お前の専売特許だろう!?元偽ガルバディア国王のデス!」
デス1stが衝撃を受け慌てて言う
「なっ!?こんな時だけ 本気で押し付けるなっ!」
ヘクターが2人を見てからデス1stへ詰め寄って言う
「どう言う意味だ!?お前らがやるんじゃねーのかよ!?」
デス1stがヘクターに圧される デス2ndが言う
「我らでは 神と呼ばれるほどの ガルバディア国王のプログラムへ 変化を与える事は出来ない 解析の為の足掛かりとして 彼のデータを シリウス国王へ転送するしか」
ヘクターが言う
「シリウス国王とは 連絡が付かねぇって言ってたじゃねーか!?」
デス1stとデス2ndが顔を見合わせ困り デス1stが言う
「そう ではあるが… これ以外には方法が」
デス2ndがヘクターへ言う
「ヘクター、残念だが 我ら2人のサポートを受けたお前であっても 奴の力には及ばない 相手は我らの遥か上を行く シリウス国王と同等の力を持ったプログラマー シリウスBが作った戦士 我らの力を受けるだけのお前とは 格が違い過ぎる」
ヘクターが呆気に取られてから表情を渋らせて言う
「何でだよ…っ お前ら言ったじゃねーか!世界一のプログラマーを2人も相棒にした俺に 不可能はねーって!」
デス1stとデス2ndが表情を困らせ顔を見合わせる ヘクターが悔しがって視線をレイトたちの方へ向けて言う
「くそっ!何か方法はねーのかよっ!?」
ツヴァイザー城 玉座の間
大砲の音が轟く リーザロッテが顔を上げて言う
「この音は… カイッズの大砲!?レリアンが皆を連れて来てくれたのでしてね!」
家臣が微笑んで言う
「おおっ それは心強い!レリアン様がお戻りになられたのでしたら 姫様のお仲間が皆このツヴァイザーに集結した事になります!きっとレイト王配殿下ともども 見事敵を討ち取ってくだされる事でしょう!」
リーザロッテが一度微笑を家臣へ向けた後疑問して言う
「…皆が集結したと仰るのに 私が その皆の近くに 居ないだなんて」
家臣が気付き苦笑して言う
「姫様 レイト王配殿下も仰っておられました 姫様は 離れておられていても 皆様と ご一緒であられるのだと」
リーザロッテが一度家臣を見てから視線を落として言う
「ええ… もちろん それは分かってはいるのでしてよ でも…」
砲弾が城に当たった爆音が数発轟く リーザロッテと家臣が驚き 思わず目を瞑って耐えてから リーザロッテが顔を上げて言う
「何事でして!?」
家臣が不安そうに言う
「ど、どうやら大砲の弾が 城に当たったようですな?し、しかし… きっと大丈夫…」
リーザロッテが視線を泳がせた後キッと正面を見据えて走り出す 家臣が慌てて叫ぶ
「姫様っ!?なりません!なりませんぞ!姫様っ!!」
ツヴァイザー城 城門前
レリアンが慌てて言う
「きゃぁっ ちょ、ちょっと!駄目よ!城を後ろに砲撃を行っては ツヴァイザー城がっ!」
カイッズ砲撃部隊が慌てる ロドウが苦しそうにもがいた後 カイッズ大砲部隊を睨み付ける カイッズ大砲部隊がハッとして怯える ロドウが斧を振り上げ勢い良く振り下ろす カイッズ砲撃部隊が慌てて逃げ惑う
「わぁーっ!」
ロドウの斧が一台の大砲を切り倒す 金属接触が砲弾の火薬に引火して砲台が爆発する 皆の視界に激しい爆発の炎が映り 皆がその炎にロドウがやられたのではと見つめる ロドウが間を置いて無傷で炎の中を歩いて来る カイッズ大砲部隊が呆気にとられて言う
「ば… 化け物か…っ!?」
レイトとヴェインが呆気に取られてその様子を見る シャルロッテがロイを庇いながらも目を怯えさせて言う
「わ、私たちとは… レベルが違い過ぎますぅ~…」
ロイが悔やむ レリアンがドラゴンから見下ろして言う
「…とても人とは思えない …あれを倒す方法があると言うの?」
皆が息を飲む中 高笑いが響く
「オーホッホッホッホ!皆!何を怯えていらっしゃるのでして!?」
皆の視線が城の出口リーザロッテへ向く 家臣が慌ててリーザロッテへ言う
「姫様っ!ですから!その様にお声をお強く発せられては なりませぬと 何時も申してっ」
リーザロッテが構わず言う
「相手は私たちと和平を結んだ 旧世界のお方でしてよっ!?何かに苦しめられていらっしゃるのでしたら まずはそちらから丁重にお助けして差し上げなさい!」
皆が驚きロドウへ向く ロドウが激しく苦しんで頭を抱えて叫ぶ
「うあぁああーっ う…ううっ ヴァッガ…ス メテーリ… 皆…っ」
皆が呆気に取られる リーザロッテが片手を腰に当て見ている 家臣がリーザロッテへ言う
「姫様 そちらは… ローレシアからの情報にあった!?」
リーザロッテが視線を変えずに言う
「ええ、シュレイザーを襲い 捕らえられた旧世界の戦士ヴァッガスも 時折苦しそうにもがいては 守衛に何かを伝えようとするそうでしてよ… そうとなれば あの彼も きっと同じでしてよ!」
家臣が視線をロドウへ向けて言う
「そうは申しましてもっ こちらには ヴァッガス殿を捕らえた バーネット2世ベネテクト第二国王様も ヴィクトール13世様も居られません… こ、ここはやはり!アバロンへ支援を依頼するしか!」
家臣がリーザロッテへ向く リーザロッテが視線を向けずに言う
「その必要は無くってよ!ここには 私の優秀、勇敢なる仲間たちと カイッズの皆がいらっしゃるのよっ!」
家臣が表情を困らせてレイトたちを見て言う
「しかし…っ」
レイトが立ち上がる ヴェインが横目に見て言う
「レイトっ!?姫様はあの様に言っているが 俺には」
レイトが顔を向けずに言う
「姫様の命だ 姫様が奴をお助けしろと仰るのなら 私はそれに従うまでっ!」
レイトが槍の柄で床を突く ヴェインが焦って言う
「お、おいっ!?俺たちの力では 奴に敵わないんだぞ!?増してや助けるなど!…一体どうやって!?」
レイトがきっぱり言う
「分からんっ!」
ヴェインが叫んで転ぶ
「なぁあーっ!?」
レイトが言う
「それでも 私に出来る事は この槍を持って戦う事のみ!」
ヴェインが慌てて言う
「待てっ!そんな考え無しに突っ込んだ所で また 返り討ちに会うだけだ!」
レイトが槍を向けて叫ぶ
「勝負は最後まで分からん!ロドウ殿!いざっ!参る!」
ヴェインが叫ぶ
「勝負は目に見えて分かってるだろう!?止めろ!レイトーっ!」
レイトがロドウへ向かって走り 飛び上がり 声を上げて槍を振るう
「うおぉおおおーっ!」
ロドウがレイトを見上げる レイトの槍にシャルロッテがプログラムを纏わせる ロドウがそのプログラムを見てハッとする ロイがその隙に目を見張り銃を向けていて言う
「ショットッ!」
レイトがロドウへ槍を突く ロドウはロイの銃弾を斧で振り払っていた為 レイトの攻撃に遅れる 皆が目を見張り レリアンが言う
「やったわっ!」
レイトの槍がロドウの肩に刺さる ロドウが悲鳴を上げる
「あぁああーーっ!」
ロドウがもがきレイトが振り払われる レイトが身を翻して着地する カイッズ大砲部隊がハッと息が合い 隊長のいきなりの号令に皆が見事に砲撃を行う
「撃てぇええーーっ!」
カイッズ大砲部隊の砲撃がいっせいにロドウへ放たれる ロドウが目を見開く 皆の視線の先 ロドウの周囲に一瞬でバリアプログラムが発生し 砲弾が全て力を失いその場に落ちる 皆が驚いて リーザロッテが言う
「え…っ!?」
リーザロッテがシャルロッテへ視線を向ける シャルロッテが呆気に取られていてハッとして慌ててエアーPCを操作する レリアンがシャルロッテへ視線を向けていて言う
「シャルではないわ… では 誰がっ!?」
皆が驚き戸惑っていると 大砲の一斉砲撃が静まり ロドウがおかしな息使いをして平静を乱し始める
「はっ… はっ はっ はっ はっ… ああぁああーーっ!」
皆がハッとしてロドウへ向く ロドウが頭を抱えてもがいた後 怒りに満ちた目でレイトを見る レイトがハッとして槍を構えようとした瞬間には ロドウがレイトの目の前まで迫っていて斧を振り上げる レイトが表情を焦らせる ヴェインが叫ぶ
「レイトーっ!!」
リーザロッテが言葉を失い目を見開く レイトが顔を逸らし目を瞑る 激しい金属音 リーザロッテが呆気に取られる シャルロッテが呆気に取られつつ言う
「へ… ヘクター陛下っ!?デスさん方っ!?」
皆の視線の先 フードの外れたヘクターが歯を食いしばってロドウの斧をプログラムの纏わる大剣で受け止めている レイトが驚いて見上げて言う
「ヘクター国王っ!?貴殿が何故っ!?」
ヘクターがめい一杯力を込めている様子で言う
「お、俺ら…っ はっ た、たま たまっ… 来てた だけ…でっ」
レイトが疑問して言う
「た… たまたま?」
デス1stが叫ぶ
「ヘクター!力ではかなわない!避けろ!」
レイトがハッとして ヘクターが大剣の角度を変えた瞬間に ヘクターと同時に左右へ回避する ロドウの斧がそのまま下へ落とされ 地面が割れる レイトとヘクターが地面を見る ヘクターの横にデス2ndがやって来て言う
「我らのプログラムで強化しても お前の力では奴を抑えられない 奴と戦うには大剣の戦い方では駄目だ」
ヘクターがデス2ndへ向いて言う
「んな事言われたって 俺は大剣使いだ 他の戦い方なんて出来ねーよ!」
ヘクターが大剣を構える デス1stが来て視線を向けずに言う
「デス2nd、お前は 今までのデータを元に ロドウの戦闘解析を 私はそれを元に ヘクターの回避能力を強化させる 奴を捕らえるには …残念ながら 攻撃を与え 弱らせる他に無い」
ヘクターが大剣を構えて視線を向けずに言う
「だってよ!行けるか!?」
レイトが微笑して立ち上がって言い掛ける
「もちろ… うっ!」
ヘクターが疑問して向く レイトが下を向く ヴェインが横に来て言う
「意地を張るな レイト お前はさきほどの着地で 足を痛めたのだろう」
ヘクターがレイトを見る レイトが辛そうに顔を上げて言う
「なんの… これしきっ」
ヴェインが溜息を吐いて言う
「俺が代わる」
ヴェインが槍を構える レイトがヴェインへ向いて言う
「ヴェイン!?し、しかしっ」
ヴェインが苦笑して言う
「これ以上 お前に良い所を持っていかれては …俺の第二部隊長の座すら危ぶまれるだろう やらせろ」
レイトが呆気に取られる ヴェインがレイトを横目に見て苦笑する レイトが微笑して言う
「姫様は 貴殿の事を心から信頼なされているのだ このツヴァイザーの防衛の要である 第二部隊の隊長を 他の者になど譲ったりはしないさ …もっとも、貴殿の定年までは の話だがな?」
レイトが軽く笑う ヴェインが衝撃を受け怒って言う
「一言多いぞっ!若輩者がぁあっ!」
ヘクターが気を入れ直して言う
「よしっ それじゃ 気合入れていくぜ!?」
デス2ndがプログラムを行っている デス1stがヘクターへ向いて言う
「ヘクター 気合を入れて行くのは良いが 回避が最優先だ 一撃でも食らえば致命傷になりかねん 奴はそれこそ 先ほどの大砲一斉射撃を与える位でなければ 倒せぬ相手だ!」
レイトとヴェインがデス1stへ向く ヘクターが頷いて言う
「分かった 全力のサポートを頼むぜ!?デス1st!」
デス1stが微笑して言う
「勿論だ」
ヴェインがハッとしてシャルロッテへ向く シャルロッテが頷き その横に ロイが銃を装填して立つ ヘクターが言う
「行くぜ 野郎ども!」
ヘクターが駆け出す ヴェインが慌てて続く デス2ndとデス1stがプログラムに専念する レイトがデス1stへ向いて言う
「先ほどの大砲一斉射撃から ロドウ殿を守ったのは」
レリアンがドラゴンを降り シャルロッテの横に来て言う
「あのバリアは ヘクター国王の相棒の方々では無かったの?」
シャルロッテがエアーPCを操作しながら言う
「先ほどのバリアプログラムは デスさんたちではありません 私も誰であったのかを確認したいのですが たぶん私では… 今、デスさんが ロドウさんの戦闘データの解析と 同時進行で確認をしています」
レリアンがデス2ndを見る デス2ndの周囲のプログラムが2つの作業を行っている レリアンが悔やんで言う
「あの砲撃が当たってさえ居れば きっと取り押さえる事が出来たでしょうに… え?…と言う事は まさか 何処かに彼の仲間が!?」
レリアンが周囲を見渡す ヘクターとヴェイン、ロドウの戦いが激しく繰り広げられている ロドウが完全に正気を失い2人を攻撃し始める ヴェインが追い込まれ 焦って言う
「ぐっ…駄目だ これ以上 俺には…っ」
ロドウがヴェインを攻撃する ヴェインが慌てて槍を構える シャルロッテが慌てて言う
「駄目です!ヴェインさん!受け止める事は出来ないっ 避けて!」
リーザロッテが叫ぶ
「ヴェインっ!」
ヴェインがハッとしてギリギリで回避する ヘクターがヴェインを庇って構える ロドウがヘクターへ目標を変える デス1stがハッとして言う
「デス2nd!遅れているぞっ!」
デス2ndが言う
「分かっている!それでも 間に合わんのだ!」
デス1stがプログラムを走らせて言う
「先ほどの犯人探しはもう良い!今はそれよりっ」
デス2ndが言う
「そんなものはとっくに止めている!それでも無理だ!奴に関するデータには 強固なプロテクトが!このプロテクトのコードが 解析出来ないっ!」
デス1stがデス2ndへ視線を向ける ロドウがヘクターへ斧を振り下ろす ヘクターが横っ飛びに回避する ロドウが視線を向け斧を持たない手でヘクターを捕らえる ヘクターが悲鳴を上げる
「ぐあぁっ!」
デス1stとデス2ndが焦って叫ぶ
「「ヘクターッ!」」
ロドウがヘクターを掴む手に力を込め握り潰そうとする ヘクターが悲鳴を上げる
「あぁあああっ!!」
リーザロッテが叫ぶ
「ヘクター国王っ!」
リーザロッテが槍を片手に駆け出す 皆が驚き カイッズ巨人族たちが驚いた表情のまま皆で顔を見合わせ頷き合う リーザロッテがヘクターの近くへ辿り着くと同時に カイッズ巨人族たちがやって来て言う
「聖母様は無理しちゃいけねーだっ!」 「ここはっ 俺たちが代わりに行くだ!」
リーザロッテが驚いて言う
「あ、貴方たち…っ」
カイッズ巨人族たちがリーザロッテへ向いて頷くと カイッズ巨人族の1人がロドウへ殴り掛かって言う
「自分より 小さい生き物に 力を使っちゃ 駄目なんだーっ!」
カイッズ巨人族の拳がロドウに当たる カイッズ巨人族たちが見つめる ロドウが一瞬間を置いてから まったくダメージを受けてない状態でカイッズ巨人族たちへ怒りのまなざしを向ける カイッズ巨人族たちが驚く リーザロッテがハッとして叫ぶ
「皆っ!逃げてーっ!」
カイッズ巨人族たちが驚き止まっている ロドウが斧を振り上げる リーザロッテが皆の前に出て ロドウの前で両手を広げる レイトが走りながら叫ぶ
「姫様ぁああーーーっ!!」
皆が焦る ロドウが斧を振り下ろしている間に ガイの声が響く
「ロドウ!止めるのだっ!!」
ロドウが目を見開き リーザロッテのギリギリで斧を止める まったく怖じ気る様子の無いリーザロッテが見上げる先 ロドウが数回瞬きをしてから振り返って言う
「… ガ…イ…?」
リーザロッテがロドウの視線の先を見る ガイがゆっくり歩いて来て ロドウを見上げて言う
「彼らは 我らの仲間だ 貴殿が武器を振るう相手ではない」
ロドウが呆気に取られながら言う
「な…かま… …そ…う… … けど、ぼく… は…」
ガイが疑問し目を細める
【 ソルベキア国 北方領海 】
フェリペウス号の甲板でカイザがぼーっと空を見上げながら言う
「あ~あ~… シュレイザーは 自国の戦艦も 俺たちの海賊船も把握出来ねぇ~で… おまけに 大量のお宝もあったりってんで 格好のカモだったのにぃ~」
カイザが溜息を吐いて言う
「一体何処のだ~れが漁船探知機を 修理しちまったんだろ~?お陰で 今まで良い隠れ蓑だった軍艦が ばっちり 俺らをロックオンして来たもんね~ 危うく蜂の巣にされる所だった… あんなんじゃ もう2度と行けねぇなぁ… 新しい穴場を探すしかねーかなぁ?…なんて そんなの簡単に見つからねーよなぁ 何でフェリペウス号の出力アップを ツケでなんてやっちまったんだろ?これじゃ もう取り立てが怖くて港にも寄れね~じゃねぇの… どうしよ…?」
カイザが激しく困った様子で頭を抱えて言う
「あーーっ!こんな時っ!夢の中みてーに 天使様が舞い降りて来てよー!?俺たちを超~イカしたお宝の元へ 導いてくれたら良いのによー!現実世界の神様は何やってんだぉー!」
カイザが叫び終えて目を開くと 疑問し 表情を驚かせ叫ぶ
「ん?…んんっ!?のわぁああーっ!?」
カイザが慌てて飛び起きて逃げる 元の場所に空から黒い物体が落ちて来て 激しい音と共に甲板を突き破って下の貨物室まで墜落する カイザが呆気に取られてから 慌てて覗き込んで言う
「な… 何だ…?一体…」
カイザが別ルートから貨物室に現れ 埃の煙を払い墜落物の下へ向かいながら言う
「か… 神様からの天罰… とかじゃ… ねーよな?俺以外にも 神様に 文句とか言っちゃう奴も… い、居るだろうし?海賊だって他にもいっぱい…」
カイザが落下物を覗き込む 瓦礫が動き カイザが怯えつつ恐れながら覗き込んで 確認して驚いて叫ぶ
「なっ!?ま、まさかっ!?」
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ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
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やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
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