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1-7 出来損ないの神の子
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【 アバロン城 部隊訓練所 】
アバロン2番隊の隊員たちが悲鳴を上げて弾き飛ばされる
「ぐあーっ!」
皆が倒れた中心で オライオンが大剣を肩に担いで喜んで言う
「すげーな!?今までは いくらなんでも2番隊全員を相手にって言うのは 正直キツかったんだ シュライツの炎の魔法は なんっつーか 不安定で?いつ消えちまうかって ビクビクしながら戦わなきゃならなかったから」
デス1stが苦笑して言う
「アバロンの大剣使いが 戦いの中に置いて不安な思いを持つとは… 私から言わせれば ナンセンスだ」
オライオンが疑問して言う
「あぁ?なんせん…す?」
デス1stが苦笑して言う
「論外だと言う意味だ アバロンの大剣使いの強さは 何ににも臆せず 全力で突っ込む その、無謀とも言えるほどの 強い心だからな?」
オライオンが苦笑して言う
「ああ、それなら知ってる 俺もずっと そんな風に… 親父みてーに戦いたいって思ってたけど 真似出来なかった …それが!」
オライオンが大剣を振り 構えて言う
「今なら 俺にも親父の真似が出来る!やっぱデスのお陰だな!?」
デス1stが微笑して言う
「お前の力は 私の予想を超えていた お前がヘクターを越えるのも… そう遠くはないのかもな?」
オライオンが呆気に取られて言う
「え…?俺が 親父を?」
デス1stが苦笑する オライオンが首をかしげて考える
アバロンの危険を知らせる鐘が鳴り響く
オライオンとデス1stが驚き顔を見合わせてから 走ってアバロン城へ向かう
【 ベネテクト城 玉座の間 】
伝達の兵が走り込んで来て言う
「ベーネット陛下!大変です!ベネテクト城の門前に 大量の機械兵が!」
ベーネットとヴィクトール14世が驚き ヴィクトール14世がベーネットへ向いて言う
「ベーネット!」
ベーネットがヴィクトール14世へ頷き 立ち上がって言う
「総員!戦闘態勢へ!ベネテクト国内の町や村を緊急閉鎖!アバロン、及び ガルバディアへ連絡を!ベネテクト在住の魔法剣傭兵隊を門前へ至急配備 私が前線の指揮を取る!」
伝達の兵が返事をして走り去る ヴィクトール14世が気を引き締めて言う
「ベーネット!相手が機械兵なら 先ずは僕らで!」
ベーネットが頷いて言う
「はい 機械兵には 雷撃が有効です ヴィクトールは私と共に最前線へ!」
ヴィクトール14世が頷く ベーネットが振り返って言う
「では こちらはお願いします!」
ヴィクトール14世とベーネットが玉座の間を後にする
【 ソルベキア城 門前 】
雷撃が横に走る ガルバディアの騎士たちがジャンプして避ける 雷撃が機械兵らを攻撃して 機械兵らが動きを止める バーネット1世が笑んで言う
「はっはー!どーだ旧世界のオンボロ機械兵ども!俺様の雷撃はよぉ?体中 隅々まで痺れまくりやがるだろぉ!」
ヴィクトール12世が振り返り苦笑顔で言う
「ああ、相変わらず君の雷撃は 私の全身を容赦なく痺れさせてくれるよ バーネット」
バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「馬鹿野郎ぉお!ヴィクトール!てめぇえが痺れやがるんじゃねぇえ!雷撃は調整してやってるだろぉおがぁあ!?」
ヴィクトール12世が正面へ向き直って言う
「ああ、前回に比べれば 大分調整はしてくれている様だが… 君は昔から 私が君の雷撃に対応すれば した分だけ 雷撃を強めるだろう?だから 私はいつまでたっても 君の雷撃には痺れるのだよ …まぁ これも 君が私の身を隅々まで調べ上げて 絶妙に… ちょっと苛め気味に調整してくれている 結果であると知り 私も嬉しいような痛い様な恥ずかしいような… 複雑な心境だったりもするのだが…」
ヴィクトール12世が照れる バーネット1世が衝撃を受け 顔を赤らめて叫ぶ
「ばっ!馬鹿野郎ぉお!ヴィクトール!てめぇえは んな 人が聞いたら誤解しやがるような事を 公然と言いやがるんじゃねぇええ!!」
ヴィクトール12世が苦笑した後視線を向けて言う
「うむ、そうだな とても人には聞かせられない様な 君と私の痴話話しだが ここに居るのは ガルバディアの騎士たちと 機械兵であって 問題は無かった… しかし そこへ?彼らはどうだろうか?バーネット」
バーネット1世が疑問して言う
「あぁ?」
バーネット1世がヴィクトール12世の視線の先を見て表情を険しくする ウィルシュが現れて言う
「バーネット… 第二プラントの管理者 シリウスの子孫 …知ってるか?ミスター・バーネット?」
バーネット1世が目を細める ウィルシュが赤い瞳を細めて微笑して言う
「プラントの管理者は 新たな管理者を地に放つと共に 消滅しなければならない もし… 新たな管理者が 不良品であった際は それを速やかに 破棄せねばならない …存在を許される管理者は 常に 1人だけだ」
バーネット1世が鼻で笑って言う
「ハッ… 知らねぇなぁ?」
ウィルシュが微笑して言う
「だろうな?」
シュライツが現れ ウィルシュへ向いて怒って言う
「ピロプ!プポピポプー!」
バーネット1世が疑問して言う
「あん?『私の相棒から出て行け』 だぁ?」
シュライツが怒って ウィルシュへ言う
「プポピポー!ピー!」
シュライツが周囲にプログラムを発生させて ウィルシュへ送り込む ウィルシュがシュライツへ怒りの視線を向ける プログラムがウィルシュの体に纏わって弾ける ウィルシュの目の色が戻って呆気にとられて言う
「…あれ?ここは?」
ウィルシュが周囲を見渡した後 バーネット1世を見て言う
「ん?あんた… 誰だ?」
ヴィクトール12世が疑問する バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「だっ!?てめぇえがさっき 俺様を 『ミスター・バーネット』 とか キザったらしい呼び方しやがったんじゃねぇえかぁあ!?」
ウィルシュが呆気に取られて言う
「あ?ミスター・バーネ… あ!バーネットって!シリウスの息子だって奴か!?」
バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「おらぁああ!何、勝手に 俺様を呼び捨てにしやがってるんだぁあ!?てめぇえ!こっちとら ソルベキアの第一国王にして この世界の神の子だってぇえんだぞぉお!頭が高ぇえ!」
ヴィクトール12世が苦笑する ウィルシュが笑んで言う
「ははっ まぁ、何でも良いや!あんたが “バーネット” なら やる事は一つ!」
ウィルシュが手を振るい現れた巨大剣を取って構え言う
「リジル様の命令だ あんたには 死んでもらう!」
バーネット1世が一瞬呆気に取られた後 笑んで言う
「へぇ…?てめぇが “ウィルシュ” かぁ… アバロン傭兵隊をぶっ潰し 隊長のオライオンを倒したってぇ?」
ウィルシュが笑む バーネット1世が苦笑して言う
「面白れぇ… がぁ?俺様を殺したけりゃ まずは俺様の可愛い猫を 倒してみやがれってもんだぜ?」
一瞬の間の後 ヴィクトール12世が恥ずかしがって言う
「うん… バーネット?その… 私としては嬉しいのだが やはりこの歳になって 『可愛い猫』と言う その紹介では 少々 登場がしづらいのだが…」
バーネット1世が衝撃を受け 頬を赤らめ怒って言う
「なぁ!?ばっ!馬鹿野郎ぉお ヴィクトール!てめぇえは!折角俺様が キメてやったのに 水を注しやがるんじゃねぇええ!」
ウィルシュが疑問して言う
「俺様の… 可愛い猫…?」
シュライツが嬉しそうに言う
「ピュロプポー!」
ウィルシュが衝撃を受け ヴィクトール12世を指差して シュライツへ向いて言う
「はぁあ!?あの おっさんがぁあ!?」
バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「おら!てめぇええ!おっさんって 言いやがるんじゃねぇええ!泣き虫ヴィクトールが 泣いっちまうだろぉおがぁあ!?」
ヴィクトール12世が困り苦笑している
【 アバロン城 玉座の間 】
オライオンが走り込んで来て言う
「レクター!何があったんだ!?」
レクターが玉座に座っていて 正面にあるホログラムモニターへ言う
「分かった こっちも確認したら すぐ連絡を入れる」
ホログラムモニターのキルビーグが言う
『うむ、出来れば ガルバディアの様子も分かったら 教えて頂きたい こちらからの通信は やはり まったく繋がらないのだ 現状では 貴殿も我々へガルバディアの状況を伝える事は 漏洩の心配などから難しいかもしれないが…』
レクターが呆気に取られた後 笑顔で言う
「大丈夫なのだ キルビーグ殿!私は誰かに口止めされていても ついポロッと言ってしまう だから シリウス国王も 私には その程度の事しか伝えないのだ!…そんな気がする!」
ホログラムモニターのキルビーグが呆気に取られた後苦笑して言う
『ガルバディアが無事であると言う事が分かるだけで 十分であるからにして… どうか、よろしく頼む レクター殿』
レクターが笑顔で言う
「ああ!任せてくれ!キルビーグ殿!」
ホログラムモニターのキルビーグが微笑して消える オライオンがレクターへ駆け寄って言う
「レクター!」
レクターがオライオンへ向く デス1stが来て言う
「この警報は アバロンへの敵襲を知らせるものだが 私のデータでは 現在アバロン周囲にそれらの様子は見受けられない」
レクターがデス1stを見てからオライオンへ言う
「ああ、実は今の所 アバロンに敵襲はねーのだ!」
レクターが笑顔になる オライオンとデス1stが呆気に取られてから オライオンが怒って言う
「なら何で警報を鳴らしたんだよ!?皆驚くじゃねーか!?」
デス1stが言う
「アバロンには無くとも 関連する国に敵襲があったと言うのか?」
レクターがデス1stへ向いて言う
「ああ、ソルベキアとベネテクトだ 旧世界の機械兵が現れちまったらしい」
デス1stが驚いて言う
「旧世界の機械兵だと!?」
オライオンが驚いて言う
「ソルベキアとベネテクトって!」
デス1stが周囲にプログラムを発生させて言う
「どちらも シリウス国王の子孫 バーネット国王らが居る場所か」
オライオンが言う
「それじゃやっぱり!ガルバディアにも!?」
デス1stが周囲にプログラムを発生させて言う
「いや、ガルバディアには 現在 機械兵は現れていない」
オライオンがデス1stへ向いて言う
「なら!俺らはソルベキアかベネテクトの応援に!」
レクターが言う
「ソルベキアにはガルバディアの騎士が大勢居る あいつらなら機械兵を倒せる」
オライオンがレクターへ向いて言う
「ならベネテクトだ!」
デス1stが言う
「ベネテクトは レクターが送り込んだ ガルバディアの騎士たちが 既に戦闘を開始している 共に ベネテクトに居る魔法剣傭兵隊… 交戦勝率98% 戦力は十分だ」
オライオンが慌てて言う
「なら!?」
デス1stが言う
「現在各国は 最高位の警戒態勢を敷いている そして、この アバロン…」
レクターが言う
「アバロンもそうしてー 所なんだが アバロン最強部隊の3番隊が ぶっ潰されちまった状態じゃ 世界一戦力が低いって言われてきた カイッズにも 今は負けちまいそうな勢いなんだ 最近あの国は 良い感じで強くなって来てるし… もしかしたら 今はもう アバロンが負けちまってるのかもしれねー!」
レクターが笑顔になる デス1stとオライオンが衝撃を受け 怒って言う
「「この間抜け大剣使いーっ!そー言う事は 思っても口に出すな!」んじゃねー!」
オライオンがデス1stへ言う
「デス!?この襲撃って やっぱり あいつも関わってるのか?」
デス1stが言う
「断言は出来かねるが… タイミングと言い その可能性は高いと思われる 先日お前が戦った場所は ソルベキアの直ぐ近くであったからな?」
オライオンが表情を険しくして言う
「なら あいつは…っ あの場所の先 ソルベキアにっ?」
【 ソルベキア城 門前 】
シュライツが気合を入れてプログラムを発生させて言う
「プロポプロポ プロポピー!」
バーネット1世が笑んで言う
「はっはー!甘ぇえっつってんだろぉがぁああ!」
バーネット1世が手を振り払って シュライツからウィルシュへ流れ込もうとしたプログラムを打ち消す シュライツが呆気に取られた後 バーネット1世へ向いて怒って言う
「プロプロプピポプー!」
バーネット1世が怒って言う
「るせぇええ!剣士同士の戦いに水を注しやがるんじゃねぇえ!てめぇも剣士の相棒なら 分かりやがれぇええ!」
ヴィクトール12世とウィルシュが剣をぶつけ合う ウィルシュが息を切らせて言う
「はぁ…はぁ… あんたやるなっ!?デカイ剣を使うだけの戦い方じゃねー… 隙もねぇーし 剣に頼る防御もしねー… 厄介な相手だぜっ」
ヴィクトール12世が微笑して言う
「貴公はその剣に頼り過ぎだな いや、相棒殿の力に …と言うべきか?それだけ大きな剣であっては 致し方ないのかもしれないが 一刀を繰り出した後の動作が後手へ後手へと回ってしまう それでは…」
ヴィクトール12世が正面からウィルシュに切りかかる ウィルシュが表情を顰め 巨大剣で受け止めようとする ヴィクトール12世が瞬時に角度を変えて斬り込む ウィルシュが攻撃を食らって 悲鳴を上げる
「ぐあぁ!」
シュライツがハッとして顔を向けて言う
「ピュロッ!?」
ウィルシュが膝を着く シュライツが衝撃を受け 慌てて叫ぶ
「プピポー!」
バーネット1世が微笑して言う
「はっはー!終わったな?」
バーネット1世がヴィクトール12世の横へ行く ヴィクトール12世が剣を収め 2人がウィルシュを見下ろす シュライツが心配してウィルシュに触れて言う
「ピュロッ!プポピ!」
ウィルシュが傷を抑えて苦笑して言う
「へへ…っ 負けちまった…」
シュライツが困って言う
「ピュロピポー!」
シュライツがバーネット1世を見上げる バーネット1世が言う
「ああ、回復してやれ てめぇや そいつの事も詳しく調べさせてもらうが その前に死なれやがったら 困りやがるからなぁ?」
シュライツがウィルシュの傷へ回復プログラムを施す ヴィクトール12世が苦笑して言う
「久方ぶりに 一大剣使いとして戦わせて貰った 貴公に感謝するよ ウィルシュ殿」
ウィルシュが顔を上げる バーネット1世が悪微笑して言う
「よぉ?そらぁ どぉ言いやがる事だぁ ヴィクトール?俺様のサポートを受けて戦うのが そんなに気に入らねぇってぇ事かよぉ?」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「そんな事はないが… いや 少しはあるかな?」
バーネット1世が怒って言う
「あぁあ!?てめぇえ 今何て言いやがったぁ!?一発ひっ叩かれてぇえのかぁあ!?」
バーネット1世が鞭で床を叩く ヴィクトール12世が苦笑して言う
「だって 君の雷撃は やっぱり痛いのだよ バーネット いつもとは言わずとも たまには もう少し 優しくしてもらいたいのだが…」
バーネット1世が怒って言う
「るせぇええ!」
ウィルシュが回復を終え立ち上がって言う
「おっさんだと思って油断しちまった… 最初っから本気で ペリーテと一緒に戦ってれば きっと勝てた筈だ」
ヴィクトール12世が苦笑する バーネット1世が顔を向け笑んで言う
「よぉ?知ってっかぁ てめぇ?そぉ言うのは 負け犬の遠吠えってぇんだぁ」
ヴィクトール12世が少し考えた後 苦笑して言う
「いや、そうでもないかもしれないよ バーネット?以前にも言ったが 我々の力の結晶 雷鳴の剣は 多勢には有効だが こと一対一の戦いに置いては 少々不利な所があるじゃないか?」
バーネット1世が衝撃を受ける ヴィクトール12世が苦笑して言う
「特にスピードについては 君が私を苛めすぎるから 通常時より 鈍ってしまうのだよ バーネット?従って やはり 雷撃はもう少し優しく…」
バーネット1世が怒って言う
「だから!てめぇえはぁあ!前にも言いやがったが てめぇえの弱点を わざわざ公にしやがるんじゃねぇえ!ついでに 雷撃は何がありやがっても 弱めてやらねぇえからなぁあ?はっはー!」
ヴィクトール12世が泣きながら言う
「えー!?酷いよ バーネット!」
バーネット1世が怒って言う
「るせぇええ!てめぇえは 俺様の猫だろぉお!?泣き言言ってやがるんじゃねぇえ!」
ウィルシュが苦笑して言う
「今回は俺の負けって事で認めるけど 次の時は全力でやらせてもらうぜ?」
バーネット1世とヴィクトール12世が顔を見合わせてから ウィルシュへ向き微笑する ウィルシュが苦笑して視線を落とす シュライツがハッとして言う
「ピロポー!」
バーネット1世とヴィクトール12世が疑問して バーネット1世が言う
「あん?『止めろ』だぁ?」
ウィルシュが呆気にとられた状態で言う
「…いや 次の時は 存在しない 何故なら」
ウィルシュが顔を上げる バーネット1世が疑問してウィルシュを見る バーネット1世の目に ウィルシュの赤い瞳が見えた瞬間 バーネット1世が気付いて言う
「てめぇえはっ さっきの…っ!?」
バーネット1世がウィルシュの剣を持つ手へ注意を向ける ヴィクトール12世が叫ぶ
「バーネットっ!!」
他方から銀色の矢が飛んで来る
ヴィクトール12世がバーネット1世を突き飛ばし ヴィクトール12世へ矢が刺さる リジルが顔をしかめて言う
「何っ…!?」
ヴィクトール12世が倒れる リジルが言う
「クッ …ならばっ」
リジルが手を向け その先に居るウィルシュの体にプログラムが纏わる シュライツが怒ってリジルへ向いて抗議の奇声を上げる
「ピローッ!プピポポピポプー!」
リジルがシュライツへ視線を向ける シュライツの声が失われる
「-ッ!? ――ッ!」
リジルがヴィクトール12世を見て言う
「私の攻撃に気付いた…?いや、有り得ないか …どちらにしろ 貴様はここで始末する」
リジルがバーネット1世へ視線を向ける 周囲にプログラムが発生する ウィルシュが操られたまま巨大剣を振り上げる バーネット1世が言葉を失って ヴィクトール12世の横で言う
「ヴィク… トール…?」
ヴィクトール12世が苦しそうに言う
「バーネッ… 逃げ …っ ガルバ ディ ア… へ… 逃げ るんだ…っ!」
ウィルシュが剣を振り下ろす バーネット1世が強く目を閉じる ウィルシュの巨大剣が床に突き刺さり床が割れる リジルが言う
「私の呪縛プログラムを解除したか… 流石は シリウスの息子 ますます悔やまれる ここで討ち損じた事は 後の大きな障害となるだろう…」
リジルが姿を消す ウィルシュが倒れる シュライツが慌ててウィルシュの身に触れる
【 ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが目を開く その先に バーネット1世とヴィクトール12世が現れ バーネット1世が慌てて叫ぶ
「シリウス!頼むっ!こいつを!ヴィクトールをっ!」
バーネット1世が悔しそうに言葉を飲んで俯く シリウスAが静かに言う
「それの命は助からぬ お前とて 分かっておるはずじゃ 新人類が ロストヒューマンの攻撃を受けたとあっては その傷を癒す事は 我であっても不可能じゃ」
バーネット1世がヴィクトール12世の服を握り締めて言う
「この…っ 馬鹿野郎がぁあ!何で俺を庇いやがったぁあ!?俺ならっ!俺なら…っ」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「君は… 新しい… …を 用意… ない…から… 私は… 君を 守り たかった… 君を 守って… 次の …に 君を… 私の を委 ねる… その… 時 ま で …」
バーネット1世が叫ぶ
「ヴィクトール!!」
ヴィクトール12世が微笑して目を閉じる バーネット1世が目を見開く ヴィクトール12世が力を失う バーネット1世が叫ぶ
「あぁああー-っ!!」
シリウスAが目を細める
回想
20年前
ヴィクトール12世が振り返って言う
「ガルバディアに住むのは久しぶりだね バーネット?」
背を向けているバーネット1世が 僅かに振り向いて言う
「ヴィクトール… 俺はてめぇをサポートしやがらなかった てめぇの相棒だってぇのに アバロンの第二国王で居やがったってぇのに… てめぇがラインツの野郎に剣を向けられやがっても 指一本てめぇを助けるために動かしやがらなかった …アバロンの連中は皆俺を恨んでやがるだろうぜ てめぇも …俺を恨んでやがるんだろ?」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後苦笑して言う
「あれはしょうがないよ バーネット それに、元々アバロンはラインツの一族が王様だったんだし この世界が力を得るには やっぱり 本当の王である 彼がアバロンの王座に着くべきだ」
ヴィクトール12世が一瞬間を置いた後言う
「とは言え 僕は父上から王位を継承してから 全力でアバロンの繁栄に励んでいたし 王として… 皆と共に戦える事を嬉しく思っていた …だから やっぱり ちょっとだけ… 寂しいかな?てへっ」
ヴィクトール12世が苦笑しながら照れる バーネット1世が視線を逸らして言う
「てめぇは十分アバロンの王として 力を有して居やがった… あの時俺が ちょいと手を貸してさえしてやれば」
ヴィクトール12世が言う
「君はアバロンの第二国王である以前に この世界の王だ シリウス国王が篭ってしまった以上 君はもう 特定の国へ力を貸してはいけない」
バーネット1世が目を閉じる ヴィクトール12世が微笑んで言う
「それに!今度僕は 世界の神様 バーネット1世の猫だと 世界中に知られる事になるかもしれないじゃない!?僕はアバロンの王じゃなくても 君の相棒なのだから!」
ヴィクトール12世が笑顔になる バーネット1世が呆気に取られてから笑んで言う
「おうよ!てめぇは アバロンの王じゃぁ無くなっちまったが 今度は世界の王バーネット1世様の相棒だぜ!胸を張りやがれ ヴィクトール!」
ヴィクトール12世が笑顔で言う
「うん!」
最近
ソルベキア城 玉座の間
バーネット1世が玉座にだらけて不満そうに言う
「やれやれ、ガルバディアから ベネテクト… アバロン経由で ガルバディアへ戻りやがったと思ったら 今度はソルベキアの王だぁ?ハッ!次は何処の王になりやがれってぇんだ?」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「私はガルバディアからアバロン そして ガルバディアへ戻ってから このソルベキアの第二国王となった訳だけど バーネットが次の王になるのだとしても 私はもう付いていく事は無いのだろうね…」
バーネット1世が疑問してヴィクトール12世へ向いて言う
「あん?そら、どう言う意味だぁ?」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「君はもうすぐ その体を新しいものに変えるのだろう?しかし、私はそうは行かない …でも、君の新しい相棒となるべき ヴィクトール13世は バーネット2世に貰われている… 君はどうするのだい?私は最近 その事が心配で いつも考えているのだよ バーネット?」
バーネット1世が衝撃を受けバツの悪そうな表情で言う
「あ?あ、あぁっ!…そ、そうだったぜ すっかり忘れてやがった… とは言え 言っとくが俺は てめぇの次の猫の事なんざ まったく考える気はねぇぞ?そもそも俺は シリウス国王とは違って この300数年の中で 俺の猫はてめぇ1匹だけだからなぁ?」
ヴィクトール12世が呆気に取られて言う
「え?そうなのかい?私はてっきり 君は他の猫も飼った事があったのかと思っていたのだが… とは言え 次の猫はともかくとしても 新しい体は早く用意した方が良いのではないのかな?これからこの世界は 異世界の王との戦いを始めるのだから 用意は出来る時にしておかないと大変だ 私はもう二度と君のあの様な姿は見たくは無いが そうなってしまった時の為にも」
バーネット1世が制して言う
「今度は!…てめぇが居やがるだろぉ?ヴィクトール あの時みてぇに 俺様が1人で戦いやがるなんて事はねぇんだぁ あんな無様な姿を晒す事だってねぇ それに…」
ヴィクトール12世が疑問する バーネット1世がヴィクトール12世を見て言う
「俺は てめぇの次の猫の事は 考えねぇ」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後 少し考え 笑顔で言う
「それでは… 君はやはり 私にも我が父ヴィクトール11世の様な 猫耳と尻尾を付けて 延命して貰える様 シリウスBへ頼むつもりなのだね?私は 何となく 君がそれを望んでいるのではないかと 少々気を揉んでいたのだよ!」
バーネット1世が衝撃を受けて言う
「なぁあ!?」
ヴィクトール12世が困り照れて言う
「とは言えバーネット?52歳になる私に あの愛らしい猫耳と尻尾は やはりどうかと思うのだよ せめて ライオンの耳や尻尾にしてもらうというのはどうだろうか?」
ヴィクトール12世が微笑む バーネット1世が慌てて言う
「てめぇえ!この馬鹿猫ヴィクトールがぁあ!まんざらでもねぇ様に言いやがるんじゃねぇえ!ライオンの耳や尻尾も 十分愛らしいじゃねぇえか!この野郎ぉお!」
ヴィクトール12世が苦笑する バーネット1世が気を取り直して言う
「…と、まぁ 冗談はさて置きだ あのプロテクトプログラムについては 今全力で解析してやがる 悪魔力の影響を抑える部分についてはまったく手に負えねぇが 何とか細胞の成長を抑制する その部分さえ解析して取り込む事が出来やがれば てめぇの寿命を延ばせやがるからなぁ」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「バーネット… 我々は 君たちとは違う新人類だ… 新人類は ロストヒューマンの過ちを繰り返さない為にも 限られた寿命の中で生き そして死んで行く… 命の尊さを知り 自分たちがこの世界の一部である事を知った上で 自然のままに次なる新たな命へ紡いで行く …例え この世界の神とされる 君の相棒である私であっても 例外ではない 一度でも神の力で 生き存えてしまっては 私は 永遠にその機会を失ってしまうと思うのだよ」
バーネット1世が呆気に取られた後 困り怒って言う
「なぁ!?…て、てめぇは!それで良いかもしれねぇが!俺は!?俺様はどうなる!?てめぇを失った後 次の相棒を探せってぇのか!?今度はヴィクトール15世が生まれやがるのを待って また1から躾付けやがれってぇえのかぁあ!?」
ヴィクトール12世が表情を困らせて言う
「う…うむ… そうだな 君には 迷惑と苦労を掛けてしまうな?」
バーネット1世が怒って言う
「そぉだぜ!てめぇは!少なくっとも ヴィクトール15世の誕生と その躾を手伝う義務がありやがる!だから!てめぇの寿命は 意地でも延ばさせてやるからなぁ!?簡単に死ねやがると思ったら 大間違いだぜ!」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後困って言う
「しかし、バーネット…」
バーネット1世が怒って言う
「うるせぇええ!てめぇは 俺様の猫だろぉお!まだ生まれてもいやがらねぇ ヴィクトール15世が立派に育ちやがる その時まで 俺様の身を守らなけりゃならねぇだろぉがぁあ!?違うかぁあ!?」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後苦笑して言う
「うむ…確かに 君が新しい猫を得るまでの間は 私が君を守らなければならないな?」
バーネット1世が腕組みをして玉座に座り直して言う
「だ、だったらぁ…っ 下らねぇ事を言いやがるんじゃねぇ それに… 俺は」
ヴィクトール12世の通信機が鳴る ヴィクトール12世が反応して通信機を着信させる 通信モニターに映ったオライオンが言う
『ヴィクトール様!俺たちアバロン傭兵隊が ヴィクトール様とバーネット様の護衛の為 遠路遥々駆け付けたぜ!だから!シリウス国王の本体とか言うのが スプローニで見付かったみたいだけど 安心してくれよな!』
ヴィクトール12世が呆気に取られた後 苦笑して言う
「ああ、オライオン隊長 シリウス国王の本体が見付かったのは良い事だよ そこを心配する必要は無い 実は諸公を寄越す様頼んだのはだな…」
ヴィクトール12世が玉座の間を離れながら言う
「通信より一度ここへ来てもらえると助かるのだが 今どの辺りだろうか?もうすぐシュレイザーに留まっていたガルバディアの騎士たちが…」
バーネット1世が見送ってから言う
「俺は… 俺の寿命を終わらせる為に バーネット2世を作った… そして 俺自身はてめぇと同じ様に… ヴィクトール… てめぇにそれを教えたら てめぇはまた泣いて 悲しむか?…それとも」
バーネット1世が一度目を閉じ 赤い瞳で開いた後 少し上を見上げてホログラムのモニターを表示する モニターにヴィクトール12世が映る ヴィクトール12世が通信機へ向いて言う
『そうか… ではまだローゼントを出発した所なのだな?急がなくても良いのだが… いや、やっぱり少し急いでもらえるか?ソルベキアには この世界の神の子である バーネット1世が居るのだ もちろん彼の身は私が死守するが 万が一の時には 諸公の力に頼らざるを得ないかも知れない …うむ、それはそうなのだが 何と言うのか …今回は …とても 嫌な胸騒ぎがするのだよ』
バーネット1世が目を細める
回想終了
シリウスAが目を開き言う
「バーネット1世 お前は満足じゃろうのぉ それが お前の選んだ道 お前はロストヒューマンとして 失格じゃ 我が端から思っておった通り お前は出来損ないじゃった…」
シリウスAの視線の先 ヴィクトール12世の隣に バーネット1世が倒れている
【 ベネテクト城 玉座の間 】
ホログラムのモニターにベネテクト城前状況が映っている モニターを見ていたヴィクトールが耐え切れずに振り返って言う
「バーネット!このままでは 皆がやられてしまうよ!あの機械兵は 僕たちが旧世界で戦った物より強い!あれを倒すには 僕たちも戦わないと!」
玉座に座るバーネットが一瞬真剣な表情のままヴィクトールを見た後 苦笑して言う
「ハッ!確かに あの機械兵どもには 旧世界の時には無かった 胸糞悪ぃ強化装置が付けられてやがる だが、こっちだって 戦力強化はされてやがるだろぉ?ガルバディアの騎士に魔法剣士傭兵隊 何より このベネテクトの第一国王 バーネット3世どもが前線に出てやがるんだぁ この上 俺たちまで出てやる必要なんざねぇっ」
ヴィクトールが一瞬呆気に取られた後 再び強く言おうとして表情を困らせて顔を逸らす バーネットが視線を逸らして思う
『…とは言え 何とか持ち堪えてやがる現状じゃぁ ヴィクトールの言う通り いずれ皆やられっちまうな… 今は何処の国も緊急警備態勢 あの機械兵がいつ自国へ送られて来やがるとも分からねぇ以上 何処もこっちへ援軍なんざ送れやがらねぇんだ アバロンは傭兵隊が戦えねぇし ソルベキアの親父とは連絡が繋がらなくなっちまった…』
バーネットがヴィクトールを見てから思う
『ヴィクトールは先の戦いの傷が癒えてねぇ… 俺に気付かれまいとしてやがるが 本当は立って歩くので精一杯だ 雷撃を受け止める事なんざ 出来やがる訳もねぇっ …クソッどうする!?』
城門前
雷撃が横に走り機械兵Gに当たる 続いて雷撃が落ち ヴィクトール14世が受け取り 声を上げて襲い掛かる
「いやぁああーーっ!」
機械兵Gが盾を掲げヴィクトール14世の剣を受け止め ヴィクトール14世へ剣を振るう ヴィクトール14世がハッとする ベーネットが叫んで鞭を振るう
「ヴィクトールっ!」
ベーネットの鞭にプログラムが纏わり 足りない長さを補って ヴィクトール14世の体を捕らえ 機械兵Gの攻撃からヴィクトール14世を回避させる ヴィクトール14世が空中で体勢を立て直して 着地し 剣を構えて視線だけをベーネットへ向けて言う
「ありがとう ベーネット 助かったよ」
機械兵Gの中に居るリゲルがニヤリと笑んで言う
「この巨大ロボットに人の力で攻撃するとは この世界の新人類はどこまで愚かなのだ?…うん?」
リゲルの見ているモニターの中 ベーネットの情報が現れ リゲルが呆気に取られて言う
「なんだ?あいつにはロストヒューマンの遺伝子情報が… あいつがシリウスの後継者か!?」
リゲルがベーネットに注目する ベーネットがヴィクトール14世の近くへ来る ヴィクトール14世がベーネットへ言う
「ベーネット、どうしよう?このままでは…っ」
ベーネットが言う
「勝算はあります ガルバディアの騎士や、魔法剣傭兵隊の皆が戦っている機械兵は 皆制御システムを あの一体の大型機械兵に支配されているのです ですから あの大型機械兵を倒しさえすれば 他の機械兵は全て 戦闘行為を止める筈です」
ベーネットが周囲にプログラムを発生させる ヴィクトール14世が言う
「しかし、あの大きな機械兵には 我々の雷撃が殆ど効かない これでは倒す事は出来ないよ」
ベーネットが言う
「確かに 今までの拡散型の雷撃では 奴は倒せません …ですから 今までとは手法を変え 大剣に溜め込む雷撃の量を増やし 一刀入魂で行きます その為にはヴィクトール 多くの雷撃を溜め込む 貴方に多くの負担が掛かりますが… 耐えられますか?」
ヴィクトール14世が一瞬呆気に取られた後強気に言う
「やろう バーネット!僕は 君を信じる!僕らは あの機械兵に勝てるよ!」
ベーネットが一瞬呆気に取られた後笑んで言う
「おう!」
ベーネットが眼を閉じ周囲にプログラムを発生させる ヴィクトール14世が気合を入れ剣を構え直す ベーネットが赤い瞳で目を開き 悔しそうに言う
「だが、折角のその一刀をぶち込むには あの機械兵の隙を突かなけりゃぁならねぇ… ヴィクトール、てめぇの剣に雷撃を溜め込んだ後 同時に俺が奴へ攻撃を仕掛けて 奴の気を逸らすが… 余り期待しやがるな 奴も馬鹿じゃぁねぇだろうからな いくら 俺が出て行こうが てめぇと 戦力の低い 俺が同時にむかうとなりゃぁ 奴だっててめぇをマークしやがる」
ヴィクトール14世が言う
「それなら最初から 僕1人で行くよ 君が奴の近くに行くのでは 僕はそちらの方が心配で 攻撃に集中出来ないからね!」
ベーネットがヴィクトール14世を見る
玉座の間
ヴィクトールがバーネットへ詰め寄って言う
「行こう!バーネット!僕らなら あの機械兵の気を散らす事ぐらい 出来るよ!だから!バーネット!」
バーネットが表情を困らせてヴィクトールへ視線を向ける
城門前
ベーネットがいくつかのプログラムを現し 全てがエラーになる ベーネットが密かに言う
「チッ… ヴィクトール13世は 囮にさえ使えねぇか…」
後方から声が掛かる
「…では その役目 俺たちが引き受けよう」
ベーネットとヴィクトール14世が振り返る レビが銃を取り出し 義手に引っ掛け銃弾の装填を行う ベーネットが言う
「てめぇは シュレイザー常駐 スプローニ部隊の」
ヴィクトール14世が言う
「確か レビ隊長」
レビが僅かに顔を背けて言う
「…それは過去の称号だ 今の俺は いち旅人に過ぎん」
ベーネットが言う
「その腕で 戦えやがるのか?相手は旧世界の機械兵を上回る でけぇ機械兵だ 手負いの身で戦える相手じゃねぇ 増してや 利き腕を失った今のてめぇじゃ」
レビが言う
「…利き腕は失ったが 片腕は残った そして今は 利き腕を上回る腕も得た」
ベーネットが疑問して言う
「あぁ…?その出来の悪ぃ義手の事かぁ?」
レビが微笑して言う
「…フッ こいつの事ではない その腕とは 俺の相棒の事だ」
レビが義手を軽く叩いた後 視線を他方へ向ける ベーネットがレビの視線の先を見る チッピィが引け腰で弓矢を持って現れ ビクビクして言う
「レ、レレレレビ?や、やっぱり せ、戦場は こ、こここ 怖いのねっ!ぼ、僕 今にでも に、逃げ出したい気持ちで い、いいいいい一杯なのね!も、もし良かったら 僕 レビの分まで た、退避路を 掘っておくのね!」
ベーネットとヴィクトール14世が呆れる レビが無表情に一瞬止まった後 溜息を吐いてから言う
「…チッピィ 怖いのなら卿は来るなと言っただろう ついでに 退避路は卿の分だけで良い 掘りたければ掘っていろ …と、それより あいつは何処だ?」
チッピィが言う
「で、ででで でも 僕は レビの相棒なのね!だから 掘るんなら レビの分まで掘るのね!ついでに ブレードなら 久しぶりのお友達に ご挨拶に行っちゃったね!」
チッピィが他方へ指を刺す レビがチッピィの指差す方を見てから頭を抱え溜息を吐いてから 通信機を取り出して言う
「…ブレード 思いのままに動けとは教えたが 卿はその前に状況を確認しろ 今は誰も 卿との再会に挨拶などはしておれん」
ヴィクトール14世とベーネットが呆気に取られ顔を見合わせた後 ベーネットが疑問して言う
「『ブレード』 だぁ?そんな名前の兵はぁ スプローニにもシュレイザーにも…」
レビの横に1人のガルバディアの騎士が着地する レビが何事も無かったかの様にベーネットへ言う
「…待たせた こちらの準備は整った」
ベーネットとヴィクトール14世が驚き ヴィクトール14世が言う
「君は…っ ガルバディアの騎士!?」
ベーネットが呆気に取られて 他方で戦っているガルバディアの騎士たちを見る
玉座の間
バーネットが呆気に取られて言う
「なんだぁ?あいつはぁ?」
バーネットが周囲にプログラムを発生させて言う
「製造コード89… ってぇ事は シュレイザーの援護に向かわせていた連中の その半分… ソルベキアへ送った騎士の1人じゃねぇか?何で勝手に 元スプローニ兵と行動してやがる!?」
ヴィクトールが首をかしげて考えた後笑顔で言う
「それは… もしかしたら彼は あのレビって言うスプローニ兵の 相棒になったからなんじゃないのかな?僕も 彼らの父として 彼が独自に考えて行動してくれたというのは… とても誇らしく思うよ!」
バーネットが呆気に取られて言う
「ガルバディアの騎士が 単身 誰かの相棒になりやがるなんざ…」
ヴィクトールが嬉しそうに言う
「さっき レビが言ってたじゃない?失った利き腕を上回る相棒だって 彼なら その表現にぴったりだ!」
バーネットが首を傾げて言う
「まぁ… 確かに その表現の相手が アレ… って事は ねぇだろうからなぁ?」
バーネットがホログラムモニターに映る チッピィを見る
城門前
雷が落ちる ヴィクトール14世が受け取り 苦しそうに顔を上げる ベーネットがヴィクトール14世を確認した後 振り返って言う
「よし …準備は出来てやがるんだったなぁ!?」
レビが銃を構えて言う
「…いつでも」
ブレードが武器を構える チッピィがへっぴり腰で弓矢を持っている リゲルがモニターの警告に振り返って言う
「うん?強力なエネルギーの反応が… なんだ あいつらか?」
リゲルが向き直って言う
「ふんっ 雑魚どもを片付けてから しっかり潰してやろうと思ったが 余計な事をされる前に潰しておくか… リジルの様に逃げられても困るしな?」
リゲルが構える ベーネットが叫ぶ
「行っけーっ!てめぇらぁああー!」
ヴィクトール14世とレビ、ブレードが走る チッピィが慌てて続こうとするが怯えて止まる ブレードが皆から抜き出て 機械兵Gへ斬り掛かる 機械兵Gがブレードの武器を盾で防ごうとして レビの銃弾に気付き 銃弾を盾で防ぎ ブレードの武器を剣で押さえる ベーネットが叫ぶ
「今だっ!」
ヴィクトール14世が声を上げて斬りかかる
「やぁああーーっ!」
ベーネットが怒りの視線を隣に向け 怒って言う
「今だっ!て言ってやがるだろぉおがぁあ!このへなちょこ野郎ぉお!」
ベーネットがチッピィのへっぴり腰を蹴り上げると チッピィが引いていた矢を放し チッピィが驚いて振り返って言う
「痛ぁーーっ!痛いのね!何するのね!?」
ベーネットがにやりと笑んで言う
「ハッ!良い腕してやがるじゃねぇかぁ?」
チッピィが疑問してベーネットがあごで示す方を見て言う
「へ?」
チッピィの視線の先 機械兵Gの目に矢が刺さっている リゲルが不鮮明になったモニターに驚いて言う
「クソッ!一体何処から!?…ハッ!」
機械兵Gが見上げた先 ヴィクトール14世が斬り付ける リゲルが周囲の機械の故障に困惑して言う
「あぁああっ!おのれぇええ!」
リゲルがモニターを操作して 映像を変え 黒画面に一点光りがある画面を作って言う
「こうなればっ 奴だけでも!」
機械兵Gが武器を手放す ベーネットが疑問して言う
「あん?降参かぁ?」
レビとブレードが見上げる ヴィクトール14世が疑問して見た後はっとして振り返って叫ぶ
「ベーネット!伏せてーっ!」
ベーネットが呆気に取られてヴィクトール14世を見る 次の瞬間 機械兵Gが片腕を向け ベーネットを目掛けてロケットパンチを飛ばす ベーネットが驚きに目を見開くと ヴィクトール14世がベーネットを庇って間に入る ベーネットがハッとすると同時に 2人が壁に叩き付けられる レビとチッピィが驚き レビが叫ぶ
「ヴィクトール様!ベーネット国王!」
玉座の間
ヴィクトールとバーネットが驚き目を見開いている ヴィクトールが怯えて言う
「あ…ああ…っ」
ヴィクトールが小刻みに震える バーネットが周囲のプログラムを見てホッとして 微笑して言う
「ハッ… 安心しやがれ ヴィクトール」
ヴィクトールが驚き振り返る バーネットが苦笑する
城門前
レビが走って来て チッピィが腰を抜かしている横をすり抜ける瞬間に チッピィの無事を目視してから ヴィクトール14世の横へ屈み言う
「ヴィクトール様!?ベーネット国王!?」
後方で チッピィがブレードに手を貸されて立ち上がり 怯えながら レビの後ろへ行って 恐々言う
「レ、レレレレ レビ?ふ、2人は…?」
レビが2人の容態を確認して 苦笑して言う
「…大丈夫だ 2人共 気を失ってはいるが 息は整っている」
チッピィが驚いて言う
「えっ!?だ、だって…っ あ、あの機械兵の手は 物凄い速さで飛んで来たのね!僕、腰が抜けちゃったね!」
リジルが舌打ちをして言う
「チッ… 討ち損じたか ならばっ!」
機械兵Gが残った腕を握り締め ベーネットたちへ向かって来る レビが振り返り立ち上がって銃を構える チッピィが怯える ブレードが武器を構える リゲルが叫ぶ
「ぶっ潰してくれるっ!」
機械兵Gが拳を突き向けた先で その腕を巨人が抑える リゲルが驚いて言う
「何っ!?」
レビとチッピィが驚き チッピィが言う
「あ、あれ…?カイッズの巨人族?」
レビが言う
「いや、違うっ」
ロドウが必死に抑えつつ言う
「ヴァッガスっ 早く!僕1人じゃ 抑えきれないよっ!」
ヴァッガスが言う
「もう少し 待て!今 奴の弱点を …了解!」
ヴァッガスが通信機を耳から離して 機械兵Gへ走り向かって行く最中に獣化して 機械兵Gの肩まで駆け上り 背に携えた2刀の短剣を抜いて 機械兵Gの首筋の配管へ突き刺す 機械兵Gの操作室で計器類がけたたましく鳴り響きリゲルが焦って言う
「ぐあぁあっ!」
機械兵Gがヴァッガスを掴み投げ飛ばす 上空からガイが武器を構えて急降下する リゲルが言う
「クソッ!ここまでかっ」
ガイが先にダメージを与えていた機械兵Gの破損個所へ武器を突き刺す リゲルが移動プログラムで機械兵Gから飛んで行く ガイが移動プログラムの光を視線で追っているとガイの脳内へ声が届く
『離れろ ガイ』
ガイが反応して即座に退避する 直後に機械兵Gが盛大に爆発する レビと皆が視線を向けた先 機械兵Gの周囲にバリアプログラムが張られていて 機械兵Gの自爆範囲を狭めている
ガイがヴァッガスの近くへ降り立ち振り返って叫ぶ
「メテーリ 御二方の御容態は!?」
メテーリがヴィクトール14世へ回復魔法を放ちつつ振り返って言う
「こっちの剣士の方は 何とか大丈夫だけど もう1人の!シリウス様の子孫って人の方が…っ!」
レビが言う
「この腕は… 急がなければ 俺と同じ事になりかねん」
チッピィが疑問して言う
「え?腕…?」
チッピィが覗き込み 衝撃を受け怯えて言う
「ひ、酷い怪我なのね!お姉さんっ そっちはもう良いのね!こっちの人の う、腕の治療の方が先なのね!」
バーネットがやって来て言う
「いや、こいつは 回復魔法なんざじゃ手に負えねぇ… てめぇが言う通り 急がねぇと腕所か命までやべぇってぇ状態だ おいっモフュルス!」
バーネットが振り返った先にモフュルスが居る バーネットが向き直って言う
「俺とヴィクトールは 3世の回復にガルバディアへ行く 14世の回復の続きは 城下の医者へ任せろ あばらの5~6本折れてやがるだろうが 死にはしねぇ… それから、しばらくてめぇに ベネテクトを預けるぜ」
ヴィクトールが心配そうにベーネットを抱き上げる モフュルスが静かに頷いて言う
「はい、かしこまりました バーネット様 …とは申しましても 私もすっかり年老いましたので ベネテクトの管理には 私めの孫も手伝いをさせたいと思うのですが… 宜しいでしょうか?」
バーネットが一瞬呆気に取られた後 笑んで言う
「うん…?おうっ てめぇが目を掛けてやがるてぇなら 構わねぇぜ?頼むぞ!」
モフュルスが微笑んで礼をする バーネットとベーネットを抱いたヴィクトールの周囲に移動プログラムが発生して消える 皆がそれを見送った後 ガイが言う
「見た所 あの巨大な機械兵を操っていた者は退避し 残された機械兵の処理も 彼らに任せれば良さそうだ… 我らもガルバディアへ シリウス様の下へ戻ろう」
ロドウが微笑して頷く メテーリが言う
「そうね?シリウス様の子孫だって言う2人も ガルバディアへ行ったんだし?私たちがここに残る必要は無いわね」
メテーリが辺りを見渡し肩の力を抜いてからハッとして言う
「…って、もしかして!?シリウス様ってば 私たちを飛ばすだけ飛ばしておいて 戻りは自分たちでやれって事!?」
メテーリが慌てる ガイが苦笑して言う
「行きは このベネテクトの場所を メテーリが知らなかったので致し方ない 移動魔法は一度赴き その場所の情報を知らなければならぬとの事だ しかし、戻りとならば ガルバディアでもシリウス様でも どちらを目標としてでも 戻られるのであろう?」
メテーリが不満そうに言う
「そ、それは…っ そうだけど…っ もぅ!分かったわよ!」
メテーリがツンとして移動魔法の詠唱を始めようとする ガイとロドウが苦笑する ヴァッガスが言い辛そうに言う
「ま、待ってくれ!メテーリ!」
ガイ、ロドウ、メテーリが疑問して メテーリが言う
「え?」
ロドウが疑問して言う
「どうかしたの?ヴァッガス?…そう言えば 何だか元気が無かったみたいだけど?」
ガイが考えて言う
「言われてみれば…?いつものヴァッガスであれば あの特別な機械兵を倒した自分たちの活躍を 誇らしげに言ってくれると思っていたのだが?」
ガイがヴァッガスを見てから ヴァッガスの視線の先を見て気付いて言う
「うん…?貴殿は… あの時の!?」
ヴァッガスがレビを見る レビがヴァッガスを見詰めている ヴァッガスが戸惑った後 一歩レビへ近づく チッピィが素早くレビの前に立って弓矢を構えて言う
「近づくなっ!」
皆が驚く チッピィが怒りの眼差しで言う
「お、お前…っ あの時のっ あの時レビの腕を奪った奴っ!僕はっ 僕はっ!お前の事 許さないっ!」
ヴァッガスがショックを受け苦しそうに俯く チッピィが弓を引く チッピィの引いている矢をレビが握る チッピィが驚いてレビを見て言う
「レビ…っ!?どうして…っ!?」
レビが顔を横に振って言う
「…卿が弓を引く相手は 奴ではない」
ヴァッガスが驚いてレビを見る レビがヴァッガスを見て言う
「…諸卿も 異世界の王と戦うのか?シリウスBの兵」
ヴァッガスが驚いて言う
「な、何でお前が 異世界の王の事を 知ってんだ!?」
レビが言う
「…何の間違いであったのか 今でも不明だが… 俺は先日 アバロンの王 ヘクター国王から この世界の危機と それに関する異世界の王の存在についての連絡を受けた 唐突な話であり 共に、こちらからの問いには一切答える事なく 一方的に切られた事から 詳細を確認する為 俺たちはアバロンへ向かっていたのだが 立ち寄ったこのベネテクトの惨事に 急きょ加勢していた」
ガイが来て言う
「アバロンのヘクター国王は 現在アバロンに居らず 更に言えば この大陸の何処にも その存在を確認出来ないと言う」
レビが疑問する ガイが言う
「彼の事は現在、我らの王シリウス様や ガルバディアの王シリウスA様が 確認をしていると言う話だが… 異世界の王の事を知った貴殿が もし、この世界の敵である その者と 戦うつもりがあるのなら 是非 我らと共にガルバディアへ来てもらいたい」
レビが一瞬驚いて考える ガイが微笑して言う
「…そして、シリウス様であれば 貴殿のその腕も ともすれば 再生が可能であるかもしれない」
ヴァッガスが慌てて言う
「そ、そうだぜ!シリウス様が!お前の腕を治してもらえる様に 計らってくれるって言ってたんだ!だからっ!」
レビが呆気に取られる チッピィが呆気に取られた後喜んで言う
「レビの腕を!?それは 凄いのねっ!良かったね!レビ!腕を治してもらえるって!これで利き腕が元に戻れば!毎日のご飯にも苦労しないで済むね!レビ!」
レビが衝撃を受けあわてて言う
「そっ…そんな苦労は どうでも良いっ!俺は…っ!」
ロドウが後方で通信機をしまいながら言う
「ガイ、ヴァッガス シリウス様が心配してるよ メテーリの移動魔法が失敗しちゃったのかって」
メテーリが衝撃を受け怒って言う
「失礼ね!私は元の世界で 多国籍部隊の皆を移動させるので めい一杯修行したんだから!今更 こことガルバディアの距離で 失敗なんかしないわよ!」
メテーリがロドウに詰め寄る ロドウが苦笑して言う
「僕に言われても…っ」
ヴァッガスがメテーリへ振り返っている状態からレビへ向き直って 喜んで言う
「一緒にガルバディアへ来てくれ!腕の回復と!それから…っ 改めて謝らせてくれ!」
ヴァッガスが真剣にレビを見詰める レビがヴァッガスの思いを悟り一瞬間を置いてから頷いて言う
「…了解した ガルバディアへ行けば 異世界の王についても 詳しく知り得るのだろう …同行する」
チッピィが呆気に取られてから微笑した後 遠くへ向いて叫ぶ
「ブレードー!再会のご挨拶を終わらせたなら 早く戻ってくるのねー!じゃないと レビの本当の相棒である僕だけで 君の事は置いて行っちゃうのねー!」
遠くでブレードが振り返る チッピィがレビへ振り返り笑顔を見せる レビが一瞬呆気に取られてから苦笑して ヴァッガスへ向いて言う
「…俺が行くのなら …こいつらも同行するが?」
レビの後ろにブレードが着地する ヴァッガスが苦笑して言う
「おうっ!分かった 大丈夫だぜ!…な?メテーリ?」
メテーリが表情を困らせて言う
「ちょっとっ!大きな音を立てないでよ!周囲の精霊様が 驚いちゃうじゃない!」
皆が苦笑しチッピィがブレードを横目に見る ブレードが首を傾げる
【 ガルバディア城 機械室 】
ベーネットが回復装置に入れられている それを見ているガイ シリウスBが説明する
「このバーネット3rdの体は ヴィクトール14thに守られたお陰で助かった だが あの瞬間 3rdは自分を庇った14thの背へ両腕を回し その腕に衝撃へ対する強化プログラムを実行していた お陰で 本来であれば即死であっただろう 14thの命が助かり 代わりに3rdの両腕は致命傷を受けた」
ガイが感心して言う
「あの僅かな間に 御二方は最良の行動を行い 共に命を取り留めた という事ですね」
ヴァッガスが言う
「けど、あのデカイ機械兵の攻撃を防いだ腕は かなり酷い状態だったんだろ?それこそ…」
ヴァッガスが表情をしかめ視線を逸らす シリウスBが言う
「ああ、通常 あそこまで粉砕された腕の回復は ロストヒューマンの再生力を持ってしても不可能と言える だが 回復装置の中で 正常な状態で残った腕の細胞分裂へ 更なる促進を行う事で形成完治させる それを 元の肉体と同調させれば …これにより彼を完全な状態へ 回復させる事が可能だ」
ガイとヴァッガス、ロドウが感心した後 ヴァッガスが心配して言う
「腕だけの時間を早めるって事か…?そんな事しても 大丈夫なモンなのか?何だか… 全体がおかしくなっちまいそうな話だよな」
シリウスAが言う
「そうじゃ、ただ腕だけの時を速めるのでは 速めている部位とそうでない部位 それらの接合部の細胞が崩壊してしまうのじゃ じゃが、その接合部の細胞へ完璧なプロテクトを施し融合させる事で 問題を解決させてしまえば 良いのじゃ …と、言葉で言うのは簡単じゃが そのプロテクトを行えるプログラマーは 異世界を含めた全てのプログラマーの中であっても このシリウスBだけじゃろうのぉ?」
シリウスAが微笑む ガイ、ヴァッガス、ロドウが呆気に取られる シリウスAがガイたちを見て言う
「魔物の力を取り込み 更に越えるお前たちの能力とて Bが作り上げた プロテクトプログラムがあってこそのものなのじゃぞ?どうじゃ?Bは凄いじゃろう?」
シリウスAが笑顔になる 皆が驚く シリウスBが視線を逸らしバツが悪そうに言う
「…シリウス、余り煽ててくれるな 人に感心されるのには 慣れていない …それから 俺をBと呼ぶな」
シリウスAが笑顔で居る ガイたちが苦笑する
玉座の間
シリウスA、B、ガイ、ヴァッガス、ロドウが玉座の間へ戻ると バーネット2世とヴィクトール13世が呆気に取られている シリウスAが玉座に座り言う
「所で、バーネット2世 共に ヴィクトール13世 ベーネットの事はともかくとして お前たちがガルバディアへ来てくれたのは丁度良かったのじゃ 我は この2人を… 一体何処の国へ弔ってやろうかと 考えておってのぉ?」
ヴィクトールが言う
「父上…」
バーネットがやっと声に出して言う
「… 親父…」
バーネットとヴィクトールの前に バーネット1世ヴィクトール12世の遺体が入った装置がある シリウスAが微笑して言う
「我は今まで 我の猫として生涯を全うした 後のヴィクトールたちは 皆アバロンへと戻してやっておったのじゃ じゃが、この2人に関しては アバロンとガルバディアへそれぞれ分けてしまうのは 可哀想に思うてのぉ?…とは言え、バーネット1世はヴィクトール12世がアバロンの王座を失った その戦いに置いて まったく助力をしなかった アバロンの裏切り者とされておる故に アバロンの民はヴィクトール12世を受け入れはしても バーネット1世を受け入れてはくれまいじゃろうと 生前 こ奴が言っておったのじゃ」
ヴィクトールが苦笑して言う
「アバロンの民は… きっとバーネット1世様の事を許してくれます しかし、私は… 夢の世界とは違い この現実世界のアバロンへ提言する事は出来ないし その判断を出来るのは やっぱり現アバロンの王である ヘクターだ …だから」
ヴィクトールが寂しそうに微笑んで言う
「ヘクターがこの世界に戻る その時まで 今のまま… このまま2人で ガルバディアに寝かせておいてあげるのが 良いんじゃないかな?ね?バーネット」
バーネットが2人を見て苦笑して言う
「ハッ… そうだなぁ?」
シリウスAが正面を見て言う
「…さて、ここに居るお前たちは 皆、異世界の王について 粗方分かって居るのかのぉ?」
レビが言う
「…この新世界と旧世界 それら2つの世界の他に存在する 異世界の王である …と そして、奴ら2人の名は リゲルとリジル」
シリウスAが少し不満そうに首を傾げて言う
「ふむ… 新世界に旧世界 異世界の王とはのぉ… まぁ 7、800年前は その程度の言葉でも十分じゃった訳じゃが…」
デス1stが歩いて来て言う
「新世界と旧世界… 2つもの世界があるというだけならともかく 更に異世界が存在し それらの各王が我らの世界へ簡単に現れる とは… 流石に おかしな話であると 誰しもが勘付くものだ」
デス1stの後ろから付いて来たオライオンが首を傾げて言う
「あ?その話の… どっかがおかしいのか?」
デス1stが僅かにオライオンへ向く オライオンが首を傾げて考える デス1stが溜息を吐く ガイが言う
「世界と呼ばれる程のものが 多数存在する上に それらの世界を軽々と移動出来る …まるで 我らが 国と国とを行き来するかの様だ」
ヴァッガスが考えて言う
「そう言われて見れば そうだなぁ?」
オライオンが感心して言う
「ああ!そう言われれば そうも聞こえるよな!…まぁ 俺らが国を行き来するのと違って その世界の移動を軽々出来るのは ガルバディア国王や異世界の王たちだけって所だけ 違うけどな!」
シリウスBが腕組みをして玉座の肘掛に背を預けて シリウスAを見る シリウスAが微笑して言う
「そうじゃ 本来であるなら この新世界と旧世界 それらの行き来が出来るのも 我らだけなのじゃ とは言え 旧世界の土地は 悪魔力と機械兵の増加が 定数を越えてしもうたのでのぉ?急きょ 民たちを移動させねばならなかったのじゃ」
デス1stが言う
「先日 シリウス国王が旧世界へ向かった際の移動プログラム あのプログラムを僅かながら解析した所 大まかに見て我々が普段使用する移動プログラムとの違いは無かった… 唯一違った事は 旧世界へ向かうその目的地のコードに 特別なパスが掛けられていた …私の推測が正しければ そのパスさえ知り得る事が出来れば 私や全てのプログラマーは勿論 魔法使いたちの移動魔法ですら 旧世界へ向かう事が可能であると」
シリウスAが悪微笑する シリウスBが苦笑して言う
「…確かに、ただ移動を行うだけならば お前の言う通り 移動手段を持つ者にパスを与えるだけで 両大陸を移動する事が可能だ 更に言えば その移動手段さえ 魔法やプログラムではない 船や翼を持つ者でさえな?」
ヴァッガスが驚いて言う
「船や翼って…っ!?」
メテーリが首をかしげて言う
「そう言えば… シリウス様って 時々新世界や旧世界の事を 大陸って言うのよね それって… もしかして?」
ガイが微笑して言う
「我々が新世界、共に旧世界と呼び分けていた両世界は 南北に存在する 両大陸を示しているものであったのだ」
皆が驚く デス1stが目を細めて言う
「やはりそうか」
ガイが言う
「故に 私は ヴァンパイアの力を強め より長距離を飛行する能力を得る事で 悪魔力を使用する転送装置を使用する事なく 我々の故郷 南の地から北方にある この新世界と呼ばれる大陸へ 空を飛んで渡る事が出来た」
デス1stが言う
「では、それら新旧両世界… いや、両大陸の話を踏まえ 今まで異世界の王と言っていたものも」
シリウスAが言う
「我らの管理する2つの大陸とは 異なる 別大陸の事じゃ 我らも リジルやリゲルたちも 皆 同じ世界に住む 各大陸の王なのじゃ」
【 ソルベキア国 スファルツ邸 】
スファルツがモニターを見上げて言う
「なるほど… そういうことでしたか」
ベハイムが目を細めて言う
「我々が言っていた 新旧世界が 船で行く事が出来るほどの… それ程近くにあった土地ならば 何故 我ら旧世界の民は 海を行く事で 新世界へ渡る事が出来なかったのか」
スファルツが言う
「先ほど デス殿が言っておられた 両世界…もとい 両大陸を移動するには 特別なパスが必要なのだと よってパスを持たない… 審査に適合しない 旧世界の皆様が旧世界から新世界へ渡る 唯一の方法は その審査を回避出来る 転送装置を使用しての移動であったのでしょう」
ベハイムがスファルツへ向いて言う
「審査に適合する者…と言うのは?曾祖父君の様に 電波になる事が可能である… と言う事でしょうか?でしたら 曾祖父君のお友達であられる あのデス殿は お得意であられる様ですが?」
スファルツが衝撃を受け ベハイムへ向いて怒って言う
「私のお友達2号である デス1st殿を電波扱いするのは お止めなさいっ!曾お祖父ちゃんは お前をそんな子に育てた覚えはありません!」
ベハイムが衝撃を受け スファルツへ向き直って言う
「私は 曾祖父君に 育てられた覚えはありませんが…」
ベハイムが気を取り直して言う
「では その審査に適合しない者が 大陸を移動する方法を試みた場合はどうなるのでしょう?移動魔法やその類では 何らかの力に遮られると言うのは 分からなくも無いですが… シリウスB殿が言っておられた 空や… 船であったなら?魔法やプログラムが出来ない者でも 行動に移す事が可能な方法です」
スファルツが微笑して言う
「フフ…ッ その答えは 今から数百年前 まだ我々新人類が 皆旧大陸に住んでいた頃に 漁師たちが教えてくれました ”遥か北の海には 世界の果てが存在し 海の水は 底の見えない滝となり崩れ落ちる” 恐らく 我ら新人類を統べる ロストヒューマンが作り上げた壮大なプログラムなのでしょう 例えそれが実際には存在しない幻影だと言われようとも そこを抜けようなどと言う事は 尋常では考えられません」
ベハイムが呆気に取られる スファルツが言う
「更に、その言い伝えが作られてから 数百年を経過した現代 この大陸でも 南の果てへ向かった海賊たちは 同じ滝を見て怯え 引き返した所を ソルベキア艦隊に捕らえられる と言うのが お約束の様ですよ?」
スファルツが笑顔になる ベハイムが疑問して首を傾げる
ソルベキア城 地下牢
牢屋の格子にしがみ付き カイザが泣き叫ぶ
「そんなぁーーっ 俺はソルベキア海域で海賊業は… そ、そりゃぁ… ちょっとはしてたけどっ だからって あんな艦隊総動員で追い詰められるほど 酷い事はしてないのよぉーー!?」
守衛がにやりと笑んで言う
「ああ、そうらしいな?俺たちも お前が我らソルベキア国の領海で行った程度の略奪行為であれば… 本来は追いかける事さえ無い…」
カイザが詰め寄って言う
「ならぁっ!」
守衛が顔を近付けて言う
「だがぁ!…お前に関しては 別の所から 捜索令状 共に 報酬金が掛けられている」
カイザが疑問して言う
「はぁ?報酬金?捜索令… まさかっ」
(ヴィルトンの造船屋)インデンが現れて言う
「探したぜぇ?カイザ船長」
カイザが衝撃を受けて言う
「インデンっ!?」
インデンが腕組みをして困っている素振りを見せて言う
「困るなぁ 世界最速の海賊船 フェリペウス号の船長さんよぉ?そのご自慢の海賊船を 世界最速にしてやった代金を 長々と先延ばしにしてくれちゃぁ~ 俺も もしかして?…いや、まさかな?カイザ船長が 支払いすっぽかして 逃げ出したんじゃないか~?なんてなぁ?心配になっちまうってもんでよぉ?」
カイザが焦って言う
「そ、そそそ そんな訳ないだろ!?インデン!?お、俺は 世界最速の海賊船 フェリペウス号の船長さんだぜぇ!?その船を改良してくれた金を 踏み倒すだなんてっ!?そ、そんな事 する訳が~っ」
インデンが苦笑して言う
「そうだよなぁ?俺も分かっちゃぁいるんだ… だが…?やっぱり 支払いは シャキッとしてもらわねぇとな?何でも このソルベキアさんが 今 ちょいと良い船を捜してるって言うんだ 今までソルベキアが持って無かった様な 小型であっても 速度が出る それこそ世界最速の船をな?そいつを渡せば 俺がお前さんから払ってもらう予定の 倍の金を払ってくれるって言うんだよ~」
カイザが呆気に取られた後 慌てて言う
「お、おいっ インデン!まさかっ お前!」
インデンが表情を困らせて言う
「俺としても 海賊の町ヴィルトンの造船士として 家族とも思える海賊さんを お国へ売る様な事はしたくなかったんだが 最近は 何処の国も 何だか殺気立ってるだろぉ?このままじゃ 今までみてぇに海賊じゃなく 国の艦隊さんと仲良くなって 守って貰う様になるんじゃないか …と思うんだ そうなれば ヴィルトンの海賊は 今までみたいに義賊を通す事は出来なくなって来る… いつか 俺たちの手に渡される金も…ってな?それとも 今回みたいに逃げられちまうか」
カイザが言う
「支払いが遅れた事は 本当に謝る!悪かった!だがっ 俺たちヴィルトンの海賊は!義賊を捨てるなんて事はしねぇ!家族であるお前らへの支払いから 本当に逃げるなんて事だって!」
インデンが目を閉じて言う
「もう決めたんだよっ!すまねぇ カイザ船長…」
インデンが視線を落として去って行く カイザが呆気に取られてから 慌てて格子にしがみ付いて叫ぶ
「インデン!俺は!俺たちは ずっと家族だぜ!」
カイザが悔しそうにインデンの去った先を見る 守衛が苦笑して言う
「我が王が喜んでいたぞ?お前の海賊船… いや、我らの最速艦は とても格好が良いとな?なんでも 甲板に大きな穴が開いているらしいが そこさえ修理すれば 直ぐにでも 旧世界へ 我らの神の下へ 仲間を迎えに行けるとな?」
カイザが疑問して言う
「お前たちの王ってのは バーネット1世様だろ?神様に… 旧世界へって… 一体何の話だ?」
守衛が鼻で笑って言う
「フッ… 我らの王が バーネット1世だと?下らんっ あんなのは一時の話だ 我らの王は今も昔も変わらず ガライナ様だ」
カイザが驚いて言う
「はぁ?ガライナ?…そいつは バーネット1世様にぶっ倒されたんじゃ!?」
守衛がカイザを殴りつける カイザが牢屋の奥へ背を打ち付ける 守衛が怒って言う
「黙れ!ガライナ様は 倒された振りをして その間に 我らの神の下へ向かって居ったのだ!ガライナ様が 倒される訳など無い!」
カイザが殴られた頬を押さえながら身を起こして言う
「なら その倒された振りをしたって時には 倒されたんでしょうが!?それに神神って あんたらの神様は一体何処にいるって言うんだ!?ガライナが生きてるなら 何で神様となんか会えるんだよ!?」
守衛がニヤリと笑んで言う
「何だ 知らんのか?我らの神は お前が想像する 死んだ後に会う様な存在ではない 我ら新人類を創造された ロストヒューマン 即ち 神とも思える力を持つ そのお方を示しているのだ!」
カイザが呆気に取られる 守衛が向き直って言う
「そして、神は 我らの近くへとお越しになった… この大陸の遥か南の地 我らの故郷 旧大陸に …故に、我らはそこへ急ぎ向かい 神が別大陸からお連れになった 神の使いをお迎えしなければならない …最速の艦でな?」
守衛が誇らしげに大笑いして去って行く カイザが目を瞬かせて言う
「な… 何を言ってんだ?あいつは…?」
【 ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが周囲のプログラムを見て言う
「ふむ… 旧大陸へ第5プラントからの援軍を呼び寄せおったか 余りゆっくりはしておれんのぉ?」
シリウスBが背を離しシリウスAへ向いて言う
「俺が行く 旧大陸へ戻り 奴らを追い返してやる」
シリウスAがプログラムを消して言う
「いや、我が行く」
シリウスBが疑問して言う
「あぁ?…何を言っている シリウス 奴らの狙いは お前だ そのお前がわざわざ出て行くなど」
シリウスAが笑んで言う
「そうじゃ 奴らは我を倒すため 自分たちの大陸から兵を呼び込み 我の周囲から崩して行こうと言う作戦じゃ そこへ… 我自らが向かっていったらどうじゃ?奴らは… たいそう驚くじゃろうのぉ?」
シリウスAが笑顔になる シリウスBが衝撃を受け怒って言う
「驚かすだけで どうするつもりだっ!?大体、一瞬は驚くだろうが その次の瞬間には 奴らは大喜びでお前をぶっ殺しに掛かって来るのだろう!?そこへ!久しぶりの本体に 実は戸惑っているお前では うっかり 奴らに負けるかもしれんだろうっ!?」
シリウスAが恥ずかしがって言う
「なんじゃB… そんなに我の深い場所を覗き見るなど… やっぱりお前は 今も昔も変わらぬ… 我の全てを知り尽くさねば 気が済まぬのじゃなぁ?」
シリウスBが衝撃を受ける シリウスAが嬉しそうに照れて言う
「良いのじゃぞ?B?お前がどうしてもと言うのであれば 我はお前に全てをさらけ出しても…」
シリウスAの周囲にプログラムが発生する シリウスBが怒って言う
「貴様はっ!相っ変わらず 誤解を招く言葉を 捜してまで言うな!」
皆が呆れている ヴィクトールだけが微笑んでいて バーネットが言う
「…俺はシリウスAの子孫だが シリウスBの気持ちが嫌と言う程分かりやがるぜぇ…」
ヴィクトールがバーネットの言葉を意外そうに言う
「え?そうなの?バーネットが 直系の先祖である シリウス国王より その兄弟である シリウスBの気持ちの方が分かるだなんて… 不思議だね!」
ヴィクトールが笑顔になる バーネットが呆れの汗をかく シリウスAが気を取り直して言う
「…と、まぁ 今は互いに民の前じゃ 仲良ぉするのは 2人きりの時にしようではあらぬか?B?」
シリウスAが微笑む シリウスBが衝撃を受け怒って言う
「2人きりの時であっても お前の下らん茶番につき合わされるのは御免だっ!」
シリウスBが気を取り直して言う
「…と、その様な事よりっ シリウス、本体との融合が悪いのなら尚更だ お前はこの大陸を離れるべきではない こちらへ残り俺が旧大陸へ行っている間に 保護システムを管理していろ 先ほど 新たなプロテクトプログラムを構築しておいた 奴らが 二度とこちらの大陸へ 入り込めぬ様にな」
シリウスAがプログラムを見て微笑した後言う
「流石じゃのぉ B これほど強固で隙のあらぬ防壁を組むとは… お前本来の繊細さがプログラムに現されておるわ じゃが 惜しいのぉ これ程のものに加え お前が本体であったなら リジルやリゲル程度ではあらぬ より 強力な相手の進入さえ 阻む事が出来るじゃろう」
シリウスBがシリウスAを横目に見て言う
「より強力な相手?…俺は義体であったため お前の助言を受け 情報量による補正を施したが リジルやリゲル以外の相手などは さほど意識していないぞ?」
シリウスAがプログラムを覗き込んで言う
「これなら… 捕らえられるやも知れぬ」
シリウスBが疑問して言う
「捕らえる?」
シリウスAが顔を上げて言う
「よし、決めた… 我は決めたのじゃ B!」
シリウスBが腑に落ちない様子で言う
「先ほどから何を言っている?シリウス?」
シリウスAが立ち上がり シリウスBへ向き直って言う
「B、我は旧大陸へ行き リジルどもに挨拶をして来てやるのじゃ その間…」
シリウスBが疑問している シリウスAが言う
「お前に 我のこの身を 預ける」
シリウスBが呆気に取られて言う
「な…?」
シリウスAが微笑して言う
「そして お前が今使用しておる体を 我に寄越すのじゃ その義体はとても良い出来なのじゃ じゃと言うのに B?お前はちっとも その性能を使いこなせておらぬ 我は… その美しい義体が可哀想でたまらぬのじゃ」
シリウスBが疑問を重ね 慌てて言う
「ちょ、ちょっと待てっ!順番に突っ込ませろっ シリウス!」
シリウスAが照れ視線を落として言う
「生憎 我の身は 突っ込まれる方には 慣れておらぬ」
シリウスBが怒って言う
「そうじゃねぇええっ!!」
シリウスBが手を振り払って言う
「いい加減にしろ シリウス!奴らは既に動き始めている!こちらが後れを取る訳にはいかん!」
シリウスAが鋭い視線で言う
「そうじゃ B 故に さっさとその義体を我へ渡すのじゃ 我はお前とは逆に 義体の方に慣れておる そして、万が一の時にも安心じゃ それが義体の本義であると 教えたじゃろう?」
シリウスBが一瞬黙ってから言う
「…ならば 別の義体を使え …いや、これがそれ程に高性能だと言うのなら 俺が別の義体に…」
シリウスAが言葉の途中で シリウスBの正面へ行って意識を送る
『B、我らの土地へ入り込もうとして居るのは リジルやリゲルだけではあらぬ 我はお前に そやつの存在を叩き出して欲しいのじゃ 我はこの身で全力をもってしても探し出す事が出来なかった じゃが お前なら …出来る!』
シリウスBが驚いてシリウスAを見る シリウスAが微笑して意識を送る
『我がリジルらの相手をするのは ただの目くらましじゃ 我らの本当の敵は 他に居るのじゃ!』
シリウスBが呆気に取られる
シリウスA、B以外の者たちが不思議がる オライオンが首を傾げて言う
「うん?あの2人 何か言ってるのか?ちっとも声が聞こえねーぜ?」
デス1stが周囲にプログラムを現しつつ視線を強めて言う
「我らには聞こえぬよう プロテクトがされている 何を話している…っ!?」
ガイが見詰める 後方でヴァッガスとロドウ メテーリが顔を見合わせ ヴァッガスがさぁ?の手振りをする レビが見詰めるチッピィが首を傾げる
シリウスBが一瞬間を置いてから言う
「…分かった だが、最後に聞く 本当に良いのか シリウス?私が今使用している義体を お前に渡した所で お前が獲るものは何も無い だが、私がお前の本体へと入れば お前の持つ知識や記憶 その全てを共有する事になる そして知り得た情報は お前に体を返した後も 私は記憶している筈だ お前は… お前のプログラマーとしての財産を 全て私へと 明け渡す事になるのだぞ?」
シリウスAが言う
「B、我は旧大陸で 600数年振りに会うたお前に言ったのじゃ お前に 我の持つ全ての情報を与えても良いと… 後にも 念を押して言うた その気持ちに偽りはあらぬと」
シリウスBが呆気に取られる シリウスAが微笑して言う
「我はいつだって お前に シリウスAの名を譲る準備は出来ておる …愛らしい猫も居る事じゃしのぉ?」
ヴィクトール11世が反応して 喜んでシリウスAの下へ行く シリウスAがヴィクトール11世を抱きしめて笑顔になる シリウスBが衝撃を受け怒って言う
「俺は何があっても Aの符号は受け取らんぞっ!受け取ってやるものかっ!」
後方でバーネットたちが呆れている
シリウスA、Bが向かい合い 周囲にプログラムが現れる シリウスBが真剣に見詰める シリウスAが微笑する 皆が見詰める中 プログラムが壁に見えるほど無数に発生して 皆が呆気に取られた後 プログラムの羅列が収束する 皆が見詰める シリウスA、Bが向かい合っているが 表情が逆になっている ヴィクトールとヴィクトール11世が目を瞬かせた後 ヴィクトール11世が微笑んで向かいながら言う
「シリウスーっ」
ヴィクトール11世がシリウスBであった義体に抱き付く シリウスBの義体が笑顔になって言う
「良い子じゃ ヴィクトール 例え姿が変わろうとも 我が分かるのじゃのぉ?」
ヴィクトール11世が言う
「うん!」
バーネットたちが驚いて目を瞬かせる ヴィクトールが微笑んで言う
「うん、なんでだろ?僕も 何となくだけど 判る気がするよ」
バーネットが苦笑して言う
「そら てめぇにも 貧弱なアバロンの力がありやがるからなぁ?」
ヴィクトールが不満そうに言う
「ぶーっ 貧弱でもいーんだもんっ」
バーネットが悪微笑する オライオンが首を傾げて言う
「あー?俺には分かんねーけどなぁ?」
デス1stが衝撃を受け 慌てて言う
「わ、判らんのか?オライオン…っ」
オライオンが表情を困らせて言う
「じゃぁ デスは判るのかよ?」
デス1stが困って言う
「い、いや… 私は外見からの判断は出来かねるが 中身からなら… だがお前は?お前の アバロンの 何となくそんな気がする力は 何処へ行ったのだ?」
オライオンが言う
「ああ、俺のアバロンの力はさ?どーでも良い事には 効かねーんだよなー?」
オライオンが笑顔になる デス1stが衝撃を受ける チッピィが首を傾げて言う
「2人のシリウス国王様が 入れ替わったって事?」
レビが言う
「…らしいな 卿には判らんのか?その… 動物の勘…などでは」
チッピィが困って言う
「僕には判らないね 2人は今もさっきも 同じ匂いなのね」
ブレードが沈黙している ヴァッガスが表情を困らせて言う
「な… 何だか 変な光景だぜ」
ヴァッガスの視線の先 シリウスBであった義体が笑顔でヴィクトール11世を撫でている メテーリが青ざめて言う
「ほんと… やっとあの姿のシリウス様に 見慣れたって時に …止めてもらいたいわ」
ロドウが首を傾げて言う
「中身が入れ替わったって事は 今までのシリウスA様に対して シリウス様って呼べば良いんだよね?ガイ?」
ガイがロドウの問いにはっとして言う
「あ、ああ…っ そういう事になるな 私も 何だかあの不思議な光景に 呆気に取られてしまっていた」
シリウスAの本体がデータ解析から戻って言う
「…これが お前の力 …やはり大したものだ シリウス」
シリウスBの義体がヴィクトール11世を抱いたまま顔を向け微笑した後 視線を逸らして言う
「ふむ もちろん …あ しかし B?我の情報を見るのは構わぬが その… 我のあんな趣味や あ~んな趣味の記憶に関しては 余り深く思い出そうとしないで欲しいのじゃ 我も… 今更ながら少々恥ずかしくも…」
シリウスBの義体が頬を染めて目を伏せる シリウスAの本体が衝撃を受け怒って言う
「ならっ 余計な事を言うなっ!思い出したくなくとも 思い出されて来てしまうだろうがっ!あ~~~~っ!」
シリウスAの本体が頭を抱えて嫌そうに左右に振る ガイたちが呆気に取られた後 ヴァッガスが言う
「…俺 シリウスAの姿のシリウス様に 慣れちまった」
ガイが頷いて言う
「ああ、私もだ 問題ない」
メテーリが呆れる ロドウが笑顔で言う
「良かったー」
デス1stが言う
「…私も慣れた」
オライオンが首を傾げて言う
「あ?俺は やっぱ 分かんねーや?」
デス1stが衝撃を受ける
シリウスBが玉座に座る シリウスAが振り返りバーネットたちを見て言う
「待たせたかのぉ?」
バーネットが言う
「ああ、待たされたぜぇ 準備が済みやがったんなら さっさと旧世界… いや、旧大陸へ行こうじゃねぇか?俺らの準備はとっくに整ってやがるぜぇ?」
バーネットの後ろで皆が頷く シリウスAが疑問して言う
「うん?何の準備が整っておるのじゃ?我はお前らに準備をしろなどとは 一言も言っておらぬ」
バーネットが疑問して言う
「あぁ?何言ってやがる?てめぇがこれから 旧大陸へ行って 異世界…いや 異大陸のぉ… ええぃ 面倒臭ぇ!…リジルやリゲルをぶっ倒しに行きやがるんだろぉ!?だったら 俺らだって行って てめぇのサポートをしてやるぜぇ!」
ヴィクトールが頷く ヴィクトール11世がシリウスAを見上げて言う
「僕もっ!シリウス!今度こそ 僕も連れて行って!またガルバディアの 冷たい機械だらけの地下牢に 置いてきぼりなんて嫌だよぉ!いくらマタタビをくれたって 今度こそ嫌なんだからぁ!」
シリウスBが首を傾げて言う
「ガルバディアの地下牢?この城に牢屋などは無いが… そんなものを作ったのか シリウス?」
シリウスAが言う
「我が牢獄など作る訳があらぬのじゃ ヴィクトールを置いておいたのは ガルバディアのセントラルルームじゃ?」
シリウスBが衝撃を受け慌てて言う
「なぁあっ!?この大陸を管理する 中枢とも言えるセントラルルームに 新人類を!?」
シリウスAが不満そうに言う
「新人類ではあらぬ 猫じゃ」
ヴィクトール11世が機械の配線でじゃらされていて 喜んで噛み付く ヴィクトール11世が感電した後 焦げて笑う シリウスBが怒って言う
「二度と入れるなぁああ!!」
ガイが一歩踏み出して言う
「シリウスA様 我々は 旧大陸に置ける 悪魔力の中であっても問題なく戦えます どうか 我々をお連れ下さい あちらには 異大陸の王らだけでなく 悪魔力に制御を奪われた機械兵も大量におります シリウスA様が 異大陸の王らと相対される最中 その機械兵からの邪魔立てを防ぐのにも 良いと思われます」
シリウスBがシリウスAへ向いて言う
「ガイの言う通りだ シリウス 彼らを連れて行け いかにお前であろうとも リジルとリゲル その2人の相手をするなら 他に余裕は無いだろう たかが機械兵とは言え 隙を与えかねん」
シリウスAが少し考えてから言う
「まぁ… 確かに油断はならぬな 良いじゃろう」
ガイが微笑する ヴァッガスが拳を受け止める オライオンが残念がる シリウスAが言う
「では 我は 我の作り上げた ガルバディアの騎士たちを連れて行くのじゃ」
シリウスAが笑顔になる 皆が驚き シリウスBが言う
「お前が作った ガルバディアの騎士… そこに居る者か?」
皆の視線がブレードに向く シリウスAが言う
「そこの騎士には ブレードと言う名が与えられておるのじゃろう?名を与えられたガルバディアの騎士は 新たな道を歩むもの… お前はお前の道を歩き続けるが良いのじゃ 我は他の398体を連れて行く 機械兵の相手をさせるに 数も力も程よいのじゃ」
シリウスBが不満そうに言う
「それはそうかもしれんが… 奴らは」
ヴィクトールが言う
「では 私も行きます」
バーネットが驚いて言う
「な!?ヴィクトール 何を言ってやがる!?」
ヴィクトールが言う
「私は彼らの父です 例え 代理であっても 今でも彼らは 私を慕ってくれている 旧大陸の あの機械兵たちと戦わせると言うのなら 私も共に行き 彼らの指揮を執ります」
バーネットが言う
「待てっつってんだぁ ヴィクトール!旧大陸には 悪魔力が溢れてやがるんだぞ!生身のてめぇじゃ 耐えられねぇ!だから… 畜生っ!なら 俺がっ!」
シリウスAがヴィクトールの目を見てから微笑して言う
「良い目じゃ ヴィクトール13世 ガルバディアの騎士たちを預けた あの夢の世界の記憶を基礎にはしておらぬお前じゃが その目はあの時と同じ… よし、我はお前を気に入ったのじゃ 再び 彼らガルバディアの騎士たちを お前に預けてやるのじゃ」
ヴィクトールが微笑する バーネットが怒って言う
「だからっ!こいつじゃ 悪魔力のっ!」
シリウスAが一瞬瞳の色を赤くして 周囲にプログラムを発生させる バーネットとヴィクトールが疑問すると 次の瞬間 ヴィクトールの体を バーネットの機械鎧が覆う 皆が驚き バーネットが言う
「こ、こいつはぁ 俺の機械鎧じゃねぇかっ!?一体どうなってっ!?」
シリウスAが微笑して言う
「マイクロトランスミッターを持たぬ そやつの身に合う様リチューンしてやったものじゃ 人体の神経が発生させる微弱電流を感知するシステムを組み込んでのぅ?まぁ時間が無かった故に バーネットのお下がりになってしもうた訳じゃが 許すのじゃ」
ヴィクトールが一瞬間を置いた後 頬を染めてうっとり言う
「バーネットの匂いがする~」
バーネットが衝撃を受け怒って言う
「気持ち悪ぃ事言いやがるんじゃねぇえ!」
シリウスAが言う
「その機械鎧を着ておれば お前もそこそこ 旧大陸の機械兵と戦えるじゃろう なにより 鎧をフル装備すれば 悪魔力の心配もあらぬ」
ヴィクトールがシリウスBへ向き直って言う
「有難うございます シリウス国王」
シリウスAが微笑して言う
「ふむ、それだけ 期待しておるのじゃ 我の期待を裏切るではあらぬぞ?」
ヴィクトールが言う
「はい!」
ヴァッガスが言う
「ちぇ… 折角の故郷での戦いだってぇのに… 持ってかれちまったなぁ?」
ガイが苦笑して言う
「シリウスA様がお選びになられたのでは 致し方ない」
シリウスAが振り向き言う
「お前たちには 別に大切な頼みがあるのじゃ」
ガイたちが疑問する シリウスAが微笑して言う
「我らが旧大陸でリジルらと相対しておる その間 既にこちらの大陸へ入り込んでおる異大陸の兵から Bを守って欲しいのじゃ」
シリウスBが呆気に取られる シリウスAが言う
「お前たちは お前たちの王であり神である このBを守る兵 そうであろう?」
シリウスAがシリウスBを示す ガイたちが呆気に取られる シリウスBが言う
「シリウスっ!?」
ガイが微笑して言う
「はい!」
ヴァッガスが笑んで言う
「おうっ!」
ロドウが頷く メテーリが困る シリウスAが笑顔で言う
「お前たちの力と その気持ちがあれば 我は安心して Bを任せられるのじゃ」
ガイが微笑して言う
「シリウスA様 そのお役目 喜んでお引き受けさせて頂きます」
ヴァッガスが笑んで言う
「そー言う事なら 異大陸の兵なんて こっちから探し出してぶっ倒してやるぜ!」
ロドウが頷く シリウスBが呆気に取られて言う
「お、お前たち…」
ガイがシリウスBへ向いて言う
「貴方様の御身は 我々が死守いたします ご安心下さい B様!」
シリウスBが衝撃を受け慌てて言う
「B様!?ガイ!お前までっ!?」
ヴァッガスが笑って言う
「ああ!俺らが守るんだから 何の心配もないぜ!B様!」
ロドウが笑顔で言う
「旧大陸でのお礼も兼ねて 精一杯戦います B様!」
メテーリが呆れて言う
「まぁ…シリウス様に頼まれたんだもの やるしかないわよね B様の警護をさ?」
シリウスBが怒って叫ぶ
「俺をBと呼ぶんじゃねぇええ!」
【 旧世界 ガルバディア城 城門前 】
リジルが言う
「…予想通り 我らが再び北の大陸へ行く事は 不可能となってしまった シリウスの強固な結界プログラムを破る事は 私には出来ない」
リゲルが言う
「ならプログラムを使用せず 物理的に蹴破ってやるまでだ シリウスの民と共に 結界を通過するのなら 奴は我々を攻撃する事は出来ない!リジル!我らを迎えに来る予定である あの者らの状況は!?…リジル!?」
リジルが考え事から戻って言う
「…ああ、奴らとの連絡も無理だ シリウスのプログラムは 毎秒に近くその構築量が増えている もはや 私程度のプログラマーになす術は無い とは言え、先に 送り込んでおいた私の兵は 今もあちらで行動している もし、我らを迎えに来させる予定であった その者らが 失敗でもしようものなら 奴らが代わって 行ってくれるだろう」
リゲルが一瞬疑問した後言う
「ふむ… シリウスの民でありながら 我らの味方をすると言った あの者らの深層心理に 偽りはなかった… だが、問題は奴らの無能さだ …まぁ 新人類の無能さなど 今更だが それでも、片方はともかくとしても もう片方無能の中に置いても多少の知を持つ者は 我らの仲間とするのもどうかと 俺は思うぞ?」
【 新世界 ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが鏡の前で優雅に自分の姿を見てから言う
「ふ~ん… ふむ~?む~…」
シリウスAが不満そうに鏡を見て考える ヴィクトール11世が横後ろで笑顔で見ている シリウスAがひらめき微笑してから プログラムで髪を伸ばし 長髪を手で払ってから優雅にヴィクトール11世へ振り返り 微笑して言う
「どうじゃ?ヴィクトール やはり我には 長い髪が似合うじゃろう?」
ヴィクトール11世が笑顔で言う
「うん!シリウス!凄く似合ってる!シリウスはやっぱり綺麗だよ!」
シリウスAが一瞬驚いた後笑顔でヴィクトール11世を抱きしめて言う
「そうか!良い子じゃ ヴィクトール!やはり 我の猫だけあって お前は見る目があるのぉ~?」
ヴィクトール11世が代わらぬ笑顔で言う
「うん!」
ヴィクトールがヴィクトール12世を見詰めて敬礼して言う
「父上 どうか見守っていて下さい」
ヴィクトールが一瞬間を置いてから悔しそうな表情を見せる シリウスBが静かに言う
「…そのヴィクトール12世が バーネット1世の 身の危険を察した最中 私も 彼らを守ろうと バリアプログラムを試みた …だが、あのリジルの攻撃プログラムは 私の能力を遥かに超えていたのだ …もし、あの時私が この体を得ていたとしても やはり…」
ヴィクトールが微笑してシリウスBへ向き直って言う
「シリウスB様 父やバーネット1世様への援護を ありがとうございました」
シリウスBが顔を横に振って言う
「…すまなかった」
ヴィクトールが驚く シリウスBが寂しそうな表情を見せる ヴィクトールが微笑する バーネットがバーネット1世の脇で目を瞑りプログラムを行っており 終わらせ立ち上がって言う
「よし、親父の持つ情報は 全てダウンロードしたぜ …ってぇ言っても 本当に300年近くもプログラマーをやってやがったのかぁ?この親父はよぉ?」
バーネットの視線の先 シリウスAがヴィクトール11世を撫でながら言う
「バーネットは出来損ないのプログラマーなのじゃ 我が何度言っても プログラマーとして腕を上げようとしなかったでのぉ 半ば諦めて居ったのじゃが そんな奴も己の猫を持ってからは よう学ぶ様になったものじゃ」
バーネットが表情を困らせて言う
「ハッ!…てぇ事は この親父がプログラマーとして学んでやがったのは 300年中たったの17%程度かよ」
シリウスAが苦笑して言う
「ロストヒューマンとして考えれば 即刻消去対象であったのぉ?」
バーネットが情報のインストールをしながら苦笑して言う
「ふーん… はっは… なるほど?出来損ないにもなっちまうてもんだ 親父はそのロストヒューマンとしてじゃぁなく 新人類として生きる方法を模索してやがったらしい …てめぇの大好きな民たちと共になぁ?」
シリウスAが言う
「例え本人がそれを求めようと その新人類を守るプログラマーとしての力を有す事こそ 我らに必要とされるものなのじゃ」
ヴィクトールが振り返った先 398体のガルバディアの騎士たちが移動プログラムで現れる ヴィクトールが一瞬微笑した後振り返って言う
「シリウス国王!」
シリウスAが頷いて言う
「うむ」
シリウスAがヴィクトールの方へ向かおうとした後 一瞬立ち止まり振り返って表情を困らせてから言う
「…むぅ?姿は良いが やがり 服も少々考えた方が良いかのぉ?」
シリウスBが怒って言う
「時間が無いと言っているだろう!早く行けーっ!」
【 旧世界 ガルバディア城 門前 】
リゲルが表情を顰めて言う
「ええいっ!ならば直接本人に問うまでだ!シリウスBを名乗るシリウスの子孫が シリウスと同等かそれ以上の力を有している時点で シリウスは管理者の権限を譲ると共に 消滅しなければならない!例え後継者であろうとも 力の差が狭められた時点で その者たちは共在する事が許されないのだ!」
リジルがリゲルを見て言う
「…そうだな リゲル お前は正しい 例えシリウスBがシリウスの子孫であろうとも 双方が同じ大陸に存在する事は許されない」
シリウスAの声が響く
『そう、プラント管理者としての力を十分に有するものが 同じ大陸に存在し 増して行動を共にする事は許されない 今のお前たちの事だ』
リジルとリゲルが驚いて振り返る シリウスAが現れ鋭いまなざしを向けて言う
「私のプラントへ無断で入り込むだけではなく 私の民 私の財産に手を付けるとは お前たちの行動は全て 我らがアウグスタへ報告させてもらおう」
リジルとリゲルが驚いて叫ぶ
「「シリウスッ!?」」
リゲルが言う
「馬鹿なっ!?シリウス本人が 我らの前に現れるとはっ!?」
シリウスAが微笑して言う
「何を驚く リゲル そして リジル お前たちは 私に用があったのではなかったのか?そうでなければ 何故 この私のプラントへと入り込んだ?我らロストヒューマンの禁を犯してまで」
リゲルが困って言う
「わ、我らは…っ」
リジルが平静を作って言う
「我らはっ お前の不正を正しに参ったのだ!シリウス!お前は お前と同等の力を有する後継者を所持しながらも それと共存している!お前はっ… お前は何を企んでいるのだ!?」
シリウスAが目を細める リジルが言う
「お前は過去にも 反逆を企てた シリウスの名を継ぐ者だ そのお前が後継者を立てた上で 自身も存続するとは… 今度は お前の息子シリウスBと共に アウグスタへ反旗を翻そうと言うのか!?」
シリウスAが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「私の息子バーネットは お前の手によって 消滅させられた …リジル お前が消したのは 新人類の1人であったが バーネットはその者を追って命を絶ったのだ その程度の我が息子が 私と同等の力を有すプログラマーであるとは 微塵も思えんが?」
リジルが言う
「何っ!? …では シリウスBは お前の息子ではないのか!? …ではっ 一体!?」
シリウスAが悪微笑して言う
「さぁ…?どうだろうな?居るのかどうかも分からん もう1人の私などより 私の目には 目前に居る 2人のロストヒューマンの存在の方が 怪しく見えるぞ?同等の力を持つロストヒューマンが 手を組んで 何やらを企む… まるで 遠い昔のシリウスともう1人 彼らアウグスタへ反逆を企てた その者たちを 目の当たりにしているようだぞ?」
リジルとリゲルが表情を顰め リゲルが言う
「黙れ!シリウス!我らをどう言おうと 貴様が何かを企んでいる事は まぬがれん!この大陸の有様 プラントの管理者である貴様が 新人類が生きられぬ程の汚染をアウグスタへ報告しないとは これは一体どう言う事だ!?」
シリウスAが微笑して言う
「どうという事ではない 私の手違いでこの様な事になってしまったまで しかし 私のプラントには もう一つの大陸が存在する 従って 今はそちらで過ごし 必要があればアウグスタへ報告でもすれば良いだけの事だ」
リゲルが言う
「悪魔力はアウグスタが プラントの浄化を行う際に使用する力だ 我らが易々と使用して良い物ではない 手違いであったとは言え お前が使用する事は許されん」
シリウスAが軽く笑って言う
「フフ…ッ ではどうする?それを理由に 私を消去するか?私がお前たちを消去する理由は… 先ほど伝えたな?これも 我らが母 アウグスタの為」
シリウスAが周囲にプログラムを発生させる リジルとリゲルが気付き リゲルがリジルを横目に言う
「リジル!」
リジルが頷いて言う
「こうなれば構わん やるぞ!」
リゲルが頷いて 手を払って言う
「来い!我が愛機ロブホース!」
リゲルの後方から 機械兵Gが現れ リゲルが機械兵Gへ乗り込む シリウスAが苦笑してひそかに言う
「…やれやれ 相変わらず不恰好なロボットを持ち込みおって… 我の世界には不釣合いじゃ 鉄くずに戻してやろうかのぉ?」
シリウスAが目の色を変え 周囲のプログラムを大量にする
【 ローゼント 城下町 門前 】
ウィルシュが言う
「俺は女を斬りたくはねぇんだ 増してやアンタみてーな 美人は特によ …けど これが戦争って奴だ 悪いな」
アンネローゼが両手を広げ行く手を制して言う
「構いません この先へ向かい その戦いを続けるというのなら まずは このローゼントの女王である 私を斬りなさい」
アバロン2番隊の隊員たちが悲鳴を上げて弾き飛ばされる
「ぐあーっ!」
皆が倒れた中心で オライオンが大剣を肩に担いで喜んで言う
「すげーな!?今までは いくらなんでも2番隊全員を相手にって言うのは 正直キツかったんだ シュライツの炎の魔法は なんっつーか 不安定で?いつ消えちまうかって ビクビクしながら戦わなきゃならなかったから」
デス1stが苦笑して言う
「アバロンの大剣使いが 戦いの中に置いて不安な思いを持つとは… 私から言わせれば ナンセンスだ」
オライオンが疑問して言う
「あぁ?なんせん…す?」
デス1stが苦笑して言う
「論外だと言う意味だ アバロンの大剣使いの強さは 何ににも臆せず 全力で突っ込む その、無謀とも言えるほどの 強い心だからな?」
オライオンが苦笑して言う
「ああ、それなら知ってる 俺もずっと そんな風に… 親父みてーに戦いたいって思ってたけど 真似出来なかった …それが!」
オライオンが大剣を振り 構えて言う
「今なら 俺にも親父の真似が出来る!やっぱデスのお陰だな!?」
デス1stが微笑して言う
「お前の力は 私の予想を超えていた お前がヘクターを越えるのも… そう遠くはないのかもな?」
オライオンが呆気に取られて言う
「え…?俺が 親父を?」
デス1stが苦笑する オライオンが首をかしげて考える
アバロンの危険を知らせる鐘が鳴り響く
オライオンとデス1stが驚き顔を見合わせてから 走ってアバロン城へ向かう
【 ベネテクト城 玉座の間 】
伝達の兵が走り込んで来て言う
「ベーネット陛下!大変です!ベネテクト城の門前に 大量の機械兵が!」
ベーネットとヴィクトール14世が驚き ヴィクトール14世がベーネットへ向いて言う
「ベーネット!」
ベーネットがヴィクトール14世へ頷き 立ち上がって言う
「総員!戦闘態勢へ!ベネテクト国内の町や村を緊急閉鎖!アバロン、及び ガルバディアへ連絡を!ベネテクト在住の魔法剣傭兵隊を門前へ至急配備 私が前線の指揮を取る!」
伝達の兵が返事をして走り去る ヴィクトール14世が気を引き締めて言う
「ベーネット!相手が機械兵なら 先ずは僕らで!」
ベーネットが頷いて言う
「はい 機械兵には 雷撃が有効です ヴィクトールは私と共に最前線へ!」
ヴィクトール14世が頷く ベーネットが振り返って言う
「では こちらはお願いします!」
ヴィクトール14世とベーネットが玉座の間を後にする
【 ソルベキア城 門前 】
雷撃が横に走る ガルバディアの騎士たちがジャンプして避ける 雷撃が機械兵らを攻撃して 機械兵らが動きを止める バーネット1世が笑んで言う
「はっはー!どーだ旧世界のオンボロ機械兵ども!俺様の雷撃はよぉ?体中 隅々まで痺れまくりやがるだろぉ!」
ヴィクトール12世が振り返り苦笑顔で言う
「ああ、相変わらず君の雷撃は 私の全身を容赦なく痺れさせてくれるよ バーネット」
バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「馬鹿野郎ぉお!ヴィクトール!てめぇえが痺れやがるんじゃねぇえ!雷撃は調整してやってるだろぉおがぁあ!?」
ヴィクトール12世が正面へ向き直って言う
「ああ、前回に比べれば 大分調整はしてくれている様だが… 君は昔から 私が君の雷撃に対応すれば した分だけ 雷撃を強めるだろう?だから 私はいつまでたっても 君の雷撃には痺れるのだよ …まぁ これも 君が私の身を隅々まで調べ上げて 絶妙に… ちょっと苛め気味に調整してくれている 結果であると知り 私も嬉しいような痛い様な恥ずかしいような… 複雑な心境だったりもするのだが…」
ヴィクトール12世が照れる バーネット1世が衝撃を受け 顔を赤らめて叫ぶ
「ばっ!馬鹿野郎ぉお!ヴィクトール!てめぇえは んな 人が聞いたら誤解しやがるような事を 公然と言いやがるんじゃねぇええ!!」
ヴィクトール12世が苦笑した後視線を向けて言う
「うむ、そうだな とても人には聞かせられない様な 君と私の痴話話しだが ここに居るのは ガルバディアの騎士たちと 機械兵であって 問題は無かった… しかし そこへ?彼らはどうだろうか?バーネット」
バーネット1世が疑問して言う
「あぁ?」
バーネット1世がヴィクトール12世の視線の先を見て表情を険しくする ウィルシュが現れて言う
「バーネット… 第二プラントの管理者 シリウスの子孫 …知ってるか?ミスター・バーネット?」
バーネット1世が目を細める ウィルシュが赤い瞳を細めて微笑して言う
「プラントの管理者は 新たな管理者を地に放つと共に 消滅しなければならない もし… 新たな管理者が 不良品であった際は それを速やかに 破棄せねばならない …存在を許される管理者は 常に 1人だけだ」
バーネット1世が鼻で笑って言う
「ハッ… 知らねぇなぁ?」
ウィルシュが微笑して言う
「だろうな?」
シュライツが現れ ウィルシュへ向いて怒って言う
「ピロプ!プポピポプー!」
バーネット1世が疑問して言う
「あん?『私の相棒から出て行け』 だぁ?」
シュライツが怒って ウィルシュへ言う
「プポピポー!ピー!」
シュライツが周囲にプログラムを発生させて ウィルシュへ送り込む ウィルシュがシュライツへ怒りの視線を向ける プログラムがウィルシュの体に纏わって弾ける ウィルシュの目の色が戻って呆気にとられて言う
「…あれ?ここは?」
ウィルシュが周囲を見渡した後 バーネット1世を見て言う
「ん?あんた… 誰だ?」
ヴィクトール12世が疑問する バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「だっ!?てめぇえがさっき 俺様を 『ミスター・バーネット』 とか キザったらしい呼び方しやがったんじゃねぇえかぁあ!?」
ウィルシュが呆気に取られて言う
「あ?ミスター・バーネ… あ!バーネットって!シリウスの息子だって奴か!?」
バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「おらぁああ!何、勝手に 俺様を呼び捨てにしやがってるんだぁあ!?てめぇえ!こっちとら ソルベキアの第一国王にして この世界の神の子だってぇえんだぞぉお!頭が高ぇえ!」
ヴィクトール12世が苦笑する ウィルシュが笑んで言う
「ははっ まぁ、何でも良いや!あんたが “バーネット” なら やる事は一つ!」
ウィルシュが手を振るい現れた巨大剣を取って構え言う
「リジル様の命令だ あんたには 死んでもらう!」
バーネット1世が一瞬呆気に取られた後 笑んで言う
「へぇ…?てめぇが “ウィルシュ” かぁ… アバロン傭兵隊をぶっ潰し 隊長のオライオンを倒したってぇ?」
ウィルシュが笑む バーネット1世が苦笑して言う
「面白れぇ… がぁ?俺様を殺したけりゃ まずは俺様の可愛い猫を 倒してみやがれってもんだぜ?」
一瞬の間の後 ヴィクトール12世が恥ずかしがって言う
「うん… バーネット?その… 私としては嬉しいのだが やはりこの歳になって 『可愛い猫』と言う その紹介では 少々 登場がしづらいのだが…」
バーネット1世が衝撃を受け 頬を赤らめ怒って言う
「なぁ!?ばっ!馬鹿野郎ぉお ヴィクトール!てめぇえは!折角俺様が キメてやったのに 水を注しやがるんじゃねぇええ!」
ウィルシュが疑問して言う
「俺様の… 可愛い猫…?」
シュライツが嬉しそうに言う
「ピュロプポー!」
ウィルシュが衝撃を受け ヴィクトール12世を指差して シュライツへ向いて言う
「はぁあ!?あの おっさんがぁあ!?」
バーネット1世が衝撃を受け怒って言う
「おら!てめぇええ!おっさんって 言いやがるんじゃねぇええ!泣き虫ヴィクトールが 泣いっちまうだろぉおがぁあ!?」
ヴィクトール12世が困り苦笑している
【 アバロン城 玉座の間 】
オライオンが走り込んで来て言う
「レクター!何があったんだ!?」
レクターが玉座に座っていて 正面にあるホログラムモニターへ言う
「分かった こっちも確認したら すぐ連絡を入れる」
ホログラムモニターのキルビーグが言う
『うむ、出来れば ガルバディアの様子も分かったら 教えて頂きたい こちらからの通信は やはり まったく繋がらないのだ 現状では 貴殿も我々へガルバディアの状況を伝える事は 漏洩の心配などから難しいかもしれないが…』
レクターが呆気に取られた後 笑顔で言う
「大丈夫なのだ キルビーグ殿!私は誰かに口止めされていても ついポロッと言ってしまう だから シリウス国王も 私には その程度の事しか伝えないのだ!…そんな気がする!」
ホログラムモニターのキルビーグが呆気に取られた後苦笑して言う
『ガルバディアが無事であると言う事が分かるだけで 十分であるからにして… どうか、よろしく頼む レクター殿』
レクターが笑顔で言う
「ああ!任せてくれ!キルビーグ殿!」
ホログラムモニターのキルビーグが微笑して消える オライオンがレクターへ駆け寄って言う
「レクター!」
レクターがオライオンへ向く デス1stが来て言う
「この警報は アバロンへの敵襲を知らせるものだが 私のデータでは 現在アバロン周囲にそれらの様子は見受けられない」
レクターがデス1stを見てからオライオンへ言う
「ああ、実は今の所 アバロンに敵襲はねーのだ!」
レクターが笑顔になる オライオンとデス1stが呆気に取られてから オライオンが怒って言う
「なら何で警報を鳴らしたんだよ!?皆驚くじゃねーか!?」
デス1stが言う
「アバロンには無くとも 関連する国に敵襲があったと言うのか?」
レクターがデス1stへ向いて言う
「ああ、ソルベキアとベネテクトだ 旧世界の機械兵が現れちまったらしい」
デス1stが驚いて言う
「旧世界の機械兵だと!?」
オライオンが驚いて言う
「ソルベキアとベネテクトって!」
デス1stが周囲にプログラムを発生させて言う
「どちらも シリウス国王の子孫 バーネット国王らが居る場所か」
オライオンが言う
「それじゃやっぱり!ガルバディアにも!?」
デス1stが周囲にプログラムを発生させて言う
「いや、ガルバディアには 現在 機械兵は現れていない」
オライオンがデス1stへ向いて言う
「なら!俺らはソルベキアかベネテクトの応援に!」
レクターが言う
「ソルベキアにはガルバディアの騎士が大勢居る あいつらなら機械兵を倒せる」
オライオンがレクターへ向いて言う
「ならベネテクトだ!」
デス1stが言う
「ベネテクトは レクターが送り込んだ ガルバディアの騎士たちが 既に戦闘を開始している 共に ベネテクトに居る魔法剣傭兵隊… 交戦勝率98% 戦力は十分だ」
オライオンが慌てて言う
「なら!?」
デス1stが言う
「現在各国は 最高位の警戒態勢を敷いている そして、この アバロン…」
レクターが言う
「アバロンもそうしてー 所なんだが アバロン最強部隊の3番隊が ぶっ潰されちまった状態じゃ 世界一戦力が低いって言われてきた カイッズにも 今は負けちまいそうな勢いなんだ 最近あの国は 良い感じで強くなって来てるし… もしかしたら 今はもう アバロンが負けちまってるのかもしれねー!」
レクターが笑顔になる デス1stとオライオンが衝撃を受け 怒って言う
「「この間抜け大剣使いーっ!そー言う事は 思っても口に出すな!」んじゃねー!」
オライオンがデス1stへ言う
「デス!?この襲撃って やっぱり あいつも関わってるのか?」
デス1stが言う
「断言は出来かねるが… タイミングと言い その可能性は高いと思われる 先日お前が戦った場所は ソルベキアの直ぐ近くであったからな?」
オライオンが表情を険しくして言う
「なら あいつは…っ あの場所の先 ソルベキアにっ?」
【 ソルベキア城 門前 】
シュライツが気合を入れてプログラムを発生させて言う
「プロポプロポ プロポピー!」
バーネット1世が笑んで言う
「はっはー!甘ぇえっつってんだろぉがぁああ!」
バーネット1世が手を振り払って シュライツからウィルシュへ流れ込もうとしたプログラムを打ち消す シュライツが呆気に取られた後 バーネット1世へ向いて怒って言う
「プロプロプピポプー!」
バーネット1世が怒って言う
「るせぇええ!剣士同士の戦いに水を注しやがるんじゃねぇえ!てめぇも剣士の相棒なら 分かりやがれぇええ!」
ヴィクトール12世とウィルシュが剣をぶつけ合う ウィルシュが息を切らせて言う
「はぁ…はぁ… あんたやるなっ!?デカイ剣を使うだけの戦い方じゃねー… 隙もねぇーし 剣に頼る防御もしねー… 厄介な相手だぜっ」
ヴィクトール12世が微笑して言う
「貴公はその剣に頼り過ぎだな いや、相棒殿の力に …と言うべきか?それだけ大きな剣であっては 致し方ないのかもしれないが 一刀を繰り出した後の動作が後手へ後手へと回ってしまう それでは…」
ヴィクトール12世が正面からウィルシュに切りかかる ウィルシュが表情を顰め 巨大剣で受け止めようとする ヴィクトール12世が瞬時に角度を変えて斬り込む ウィルシュが攻撃を食らって 悲鳴を上げる
「ぐあぁ!」
シュライツがハッとして顔を向けて言う
「ピュロッ!?」
ウィルシュが膝を着く シュライツが衝撃を受け 慌てて叫ぶ
「プピポー!」
バーネット1世が微笑して言う
「はっはー!終わったな?」
バーネット1世がヴィクトール12世の横へ行く ヴィクトール12世が剣を収め 2人がウィルシュを見下ろす シュライツが心配してウィルシュに触れて言う
「ピュロッ!プポピ!」
ウィルシュが傷を抑えて苦笑して言う
「へへ…っ 負けちまった…」
シュライツが困って言う
「ピュロピポー!」
シュライツがバーネット1世を見上げる バーネット1世が言う
「ああ、回復してやれ てめぇや そいつの事も詳しく調べさせてもらうが その前に死なれやがったら 困りやがるからなぁ?」
シュライツがウィルシュの傷へ回復プログラムを施す ヴィクトール12世が苦笑して言う
「久方ぶりに 一大剣使いとして戦わせて貰った 貴公に感謝するよ ウィルシュ殿」
ウィルシュが顔を上げる バーネット1世が悪微笑して言う
「よぉ?そらぁ どぉ言いやがる事だぁ ヴィクトール?俺様のサポートを受けて戦うのが そんなに気に入らねぇってぇ事かよぉ?」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「そんな事はないが… いや 少しはあるかな?」
バーネット1世が怒って言う
「あぁあ!?てめぇえ 今何て言いやがったぁ!?一発ひっ叩かれてぇえのかぁあ!?」
バーネット1世が鞭で床を叩く ヴィクトール12世が苦笑して言う
「だって 君の雷撃は やっぱり痛いのだよ バーネット いつもとは言わずとも たまには もう少し 優しくしてもらいたいのだが…」
バーネット1世が怒って言う
「るせぇええ!」
ウィルシュが回復を終え立ち上がって言う
「おっさんだと思って油断しちまった… 最初っから本気で ペリーテと一緒に戦ってれば きっと勝てた筈だ」
ヴィクトール12世が苦笑する バーネット1世が顔を向け笑んで言う
「よぉ?知ってっかぁ てめぇ?そぉ言うのは 負け犬の遠吠えってぇんだぁ」
ヴィクトール12世が少し考えた後 苦笑して言う
「いや、そうでもないかもしれないよ バーネット?以前にも言ったが 我々の力の結晶 雷鳴の剣は 多勢には有効だが こと一対一の戦いに置いては 少々不利な所があるじゃないか?」
バーネット1世が衝撃を受ける ヴィクトール12世が苦笑して言う
「特にスピードについては 君が私を苛めすぎるから 通常時より 鈍ってしまうのだよ バーネット?従って やはり 雷撃はもう少し優しく…」
バーネット1世が怒って言う
「だから!てめぇえはぁあ!前にも言いやがったが てめぇえの弱点を わざわざ公にしやがるんじゃねぇえ!ついでに 雷撃は何がありやがっても 弱めてやらねぇえからなぁあ?はっはー!」
ヴィクトール12世が泣きながら言う
「えー!?酷いよ バーネット!」
バーネット1世が怒って言う
「るせぇええ!てめぇえは 俺様の猫だろぉお!?泣き言言ってやがるんじゃねぇえ!」
ウィルシュが苦笑して言う
「今回は俺の負けって事で認めるけど 次の時は全力でやらせてもらうぜ?」
バーネット1世とヴィクトール12世が顔を見合わせてから ウィルシュへ向き微笑する ウィルシュが苦笑して視線を落とす シュライツがハッとして言う
「ピロポー!」
バーネット1世とヴィクトール12世が疑問して バーネット1世が言う
「あん?『止めろ』だぁ?」
ウィルシュが呆気にとられた状態で言う
「…いや 次の時は 存在しない 何故なら」
ウィルシュが顔を上げる バーネット1世が疑問してウィルシュを見る バーネット1世の目に ウィルシュの赤い瞳が見えた瞬間 バーネット1世が気付いて言う
「てめぇえはっ さっきの…っ!?」
バーネット1世がウィルシュの剣を持つ手へ注意を向ける ヴィクトール12世が叫ぶ
「バーネットっ!!」
他方から銀色の矢が飛んで来る
ヴィクトール12世がバーネット1世を突き飛ばし ヴィクトール12世へ矢が刺さる リジルが顔をしかめて言う
「何っ…!?」
ヴィクトール12世が倒れる リジルが言う
「クッ …ならばっ」
リジルが手を向け その先に居るウィルシュの体にプログラムが纏わる シュライツが怒ってリジルへ向いて抗議の奇声を上げる
「ピローッ!プピポポピポプー!」
リジルがシュライツへ視線を向ける シュライツの声が失われる
「-ッ!? ――ッ!」
リジルがヴィクトール12世を見て言う
「私の攻撃に気付いた…?いや、有り得ないか …どちらにしろ 貴様はここで始末する」
リジルがバーネット1世へ視線を向ける 周囲にプログラムが発生する ウィルシュが操られたまま巨大剣を振り上げる バーネット1世が言葉を失って ヴィクトール12世の横で言う
「ヴィク… トール…?」
ヴィクトール12世が苦しそうに言う
「バーネッ… 逃げ …っ ガルバ ディ ア… へ… 逃げ るんだ…っ!」
ウィルシュが剣を振り下ろす バーネット1世が強く目を閉じる ウィルシュの巨大剣が床に突き刺さり床が割れる リジルが言う
「私の呪縛プログラムを解除したか… 流石は シリウスの息子 ますます悔やまれる ここで討ち損じた事は 後の大きな障害となるだろう…」
リジルが姿を消す ウィルシュが倒れる シュライツが慌ててウィルシュの身に触れる
【 ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが目を開く その先に バーネット1世とヴィクトール12世が現れ バーネット1世が慌てて叫ぶ
「シリウス!頼むっ!こいつを!ヴィクトールをっ!」
バーネット1世が悔しそうに言葉を飲んで俯く シリウスAが静かに言う
「それの命は助からぬ お前とて 分かっておるはずじゃ 新人類が ロストヒューマンの攻撃を受けたとあっては その傷を癒す事は 我であっても不可能じゃ」
バーネット1世がヴィクトール12世の服を握り締めて言う
「この…っ 馬鹿野郎がぁあ!何で俺を庇いやがったぁあ!?俺ならっ!俺なら…っ」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「君は… 新しい… …を 用意… ない…から… 私は… 君を 守り たかった… 君を 守って… 次の …に 君を… 私の を委 ねる… その… 時 ま で …」
バーネット1世が叫ぶ
「ヴィクトール!!」
ヴィクトール12世が微笑して目を閉じる バーネット1世が目を見開く ヴィクトール12世が力を失う バーネット1世が叫ぶ
「あぁああー-っ!!」
シリウスAが目を細める
回想
20年前
ヴィクトール12世が振り返って言う
「ガルバディアに住むのは久しぶりだね バーネット?」
背を向けているバーネット1世が 僅かに振り向いて言う
「ヴィクトール… 俺はてめぇをサポートしやがらなかった てめぇの相棒だってぇのに アバロンの第二国王で居やがったってぇのに… てめぇがラインツの野郎に剣を向けられやがっても 指一本てめぇを助けるために動かしやがらなかった …アバロンの連中は皆俺を恨んでやがるだろうぜ てめぇも …俺を恨んでやがるんだろ?」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後苦笑して言う
「あれはしょうがないよ バーネット それに、元々アバロンはラインツの一族が王様だったんだし この世界が力を得るには やっぱり 本当の王である 彼がアバロンの王座に着くべきだ」
ヴィクトール12世が一瞬間を置いた後言う
「とは言え 僕は父上から王位を継承してから 全力でアバロンの繁栄に励んでいたし 王として… 皆と共に戦える事を嬉しく思っていた …だから やっぱり ちょっとだけ… 寂しいかな?てへっ」
ヴィクトール12世が苦笑しながら照れる バーネット1世が視線を逸らして言う
「てめぇは十分アバロンの王として 力を有して居やがった… あの時俺が ちょいと手を貸してさえしてやれば」
ヴィクトール12世が言う
「君はアバロンの第二国王である以前に この世界の王だ シリウス国王が篭ってしまった以上 君はもう 特定の国へ力を貸してはいけない」
バーネット1世が目を閉じる ヴィクトール12世が微笑んで言う
「それに!今度僕は 世界の神様 バーネット1世の猫だと 世界中に知られる事になるかもしれないじゃない!?僕はアバロンの王じゃなくても 君の相棒なのだから!」
ヴィクトール12世が笑顔になる バーネット1世が呆気に取られてから笑んで言う
「おうよ!てめぇは アバロンの王じゃぁ無くなっちまったが 今度は世界の王バーネット1世様の相棒だぜ!胸を張りやがれ ヴィクトール!」
ヴィクトール12世が笑顔で言う
「うん!」
最近
ソルベキア城 玉座の間
バーネット1世が玉座にだらけて不満そうに言う
「やれやれ、ガルバディアから ベネテクト… アバロン経由で ガルバディアへ戻りやがったと思ったら 今度はソルベキアの王だぁ?ハッ!次は何処の王になりやがれってぇんだ?」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「私はガルバディアからアバロン そして ガルバディアへ戻ってから このソルベキアの第二国王となった訳だけど バーネットが次の王になるのだとしても 私はもう付いていく事は無いのだろうね…」
バーネット1世が疑問してヴィクトール12世へ向いて言う
「あん?そら、どう言う意味だぁ?」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「君はもうすぐ その体を新しいものに変えるのだろう?しかし、私はそうは行かない …でも、君の新しい相棒となるべき ヴィクトール13世は バーネット2世に貰われている… 君はどうするのだい?私は最近 その事が心配で いつも考えているのだよ バーネット?」
バーネット1世が衝撃を受けバツの悪そうな表情で言う
「あ?あ、あぁっ!…そ、そうだったぜ すっかり忘れてやがった… とは言え 言っとくが俺は てめぇの次の猫の事なんざ まったく考える気はねぇぞ?そもそも俺は シリウス国王とは違って この300数年の中で 俺の猫はてめぇ1匹だけだからなぁ?」
ヴィクトール12世が呆気に取られて言う
「え?そうなのかい?私はてっきり 君は他の猫も飼った事があったのかと思っていたのだが… とは言え 次の猫はともかくとしても 新しい体は早く用意した方が良いのではないのかな?これからこの世界は 異世界の王との戦いを始めるのだから 用意は出来る時にしておかないと大変だ 私はもう二度と君のあの様な姿は見たくは無いが そうなってしまった時の為にも」
バーネット1世が制して言う
「今度は!…てめぇが居やがるだろぉ?ヴィクトール あの時みてぇに 俺様が1人で戦いやがるなんて事はねぇんだぁ あんな無様な姿を晒す事だってねぇ それに…」
ヴィクトール12世が疑問する バーネット1世がヴィクトール12世を見て言う
「俺は てめぇの次の猫の事は 考えねぇ」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後 少し考え 笑顔で言う
「それでは… 君はやはり 私にも我が父ヴィクトール11世の様な 猫耳と尻尾を付けて 延命して貰える様 シリウスBへ頼むつもりなのだね?私は 何となく 君がそれを望んでいるのではないかと 少々気を揉んでいたのだよ!」
バーネット1世が衝撃を受けて言う
「なぁあ!?」
ヴィクトール12世が困り照れて言う
「とは言えバーネット?52歳になる私に あの愛らしい猫耳と尻尾は やはりどうかと思うのだよ せめて ライオンの耳や尻尾にしてもらうというのはどうだろうか?」
ヴィクトール12世が微笑む バーネット1世が慌てて言う
「てめぇえ!この馬鹿猫ヴィクトールがぁあ!まんざらでもねぇ様に言いやがるんじゃねぇえ!ライオンの耳や尻尾も 十分愛らしいじゃねぇえか!この野郎ぉお!」
ヴィクトール12世が苦笑する バーネット1世が気を取り直して言う
「…と、まぁ 冗談はさて置きだ あのプロテクトプログラムについては 今全力で解析してやがる 悪魔力の影響を抑える部分についてはまったく手に負えねぇが 何とか細胞の成長を抑制する その部分さえ解析して取り込む事が出来やがれば てめぇの寿命を延ばせやがるからなぁ」
ヴィクトール12世が苦笑して言う
「バーネット… 我々は 君たちとは違う新人類だ… 新人類は ロストヒューマンの過ちを繰り返さない為にも 限られた寿命の中で生き そして死んで行く… 命の尊さを知り 自分たちがこの世界の一部である事を知った上で 自然のままに次なる新たな命へ紡いで行く …例え この世界の神とされる 君の相棒である私であっても 例外ではない 一度でも神の力で 生き存えてしまっては 私は 永遠にその機会を失ってしまうと思うのだよ」
バーネット1世が呆気に取られた後 困り怒って言う
「なぁ!?…て、てめぇは!それで良いかもしれねぇが!俺は!?俺様はどうなる!?てめぇを失った後 次の相棒を探せってぇのか!?今度はヴィクトール15世が生まれやがるのを待って また1から躾付けやがれってぇえのかぁあ!?」
ヴィクトール12世が表情を困らせて言う
「う…うむ… そうだな 君には 迷惑と苦労を掛けてしまうな?」
バーネット1世が怒って言う
「そぉだぜ!てめぇは!少なくっとも ヴィクトール15世の誕生と その躾を手伝う義務がありやがる!だから!てめぇの寿命は 意地でも延ばさせてやるからなぁ!?簡単に死ねやがると思ったら 大間違いだぜ!」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後困って言う
「しかし、バーネット…」
バーネット1世が怒って言う
「うるせぇええ!てめぇは 俺様の猫だろぉお!まだ生まれてもいやがらねぇ ヴィクトール15世が立派に育ちやがる その時まで 俺様の身を守らなけりゃならねぇだろぉがぁあ!?違うかぁあ!?」
ヴィクトール12世が呆気に取られた後苦笑して言う
「うむ…確かに 君が新しい猫を得るまでの間は 私が君を守らなければならないな?」
バーネット1世が腕組みをして玉座に座り直して言う
「だ、だったらぁ…っ 下らねぇ事を言いやがるんじゃねぇ それに… 俺は」
ヴィクトール12世の通信機が鳴る ヴィクトール12世が反応して通信機を着信させる 通信モニターに映ったオライオンが言う
『ヴィクトール様!俺たちアバロン傭兵隊が ヴィクトール様とバーネット様の護衛の為 遠路遥々駆け付けたぜ!だから!シリウス国王の本体とか言うのが スプローニで見付かったみたいだけど 安心してくれよな!』
ヴィクトール12世が呆気に取られた後 苦笑して言う
「ああ、オライオン隊長 シリウス国王の本体が見付かったのは良い事だよ そこを心配する必要は無い 実は諸公を寄越す様頼んだのはだな…」
ヴィクトール12世が玉座の間を離れながら言う
「通信より一度ここへ来てもらえると助かるのだが 今どの辺りだろうか?もうすぐシュレイザーに留まっていたガルバディアの騎士たちが…」
バーネット1世が見送ってから言う
「俺は… 俺の寿命を終わらせる為に バーネット2世を作った… そして 俺自身はてめぇと同じ様に… ヴィクトール… てめぇにそれを教えたら てめぇはまた泣いて 悲しむか?…それとも」
バーネット1世が一度目を閉じ 赤い瞳で開いた後 少し上を見上げてホログラムのモニターを表示する モニターにヴィクトール12世が映る ヴィクトール12世が通信機へ向いて言う
『そうか… ではまだローゼントを出発した所なのだな?急がなくても良いのだが… いや、やっぱり少し急いでもらえるか?ソルベキアには この世界の神の子である バーネット1世が居るのだ もちろん彼の身は私が死守するが 万が一の時には 諸公の力に頼らざるを得ないかも知れない …うむ、それはそうなのだが 何と言うのか …今回は …とても 嫌な胸騒ぎがするのだよ』
バーネット1世が目を細める
回想終了
シリウスAが目を開き言う
「バーネット1世 お前は満足じゃろうのぉ それが お前の選んだ道 お前はロストヒューマンとして 失格じゃ 我が端から思っておった通り お前は出来損ないじゃった…」
シリウスAの視線の先 ヴィクトール12世の隣に バーネット1世が倒れている
【 ベネテクト城 玉座の間 】
ホログラムのモニターにベネテクト城前状況が映っている モニターを見ていたヴィクトールが耐え切れずに振り返って言う
「バーネット!このままでは 皆がやられてしまうよ!あの機械兵は 僕たちが旧世界で戦った物より強い!あれを倒すには 僕たちも戦わないと!」
玉座に座るバーネットが一瞬真剣な表情のままヴィクトールを見た後 苦笑して言う
「ハッ!確かに あの機械兵どもには 旧世界の時には無かった 胸糞悪ぃ強化装置が付けられてやがる だが、こっちだって 戦力強化はされてやがるだろぉ?ガルバディアの騎士に魔法剣士傭兵隊 何より このベネテクトの第一国王 バーネット3世どもが前線に出てやがるんだぁ この上 俺たちまで出てやる必要なんざねぇっ」
ヴィクトールが一瞬呆気に取られた後 再び強く言おうとして表情を困らせて顔を逸らす バーネットが視線を逸らして思う
『…とは言え 何とか持ち堪えてやがる現状じゃぁ ヴィクトールの言う通り いずれ皆やられっちまうな… 今は何処の国も緊急警備態勢 あの機械兵がいつ自国へ送られて来やがるとも分からねぇ以上 何処もこっちへ援軍なんざ送れやがらねぇんだ アバロンは傭兵隊が戦えねぇし ソルベキアの親父とは連絡が繋がらなくなっちまった…』
バーネットがヴィクトールを見てから思う
『ヴィクトールは先の戦いの傷が癒えてねぇ… 俺に気付かれまいとしてやがるが 本当は立って歩くので精一杯だ 雷撃を受け止める事なんざ 出来やがる訳もねぇっ …クソッどうする!?』
城門前
雷撃が横に走り機械兵Gに当たる 続いて雷撃が落ち ヴィクトール14世が受け取り 声を上げて襲い掛かる
「いやぁああーーっ!」
機械兵Gが盾を掲げヴィクトール14世の剣を受け止め ヴィクトール14世へ剣を振るう ヴィクトール14世がハッとする ベーネットが叫んで鞭を振るう
「ヴィクトールっ!」
ベーネットの鞭にプログラムが纏わり 足りない長さを補って ヴィクトール14世の体を捕らえ 機械兵Gの攻撃からヴィクトール14世を回避させる ヴィクトール14世が空中で体勢を立て直して 着地し 剣を構えて視線だけをベーネットへ向けて言う
「ありがとう ベーネット 助かったよ」
機械兵Gの中に居るリゲルがニヤリと笑んで言う
「この巨大ロボットに人の力で攻撃するとは この世界の新人類はどこまで愚かなのだ?…うん?」
リゲルの見ているモニターの中 ベーネットの情報が現れ リゲルが呆気に取られて言う
「なんだ?あいつにはロストヒューマンの遺伝子情報が… あいつがシリウスの後継者か!?」
リゲルがベーネットに注目する ベーネットがヴィクトール14世の近くへ来る ヴィクトール14世がベーネットへ言う
「ベーネット、どうしよう?このままでは…っ」
ベーネットが言う
「勝算はあります ガルバディアの騎士や、魔法剣傭兵隊の皆が戦っている機械兵は 皆制御システムを あの一体の大型機械兵に支配されているのです ですから あの大型機械兵を倒しさえすれば 他の機械兵は全て 戦闘行為を止める筈です」
ベーネットが周囲にプログラムを発生させる ヴィクトール14世が言う
「しかし、あの大きな機械兵には 我々の雷撃が殆ど効かない これでは倒す事は出来ないよ」
ベーネットが言う
「確かに 今までの拡散型の雷撃では 奴は倒せません …ですから 今までとは手法を変え 大剣に溜め込む雷撃の量を増やし 一刀入魂で行きます その為にはヴィクトール 多くの雷撃を溜め込む 貴方に多くの負担が掛かりますが… 耐えられますか?」
ヴィクトール14世が一瞬呆気に取られた後強気に言う
「やろう バーネット!僕は 君を信じる!僕らは あの機械兵に勝てるよ!」
ベーネットが一瞬呆気に取られた後笑んで言う
「おう!」
ベーネットが眼を閉じ周囲にプログラムを発生させる ヴィクトール14世が気合を入れ剣を構え直す ベーネットが赤い瞳で目を開き 悔しそうに言う
「だが、折角のその一刀をぶち込むには あの機械兵の隙を突かなけりゃぁならねぇ… ヴィクトール、てめぇの剣に雷撃を溜め込んだ後 同時に俺が奴へ攻撃を仕掛けて 奴の気を逸らすが… 余り期待しやがるな 奴も馬鹿じゃぁねぇだろうからな いくら 俺が出て行こうが てめぇと 戦力の低い 俺が同時にむかうとなりゃぁ 奴だっててめぇをマークしやがる」
ヴィクトール14世が言う
「それなら最初から 僕1人で行くよ 君が奴の近くに行くのでは 僕はそちらの方が心配で 攻撃に集中出来ないからね!」
ベーネットがヴィクトール14世を見る
玉座の間
ヴィクトールがバーネットへ詰め寄って言う
「行こう!バーネット!僕らなら あの機械兵の気を散らす事ぐらい 出来るよ!だから!バーネット!」
バーネットが表情を困らせてヴィクトールへ視線を向ける
城門前
ベーネットがいくつかのプログラムを現し 全てがエラーになる ベーネットが密かに言う
「チッ… ヴィクトール13世は 囮にさえ使えねぇか…」
後方から声が掛かる
「…では その役目 俺たちが引き受けよう」
ベーネットとヴィクトール14世が振り返る レビが銃を取り出し 義手に引っ掛け銃弾の装填を行う ベーネットが言う
「てめぇは シュレイザー常駐 スプローニ部隊の」
ヴィクトール14世が言う
「確か レビ隊長」
レビが僅かに顔を背けて言う
「…それは過去の称号だ 今の俺は いち旅人に過ぎん」
ベーネットが言う
「その腕で 戦えやがるのか?相手は旧世界の機械兵を上回る でけぇ機械兵だ 手負いの身で戦える相手じゃねぇ 増してや 利き腕を失った今のてめぇじゃ」
レビが言う
「…利き腕は失ったが 片腕は残った そして今は 利き腕を上回る腕も得た」
ベーネットが疑問して言う
「あぁ…?その出来の悪ぃ義手の事かぁ?」
レビが微笑して言う
「…フッ こいつの事ではない その腕とは 俺の相棒の事だ」
レビが義手を軽く叩いた後 視線を他方へ向ける ベーネットがレビの視線の先を見る チッピィが引け腰で弓矢を持って現れ ビクビクして言う
「レ、レレレレビ?や、やっぱり せ、戦場は こ、こここ 怖いのねっ!ぼ、僕 今にでも に、逃げ出したい気持ちで い、いいいいい一杯なのね!も、もし良かったら 僕 レビの分まで た、退避路を 掘っておくのね!」
ベーネットとヴィクトール14世が呆れる レビが無表情に一瞬止まった後 溜息を吐いてから言う
「…チッピィ 怖いのなら卿は来るなと言っただろう ついでに 退避路は卿の分だけで良い 掘りたければ掘っていろ …と、それより あいつは何処だ?」
チッピィが言う
「で、ででで でも 僕は レビの相棒なのね!だから 掘るんなら レビの分まで掘るのね!ついでに ブレードなら 久しぶりのお友達に ご挨拶に行っちゃったね!」
チッピィが他方へ指を刺す レビがチッピィの指差す方を見てから頭を抱え溜息を吐いてから 通信機を取り出して言う
「…ブレード 思いのままに動けとは教えたが 卿はその前に状況を確認しろ 今は誰も 卿との再会に挨拶などはしておれん」
ヴィクトール14世とベーネットが呆気に取られ顔を見合わせた後 ベーネットが疑問して言う
「『ブレード』 だぁ?そんな名前の兵はぁ スプローニにもシュレイザーにも…」
レビの横に1人のガルバディアの騎士が着地する レビが何事も無かったかの様にベーネットへ言う
「…待たせた こちらの準備は整った」
ベーネットとヴィクトール14世が驚き ヴィクトール14世が言う
「君は…っ ガルバディアの騎士!?」
ベーネットが呆気に取られて 他方で戦っているガルバディアの騎士たちを見る
玉座の間
バーネットが呆気に取られて言う
「なんだぁ?あいつはぁ?」
バーネットが周囲にプログラムを発生させて言う
「製造コード89… ってぇ事は シュレイザーの援護に向かわせていた連中の その半分… ソルベキアへ送った騎士の1人じゃねぇか?何で勝手に 元スプローニ兵と行動してやがる!?」
ヴィクトールが首をかしげて考えた後笑顔で言う
「それは… もしかしたら彼は あのレビって言うスプローニ兵の 相棒になったからなんじゃないのかな?僕も 彼らの父として 彼が独自に考えて行動してくれたというのは… とても誇らしく思うよ!」
バーネットが呆気に取られて言う
「ガルバディアの騎士が 単身 誰かの相棒になりやがるなんざ…」
ヴィクトールが嬉しそうに言う
「さっき レビが言ってたじゃない?失った利き腕を上回る相棒だって 彼なら その表現にぴったりだ!」
バーネットが首を傾げて言う
「まぁ… 確かに その表現の相手が アレ… って事は ねぇだろうからなぁ?」
バーネットがホログラムモニターに映る チッピィを見る
城門前
雷が落ちる ヴィクトール14世が受け取り 苦しそうに顔を上げる ベーネットがヴィクトール14世を確認した後 振り返って言う
「よし …準備は出来てやがるんだったなぁ!?」
レビが銃を構えて言う
「…いつでも」
ブレードが武器を構える チッピィがへっぴり腰で弓矢を持っている リゲルがモニターの警告に振り返って言う
「うん?強力なエネルギーの反応が… なんだ あいつらか?」
リゲルが向き直って言う
「ふんっ 雑魚どもを片付けてから しっかり潰してやろうと思ったが 余計な事をされる前に潰しておくか… リジルの様に逃げられても困るしな?」
リゲルが構える ベーネットが叫ぶ
「行っけーっ!てめぇらぁああー!」
ヴィクトール14世とレビ、ブレードが走る チッピィが慌てて続こうとするが怯えて止まる ブレードが皆から抜き出て 機械兵Gへ斬り掛かる 機械兵Gがブレードの武器を盾で防ごうとして レビの銃弾に気付き 銃弾を盾で防ぎ ブレードの武器を剣で押さえる ベーネットが叫ぶ
「今だっ!」
ヴィクトール14世が声を上げて斬りかかる
「やぁああーーっ!」
ベーネットが怒りの視線を隣に向け 怒って言う
「今だっ!て言ってやがるだろぉおがぁあ!このへなちょこ野郎ぉお!」
ベーネットがチッピィのへっぴり腰を蹴り上げると チッピィが引いていた矢を放し チッピィが驚いて振り返って言う
「痛ぁーーっ!痛いのね!何するのね!?」
ベーネットがにやりと笑んで言う
「ハッ!良い腕してやがるじゃねぇかぁ?」
チッピィが疑問してベーネットがあごで示す方を見て言う
「へ?」
チッピィの視線の先 機械兵Gの目に矢が刺さっている リゲルが不鮮明になったモニターに驚いて言う
「クソッ!一体何処から!?…ハッ!」
機械兵Gが見上げた先 ヴィクトール14世が斬り付ける リゲルが周囲の機械の故障に困惑して言う
「あぁああっ!おのれぇええ!」
リゲルがモニターを操作して 映像を変え 黒画面に一点光りがある画面を作って言う
「こうなればっ 奴だけでも!」
機械兵Gが武器を手放す ベーネットが疑問して言う
「あん?降参かぁ?」
レビとブレードが見上げる ヴィクトール14世が疑問して見た後はっとして振り返って叫ぶ
「ベーネット!伏せてーっ!」
ベーネットが呆気に取られてヴィクトール14世を見る 次の瞬間 機械兵Gが片腕を向け ベーネットを目掛けてロケットパンチを飛ばす ベーネットが驚きに目を見開くと ヴィクトール14世がベーネットを庇って間に入る ベーネットがハッとすると同時に 2人が壁に叩き付けられる レビとチッピィが驚き レビが叫ぶ
「ヴィクトール様!ベーネット国王!」
玉座の間
ヴィクトールとバーネットが驚き目を見開いている ヴィクトールが怯えて言う
「あ…ああ…っ」
ヴィクトールが小刻みに震える バーネットが周囲のプログラムを見てホッとして 微笑して言う
「ハッ… 安心しやがれ ヴィクトール」
ヴィクトールが驚き振り返る バーネットが苦笑する
城門前
レビが走って来て チッピィが腰を抜かしている横をすり抜ける瞬間に チッピィの無事を目視してから ヴィクトール14世の横へ屈み言う
「ヴィクトール様!?ベーネット国王!?」
後方で チッピィがブレードに手を貸されて立ち上がり 怯えながら レビの後ろへ行って 恐々言う
「レ、レレレレ レビ?ふ、2人は…?」
レビが2人の容態を確認して 苦笑して言う
「…大丈夫だ 2人共 気を失ってはいるが 息は整っている」
チッピィが驚いて言う
「えっ!?だ、だって…っ あ、あの機械兵の手は 物凄い速さで飛んで来たのね!僕、腰が抜けちゃったね!」
リジルが舌打ちをして言う
「チッ… 討ち損じたか ならばっ!」
機械兵Gが残った腕を握り締め ベーネットたちへ向かって来る レビが振り返り立ち上がって銃を構える チッピィが怯える ブレードが武器を構える リゲルが叫ぶ
「ぶっ潰してくれるっ!」
機械兵Gが拳を突き向けた先で その腕を巨人が抑える リゲルが驚いて言う
「何っ!?」
レビとチッピィが驚き チッピィが言う
「あ、あれ…?カイッズの巨人族?」
レビが言う
「いや、違うっ」
ロドウが必死に抑えつつ言う
「ヴァッガスっ 早く!僕1人じゃ 抑えきれないよっ!」
ヴァッガスが言う
「もう少し 待て!今 奴の弱点を …了解!」
ヴァッガスが通信機を耳から離して 機械兵Gへ走り向かって行く最中に獣化して 機械兵Gの肩まで駆け上り 背に携えた2刀の短剣を抜いて 機械兵Gの首筋の配管へ突き刺す 機械兵Gの操作室で計器類がけたたましく鳴り響きリゲルが焦って言う
「ぐあぁあっ!」
機械兵Gがヴァッガスを掴み投げ飛ばす 上空からガイが武器を構えて急降下する リゲルが言う
「クソッ!ここまでかっ」
ガイが先にダメージを与えていた機械兵Gの破損個所へ武器を突き刺す リゲルが移動プログラムで機械兵Gから飛んで行く ガイが移動プログラムの光を視線で追っているとガイの脳内へ声が届く
『離れろ ガイ』
ガイが反応して即座に退避する 直後に機械兵Gが盛大に爆発する レビと皆が視線を向けた先 機械兵Gの周囲にバリアプログラムが張られていて 機械兵Gの自爆範囲を狭めている
ガイがヴァッガスの近くへ降り立ち振り返って叫ぶ
「メテーリ 御二方の御容態は!?」
メテーリがヴィクトール14世へ回復魔法を放ちつつ振り返って言う
「こっちの剣士の方は 何とか大丈夫だけど もう1人の!シリウス様の子孫って人の方が…っ!」
レビが言う
「この腕は… 急がなければ 俺と同じ事になりかねん」
チッピィが疑問して言う
「え?腕…?」
チッピィが覗き込み 衝撃を受け怯えて言う
「ひ、酷い怪我なのね!お姉さんっ そっちはもう良いのね!こっちの人の う、腕の治療の方が先なのね!」
バーネットがやって来て言う
「いや、こいつは 回復魔法なんざじゃ手に負えねぇ… てめぇが言う通り 急がねぇと腕所か命までやべぇってぇ状態だ おいっモフュルス!」
バーネットが振り返った先にモフュルスが居る バーネットが向き直って言う
「俺とヴィクトールは 3世の回復にガルバディアへ行く 14世の回復の続きは 城下の医者へ任せろ あばらの5~6本折れてやがるだろうが 死にはしねぇ… それから、しばらくてめぇに ベネテクトを預けるぜ」
ヴィクトールが心配そうにベーネットを抱き上げる モフュルスが静かに頷いて言う
「はい、かしこまりました バーネット様 …とは申しましても 私もすっかり年老いましたので ベネテクトの管理には 私めの孫も手伝いをさせたいと思うのですが… 宜しいでしょうか?」
バーネットが一瞬呆気に取られた後 笑んで言う
「うん…?おうっ てめぇが目を掛けてやがるてぇなら 構わねぇぜ?頼むぞ!」
モフュルスが微笑んで礼をする バーネットとベーネットを抱いたヴィクトールの周囲に移動プログラムが発生して消える 皆がそれを見送った後 ガイが言う
「見た所 あの巨大な機械兵を操っていた者は退避し 残された機械兵の処理も 彼らに任せれば良さそうだ… 我らもガルバディアへ シリウス様の下へ戻ろう」
ロドウが微笑して頷く メテーリが言う
「そうね?シリウス様の子孫だって言う2人も ガルバディアへ行ったんだし?私たちがここに残る必要は無いわね」
メテーリが辺りを見渡し肩の力を抜いてからハッとして言う
「…って、もしかして!?シリウス様ってば 私たちを飛ばすだけ飛ばしておいて 戻りは自分たちでやれって事!?」
メテーリが慌てる ガイが苦笑して言う
「行きは このベネテクトの場所を メテーリが知らなかったので致し方ない 移動魔法は一度赴き その場所の情報を知らなければならぬとの事だ しかし、戻りとならば ガルバディアでもシリウス様でも どちらを目標としてでも 戻られるのであろう?」
メテーリが不満そうに言う
「そ、それは…っ そうだけど…っ もぅ!分かったわよ!」
メテーリがツンとして移動魔法の詠唱を始めようとする ガイとロドウが苦笑する ヴァッガスが言い辛そうに言う
「ま、待ってくれ!メテーリ!」
ガイ、ロドウ、メテーリが疑問して メテーリが言う
「え?」
ロドウが疑問して言う
「どうかしたの?ヴァッガス?…そう言えば 何だか元気が無かったみたいだけど?」
ガイが考えて言う
「言われてみれば…?いつものヴァッガスであれば あの特別な機械兵を倒した自分たちの活躍を 誇らしげに言ってくれると思っていたのだが?」
ガイがヴァッガスを見てから ヴァッガスの視線の先を見て気付いて言う
「うん…?貴殿は… あの時の!?」
ヴァッガスがレビを見る レビがヴァッガスを見詰めている ヴァッガスが戸惑った後 一歩レビへ近づく チッピィが素早くレビの前に立って弓矢を構えて言う
「近づくなっ!」
皆が驚く チッピィが怒りの眼差しで言う
「お、お前…っ あの時のっ あの時レビの腕を奪った奴っ!僕はっ 僕はっ!お前の事 許さないっ!」
ヴァッガスがショックを受け苦しそうに俯く チッピィが弓を引く チッピィの引いている矢をレビが握る チッピィが驚いてレビを見て言う
「レビ…っ!?どうして…っ!?」
レビが顔を横に振って言う
「…卿が弓を引く相手は 奴ではない」
ヴァッガスが驚いてレビを見る レビがヴァッガスを見て言う
「…諸卿も 異世界の王と戦うのか?シリウスBの兵」
ヴァッガスが驚いて言う
「な、何でお前が 異世界の王の事を 知ってんだ!?」
レビが言う
「…何の間違いであったのか 今でも不明だが… 俺は先日 アバロンの王 ヘクター国王から この世界の危機と それに関する異世界の王の存在についての連絡を受けた 唐突な話であり 共に、こちらからの問いには一切答える事なく 一方的に切られた事から 詳細を確認する為 俺たちはアバロンへ向かっていたのだが 立ち寄ったこのベネテクトの惨事に 急きょ加勢していた」
ガイが来て言う
「アバロンのヘクター国王は 現在アバロンに居らず 更に言えば この大陸の何処にも その存在を確認出来ないと言う」
レビが疑問する ガイが言う
「彼の事は現在、我らの王シリウス様や ガルバディアの王シリウスA様が 確認をしていると言う話だが… 異世界の王の事を知った貴殿が もし、この世界の敵である その者と 戦うつもりがあるのなら 是非 我らと共にガルバディアへ来てもらいたい」
レビが一瞬驚いて考える ガイが微笑して言う
「…そして、シリウス様であれば 貴殿のその腕も ともすれば 再生が可能であるかもしれない」
ヴァッガスが慌てて言う
「そ、そうだぜ!シリウス様が!お前の腕を治してもらえる様に 計らってくれるって言ってたんだ!だからっ!」
レビが呆気に取られる チッピィが呆気に取られた後喜んで言う
「レビの腕を!?それは 凄いのねっ!良かったね!レビ!腕を治してもらえるって!これで利き腕が元に戻れば!毎日のご飯にも苦労しないで済むね!レビ!」
レビが衝撃を受けあわてて言う
「そっ…そんな苦労は どうでも良いっ!俺は…っ!」
ロドウが後方で通信機をしまいながら言う
「ガイ、ヴァッガス シリウス様が心配してるよ メテーリの移動魔法が失敗しちゃったのかって」
メテーリが衝撃を受け怒って言う
「失礼ね!私は元の世界で 多国籍部隊の皆を移動させるので めい一杯修行したんだから!今更 こことガルバディアの距離で 失敗なんかしないわよ!」
メテーリがロドウに詰め寄る ロドウが苦笑して言う
「僕に言われても…っ」
ヴァッガスがメテーリへ振り返っている状態からレビへ向き直って 喜んで言う
「一緒にガルバディアへ来てくれ!腕の回復と!それから…っ 改めて謝らせてくれ!」
ヴァッガスが真剣にレビを見詰める レビがヴァッガスの思いを悟り一瞬間を置いてから頷いて言う
「…了解した ガルバディアへ行けば 異世界の王についても 詳しく知り得るのだろう …同行する」
チッピィが呆気に取られてから微笑した後 遠くへ向いて叫ぶ
「ブレードー!再会のご挨拶を終わらせたなら 早く戻ってくるのねー!じゃないと レビの本当の相棒である僕だけで 君の事は置いて行っちゃうのねー!」
遠くでブレードが振り返る チッピィがレビへ振り返り笑顔を見せる レビが一瞬呆気に取られてから苦笑して ヴァッガスへ向いて言う
「…俺が行くのなら …こいつらも同行するが?」
レビの後ろにブレードが着地する ヴァッガスが苦笑して言う
「おうっ!分かった 大丈夫だぜ!…な?メテーリ?」
メテーリが表情を困らせて言う
「ちょっとっ!大きな音を立てないでよ!周囲の精霊様が 驚いちゃうじゃない!」
皆が苦笑しチッピィがブレードを横目に見る ブレードが首を傾げる
【 ガルバディア城 機械室 】
ベーネットが回復装置に入れられている それを見ているガイ シリウスBが説明する
「このバーネット3rdの体は ヴィクトール14thに守られたお陰で助かった だが あの瞬間 3rdは自分を庇った14thの背へ両腕を回し その腕に衝撃へ対する強化プログラムを実行していた お陰で 本来であれば即死であっただろう 14thの命が助かり 代わりに3rdの両腕は致命傷を受けた」
ガイが感心して言う
「あの僅かな間に 御二方は最良の行動を行い 共に命を取り留めた という事ですね」
ヴァッガスが言う
「けど、あのデカイ機械兵の攻撃を防いだ腕は かなり酷い状態だったんだろ?それこそ…」
ヴァッガスが表情をしかめ視線を逸らす シリウスBが言う
「ああ、通常 あそこまで粉砕された腕の回復は ロストヒューマンの再生力を持ってしても不可能と言える だが 回復装置の中で 正常な状態で残った腕の細胞分裂へ 更なる促進を行う事で形成完治させる それを 元の肉体と同調させれば …これにより彼を完全な状態へ 回復させる事が可能だ」
ガイとヴァッガス、ロドウが感心した後 ヴァッガスが心配して言う
「腕だけの時間を早めるって事か…?そんな事しても 大丈夫なモンなのか?何だか… 全体がおかしくなっちまいそうな話だよな」
シリウスAが言う
「そうじゃ、ただ腕だけの時を速めるのでは 速めている部位とそうでない部位 それらの接合部の細胞が崩壊してしまうのじゃ じゃが、その接合部の細胞へ完璧なプロテクトを施し融合させる事で 問題を解決させてしまえば 良いのじゃ …と、言葉で言うのは簡単じゃが そのプロテクトを行えるプログラマーは 異世界を含めた全てのプログラマーの中であっても このシリウスBだけじゃろうのぉ?」
シリウスAが微笑む ガイ、ヴァッガス、ロドウが呆気に取られる シリウスAがガイたちを見て言う
「魔物の力を取り込み 更に越えるお前たちの能力とて Bが作り上げた プロテクトプログラムがあってこそのものなのじゃぞ?どうじゃ?Bは凄いじゃろう?」
シリウスAが笑顔になる 皆が驚く シリウスBが視線を逸らしバツが悪そうに言う
「…シリウス、余り煽ててくれるな 人に感心されるのには 慣れていない …それから 俺をBと呼ぶな」
シリウスAが笑顔で居る ガイたちが苦笑する
玉座の間
シリウスA、B、ガイ、ヴァッガス、ロドウが玉座の間へ戻ると バーネット2世とヴィクトール13世が呆気に取られている シリウスAが玉座に座り言う
「所で、バーネット2世 共に ヴィクトール13世 ベーネットの事はともかくとして お前たちがガルバディアへ来てくれたのは丁度良かったのじゃ 我は この2人を… 一体何処の国へ弔ってやろうかと 考えておってのぉ?」
ヴィクトールが言う
「父上…」
バーネットがやっと声に出して言う
「… 親父…」
バーネットとヴィクトールの前に バーネット1世ヴィクトール12世の遺体が入った装置がある シリウスAが微笑して言う
「我は今まで 我の猫として生涯を全うした 後のヴィクトールたちは 皆アバロンへと戻してやっておったのじゃ じゃが、この2人に関しては アバロンとガルバディアへそれぞれ分けてしまうのは 可哀想に思うてのぉ?…とは言え、バーネット1世はヴィクトール12世がアバロンの王座を失った その戦いに置いて まったく助力をしなかった アバロンの裏切り者とされておる故に アバロンの民はヴィクトール12世を受け入れはしても バーネット1世を受け入れてはくれまいじゃろうと 生前 こ奴が言っておったのじゃ」
ヴィクトールが苦笑して言う
「アバロンの民は… きっとバーネット1世様の事を許してくれます しかし、私は… 夢の世界とは違い この現実世界のアバロンへ提言する事は出来ないし その判断を出来るのは やっぱり現アバロンの王である ヘクターだ …だから」
ヴィクトールが寂しそうに微笑んで言う
「ヘクターがこの世界に戻る その時まで 今のまま… このまま2人で ガルバディアに寝かせておいてあげるのが 良いんじゃないかな?ね?バーネット」
バーネットが2人を見て苦笑して言う
「ハッ… そうだなぁ?」
シリウスAが正面を見て言う
「…さて、ここに居るお前たちは 皆、異世界の王について 粗方分かって居るのかのぉ?」
レビが言う
「…この新世界と旧世界 それら2つの世界の他に存在する 異世界の王である …と そして、奴ら2人の名は リゲルとリジル」
シリウスAが少し不満そうに首を傾げて言う
「ふむ… 新世界に旧世界 異世界の王とはのぉ… まぁ 7、800年前は その程度の言葉でも十分じゃった訳じゃが…」
デス1stが歩いて来て言う
「新世界と旧世界… 2つもの世界があるというだけならともかく 更に異世界が存在し それらの各王が我らの世界へ簡単に現れる とは… 流石に おかしな話であると 誰しもが勘付くものだ」
デス1stの後ろから付いて来たオライオンが首を傾げて言う
「あ?その話の… どっかがおかしいのか?」
デス1stが僅かにオライオンへ向く オライオンが首を傾げて考える デス1stが溜息を吐く ガイが言う
「世界と呼ばれる程のものが 多数存在する上に それらの世界を軽々と移動出来る …まるで 我らが 国と国とを行き来するかの様だ」
ヴァッガスが考えて言う
「そう言われて見れば そうだなぁ?」
オライオンが感心して言う
「ああ!そう言われれば そうも聞こえるよな!…まぁ 俺らが国を行き来するのと違って その世界の移動を軽々出来るのは ガルバディア国王や異世界の王たちだけって所だけ 違うけどな!」
シリウスBが腕組みをして玉座の肘掛に背を預けて シリウスAを見る シリウスAが微笑して言う
「そうじゃ 本来であるなら この新世界と旧世界 それらの行き来が出来るのも 我らだけなのじゃ とは言え 旧世界の土地は 悪魔力と機械兵の増加が 定数を越えてしもうたのでのぉ?急きょ 民たちを移動させねばならなかったのじゃ」
デス1stが言う
「先日 シリウス国王が旧世界へ向かった際の移動プログラム あのプログラムを僅かながら解析した所 大まかに見て我々が普段使用する移動プログラムとの違いは無かった… 唯一違った事は 旧世界へ向かうその目的地のコードに 特別なパスが掛けられていた …私の推測が正しければ そのパスさえ知り得る事が出来れば 私や全てのプログラマーは勿論 魔法使いたちの移動魔法ですら 旧世界へ向かう事が可能であると」
シリウスAが悪微笑する シリウスBが苦笑して言う
「…確かに、ただ移動を行うだけならば お前の言う通り 移動手段を持つ者にパスを与えるだけで 両大陸を移動する事が可能だ 更に言えば その移動手段さえ 魔法やプログラムではない 船や翼を持つ者でさえな?」
ヴァッガスが驚いて言う
「船や翼って…っ!?」
メテーリが首をかしげて言う
「そう言えば… シリウス様って 時々新世界や旧世界の事を 大陸って言うのよね それって… もしかして?」
ガイが微笑して言う
「我々が新世界、共に旧世界と呼び分けていた両世界は 南北に存在する 両大陸を示しているものであったのだ」
皆が驚く デス1stが目を細めて言う
「やはりそうか」
ガイが言う
「故に 私は ヴァンパイアの力を強め より長距離を飛行する能力を得る事で 悪魔力を使用する転送装置を使用する事なく 我々の故郷 南の地から北方にある この新世界と呼ばれる大陸へ 空を飛んで渡る事が出来た」
デス1stが言う
「では、それら新旧両世界… いや、両大陸の話を踏まえ 今まで異世界の王と言っていたものも」
シリウスAが言う
「我らの管理する2つの大陸とは 異なる 別大陸の事じゃ 我らも リジルやリゲルたちも 皆 同じ世界に住む 各大陸の王なのじゃ」
【 ソルベキア国 スファルツ邸 】
スファルツがモニターを見上げて言う
「なるほど… そういうことでしたか」
ベハイムが目を細めて言う
「我々が言っていた 新旧世界が 船で行く事が出来るほどの… それ程近くにあった土地ならば 何故 我ら旧世界の民は 海を行く事で 新世界へ渡る事が出来なかったのか」
スファルツが言う
「先ほど デス殿が言っておられた 両世界…もとい 両大陸を移動するには 特別なパスが必要なのだと よってパスを持たない… 審査に適合しない 旧世界の皆様が旧世界から新世界へ渡る 唯一の方法は その審査を回避出来る 転送装置を使用しての移動であったのでしょう」
ベハイムがスファルツへ向いて言う
「審査に適合する者…と言うのは?曾祖父君の様に 電波になる事が可能である… と言う事でしょうか?でしたら 曾祖父君のお友達であられる あのデス殿は お得意であられる様ですが?」
スファルツが衝撃を受け ベハイムへ向いて怒って言う
「私のお友達2号である デス1st殿を電波扱いするのは お止めなさいっ!曾お祖父ちゃんは お前をそんな子に育てた覚えはありません!」
ベハイムが衝撃を受け スファルツへ向き直って言う
「私は 曾祖父君に 育てられた覚えはありませんが…」
ベハイムが気を取り直して言う
「では その審査に適合しない者が 大陸を移動する方法を試みた場合はどうなるのでしょう?移動魔法やその類では 何らかの力に遮られると言うのは 分からなくも無いですが… シリウスB殿が言っておられた 空や… 船であったなら?魔法やプログラムが出来ない者でも 行動に移す事が可能な方法です」
スファルツが微笑して言う
「フフ…ッ その答えは 今から数百年前 まだ我々新人類が 皆旧大陸に住んでいた頃に 漁師たちが教えてくれました ”遥か北の海には 世界の果てが存在し 海の水は 底の見えない滝となり崩れ落ちる” 恐らく 我ら新人類を統べる ロストヒューマンが作り上げた壮大なプログラムなのでしょう 例えそれが実際には存在しない幻影だと言われようとも そこを抜けようなどと言う事は 尋常では考えられません」
ベハイムが呆気に取られる スファルツが言う
「更に、その言い伝えが作られてから 数百年を経過した現代 この大陸でも 南の果てへ向かった海賊たちは 同じ滝を見て怯え 引き返した所を ソルベキア艦隊に捕らえられる と言うのが お約束の様ですよ?」
スファルツが笑顔になる ベハイムが疑問して首を傾げる
ソルベキア城 地下牢
牢屋の格子にしがみ付き カイザが泣き叫ぶ
「そんなぁーーっ 俺はソルベキア海域で海賊業は… そ、そりゃぁ… ちょっとはしてたけどっ だからって あんな艦隊総動員で追い詰められるほど 酷い事はしてないのよぉーー!?」
守衛がにやりと笑んで言う
「ああ、そうらしいな?俺たちも お前が我らソルベキア国の領海で行った程度の略奪行為であれば… 本来は追いかける事さえ無い…」
カイザが詰め寄って言う
「ならぁっ!」
守衛が顔を近付けて言う
「だがぁ!…お前に関しては 別の所から 捜索令状 共に 報酬金が掛けられている」
カイザが疑問して言う
「はぁ?報酬金?捜索令… まさかっ」
(ヴィルトンの造船屋)インデンが現れて言う
「探したぜぇ?カイザ船長」
カイザが衝撃を受けて言う
「インデンっ!?」
インデンが腕組みをして困っている素振りを見せて言う
「困るなぁ 世界最速の海賊船 フェリペウス号の船長さんよぉ?そのご自慢の海賊船を 世界最速にしてやった代金を 長々と先延ばしにしてくれちゃぁ~ 俺も もしかして?…いや、まさかな?カイザ船長が 支払いすっぽかして 逃げ出したんじゃないか~?なんてなぁ?心配になっちまうってもんでよぉ?」
カイザが焦って言う
「そ、そそそ そんな訳ないだろ!?インデン!?お、俺は 世界最速の海賊船 フェリペウス号の船長さんだぜぇ!?その船を改良してくれた金を 踏み倒すだなんてっ!?そ、そんな事 する訳が~っ」
インデンが苦笑して言う
「そうだよなぁ?俺も分かっちゃぁいるんだ… だが…?やっぱり 支払いは シャキッとしてもらわねぇとな?何でも このソルベキアさんが 今 ちょいと良い船を捜してるって言うんだ 今までソルベキアが持って無かった様な 小型であっても 速度が出る それこそ世界最速の船をな?そいつを渡せば 俺がお前さんから払ってもらう予定の 倍の金を払ってくれるって言うんだよ~」
カイザが呆気に取られた後 慌てて言う
「お、おいっ インデン!まさかっ お前!」
インデンが表情を困らせて言う
「俺としても 海賊の町ヴィルトンの造船士として 家族とも思える海賊さんを お国へ売る様な事はしたくなかったんだが 最近は 何処の国も 何だか殺気立ってるだろぉ?このままじゃ 今までみてぇに海賊じゃなく 国の艦隊さんと仲良くなって 守って貰う様になるんじゃないか …と思うんだ そうなれば ヴィルトンの海賊は 今までみたいに義賊を通す事は出来なくなって来る… いつか 俺たちの手に渡される金も…ってな?それとも 今回みたいに逃げられちまうか」
カイザが言う
「支払いが遅れた事は 本当に謝る!悪かった!だがっ 俺たちヴィルトンの海賊は!義賊を捨てるなんて事はしねぇ!家族であるお前らへの支払いから 本当に逃げるなんて事だって!」
インデンが目を閉じて言う
「もう決めたんだよっ!すまねぇ カイザ船長…」
インデンが視線を落として去って行く カイザが呆気に取られてから 慌てて格子にしがみ付いて叫ぶ
「インデン!俺は!俺たちは ずっと家族だぜ!」
カイザが悔しそうにインデンの去った先を見る 守衛が苦笑して言う
「我が王が喜んでいたぞ?お前の海賊船… いや、我らの最速艦は とても格好が良いとな?なんでも 甲板に大きな穴が開いているらしいが そこさえ修理すれば 直ぐにでも 旧世界へ 我らの神の下へ 仲間を迎えに行けるとな?」
カイザが疑問して言う
「お前たちの王ってのは バーネット1世様だろ?神様に… 旧世界へって… 一体何の話だ?」
守衛が鼻で笑って言う
「フッ… 我らの王が バーネット1世だと?下らんっ あんなのは一時の話だ 我らの王は今も昔も変わらず ガライナ様だ」
カイザが驚いて言う
「はぁ?ガライナ?…そいつは バーネット1世様にぶっ倒されたんじゃ!?」
守衛がカイザを殴りつける カイザが牢屋の奥へ背を打ち付ける 守衛が怒って言う
「黙れ!ガライナ様は 倒された振りをして その間に 我らの神の下へ向かって居ったのだ!ガライナ様が 倒される訳など無い!」
カイザが殴られた頬を押さえながら身を起こして言う
「なら その倒された振りをしたって時には 倒されたんでしょうが!?それに神神って あんたらの神様は一体何処にいるって言うんだ!?ガライナが生きてるなら 何で神様となんか会えるんだよ!?」
守衛がニヤリと笑んで言う
「何だ 知らんのか?我らの神は お前が想像する 死んだ後に会う様な存在ではない 我ら新人類を創造された ロストヒューマン 即ち 神とも思える力を持つ そのお方を示しているのだ!」
カイザが呆気に取られる 守衛が向き直って言う
「そして、神は 我らの近くへとお越しになった… この大陸の遥か南の地 我らの故郷 旧大陸に …故に、我らはそこへ急ぎ向かい 神が別大陸からお連れになった 神の使いをお迎えしなければならない …最速の艦でな?」
守衛が誇らしげに大笑いして去って行く カイザが目を瞬かせて言う
「な… 何を言ってんだ?あいつは…?」
【 ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが周囲のプログラムを見て言う
「ふむ… 旧大陸へ第5プラントからの援軍を呼び寄せおったか 余りゆっくりはしておれんのぉ?」
シリウスBが背を離しシリウスAへ向いて言う
「俺が行く 旧大陸へ戻り 奴らを追い返してやる」
シリウスAがプログラムを消して言う
「いや、我が行く」
シリウスBが疑問して言う
「あぁ?…何を言っている シリウス 奴らの狙いは お前だ そのお前がわざわざ出て行くなど」
シリウスAが笑んで言う
「そうじゃ 奴らは我を倒すため 自分たちの大陸から兵を呼び込み 我の周囲から崩して行こうと言う作戦じゃ そこへ… 我自らが向かっていったらどうじゃ?奴らは… たいそう驚くじゃろうのぉ?」
シリウスAが笑顔になる シリウスBが衝撃を受け怒って言う
「驚かすだけで どうするつもりだっ!?大体、一瞬は驚くだろうが その次の瞬間には 奴らは大喜びでお前をぶっ殺しに掛かって来るのだろう!?そこへ!久しぶりの本体に 実は戸惑っているお前では うっかり 奴らに負けるかもしれんだろうっ!?」
シリウスAが恥ずかしがって言う
「なんじゃB… そんなに我の深い場所を覗き見るなど… やっぱりお前は 今も昔も変わらぬ… 我の全てを知り尽くさねば 気が済まぬのじゃなぁ?」
シリウスBが衝撃を受ける シリウスAが嬉しそうに照れて言う
「良いのじゃぞ?B?お前がどうしてもと言うのであれば 我はお前に全てをさらけ出しても…」
シリウスAの周囲にプログラムが発生する シリウスBが怒って言う
「貴様はっ!相っ変わらず 誤解を招く言葉を 捜してまで言うな!」
皆が呆れている ヴィクトールだけが微笑んでいて バーネットが言う
「…俺はシリウスAの子孫だが シリウスBの気持ちが嫌と言う程分かりやがるぜぇ…」
ヴィクトールがバーネットの言葉を意外そうに言う
「え?そうなの?バーネットが 直系の先祖である シリウス国王より その兄弟である シリウスBの気持ちの方が分かるだなんて… 不思議だね!」
ヴィクトールが笑顔になる バーネットが呆れの汗をかく シリウスAが気を取り直して言う
「…と、まぁ 今は互いに民の前じゃ 仲良ぉするのは 2人きりの時にしようではあらぬか?B?」
シリウスAが微笑む シリウスBが衝撃を受け怒って言う
「2人きりの時であっても お前の下らん茶番につき合わされるのは御免だっ!」
シリウスBが気を取り直して言う
「…と、その様な事よりっ シリウス、本体との融合が悪いのなら尚更だ お前はこの大陸を離れるべきではない こちらへ残り俺が旧大陸へ行っている間に 保護システムを管理していろ 先ほど 新たなプロテクトプログラムを構築しておいた 奴らが 二度とこちらの大陸へ 入り込めぬ様にな」
シリウスAがプログラムを見て微笑した後言う
「流石じゃのぉ B これほど強固で隙のあらぬ防壁を組むとは… お前本来の繊細さがプログラムに現されておるわ じゃが 惜しいのぉ これ程のものに加え お前が本体であったなら リジルやリゲル程度ではあらぬ より 強力な相手の進入さえ 阻む事が出来るじゃろう」
シリウスBがシリウスAを横目に見て言う
「より強力な相手?…俺は義体であったため お前の助言を受け 情報量による補正を施したが リジルやリゲル以外の相手などは さほど意識していないぞ?」
シリウスAがプログラムを覗き込んで言う
「これなら… 捕らえられるやも知れぬ」
シリウスBが疑問して言う
「捕らえる?」
シリウスAが顔を上げて言う
「よし、決めた… 我は決めたのじゃ B!」
シリウスBが腑に落ちない様子で言う
「先ほどから何を言っている?シリウス?」
シリウスAが立ち上がり シリウスBへ向き直って言う
「B、我は旧大陸へ行き リジルどもに挨拶をして来てやるのじゃ その間…」
シリウスBが疑問している シリウスAが言う
「お前に 我のこの身を 預ける」
シリウスBが呆気に取られて言う
「な…?」
シリウスAが微笑して言う
「そして お前が今使用しておる体を 我に寄越すのじゃ その義体はとても良い出来なのじゃ じゃと言うのに B?お前はちっとも その性能を使いこなせておらぬ 我は… その美しい義体が可哀想でたまらぬのじゃ」
シリウスBが疑問を重ね 慌てて言う
「ちょ、ちょっと待てっ!順番に突っ込ませろっ シリウス!」
シリウスAが照れ視線を落として言う
「生憎 我の身は 突っ込まれる方には 慣れておらぬ」
シリウスBが怒って言う
「そうじゃねぇええっ!!」
シリウスBが手を振り払って言う
「いい加減にしろ シリウス!奴らは既に動き始めている!こちらが後れを取る訳にはいかん!」
シリウスAが鋭い視線で言う
「そうじゃ B 故に さっさとその義体を我へ渡すのじゃ 我はお前とは逆に 義体の方に慣れておる そして、万が一の時にも安心じゃ それが義体の本義であると 教えたじゃろう?」
シリウスBが一瞬黙ってから言う
「…ならば 別の義体を使え …いや、これがそれ程に高性能だと言うのなら 俺が別の義体に…」
シリウスAが言葉の途中で シリウスBの正面へ行って意識を送る
『B、我らの土地へ入り込もうとして居るのは リジルやリゲルだけではあらぬ 我はお前に そやつの存在を叩き出して欲しいのじゃ 我はこの身で全力をもってしても探し出す事が出来なかった じゃが お前なら …出来る!』
シリウスBが驚いてシリウスAを見る シリウスAが微笑して意識を送る
『我がリジルらの相手をするのは ただの目くらましじゃ 我らの本当の敵は 他に居るのじゃ!』
シリウスBが呆気に取られる
シリウスA、B以外の者たちが不思議がる オライオンが首を傾げて言う
「うん?あの2人 何か言ってるのか?ちっとも声が聞こえねーぜ?」
デス1stが周囲にプログラムを現しつつ視線を強めて言う
「我らには聞こえぬよう プロテクトがされている 何を話している…っ!?」
ガイが見詰める 後方でヴァッガスとロドウ メテーリが顔を見合わせ ヴァッガスがさぁ?の手振りをする レビが見詰めるチッピィが首を傾げる
シリウスBが一瞬間を置いてから言う
「…分かった だが、最後に聞く 本当に良いのか シリウス?私が今使用している義体を お前に渡した所で お前が獲るものは何も無い だが、私がお前の本体へと入れば お前の持つ知識や記憶 その全てを共有する事になる そして知り得た情報は お前に体を返した後も 私は記憶している筈だ お前は… お前のプログラマーとしての財産を 全て私へと 明け渡す事になるのだぞ?」
シリウスAが言う
「B、我は旧大陸で 600数年振りに会うたお前に言ったのじゃ お前に 我の持つ全ての情報を与えても良いと… 後にも 念を押して言うた その気持ちに偽りはあらぬと」
シリウスBが呆気に取られる シリウスAが微笑して言う
「我はいつだって お前に シリウスAの名を譲る準備は出来ておる …愛らしい猫も居る事じゃしのぉ?」
ヴィクトール11世が反応して 喜んでシリウスAの下へ行く シリウスAがヴィクトール11世を抱きしめて笑顔になる シリウスBが衝撃を受け怒って言う
「俺は何があっても Aの符号は受け取らんぞっ!受け取ってやるものかっ!」
後方でバーネットたちが呆れている
シリウスA、Bが向かい合い 周囲にプログラムが現れる シリウスBが真剣に見詰める シリウスAが微笑する 皆が見詰める中 プログラムが壁に見えるほど無数に発生して 皆が呆気に取られた後 プログラムの羅列が収束する 皆が見詰める シリウスA、Bが向かい合っているが 表情が逆になっている ヴィクトールとヴィクトール11世が目を瞬かせた後 ヴィクトール11世が微笑んで向かいながら言う
「シリウスーっ」
ヴィクトール11世がシリウスBであった義体に抱き付く シリウスBの義体が笑顔になって言う
「良い子じゃ ヴィクトール 例え姿が変わろうとも 我が分かるのじゃのぉ?」
ヴィクトール11世が言う
「うん!」
バーネットたちが驚いて目を瞬かせる ヴィクトールが微笑んで言う
「うん、なんでだろ?僕も 何となくだけど 判る気がするよ」
バーネットが苦笑して言う
「そら てめぇにも 貧弱なアバロンの力がありやがるからなぁ?」
ヴィクトールが不満そうに言う
「ぶーっ 貧弱でもいーんだもんっ」
バーネットが悪微笑する オライオンが首を傾げて言う
「あー?俺には分かんねーけどなぁ?」
デス1stが衝撃を受け 慌てて言う
「わ、判らんのか?オライオン…っ」
オライオンが表情を困らせて言う
「じゃぁ デスは判るのかよ?」
デス1stが困って言う
「い、いや… 私は外見からの判断は出来かねるが 中身からなら… だがお前は?お前の アバロンの 何となくそんな気がする力は 何処へ行ったのだ?」
オライオンが言う
「ああ、俺のアバロンの力はさ?どーでも良い事には 効かねーんだよなー?」
オライオンが笑顔になる デス1stが衝撃を受ける チッピィが首を傾げて言う
「2人のシリウス国王様が 入れ替わったって事?」
レビが言う
「…らしいな 卿には判らんのか?その… 動物の勘…などでは」
チッピィが困って言う
「僕には判らないね 2人は今もさっきも 同じ匂いなのね」
ブレードが沈黙している ヴァッガスが表情を困らせて言う
「な… 何だか 変な光景だぜ」
ヴァッガスの視線の先 シリウスBであった義体が笑顔でヴィクトール11世を撫でている メテーリが青ざめて言う
「ほんと… やっとあの姿のシリウス様に 見慣れたって時に …止めてもらいたいわ」
ロドウが首を傾げて言う
「中身が入れ替わったって事は 今までのシリウスA様に対して シリウス様って呼べば良いんだよね?ガイ?」
ガイがロドウの問いにはっとして言う
「あ、ああ…っ そういう事になるな 私も 何だかあの不思議な光景に 呆気に取られてしまっていた」
シリウスAの本体がデータ解析から戻って言う
「…これが お前の力 …やはり大したものだ シリウス」
シリウスBの義体がヴィクトール11世を抱いたまま顔を向け微笑した後 視線を逸らして言う
「ふむ もちろん …あ しかし B?我の情報を見るのは構わぬが その… 我のあんな趣味や あ~んな趣味の記憶に関しては 余り深く思い出そうとしないで欲しいのじゃ 我も… 今更ながら少々恥ずかしくも…」
シリウスBの義体が頬を染めて目を伏せる シリウスAの本体が衝撃を受け怒って言う
「ならっ 余計な事を言うなっ!思い出したくなくとも 思い出されて来てしまうだろうがっ!あ~~~~っ!」
シリウスAの本体が頭を抱えて嫌そうに左右に振る ガイたちが呆気に取られた後 ヴァッガスが言う
「…俺 シリウスAの姿のシリウス様に 慣れちまった」
ガイが頷いて言う
「ああ、私もだ 問題ない」
メテーリが呆れる ロドウが笑顔で言う
「良かったー」
デス1stが言う
「…私も慣れた」
オライオンが首を傾げて言う
「あ?俺は やっぱ 分かんねーや?」
デス1stが衝撃を受ける
シリウスBが玉座に座る シリウスAが振り返りバーネットたちを見て言う
「待たせたかのぉ?」
バーネットが言う
「ああ、待たされたぜぇ 準備が済みやがったんなら さっさと旧世界… いや、旧大陸へ行こうじゃねぇか?俺らの準備はとっくに整ってやがるぜぇ?」
バーネットの後ろで皆が頷く シリウスAが疑問して言う
「うん?何の準備が整っておるのじゃ?我はお前らに準備をしろなどとは 一言も言っておらぬ」
バーネットが疑問して言う
「あぁ?何言ってやがる?てめぇがこれから 旧大陸へ行って 異世界…いや 異大陸のぉ… ええぃ 面倒臭ぇ!…リジルやリゲルをぶっ倒しに行きやがるんだろぉ!?だったら 俺らだって行って てめぇのサポートをしてやるぜぇ!」
ヴィクトールが頷く ヴィクトール11世がシリウスAを見上げて言う
「僕もっ!シリウス!今度こそ 僕も連れて行って!またガルバディアの 冷たい機械だらけの地下牢に 置いてきぼりなんて嫌だよぉ!いくらマタタビをくれたって 今度こそ嫌なんだからぁ!」
シリウスBが首を傾げて言う
「ガルバディアの地下牢?この城に牢屋などは無いが… そんなものを作ったのか シリウス?」
シリウスAが言う
「我が牢獄など作る訳があらぬのじゃ ヴィクトールを置いておいたのは ガルバディアのセントラルルームじゃ?」
シリウスBが衝撃を受け慌てて言う
「なぁあっ!?この大陸を管理する 中枢とも言えるセントラルルームに 新人類を!?」
シリウスAが不満そうに言う
「新人類ではあらぬ 猫じゃ」
ヴィクトール11世が機械の配線でじゃらされていて 喜んで噛み付く ヴィクトール11世が感電した後 焦げて笑う シリウスBが怒って言う
「二度と入れるなぁああ!!」
ガイが一歩踏み出して言う
「シリウスA様 我々は 旧大陸に置ける 悪魔力の中であっても問題なく戦えます どうか 我々をお連れ下さい あちらには 異大陸の王らだけでなく 悪魔力に制御を奪われた機械兵も大量におります シリウスA様が 異大陸の王らと相対される最中 その機械兵からの邪魔立てを防ぐのにも 良いと思われます」
シリウスBがシリウスAへ向いて言う
「ガイの言う通りだ シリウス 彼らを連れて行け いかにお前であろうとも リジルとリゲル その2人の相手をするなら 他に余裕は無いだろう たかが機械兵とは言え 隙を与えかねん」
シリウスAが少し考えてから言う
「まぁ… 確かに油断はならぬな 良いじゃろう」
ガイが微笑する ヴァッガスが拳を受け止める オライオンが残念がる シリウスAが言う
「では 我は 我の作り上げた ガルバディアの騎士たちを連れて行くのじゃ」
シリウスAが笑顔になる 皆が驚き シリウスBが言う
「お前が作った ガルバディアの騎士… そこに居る者か?」
皆の視線がブレードに向く シリウスAが言う
「そこの騎士には ブレードと言う名が与えられておるのじゃろう?名を与えられたガルバディアの騎士は 新たな道を歩むもの… お前はお前の道を歩き続けるが良いのじゃ 我は他の398体を連れて行く 機械兵の相手をさせるに 数も力も程よいのじゃ」
シリウスBが不満そうに言う
「それはそうかもしれんが… 奴らは」
ヴィクトールが言う
「では 私も行きます」
バーネットが驚いて言う
「な!?ヴィクトール 何を言ってやがる!?」
ヴィクトールが言う
「私は彼らの父です 例え 代理であっても 今でも彼らは 私を慕ってくれている 旧大陸の あの機械兵たちと戦わせると言うのなら 私も共に行き 彼らの指揮を執ります」
バーネットが言う
「待てっつってんだぁ ヴィクトール!旧大陸には 悪魔力が溢れてやがるんだぞ!生身のてめぇじゃ 耐えられねぇ!だから… 畜生っ!なら 俺がっ!」
シリウスAがヴィクトールの目を見てから微笑して言う
「良い目じゃ ヴィクトール13世 ガルバディアの騎士たちを預けた あの夢の世界の記憶を基礎にはしておらぬお前じゃが その目はあの時と同じ… よし、我はお前を気に入ったのじゃ 再び 彼らガルバディアの騎士たちを お前に預けてやるのじゃ」
ヴィクトールが微笑する バーネットが怒って言う
「だからっ!こいつじゃ 悪魔力のっ!」
シリウスAが一瞬瞳の色を赤くして 周囲にプログラムを発生させる バーネットとヴィクトールが疑問すると 次の瞬間 ヴィクトールの体を バーネットの機械鎧が覆う 皆が驚き バーネットが言う
「こ、こいつはぁ 俺の機械鎧じゃねぇかっ!?一体どうなってっ!?」
シリウスAが微笑して言う
「マイクロトランスミッターを持たぬ そやつの身に合う様リチューンしてやったものじゃ 人体の神経が発生させる微弱電流を感知するシステムを組み込んでのぅ?まぁ時間が無かった故に バーネットのお下がりになってしもうた訳じゃが 許すのじゃ」
ヴィクトールが一瞬間を置いた後 頬を染めてうっとり言う
「バーネットの匂いがする~」
バーネットが衝撃を受け怒って言う
「気持ち悪ぃ事言いやがるんじゃねぇえ!」
シリウスAが言う
「その機械鎧を着ておれば お前もそこそこ 旧大陸の機械兵と戦えるじゃろう なにより 鎧をフル装備すれば 悪魔力の心配もあらぬ」
ヴィクトールがシリウスBへ向き直って言う
「有難うございます シリウス国王」
シリウスAが微笑して言う
「ふむ、それだけ 期待しておるのじゃ 我の期待を裏切るではあらぬぞ?」
ヴィクトールが言う
「はい!」
ヴァッガスが言う
「ちぇ… 折角の故郷での戦いだってぇのに… 持ってかれちまったなぁ?」
ガイが苦笑して言う
「シリウスA様がお選びになられたのでは 致し方ない」
シリウスAが振り向き言う
「お前たちには 別に大切な頼みがあるのじゃ」
ガイたちが疑問する シリウスAが微笑して言う
「我らが旧大陸でリジルらと相対しておる その間 既にこちらの大陸へ入り込んでおる異大陸の兵から Bを守って欲しいのじゃ」
シリウスBが呆気に取られる シリウスAが言う
「お前たちは お前たちの王であり神である このBを守る兵 そうであろう?」
シリウスAがシリウスBを示す ガイたちが呆気に取られる シリウスBが言う
「シリウスっ!?」
ガイが微笑して言う
「はい!」
ヴァッガスが笑んで言う
「おうっ!」
ロドウが頷く メテーリが困る シリウスAが笑顔で言う
「お前たちの力と その気持ちがあれば 我は安心して Bを任せられるのじゃ」
ガイが微笑して言う
「シリウスA様 そのお役目 喜んでお引き受けさせて頂きます」
ヴァッガスが笑んで言う
「そー言う事なら 異大陸の兵なんて こっちから探し出してぶっ倒してやるぜ!」
ロドウが頷く シリウスBが呆気に取られて言う
「お、お前たち…」
ガイがシリウスBへ向いて言う
「貴方様の御身は 我々が死守いたします ご安心下さい B様!」
シリウスBが衝撃を受け慌てて言う
「B様!?ガイ!お前までっ!?」
ヴァッガスが笑って言う
「ああ!俺らが守るんだから 何の心配もないぜ!B様!」
ロドウが笑顔で言う
「旧大陸でのお礼も兼ねて 精一杯戦います B様!」
メテーリが呆れて言う
「まぁ…シリウス様に頼まれたんだもの やるしかないわよね B様の警護をさ?」
シリウスBが怒って叫ぶ
「俺をBと呼ぶんじゃねぇええ!」
【 旧世界 ガルバディア城 城門前 】
リジルが言う
「…予想通り 我らが再び北の大陸へ行く事は 不可能となってしまった シリウスの強固な結界プログラムを破る事は 私には出来ない」
リゲルが言う
「ならプログラムを使用せず 物理的に蹴破ってやるまでだ シリウスの民と共に 結界を通過するのなら 奴は我々を攻撃する事は出来ない!リジル!我らを迎えに来る予定である あの者らの状況は!?…リジル!?」
リジルが考え事から戻って言う
「…ああ、奴らとの連絡も無理だ シリウスのプログラムは 毎秒に近くその構築量が増えている もはや 私程度のプログラマーになす術は無い とは言え、先に 送り込んでおいた私の兵は 今もあちらで行動している もし、我らを迎えに来させる予定であった その者らが 失敗でもしようものなら 奴らが代わって 行ってくれるだろう」
リゲルが一瞬疑問した後言う
「ふむ… シリウスの民でありながら 我らの味方をすると言った あの者らの深層心理に 偽りはなかった… だが、問題は奴らの無能さだ …まぁ 新人類の無能さなど 今更だが それでも、片方はともかくとしても もう片方無能の中に置いても多少の知を持つ者は 我らの仲間とするのもどうかと 俺は思うぞ?」
【 新世界 ガルバディア城 玉座の間 】
シリウスAが鏡の前で優雅に自分の姿を見てから言う
「ふ~ん… ふむ~?む~…」
シリウスAが不満そうに鏡を見て考える ヴィクトール11世が横後ろで笑顔で見ている シリウスAがひらめき微笑してから プログラムで髪を伸ばし 長髪を手で払ってから優雅にヴィクトール11世へ振り返り 微笑して言う
「どうじゃ?ヴィクトール やはり我には 長い髪が似合うじゃろう?」
ヴィクトール11世が笑顔で言う
「うん!シリウス!凄く似合ってる!シリウスはやっぱり綺麗だよ!」
シリウスAが一瞬驚いた後笑顔でヴィクトール11世を抱きしめて言う
「そうか!良い子じゃ ヴィクトール!やはり 我の猫だけあって お前は見る目があるのぉ~?」
ヴィクトール11世が代わらぬ笑顔で言う
「うん!」
ヴィクトールがヴィクトール12世を見詰めて敬礼して言う
「父上 どうか見守っていて下さい」
ヴィクトールが一瞬間を置いてから悔しそうな表情を見せる シリウスBが静かに言う
「…そのヴィクトール12世が バーネット1世の 身の危険を察した最中 私も 彼らを守ろうと バリアプログラムを試みた …だが、あのリジルの攻撃プログラムは 私の能力を遥かに超えていたのだ …もし、あの時私が この体を得ていたとしても やはり…」
ヴィクトールが微笑してシリウスBへ向き直って言う
「シリウスB様 父やバーネット1世様への援護を ありがとうございました」
シリウスBが顔を横に振って言う
「…すまなかった」
ヴィクトールが驚く シリウスBが寂しそうな表情を見せる ヴィクトールが微笑する バーネットがバーネット1世の脇で目を瞑りプログラムを行っており 終わらせ立ち上がって言う
「よし、親父の持つ情報は 全てダウンロードしたぜ …ってぇ言っても 本当に300年近くもプログラマーをやってやがったのかぁ?この親父はよぉ?」
バーネットの視線の先 シリウスAがヴィクトール11世を撫でながら言う
「バーネットは出来損ないのプログラマーなのじゃ 我が何度言っても プログラマーとして腕を上げようとしなかったでのぉ 半ば諦めて居ったのじゃが そんな奴も己の猫を持ってからは よう学ぶ様になったものじゃ」
バーネットが表情を困らせて言う
「ハッ!…てぇ事は この親父がプログラマーとして学んでやがったのは 300年中たったの17%程度かよ」
シリウスAが苦笑して言う
「ロストヒューマンとして考えれば 即刻消去対象であったのぉ?」
バーネットが情報のインストールをしながら苦笑して言う
「ふーん… はっは… なるほど?出来損ないにもなっちまうてもんだ 親父はそのロストヒューマンとしてじゃぁなく 新人類として生きる方法を模索してやがったらしい …てめぇの大好きな民たちと共になぁ?」
シリウスAが言う
「例え本人がそれを求めようと その新人類を守るプログラマーとしての力を有す事こそ 我らに必要とされるものなのじゃ」
ヴィクトールが振り返った先 398体のガルバディアの騎士たちが移動プログラムで現れる ヴィクトールが一瞬微笑した後振り返って言う
「シリウス国王!」
シリウスAが頷いて言う
「うむ」
シリウスAがヴィクトールの方へ向かおうとした後 一瞬立ち止まり振り返って表情を困らせてから言う
「…むぅ?姿は良いが やがり 服も少々考えた方が良いかのぉ?」
シリウスBが怒って言う
「時間が無いと言っているだろう!早く行けーっ!」
【 旧世界 ガルバディア城 門前 】
リゲルが表情を顰めて言う
「ええいっ!ならば直接本人に問うまでだ!シリウスBを名乗るシリウスの子孫が シリウスと同等かそれ以上の力を有している時点で シリウスは管理者の権限を譲ると共に 消滅しなければならない!例え後継者であろうとも 力の差が狭められた時点で その者たちは共在する事が許されないのだ!」
リジルがリゲルを見て言う
「…そうだな リゲル お前は正しい 例えシリウスBがシリウスの子孫であろうとも 双方が同じ大陸に存在する事は許されない」
シリウスAの声が響く
『そう、プラント管理者としての力を十分に有するものが 同じ大陸に存在し 増して行動を共にする事は許されない 今のお前たちの事だ』
リジルとリゲルが驚いて振り返る シリウスAが現れ鋭いまなざしを向けて言う
「私のプラントへ無断で入り込むだけではなく 私の民 私の財産に手を付けるとは お前たちの行動は全て 我らがアウグスタへ報告させてもらおう」
リジルとリゲルが驚いて叫ぶ
「「シリウスッ!?」」
リゲルが言う
「馬鹿なっ!?シリウス本人が 我らの前に現れるとはっ!?」
シリウスAが微笑して言う
「何を驚く リゲル そして リジル お前たちは 私に用があったのではなかったのか?そうでなければ 何故 この私のプラントへと入り込んだ?我らロストヒューマンの禁を犯してまで」
リゲルが困って言う
「わ、我らは…っ」
リジルが平静を作って言う
「我らはっ お前の不正を正しに参ったのだ!シリウス!お前は お前と同等の力を有する後継者を所持しながらも それと共存している!お前はっ… お前は何を企んでいるのだ!?」
シリウスAが目を細める リジルが言う
「お前は過去にも 反逆を企てた シリウスの名を継ぐ者だ そのお前が後継者を立てた上で 自身も存続するとは… 今度は お前の息子シリウスBと共に アウグスタへ反旗を翻そうと言うのか!?」
シリウスAが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「私の息子バーネットは お前の手によって 消滅させられた …リジル お前が消したのは 新人類の1人であったが バーネットはその者を追って命を絶ったのだ その程度の我が息子が 私と同等の力を有すプログラマーであるとは 微塵も思えんが?」
リジルが言う
「何っ!? …では シリウスBは お前の息子ではないのか!? …ではっ 一体!?」
シリウスAが悪微笑して言う
「さぁ…?どうだろうな?居るのかどうかも分からん もう1人の私などより 私の目には 目前に居る 2人のロストヒューマンの存在の方が 怪しく見えるぞ?同等の力を持つロストヒューマンが 手を組んで 何やらを企む… まるで 遠い昔のシリウスともう1人 彼らアウグスタへ反逆を企てた その者たちを 目の当たりにしているようだぞ?」
リジルとリゲルが表情を顰め リゲルが言う
「黙れ!シリウス!我らをどう言おうと 貴様が何かを企んでいる事は まぬがれん!この大陸の有様 プラントの管理者である貴様が 新人類が生きられぬ程の汚染をアウグスタへ報告しないとは これは一体どう言う事だ!?」
シリウスAが微笑して言う
「どうという事ではない 私の手違いでこの様な事になってしまったまで しかし 私のプラントには もう一つの大陸が存在する 従って 今はそちらで過ごし 必要があればアウグスタへ報告でもすれば良いだけの事だ」
リゲルが言う
「悪魔力はアウグスタが プラントの浄化を行う際に使用する力だ 我らが易々と使用して良い物ではない 手違いであったとは言え お前が使用する事は許されん」
シリウスAが軽く笑って言う
「フフ…ッ ではどうする?それを理由に 私を消去するか?私がお前たちを消去する理由は… 先ほど伝えたな?これも 我らが母 アウグスタの為」
シリウスAが周囲にプログラムを発生させる リジルとリゲルが気付き リゲルがリジルを横目に言う
「リジル!」
リジルが頷いて言う
「こうなれば構わん やるぞ!」
リゲルが頷いて 手を払って言う
「来い!我が愛機ロブホース!」
リゲルの後方から 機械兵Gが現れ リゲルが機械兵Gへ乗り込む シリウスAが苦笑してひそかに言う
「…やれやれ 相変わらず不恰好なロボットを持ち込みおって… 我の世界には不釣合いじゃ 鉄くずに戻してやろうかのぉ?」
シリウスAが目の色を変え 周囲のプログラムを大量にする
【 ローゼント 城下町 門前 】
ウィルシュが言う
「俺は女を斬りたくはねぇんだ 増してやアンタみてーな 美人は特によ …けど これが戦争って奴だ 悪いな」
アンネローゼが両手を広げ行く手を制して言う
「構いません この先へ向かい その戦いを続けるというのなら まずは このローゼントの女王である 私を斬りなさい」
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