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【 第5プラント 】バッツスクロイツと仲間たち
しおりを挟む暗く狭い階段を細い光が照らす ペンライトを持ったバッツスクロイツが下りながら言う
「こーんな細かったかなぁ?この通路?」
バッツスクロイツが後方を気にしながら言う
「デス、ブレードっち 大丈夫?」
バッツスクロイツの後ろを歩いているデスがバッツスクロイツの顔を見て頷いて見せる レビが自分の後ろを歩くブレードへ視線を向けて言う
「ゆっくりで良いからな?」
ブレードが周囲を見ながら歩いていた状態から レビの声に顔を向けた事で低い通路の上部に頭部装甲をぶつける レビが呆気に取られてから言う
「…すまん 余計な声掛けをした」
ブレードが通路の破損を心配していた状態からレビへ向いて顔を左右に振る レビが苦笑してから前方へ向く 皆が思わず止めていた歩みを再開させて バッツスクロイツが苦笑して言う
「…まぁ あの頃は俺っちも まだ子供だったし それに この先で起きた事が すっごく印象に強かったもんだから… だから 第2プラントにエスケープした時の記憶にも ここで起きた出来事が上書きされちゃってたんだろうなぁ…」
バッツスクロイツの言葉に金田が疑問して言う
「その 『ここで起きた出来事』 って?この先に 何かあるのか?随分下りて来たと思うけど?」
バッツスクロイツが言う
「うん もうすぐ 到着ーって… ほらね?」
バッツスクロイツが言うとともに 終着地をペンライトで照らす 金田が照らされた場所を見て言う
「ほらねって?…何もないぞ?」
金田が階段の終わりである行き止まりの空間を見る バッツスクロイツが言う
「それがー“在る”んだよねー?」
バッツスクロイツに続き到着した面々が狭い空間に集まる バッツスクロイツがタブレットを取り出してから 到着しているであろう面々を見渡して言う
「はーい 皆さん?階段の最後の段は降りてますかー?ちゃんと このCITCの狭い移動範囲に 服の袖まで入れちゃってくださーい?」
金田が疑問して言う
「しーあい?」
レビが言う
「『移動範囲』…と言う事は もしや?この狭い空間に移動魔法陣があると言う事か?」
レビが地面を見る バッツスクロイツが言う
「まぁ 大体そんな感じ?正しくはCITCワープロードって言って レビっちたちの第2プラントとは違って 予め通しておいた転送先へ 物体を原子化して送るものだから 物体を直接飛ばす移動魔法とは 構造的にはちょーっち違うんだけどね?けど、移動先へ行けるって事だけを言えば 同じかな?」
レビが言う
「そうか…」
金田が衝撃を受けレビとバッツスクロイツを交互に見て言う
「え?え?えっと…?分かって無いの… 俺だけか?こんな何もない洞窟の行き止まりで… どっかに行けるって…?」
金田が首を傾げる バッツスクロイツが軽く笑って言う
「その様子だと タマちんのプラントには 移動魔法もワープロードも?どっちもナッシングって感じ?」
金田が困惑している バッツスクロイツが軽く笑って言う
「まーまー?それなら 考えるより体験しちゃった方が早いってね?それじゃ 行きますよー皆さん?レビっちのネズミさんも ちゃんと居るー?」
チッピィがレビの肩に登って来てチュウチュウと鳴く
洞窟の中
まばゆい光が消え その場所へ先ほどと同じ状態で皆が現れて レビが言う
「ここは?」
金田が辺りを見渡して言う
「…ん?周りが広がったみたいな…暗くて見えないな?」
金田の言葉に反応するかのように小さな明かりが灯る 皆が顔を向ける バッツスクロイツがタブレットモニターを表示させていて言う
「北緯75度 東経143… 良し!無事に目的地へ転送されたみたい!良かったぁ~」
バッツスクロイツがホッと息を吐く レビが疑問して言う
「確か… CITC…ワープロードと言っていたと思うが?その機械を用いた移動魔法は それ程危険な物だったのか?」
バッツスクロイツが言う
「普通なら何の心配もナッシングーなんだけどねー?転送元は確認を出来たから良かったんだけど こっちの方はー?多分ー?まーったく管理されて無いだろうと思ったから?チョーっち心配だったって言うか?」
レビが首をかしげて言う
「全く管理されて…?それは… “ちょっとの心配” 程度のもので 使用しても 良いものだったのか?」
金田が表情を困らせて言う
「ちなみに?それで もし?何か異常があった時には?俺ら… 大丈夫だったのかな?」
チッピィが衝撃を受け バッツスクロイツへ向く バッツスクロイツが苦笑して言う
「え?あー?まぁそうね?運が良ければー?どっか適当な場所に飛ばされちゃうーとか?運が悪いと… 色んな場所に 身体の部分部分が バラバラに飛んで行っちゃうーとかー?」
レビと金田が衝撃を受ける バッツスクロイツが苦笑して言う
「まあ!?今回は上手く行ったって事で?良いじゃなーい?そんな失敗する事なんてー?オレっち 考えたくもナッシングーだしー?」
レビが表情には出さずに言う
「…それは確かに」
金田が困惑して言う
「考えたくは無い… けどさ?」
バッツスクロイツがタブレットをしまい 代わりに取りだしたペンライトで足元を照らして言う
「さ!運よく成功したんだからー?早速 外へ行きましょー?皆さーん?」
バッツスクロイツが歩いて行く デスがバッツスクロイツを追って顔を向けてから自身も向かう レビが言う
「…今更ながら 我々のキャプテンは アレで大丈夫なのだろうか?」
金田が困り苦笑で言う
「う、うーん… けど今は 他に頼れる人も居ない訳だし?とりあえず?」
レビが言う
「ふむ… …それもそうだな?」
バッツスクロイツが少し離れた先から言う
「アレアレー?どしたー?レビっちー?ターマちーん?」
レビと金田が衝撃を受け レビが言う
「…とりあえず 行くしか無い」
金田が苦笑して言う
「ああ そうだな?」
レビがバッツスクロイツを追って向かう レビを見ていたブレードがレビに続く 金田が言う
「…つーか?『タマちん』は止めてくれよ?キャプテンー!?」
金田が追って向かう
洞窟外
皆が洞窟から出て周囲を見渡す レビが言う
「こちらの洞窟の出入り口は 直接外だったのか」
金田が言う
「それも驚きだけど ここは?また俺…?何処かの夢の世界に入っちゃったのかな?」
バッツスクロイツが振り返って言う
「タマちんの世界にはー?こう言った森とか自然―って言うのは?もう全くナッシングって感じ?」
金田が首をかしげて言う
「全く無いって事は無いと思うけど 少なくとも俺や普通の人たちが住む町の近くになんかは 無いな」
レビが言う
「スプローニは比較的 平野部にある為 森は兎も角 洞窟と言った物は無いのだが」
2人がバッツスクロイツへ向く バッツスクロイツが言う
「なるほどー?まー言っても?実はーこのログヴェルンの土地も レビっちたちのスプローニと同じーで 平野部だったんだけどねー?」
レビが言う
「平野…?いや?これほど立派な山脈が… それこそ先程 我々が転送されて来た洞窟が出来る程の… …うん?」
金田が言う
「どうかしたのか?『レビっち』?」
レビが衝撃を受け金田へ向いてから 気を取り直して言う
「…あ、いや?気のせいか?この山脈… 何やら不自然に感じるのだが?」
金田が疑問して言う
「不自然って?」
バッツスクロイツが言う
「お?分かるー?流石!オレっちもさ?第2プラントで?あのアバロン山脈を見るまでーは 分からなかったんだけどねー?」
レビが言う
「ではやはり “ニセモノ” か?」
金田が言う
「ニセモノ?」
バッツスクロイツが言う
「その通り!目に見えている あの山脈の姿は 映像なんだよ」
金田が衝撃を受けて言う
「はっ!?映像っ!?」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「って言ってもー?TVやスクリーンなんかに映される映像じゃなくて オレっちたちの視覚へダイレクトにアクセスするタイプなんだけどねー?それで オレっちたちの目には “そこに山脈がある” 様に見えてるーって感じで?実際には ただのかっちょ悪くてデッカイだけの壁があるだけなんだ」
金田が言う
「格好の悪い壁が…?そうなのか?そんな風には全然見えないけどな?うん?それじゃ?」
金田が視線を変えて言う
「向こうに見える でかい森なんかも?」
バッツスクロイツが言う
「ノンノン?あっちはモノホンー正真正銘!人の手が入っていない森ーってやつ」
金田が言う
「あれ?そうなのか?…うんー なんか?」
金田が山脈と森を見比べて疑問する バッツスクロイツが言う
「この第5プラントは 元々寒気の入りが強くって 冬場は日中でも氷点下まで気温が下がる土地だったんだ それを何とかしようって?今から数百年前に 帝国は領土の南方に巨大な壁を築いて 寒気の入りを塞き止めた… それがこの山脈に見える壁 別名、ワールドエンドマウンテン」
金田が言う
「ワールドエンド…?」
レビが言う
「世界の終りの山…か?」
金田がレビを見る バッツスクロイツが言う
「そう、帝国にとっては この山脈の内側までが世界であって その外側は“無い物”とする… つまり 見捨てたって事 …こっち側にだって ログヴェルンの人々が… その人たちの城ログヴェルン城があったって言うのにさっ?」
レビが言う
「城があった?では何故 その城を?」
バッツスクロイツが言う
「食い口減らしの為だって」
レビと金田が驚く バッツスクロイツが言う
「帝国はその頃にはもう 機械兵士の開発に成功して 人間は必要最低限 優秀な人材だけを集めていたんだ だから その時代でもまだ 前時代的な城を構えて人間の兵士を育てていた この辺りの土地に住む人々を 蔑んでいたって言うのも あったみたいだけど」
金田が表情を怒らせて言う
「酷い話だな?…それじゃ?今はもう こっち側に 人間は住んで居ないのか?皆もう?」
バッツスクロイツが言う
「俺も そう思ってたし 俺を含めた 壁の中で生まれ育った人たちは そう思ってる… だったんだけど!」
レビと金田が疑問する バッツスクロイツが表情を明るめて言う
「実は俺!子供の頃に CITCの装置を弄ってたら 突然飛ばされちゃってー?この場所に到着しちゃったんだよねー そしたら更にビックリ!?こっち側にだって人は居たんだ!ログヴェルンの人達がさ!?」
金田が喜んで言う
「本当かっ!?それじゃ!?」
バッツスクロイツが言う
「マジもマジ!大マジで!だから 今回も あの時と同じ様に!CITCを使って こっちへ来たって訳!」
金田が予想外の話の展開に理解と疑問が混じりながら言う
「な… なるほど!?」
レビが言う
「…しかしそれで?一体どうやって “帝国”へ近付くつもりなんだ?我々が目指すべき帝国は… この山脈の… いや?壁の向こう側なのだろう?」
金田が衝撃を受ける バッツスクロイツが言う
「それはそうだけどー?オレっちたちが第2プラントから到着した あの区域は完全に帝国の管理下にあって 帝国の巡回警備もされていた… あれじゃ外へ出るのは無理だし 夜間は赤外線センサーが貼られてるからやっぱり同じ事 …だったら?とりあえず それらの無い “こっち側”を経由して行くっきゃないって思ってねー?」
レビが言う
「…では 壁の内側へ 戻る方法の方は?」
バッツスクロイツが言う
「うん… それは 在るかどうかは分からないけどー 探してみるっきゃ無いっしょ?…それに?タマちんの探してる人だって 帝国に居るとは限らない訳だし?」
金田が反応して視線をそらす レビが金田の様子を見てから言う
「…そうだな バーネット国王からの指示は このプラントの状況確認も含まれている そうとあれば」
バッツスクロイツが言う
「そー言う事!じゃ!先ずは森の中へ!」
レビが言う
「森の?いや?地図もないと言うのに 森の中へ入る事は推奨されない 移動ならば あの山脈の見える場所を歩くべきだ」
バッツスクロイツが言う
「大丈夫 大丈夫!地図は無いけど 昔来た時に連れて行って貰った場所が在って オレっちその座標は分かってるから!」
バッツスクロイツが歩みを開始しながらタブレットを見せてウインクをして見せる レビがバッツスクロイツの持つタブレットを見て自身の知識の範囲を超える科学力に沈黙する 金田が言う
「なら先ずはそこへ行こう?その後の事は… 後で考えるって事で?な?レビっち?」
レビが言う
「…過去に会っているとは言え その者たちが… 今も変わらなければ良いのだが」
バッツスクロイツを先頭に皆が進む
森の中
バッツスクロイツがタブレットを見ながら進む 金田が言う
「本当に こんな森の中に 住んでる人達が居るのか?」
バッツスクロイツが言う
「行けば分かるけど… へへ?タマちん きっとまたビックリするぜ?森の中にさ?村があるんだよ?それも!まるでファンタジーに出て来るみたいな村がさ!?」
金田が言う
「へぇ~?良く分かんないけど こういう感じで生活してるって言うと 縄文時代みたいな感じか?それなら 今も野生の動物や… 木の実なんか食ってたりして?」
バッツスクロイツが笑って言う
「っはは そこまで原始的ーじゃないけど… あ、それでも?木の実なんかは 取ってたかな?」
レビが言う
「…木の実を取って?…全くと言って良い程 その様な人の気配などは…」
レビが自身の横にある木に実っている果実を見てから ふと気付いて立ち止まる 金田がレビに気付いて言う
「ん?どうかしたのか?レビっち?」
バッツスクロイツが金田の声に立ち止まって振り返る レビが言う
「…何かが 燃えた様な匂いがする」
金田が疑問して言う
「え?何かって?」
バッツスクロイツが思い付いて言う
「あぁ 火を焚いたりもしていたから それじゃないかな?もう直ぐ近くだし?」
レビが言う
「焚き火の臭い…?」
レビが思う
(…いや?それとは異なる気がする 勿論 その匂いもあるが… これは…? …っ!)
レビが匂いの正体に思い当たりハッとする レビの肩に居るチッピィが慌てて鳴く レビが言う
「待てっ!奴らの臭いがするっ!」
金田とバッツスクロイツが立ち止まって言う
「え?」 「奴らの?」 「「臭いって?」」
金田とバッツスクロイツが顔を見合わせる チッピィがレビや皆へ何か伝えるように慌てて鳴いている 皆がチッピィを見る
村の近く
森の茂みや木の幹に身を隠しながら 皆が村の様子をうかがう バッツスクロイツが息を飲んで言う
「…っ 本当だ!?遠くて良く見えないけど あの村には 機械兵士の装甲に使う様な あんな金属なんて無かった!」
金田がバッツスクロイツへ向いて言う
「そうは言ってもさ?バッツが来たのは 子供の頃なんだろ?だったら…?」
レビが言う
「…“帝国”に侵略されたと その様に考えるのが妥当か?」
バッツスクロイツが言う
「帝国はわざわざ壁を越えて来たりはしない… そんな事しなくったって 壁の中にだって まだ人は居るんだし…っ」
金田がハッとして言う
「う、動いたぞっ!?」
皆が一度茂みや木の幹に身を隠して そっと覗き見る 皆の視線の先 機械兵士の胸部の装甲が開き 黒い服を着た人物が現れる バッツスクロイツが驚いて言う
「え…?何で…?」
金田が驚いて言う
「人がっ!?機械の中から 人が出て来たぞ?」
バッツスクロイツが呆気に取られたまま言う
「そ、そんな…っ!?」
レビがバッツスクロイツの様子を見詰める 金田が言う
「あっ!あっちからもっ!?」
金田の言葉に 皆が視線を向ける もう一機白い装甲の機械兵士の胸部の装甲が開き 白い服を着た人物が現れる レビが言う
「…奴らは?帝国の人間か?」
金田が言う
「他の機械兵士からは出て来ないみたいだけど?…ん?あの2人どっか行くみたいだっ どうする!?キャプテン!?」
バッツスクロイツが呆気に取られた状態からハッとして視線を強めて言う
「あ、う、うんっ そ、それ… じゃ…っ!?」
バッツスクロイツが思う
(落ち着け…っ 落ち着かないと 俺は… このチームのキャプテンなんだっ だから…っ)
バッツスクロイツが手を握り締め 気を取り直して言う
「…それじゃ 俺と… デスの2人で あの2人を追って見るからっ タマちんとレビっちは…っ」
バッツスクロイツが レビとブレードを見て思う
(タマちんは戦えないけど この2人が居るなら…っ)
金田がバッツスクロイツの視線を理解しながらも言う
「あ… あのさっ?俺もっ あっちの2人を追っちゃダメか?」
皆が金田を見る 金田が言う
「もしかしたら ザキに関係する事 言うかもしれないだろ?それに 俺… “こっち”に居ても 正直 何の役にも立ちそうにないしさ?」
バッツスクロイツがハッと気付いて思う
(そっかっ!?もし見付かっちゃったら?こっちはあの機械兵士と戦いながら 逃げなくちゃいけなくなるっ …だったらっ!?)
バッツスクロイツがデスを見る デスがバッツスクロイツを見る
村の外れ
バッツスクロイツが草木に隠れて様子を伺ってから 振り返って頷く 視線の先 金田がそれに頷いてバッツスクロイツの近くまで来て身を隠して言う
「バッツ?あの建物は?」
金田が自分たちの身を隠している場所から見える 石造りの小さな建物を見てからバッツスクロイツへ向く バッツスクロイツが言う
「俺も知らない あの集落から離れて こんな所があったなんて…」
金田が言う
「ん?あの2人… 建物に入って行くけど どうする!?俺らも入り口の近くまで 行ってみるか?また地下へ続く階段なんかがあるのかも?」
バッツスクロイツが顔を左右に振って言う
「いや、ここに住んでた人達は 地下室なんて作られる技術は無かったから」
金田がバッツスクロイツの返答に言う
「そっか… それじゃ?えっと… 建物の裏へ回ってみるとか するか?ここからじゃ 何も…」
バッツスクロイツが慌てて言う
「シッ!待って!出て来るっ!」
金田が慌てて自分の口を押えて身を屈める バッツスクロイツと金田が見詰める先 建物から黒服の人物と白服の人物が出て来る 黒服の人物の手にパンジョーが持たれている 金田が言う
「なんだ?何か手に持ってるみたいだけど?」
バッツスクロイツが言う
「うん… 何だろう?あれは…?」
バッツスクロイツが思わず身を乗り出す 足元で小枝の折れる音がする バッツスクロイツと金田がハッとして身を隠すが その動きで金田の服が草を揺らす
ガサッ――
金田が思わず両手で口を押えてバッツスクロイツを見る バッツスクロイツが緊張して思う
(気付かれた―っ!?)
声が聞こえる
「……るっ!?捕らえ…っ!?」
金田とバッツスクロイツが目を見開く バッツスクロイツが思う
(こっちは俺もタマちんも 戦えないっ! …それならっ!?ここはもう!イチかバチかっ!?)
バッツスクロイツが金田へ向いて言う
「に…っ!」
声が聞こえる
「逃げるぞっ」
バッツスクロイツが呆気に取られて言う
「…って?…ワッツ?」
金田が驚いて声が聞こえた方へ顔を向ける 黒服の人物を追って 白服の人物も逃げるように駆け去って行く 金田が呆気に取られて言う
「に… 逃げたぞ?」
バッツスクロイツが言う
「あ、うん… … …何で?」
バッツスクロイツと金田が疑問して顔を見合わせる
村の近く
レビが周囲を警戒している デスがバッツスクロイツたちの向かった方を見ている レビがその様子を見て言う
「…行って良いぞ?俺には…」
ブレードが何かに気付いて顔を向ける レビがブレードの動きに自身もその方向を見る 視線の先 遠くから黒服の人物と白服の人物が走り戻って来る レビが息を飲んで思う
(…あの様子は!?何かあったのか?何か… 急いで逃げ出す必要がある様な事が?あの2人は無事かっ!?)
レビが思わず上体を上げる 服が草を揺らす
ガサッ―
レビがハッとする デスとブレードが瞬時に戦闘態勢を取る それまで停止していた機械兵士たちが起動する レビが息を飲んで思う
(全体は見渡せないが 数は数十体っ 勝ち目は無いっ!逃げるにしても無理だっ!そうとなればっ!手段はひとつ 人質を――!?)
レビが銃を手に機械兵士へ乗り込もうと走って向かっている黒服と白服の人物へ銃口を向ける が 機械兵士たちの動きで巻き上がる砂埃に遮られる レビが表情をしかめて言う
「…クッ」
その間に黒服と白服の人物らは機械兵士へ乗り込んでしまう レビが思う
(しまった…っ!)
更に機械兵士たちの動きで地面が振動する レビが近くの樹木に掴まり思う
(これでは 照準を合わせるどころか 銃を撃つ事すら…っ 俺は…っ?俺たちは…っ!?)
レビが巻き上がる砂ぼこりから目を瞑っていた状態から 騒音の静まりに疑問して目を開いて呆気に取られて言う
「…なっ?」
機械兵士たちは居なくなっている レビが疑問して言う
「…居ない?奴らは… 逃げた …のか?」
レビが辺りを見渡しながら草をかき分けて歩き 村へ出て 機械兵士たちが居なくなった辺りを見渡す
石造りの建物 外部
バッツスクロイツと金田が辺りを見渡していた状態から 出入り口へ向かい 中を覗き込む 金田が言う
「…暗いな?電気とかも無いみたいだ?」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「電気なんてナッシング!けど 無くっても見えるでしょ?この建物の中には これしか無いみたいだしさ?」
バッツスクロイツが建物の中へ入り 人一人が入られる大きさの 石の入れ物を前にする 金田が言う
「ひ、棺か?石の?」
バッツスクロイツが言う
「うーん…?見た目は確かに?けど 確か…?お墓は家の後ろに建てるって言ってたんだよねー?死んでも家族だからって?」
金田が衝撃を受けて言う
「家の後ろに 墓をっ!?それって… ちょっと怖くね?」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「うん 俺も見付けちゃった時には マジでビビった」
金田が苦笑して言う
「だよな?…って?なら?…これは?」
バッツスクロイツと金田が石の入れ物を前に顔を見合わせる バッツスクロイツが頷く 金田が衝撃を受け生唾を飲んでから言う
「あ、ああ!良しっ!ならっ …俺も男だっ」
金田が石棺の蓋に手を掛け思わず目をつぶる バッツスクロイツがその横で石棺の蓋に指先を付ける 金田が目をつぶったまま言う
「せーので行くぞっ!?せーの!…ぐっ …っ …っ …ど、どおだっ!?」
金田が目をつぶったまま蓋を開いている バッツスクロイツが指先を蓋へ付けたまま薄目を開くが 次の瞬間 呆気に取られて言う
「ん…っ うん?あれ?なんだ これ?」
バッツスクロイツの視線の先 石の入れ物の中には 複数の楽器が置かれている バッツスクロイツが呆気に取られたまま言う
「楽器の… お墓?」
金田が衝撃を受け慌てて言う
「やっぱ お墓――っ!?って?イテェエエ!?」
金田が石棺の蓋を落として指を挟む バッツスクロイツが衝撃を受け慌てて言う
「わーっ タマちんーー!?」
石の蓋がズラされてあり 金田がパンジョーを手にして言う
「さっきのアイツが持ってたのって… これ だよな?大きさ的に?」
バッツスクロイツが言う
「うーん たぶん…?」
金田が楽器を眺める バッツスクロイツが言う
「とりあえず… レビっちたちの所へ戻ろう?さっきの連中も またここへ戻って来るかもしれないし 向こうの事も気になる」
金田が言う
「ああ、そうだな?」
金田が楽器を戻し 蓋が閉められる
建物の外
バッツスクロイツと金田が建物から出てくると レビの声がする
「バッツスクロイツ カネダ」
バッツスクロイツと金田が驚いて顔を向ける 正面の道からレビたちがやって来る 金田が驚いて言う
「レビっち?皆も?」
バッツスクロイツが言う
「その道から来たって事は?アイツらは?」
レビが言う
「居なくなった… こちらへ向かった2人が戻って来るなり まるで逃げ出すかの様に」
バッツスクロイツが悩んで言う
「うーん…」
金田がバッツスクロイツを見てから 言い辛そうに言う
「あの…さ?こっちは 多分… 見つかったと思うんだ 俺ら アイツらに」
レビが反応して言う
「見つかったっ?それは 確かか?」
金田が言う
「うん “捕まえるか?”みたいな声が聞こえたし?…けど その後 “逃げるぞ” って声も 聞こえた様な…?それで… 結局 あいつらの方が 逃げてったって感じで?」
レビが言う
「そうか…」
レビがバッツスクロイツを見る 続いて金田もバッツスクロイツを見る バッツスクロイツが言う
「うん… 俺も分からないけど… それはそうと?レビっち?向こうの村の人たちは?皆 無事だった?」
レビが反応して言う
「…村の …人たち?」
金田が2人の様子に疑問する
村
バッツスクロイツが呆気に取られて言う
「そんな…」
見渡す範囲 村は燃え尽きた廃村になっている レビが言う
「微かな臭いは残るが最近では無い 短くとも… 一週間以上は経過している」
レビの肩の上でチッピィが建物の燃えた柱の匂いを嗅いでいる 金田がその様子を見て 真似をして匂いを嗅いでみる バッツスクロイツが言う
「一週間以上前に…?それじゃ さっきの連中は…?」
レビが言う
「この村を攻め落とした連中なのか…?もしくは この村の援軍であったのか…?」
バッツスクロイツが言う
「この村の人たちは この村の外の世界を嫌っていたから 援軍って事は無いと思う 増して それが機械兵士だなんて あり得ないよ」
レビが言う
「では前者か?壁の向こうでも 帝国の連中は 己らが攻め落とした土地を巡回していた… となれば こちら側も同じと言う事か?」
バッツスクロイツが沈黙する 金田が言う
「なら、どうする?一週間以上前だとしても その連れ去られた この村の人たちは まだ生きてるかもしれないよな?」
レビが言う
「連れ去られた?」
金田が疑問して言う
「え…?だって?死体とか?無いし?」
レビが気付いて周囲を見渡して言う
「言われて見れば…?死体所か そう言った痕跡も見られない」
金田が僅かな希望に表情を明るめて言う
「って事はさ?やっぱ 連れ去られたって事だろ!?実際 あんなデカイ機械兵士で脅されたらさ?この村に住むような人は 従うしか無いって?それに…」
金田が思う
(人をさらっているって事は もしかしたらっ!そこにっ!?)
金田が顔を向けて言う
「な!?キャプテン?助けに 行くよな!?」
バッツスクロイツが言う
「一週間…」
バッツスクロイツが息を吐き顔を左右に振ってから言う
「…間に合わないと思う」
金田とレビが驚いて 金田が言う
「え…」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「けど こうなったら?追って見るしかないか?」
金田が言う
「…『間に合わない』 って?」
バッツスクロイツが言う
「うん… もし帝国が ここの人たちを攫って行ったのなら 理由は1つしか無い …ここの人たちは エンジニアなんかには向かないし それに、そう言った人たちは… 機械兵士の… 生体パーツにされちゃうんだ」
レビと金田が驚き 金田が言う
「その 『生体パーツ』 って?」
バッツスクロイツが言う
「人の脳みその一部を 機械の… AIの一部に使うんだ そうする事で 通常のオートAIより 優秀な機械兵士を作れるんだとかって?」
金田が表情を困らせて言う
「なら 尚更っ!早く助けに行かないとっ!?」
バッツスクロイツが言う
「ここに居た人たちは そんなに大人数じゃなかった… 厳選する必要も無ければ 5日もあれば十分…」
金田が呆気に取られて言う
「それじゃ もう…?」
金田が言葉を失う レビが言う
「では 結局の所 先ほどの連中は …うん?」
レビが村の中央にある石碑に気付いて向かう 金田とバッツスクロイツが顔を向けてレビを追う レビが石碑を見ている 金田が言う
「石碑?」
バッツスクロイツが気付いて言う
「あれ?これは 確か…?村の入口にあった奴だ 死んで行った家族たちが 何時か戻って来る時に 村の場所が分かるようにって?"太陽と星と共に 生きる 我らは ここに在る"」
バッツスクロイツが石碑の文字を指でなぞる レビが言う
「石碑は古いが この場所は真新しい… もしや?先ほどの連中は これを作りに?若しくは… 弔いに来たのか?」
金田が苦笑して言う
「まさか?それなら最初から さらったりなんかしないだろ?それも… 機械の部品にするだなんて」
バッツスクロイツが考えながら周囲を見渡して言う
「…そもそも帝国の連中が 巡回してるのなら 建物は勿論だけど こんな石碑があったら それこそ 奴らは踏み潰す!」
金田が疑問して言う
「ならさ?さっきの… アイツらはやっぱり 違うって事か?それにバッツが言う様な そんな帝国の連中だとしたらさ?あの楽器だって… 根こそぎ持って行くか ぶっ壊しちゃうか しそうだよな?」
レビが言う
「楽器?」
金田が言う
「ああ、うん 実は…」
金田がレビへ説明をしている間に バッツスクロイツが石碑とその下にある 何かを埋めた様な土の様子を見てから 後方へ視線を移し そこにある村の出入り口へ繋がっている 無数の溝を見て沈黙する レビが話を聞き終えて言う
「そうか… その建物にあった 楽器を…?」
金田が言う
「うん… けど結局 …何だったんだろうな?」
金田が首をかしげる レビが考えて言う
「ふむ…?」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「うん!なら!」
金田とレビがバッツスクロイツへ向く バッツスクロイツが続ける
「分かんない事を 考えてたって仕方ない!本当は この村の人たちから話を聞いて考えようと思ってたんだけど そうも行かなくなっちゃったから この際… アイツら 追ってみちゃう?」
バッツスクロイツが村の出入り口へ繋がっている無数の溝を示す レビと金田が一度顔を見合わせて頷きバッツスクロイツへ向く バッツスクロイツが頷いて言う
「なら 早速!行こう!皆!」
金田が言う
「おうっ!キャプテン!」
レビが頷く デスとブレードが頷き チッピィが喜んで鳴く
崖っぷち
バッツスクロイツが言う
「あっちゃ~?」
金田が崖の下に続く絶壁を見下ろして言う
「ひえぇっ!こりゃあ 絶対 無理だ!とても人の体じゃ 降りられないっ!」
レビが金田の隣で同じく絶壁を見下ろして言う
「…人の身体では無理だが …あの機械兵士の体であれば 飛び降りられる様だ」
金田がレビへ向く バッツスクロイツが言う
「いや!機械兵士の体でだって この高さはアウト!あの重量で落下したら 関節パーツが持つ筈が無い」
金田が言う
「なら この下に落ちて…は 居ないみたいだけど?」
金田が自分の服のポケットを漁る バッツスクロイツが言う
「落ちる前に引き返した…?それか…?」
バッツスクロイツが地面を探して言う
「CITCみたいな 転送装置… は無さそうだけど …けど 可笑しいな?走行跡を見ても 引き返した様子は無いんだよね…?」
バッツスクロイツが地面の様子を確認している 金田が探し当てた双眼鏡を取り出して覗き見て言う
「あっ!なあっ?やっぱり 飛び降りたみたいだぞ?」
レビとバッツスクロイツが金田へ向く 金田が続けて言う
「下の地面に そんな感じの跡がある!それに… 木の枝とかも? アイツらが通って 折られたみたいのが見える!」
バッツスクロイツが金田の横へ来て タブレットを取り出して金田が見ている辺りへ向ける レビが2人の様子を見てから視線を遠くへ向ける バッツスクロイツが確認を終えて言う
「確かに 下に続いている 走行跡が一致する… アイツらが降りた跡だ」
金田が言う
「だろ!?…って 言っても 結局 俺らは降りられないけど」
レビが遠くを見ていて言う
「…そして 奴らが向かった先は… あの城か?」
バッツスクロイツと金田が驚いて言う
「えっ!?」 「城ってっ?」
バッツスクロイツと金田がレビの視線の先を見て呆気に取られて言う
「城がある…」 「ひょっとして あれが?」
金田とレビがバッツスクロイツを見る バッツスクロイツが言う
「ログヴェルン城… だ… た、たぶんだけど?」
レビと金田が顔を見合わせ 金田が言う
「なら!?」
レビが言う
「…他に 降りられる場所を探すか?」
金田が頷いて言う
「だよな!?キャプテン?」
バッツスクロイツが遠くに見える城へタブレットを向けて座標を登録して言う
「これで良し… うん!目的地は登録したから これで場所を見失う事は無い 一度戻って他の道を探そう!」
皆が頷いて 来た道を戻る
川辺
金田が歩きながら疲れた様子で言う
「はぁ… はぁ… な、なぁ?そろそろ… 休憩に しないか?」
レビが顔を向けて言う
「…先ほどの休憩から まだ 1時間も経過していないと思うが?」
金田が言う
「け、けどっ もう無理っ!ちょ、ちょっとだけ!?なっ!?」
レビが言う
「俺は構わないが… キャプテン?」
レビが向いた先 バッツスクロイツが立ち止まり上体を折って言う
「タ、タマちんが そう言うなら…?はぁ…はぁ…」
レビが言う
「…では 休憩に?」
金田とバッツスクロイツが言う
「「やったあっ!」」
レビが沈黙する
金田が川の水を手ですくって飲んで言う
「ぷはぁっ!あー 水!水って やっぱ最高だよな!」
バッツスクロイツが隣でペットボトルへ補水しながら言う
「タマちん ちょっち水飲み過ぎーじゃない?あんま飲み過ぎるのも 身体に良くないーと思うけど?」
金田が言う
「そうは言われてもな?あ~ もお~ 入っちゃいたいなぁ~?」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「流石に 凍え死ぬと思うけど…?」
バッツスクロイツが補水の為に腕まくりをしていた上着の袖を戻す 金田が水を手にすくって愛おし気に眺める バッツスクロイツが苦笑して言う
「ホント タマちん 水ラブ!だねぇー?」
金田が言う
「みずらぶ?…良く分かんないけど 水に入る事は好きだぜ!だって 俺 海兵だし?」
バッツスクロイツが驚いて言う
「え?海兵?タマちん… 軍人さんだったの?」
金田が言う
「そうだけど?あれ?言ってなかったっけ?」
バッツスクロイツが不満気に言う
「聞いてない…」
金田が水で顔を洗って言う
「俺は大和国の第六艦隊大和丸所属の海兵だ だから 同じく大和丸の航海士でダチになった ザキこと 篠崎楓を探してる ここへ来たのだって それが理由で!」
バッツスクロイツが言う
「ああ、うん その"シノザキカエデ"さんって人の事はー バーネっちから 聞いてたけど… タマちんの“相棒だ”って 聞いてたもんだからー?」
金田が言う
「相棒… かぁ?うーん… どっちかっつーと 俺らはまだ それほどの仲じゃ無かったと思うけど…」
バッツスクロイツが困惑して言う
「え?…えぇえっ!?『それほどの仲じゃない』って?マージで?えっと…?そ、それって どー言う…?」
金田が疑問して言う
「え?どう言うって…」
バッツスクロイツと金田が川辺で話している姿を 少し離れた位置でレビが見ている 後方で蒸気の上がる音がする レビが顔を向けると ブレードが頭部装甲をを解除して水を飲む レビがその様子を見てから デスを見る デスがバッツスクロイツを見ていた状態から レビの視線に振り向く レビが反応して言う
「…いや …何でも」
レビが思わず視線を逸らす デスが視線を戻す ブレードが給水を終えて頭部装甲を装着する レビが空を見てから言う
「…日が落ちると動き辛くなる 未知の場所であるなら尚更… 短いが休憩は切り上げさせよう」
レビの言葉にデスがレビへ向いて頷く 続いてブレードが頷く レビが立ち上がってバッツスクロイツたちの下へ向かう デスとブレードが続く
金田が歩きながら空を見上げて言う
「何か… 急に暗くなって来たな?…なぁ?お城はまだ先なのか キャプテン?」
バッツスクロイツがタブレットを見て言う
「うーん… いや…?位置的には結構近いんだけど… なにしろ こっちは この崖の下だから?近づけば近づく程 逆に 崖の上に在る城は見えないのかも?」
バッツスクロイツが崖を見上げる 金田が言う
「そっかぁ なるほど…?うん?けどさ?それって…?つまり 俺たち このままお城の真横に到着したとしても あのお城へは 入れないって事なんじゃ?」
レビが言う
「城の真横ともなれば この場所まで通じる 何らかのものは構えている筈だが… 問題は我々が それを使用する事が許されるか… 共に 城に住む者が 我々を相容れる者であるのか…」
金田が気付いて言う
「あ、そっか?お城に居る人達が どんな奴らなのかも 分からないもんな?」
レビが言う
「ああ、そう言った意味に置いては 城の正面よりも 断崖絶壁の防衛にて 監視目が緩いであろう この場所から伺う事が可能であれば こちらにとっては有利ではあるのだが…」
金田が言う
「そうは言っても お城の人所か お城の壁さえ 全く見えないぜ?」
バッツスクロイツが立ち止まって言う
「…可笑しい」
皆が立ち止まり 金田が言う
「ん?どうした キャプテン?」
バッツスクロイツが言う
「そう考えてみると もうこの距離なら お城の壁… と言うよりも お城その物が見えていても良い筈なんだけど?」
レビが言う
「あの城は かなり絶壁の近くに作られて居る様に見えた 角度の問題があるにしても 目下を流れる この川辺から見上げて 様子が伺えない距離では無い筈だ」
バッツスクロイツが言う
「だよね?だとしたらひょっとして… 何らかのシステムで 目隠しとかされているのかも?」
レビが言う
「…そうだとしたら こちらからは何も伺えない」
バッツスクロイツが言う
「それ所か それ程の科学技術があるとしたら… もしかしたら ワールドエンドマウンテンより こっち側にも 帝国の手が伸びてるって可能性も…?」
レビが視線を細める 金田が不安そうに2人の会話を聞きながら他方に顔を向けてふと気付く 金田の視線の先 夕日がどんどん沈んで行く 金田が表情を落として言う
「…ザキ」
金田が思う
(お前 今 何処に居るんだ?この第5プラントって所に居るのか?それとも他の?他の所だとしたら もう 本当に会えないのか?いや その方が良いのかも知れないな?このプラントの帝国とか言う所に捕まったりなんか しているよりも)
金田が落としていた視線を上げると 夕日は沈み辺りは闇が覆っている バッツスクロイツが言う
「あ… そうこう言ってる間に 日が暮れちゃったや… どうしよっか?」
レビが言う
「城の真下へ当たる位置までは 後どの位だ?」
バッツスクロイツが言う
「実は もうすごく近くて… 座標で言うなら もう到着しちゃってる位 後は 実計測の調整レベルだから…」
金田がハッとする ブレードが顔を向ける レビが言う
「…どうかしたか ブレード?」
ブレードがレビを見てから金田を見る レビとバッツスクロイツがブレードの視線を追って金田を見る 男の悲鳴が聞こえる 皆が驚き バッツスクロイツが言う
「い、今の何っ!?ひ、悲鳴…っ!?」
金田が走り出す バッツスクロイツが言う
「あっ!タマちんっ!?」
レビとブレードが走り出す バッツスクロイツが困ってから一度デスを振り返ってから走り出す
金田が立ち止まる 視線の先で 野生の獣たちが倒れている人に噛み付いている 人が悲鳴を上げる
「あぁああーーっ!!」
金田が慌てて言う
「人が襲われてる!助けないと!!」
バッツスクロイツが言う
「待って!タマちん!危ないっ!」
金田が向かいながら脱いだ上着で獣たちを払いながら言う
「こらっ!やめろっ!向こう行けっ!おい アンタ!?大丈夫かっ!」
金田が視線を向けた先 男が岩の上に倒れていて その身体と下の地面に流れた血が見える 金田が言う
「怪我してる!待ってろ!今… うわあっ!?」
金田が振り返ろうとすると 獣が襲い掛かって来る 金田が思わず腕で身を守ろうとする 獣の悲鳴が上がる
「ギャンッ」
金田がハッとして顔を向ける 金田の視線の先ブレードが獣を攻撃した姿で居る 金田が呆気に取られて言う
「あ…」
バッツスクロイツが言う
「タマちん!伏せてっ!」
金田がバッツスクロイツの言葉に 顔を向けるのと同時に 獣らがいっせいに襲い掛かって来る 金田が驚いて言う
「うわぁああっ!?」
金田が伏せる 金田へ向かっていた獣がブレードの両刃剣に弾かれて悲鳴を上げるが 更に他の獣が襲い掛かる 金田が身を屈めつつ 男を見ると 男の首に獣に噛まれた跡があり出血している 金田が慌てて言う
「首から血がっ!?」
金田が手を向けようとすると 男が悲鳴を上げる
「あぁあっ!!」
金田がハッとする 獣が男の脇腹に牙を立てている 金田が驚き 慌てて上着で振り払いながら言う
「や、止めろっ!!このおっ!!」
ブレードが気付き 金田が払おうとしている獣を払い除ける
少し離れた位置で レビが言う
「…数が多い」
レビが銃を取り出し考える バッツスクロイツが顔を向けて言う
「デスっ!お前もっ!」
デスがバッツスクロイツに頷き ブレードの加勢へ向かう バッツスクロイツがホッとして言う
「これなら大丈夫!」
レビが言う
「…すまん 今の この場所では…」
バッツスクロイツが微笑して言う
「うん、分かってる それに野生動物の相手ぐらい あの2人で十分でしょ?」
間もなくして獣らが逃げて行く ブレードとデスが構えを解除する レビとバッツスクロイツがやって来て レビが言う
「…すまない 2人共」
ブレードがレビへ向き顔を横に振る デスも同意を示す バッツスクロイツが言う
「お疲れ様 お2人さん!…それで?」
バッツスクロイツが金田を見て言う
「タマちんは平気?それに…?」
金田が身を起こして言う
「ああ、俺は大丈夫だ それより この人をっ!」
皆が男を見る 男が苦しそうに息をしている レビが言う
「…出血が酷い」
レビが男の横へ屈んで脈を診て言う
「助けるのなら 止血を含め この傷を治すために エリクサーを使う事になるが?」
バッツスクロイツが男の着ている制服を見て視線を強める 金田が言う
「止血っ!?あ!そうだなっ!それっ!それから…っ!?」
金田が男の首と脇腹を押さえて言う
「それでっ!早く医務室にっ!?じゃなくてっ!?えっと…っ!?どうしろって レビっちっ!?」
レビが言う
「…落ち着け カネダ …それで?」
レビがバッツスクロイツへ顔を向けて言う
「卿は どうするつもりだ バッツ?この男を 助けるのか?…それとも?」
バッツスクロイツが沈黙する 金田が呆気に取られて言う
「え…?」
レビが言う
「ヴィクトール殿下から預かった“エリクサー”は 卿が持っている つまり その使用の有無は 卿へ託されていると言う事になるが?…どうする?キャプテン?」
バッツスクロイツが反応する 金田が意味の分からない状態で 慌てて言う
「な、何言ってるんだっ!?止血して どうしたら良いってっ!?その… え… えり?“えり草”?って何だっ!?どうやったら それ使えるんだよっ!?キャプテンっ!?」
バッツスクロイツが金田を見る 金田は必死の様子で見詰めている バッツスクロイツが金田を見つめてから苦笑して 荷物の中からエリクサーを取り出して言う
「そんなに 焦らなくてもノープロブレム!それから えり草じゃなくて エリクサーね?これって凄いんだから?動物に咬まれたくらいの怪我なんて ほんの少しで あっと言う間に治っちゃうんだぜ?」
バッツスクロイツが微笑する 金田が呆気に取られて言う
「え?…そ、そうなのか?」
バッツスクロイツが言う
「そ!何つっても魔法の回復薬だからねー?…まぁ その代わり?傷口にかけると 滅茶苦茶痛いらしいけど?その方が 使う量も少なくて済むし?」
バッツスクロイツが説明している間に レビが男の様子を見ていて疑問して言う
「…いや?待て この様子は…」
レビが立ち上がって男の四肢を凝視する バッツスクロイツが言う
「え?どうかした?レビっち?」
レビが言う
「手足の方向が異常だ それに意識があり 痛みを堪えていると言うのに 身体に力がまったく入っている様子が無い… 顔や体の腫れと言い… 恐らくだが 動物に襲われる以前に 怪我を負っているのでは無いだろうか?広範囲の骨折 手足は勿論」
レビが男の胸を慎重に押す 男が悲鳴と共に吐血する
「がはっ」
レビが言う
「内臓へのダメージも あるものと推測される」
金田が呆気に取られていた状態から言う
「そ、それは… 大怪我じゃないかっ!?一体 どうしてっ!?」
金田が男を見る レビが周囲を見てハッと気付いて言う
「この周囲の物は 岩ではないっ」
バッツスクロイツが気付いて言う
「た… 建物の瓦礫っ!?まさかっ!?あの城のっ!?」
皆が断崖の上を見上げる 金田が言う
「それじゃアンタっ!?お城から 落ちたのかっ!?この崖の上にあった あのっ!?」
レビが言う
「だとしたら 唯の骨折ではないはずだ それこそ全身の骨が折れていても…っ いや?本当に あの高さを落ちたと言うのなら?」
レビが反り立つ断崖を見上げる バッツスクロイツが見上げていた状態からレビへ向いて言う
「だとしたら いくら打ち所が良くたって 助かる筈ないっしょっ?あんな高さから落ちたら 内臓破裂で死んじゃうよっ!?」
金田が2人へ向いて言う
「けど生きてるんだっ!?めちゃくちゃ打ち所が良くって 助かったんだろっ!?だったらっ!早く 手当てをしてやらないとっ!?折角 助かったその命もっ!助からなくなるかもしれないっ!だから!早くっ!!」
金田が焦りと怒りの混じる感情のままに バッツスクロイツへ強い視線を向ける バッツスクロイツが呆気に取られて言う
「…う、うん そう… だよね?助けられる んなら… 助けないと」
バッツスクロイツが背負っていた荷物の中からエリクサーを取り出して 金田へ言う
「これを 全部飲ませれば… とりあえず 命は助かると思う」
金田が表情を明るめて言う
「そうか!それじゃっ!」
バッツスクロイツが男を見る 男は苦しそうに息をしている 金田が止血の為に両手がふさがっている状態で バッツスクロイツと男を交互に見てから言う
「バッツ!俺は今、手が離せないからっ!飲ませてやってくれ!」
バッツスクロイツがエリクサーを手にしたまま 男の制服を見て視線を泳がせる 金田がバッツの様子に気をせかして言う
「バッツッ!?」
金田が耐え切れずにバッツスクロイツからエリクサーを奪い取って言う
「さあっ!これ 飲んでっ!?」
金田が男へエリクサーを飲ませる バッツスクロイツが視線を逸らす レビがバッツスクロイツの様子を横目に金田と男の方へ視線を戻す 金田が驚いて言う
「あっ!?すげぇっ!?さっき噛みつかれた怪我が もう 治ってるぞっ!?」
レビが金田の様子に苦笑してから ブレードとデスを見て軽く息を吐いてから言う
「…今日は ここまでにするか」
レビがバッツスクロイツの横へ来る バッツスクロイツが顔を上げる レビが言う
「念の為 あの城から 死角になりそうな場所を探し 野営をしよう 火を焚かなければ 彼の血の匂いに また 獣らが集まる」
バッツスクロイツが言う
「…うん そうだね…」
バッツスクロイツが気分を切り替えて言う
「ごめん レビっち… それじゃ?何処が良いかな?」
バッツスクロイツが振り返って言う
「デス 一緒に探してくれ?」
デスが頷きバッツスクロイツと共に場所を探しに向かう レビがブレードへ向いて言う
「ブレード 彼を運べるか?」
ブレードがレビへ向いて頷く レビが言う
「すまないが よろしく頼む エリクサーを与えたとはいえ 元がかなりの重傷だ なるべく身体を動かさない様に運んでやりたい」
ブレードがレビの近くへ来て再び頷いてから 金田の下へ向かう
野営
岩陰で薪が燃えている 男が苦しそうに息をしている 金田が表情を困らせて言う
「こんなに寒いのに汗かいてるな?」
レビが言う
「熱が出ているせいだろう エリクサーで損傷は治しても それを行った肉体の発熱は数日間続く… それに彼の場合は 骨折の影響も… …うん?」
レビが気付いて他方へ視線を向ける 金田は気付かずに言う
「そっか… 骨折の痛みだけじゃなくて熱もあるんじゃ辛いよな…?あっ!それなら?タオルでも冷やして当ててやるか?少しは楽になるよな?」
金田が水筒の水でタオルを濡らして 男の額に乗せる 男が熱にうなされていた状態から わずかに表情を和らげる 金田が喜んで言う
「どうだ?少しは楽になったか?」
レビが周囲を見ていて言う
「…火を焚いていても 集まって来るか…」
レビの視線の先 遠くに複数の獣たちの目が光っている レビが視線を強めて言う
「このまま火に慣れさせてしまっては…」
金田がタオルを裏返して言う
「…あれ?タオルに血が…?ひょっとして頭とかも切れてたのか?…そうだよな?あんな高い所から落ちたんじゃ 頭を打った時にとか…?」
金田がタオルで男の顔を拭いていて口を拭った時に男が言う
「…み …ず …」
金田が気付いて言う
「うん?水?水!飲みたいのかっ!?良しっ!それじゃ…!」
金田が水を飲ませて言う
「そうだよな?いっぱい汗もかいてるし 喉も乾くよな?…あ、無くなった?俺 ちょっと そこの川で 水汲んで来る!」
金田が立ち上がる レビが言う
「待てっ カネダ」
金田が身動きを止めてレビを見る レビがブレードへ向いて言う
「ブレード カネダの護衛を頼む」
ブレードが頷いて立ち上がる 金田が呆気に取られて言う
「え?あ、いや?良いよ?すぐそこだし 走って行って来るから」
レビが言う
「いや 急がなくて良い その代わり彼の服を脱がし洗って来てくれ 血の匂いに獣が集まってしまう」
金田が気付いて言う
「あ… そっか…?分かった!それじゃ…」
金田が男の横に身を屈めて言う
「ごめんな?アンタの服 血だらけだから 脱がすぞ?」
レビが言う
「先ずは 急いで向かい 水の中へ放り込め その間に襲われる可能性もあるが… ブレードが居れば大丈夫だ …イザとなれば 俺も手を貸す」
金田が作業の手を止め呆気に取られてから 事の重大さに気付いて言う
「…分かった ありがとう レビ!…ブレードっちも!」
ブレードが頷く 金田が微笑してから 男の服を脱がせ始める 男が痛みに顔を歪ませて言う
「うぅっ!」
金田が困って言う
「あぁ… ごめん… これは痛いよな?腕も肩も 折れてるんだから… けどっ ちょっとだけ 我慢だっ!行くぞっ!」
金田とブレードが川を目指して走って行く レビが周囲を警戒してから 視線を戻す レビの視線の先で金田が川へ服を放り込んでから洗っている 金田の後方でブレードが周囲を警戒している レビがもう一度周囲を見渡してからホッと息を吐いて 視線を男へ向ける 男は毛布を掛けられ額に濡れタオルを乗せられている レビが沈黙する
「…」
レビが視線を他方へ向ける レビの視線の先 バッツスクロイツが沈黙している レビがバッツスクロイツへ向けていた視線を戻す バッツスクロイツが苦笑して言う
「…レビっちは 訊かないんだ?…大人だねぇ?」
レビが言う
「この男に 見覚えがあるのか?それとも?」
バッツスクロイツが言う
「…あの制服」
バッツスクロイツが視線を向ける バッツスクロイツの視線の先では金田が男の服を川から持ち上げて見ている レビが言う
「…帝国の者だと?」
バッツスクロイツが言う
「だと思う… そうじゃない人間が 好んで着る筈もないし」
レビが言う
「カネダへは言わないのか?」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「タマちんは… 言っても変わんないっしょ?それに… … 俺も… 何か 分かんなくなっちゃって… レビっちは?」
レビが言う
「俺は… …カネダが助けると言って バッツが否定をしなかった」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「…やっぱ 大人だねぇ?」
レビが沈黙する 金田とブレードが戻って来て 金田が笑って言う
「いやぁ すげぇ冷てぇの!川の水!手が凍るかと思った!」
バッツスクロイツが軽く笑って言う
「アレー?水ラブのタマちんはー?その川の水に 入っちゃいたいー って言ってなかったっけー?」
金田が衝撃を受けて言う
「えっ!あぁあっ!あ、あれはっ その…っ!?う、海の水はっ!あんなに 冷たくねぇからっ!?つい その癖でっ!?」
バッツスクロイツが笑う レビが苦笑してから周囲を見る 辺りに居た獣らが去って行く レビが肩の力を抜く 男が小さく呻く 皆が反応して金田が言う
「あっ 水な!今、汲んで来たから ほら?ゆっくり飲むんだぞ?すげぇ冷てぇからさ!」
金田が男へ水を飲ませる バッツスクロイツが再び表情を曇らせる レビがその様子に沈黙する
レビがうたた寝眠をしていて薄っすら聞こえた声にハッとして 目頭を押さえて辺りを見渡す 焚き火が燃えている バッツスクロイツが寝ていて ブレードも頭が傾いている 金田が男へ水を飲ませている レビがその様子を見てから思い出した様にデスへ向く デスは周囲を見ている レビがその姿を見てから視線を戻す 金田の声が聞こえる
「もう良いか?じゃ また飲みたくなったらな?…熱下がんないな」
金田がタオルを濡らして置いている レビがその様子を見てバッツスクロイツへ視線を向けようとするが睡魔に負けて目を閉じる
レビの頭がガクッとなり目を開く 視線の先で焚き火が燃えている レビが首を押さえて顔を動かす レビの動きに気付いたブレードが顔を向ける レビがブレードを見てからバッツスクロイツを見る バッツスクロイツは口を開けて熟睡している レビが苦笑してデスを見る デスも眠っている様子 レビが近くにあった薪をくべる 金田の声が聞こえる
「お待たせっ」
レビがハッとして顔を向ける レビの視線の先で 金田が身を屈めて言う
「ほら水!汲んで来たから 好きなだけ飲めよ?」
金田が男へ水を飲ませている レビが思う
(獣らの気配はないとは言え…)
金田が言う
「また無くなったら行って来るからな?…にしても ホント 良く飲むな?水ラブの俺でも そこまでは飲まないけど…」
レビが思う
(一人で行かせるのは危険だ)
レビが口を開き掛ける 金田が言う
「川が近くて良かった …ん?もう良いか?良しっ」
レビが開き掛けた口を閉じて思う
(…確かに この距離であれば)
レビが視線を向ける ブレードが金田を見ている レビが思う
(俺の銃でも ブレードの剣でも 間に合いはするか…)
レビが顔を向ける 金田が男の介抱を終えて 額に濡れタオルを置いて言う
「どうだ?気持ち良いか?…熱だけでも下がると良いんだけど …早く良くなると良いな?」
レビが沈黙する
朝
金田がコクコクと舟をこいでいてハッと目を覚まして言う
「うん?あれ…?いつの間にか 寝てた…」
バッツスクロイツが言う
「お早う タマちん?」
金田が眠そうに言う
「おはよぉ?ふぁ…」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「眠そうだね?ひょっとして 寝てない?」
金田が言う
「いや?今 寝てたし?」
バッツスクロイツが呆れて言う
「いや… そう言うんじゃなくって?」
金田がハッとして言う
「あっ!悪いっ 大丈夫か アンタ!?ごめん 俺 寝ちゃってっ」
金田が男の様子を見る 男は眠っている 金田が呆気に取られてから微笑して言う
「眠られたのか 良かった…」
バッツスクロイツが表情を困らせてその様子を見ている バッツスクロイツのその様子をデスが見ていた状態から他方へ向く デスの視線の先から レビとブレードが戻って来て レビが言う
「二人共 目が覚めた様だな?」
バッツスクロイツが言う
「うん 身体は痛いけど 思ったより良く眠れたって感じ?やっぱー?昨日一日中 歩いたお陰かな?」
金田がレビとブレードへ向いて言う
「お早う お二人さん!昨日は ありがとな?夜間の見張り しててくれたんだろ?デスっちも!」
金田がデスへ向く デスが金田へ向いて頷く ブレードも頷く レビが言う
「気付いていたのか?」
金田が言う
「そりゃあ俺だって一応 海軍出身だから 夜間の見張り当番は 大変だって事は分かってる」
バッツスクロイツが衝撃を受け 苦笑して言う
「見張り… してたの?ごめん オレっち 爆睡… 火を焚いてれば 大丈夫だって言ってたからー?」
金田が言う
「その火だって 誰かが薪を入れないと 消えちゃうだろ?」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「う…っ あぁ… 確かに?」
レビが言う
「気にしなくて良い 出来る者が行えば良いだろう」
バッツスクロイツが言う
「いや?そー言う事なら!オレっちだって 起きてようと思えば出来るって?貫徹2日まではイケてたし?」
レビが言う
「では今夜と明日は頼むとしよう」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「えっ!?マジでっ!?」
レビが苦笑して言う
「冗談だ …それより今日はどうする キャプテン?」
バッツスクロイツが言う
「う、うーん… そうね?とりあえず… あの城の様子を調べたいから やっぱ この崖の上に行くっきゃないと思うんだよね?だからー 朝食終えたら早速?」
レビが言う
「俺とブレードは既に終えている 必要なら あの城の瓦礫や見える範囲を 確認して来るが?」
バッツスクロイツが言う
「え?そう?…なら?」
レビが言う
「とは言え 実は 今しがた それらを終えて来たのだが」
バッツスクロイツが言う
「あら?そうなの?…なら何で?」
レビが視線を逸らして言う
「その… また勝手な事をするなと…?」
バッツスクロイツが呆気に取られてから プッと笑って言う
「あっははっ レビっち まだ “その事” 気にしてたの?あれは オレっちも悪かったってー?」
レビが言う
「上官から咎められた事は… 肝に銘じておくべきだ」
バッツスクロイツが言う
「オレっちは上官様じゃないし?帝国領土内の事なら兎も角… そこを離れちゃったりしたらー?それこそ何も?薪の火や 見張り番の事だって レビっちたちの方が詳しいじゃない?」
レビが言う
「それはそうだが…」
金田がバッツスクロイツとレビの会話に微笑みながら カロリーメイトを食べていて気付いて言う
「…あ?お早う!目ぇ覚めたか?調子はどうだ?まだ…?」
バッツスクロイツや皆が顔を向ける 金田が男の額に触れて言う
「ん?熱… 下がったんじゃないか!?良かったな!これで少しは楽に!」
男が起き上がろうとするが痛みに呻く
「うっ…うぅ…っ」
金田が慌てて言う
「ああっ 無茶するなって!熱が下がったからって 骨折が治った訳じゃないんだからさ!?」
金田が男の肩を押さえる 男が言う
「Whay you... me...」
金田が疑問して言う
「え?何だ?」
男が痛みに呻く
「うぅ…っ」
金田が困って言う
「…あ?わ~ ゆ… ミ?みず?水って言ったのか?水 飲むか?」
金田が男の身を支えて水を飲ませる バッツスクロイツが沈黙する レビが気にしながらも言う
「…それで?城の周辺は瓦礫も調べてみたが …これと言った収穫は無かった 上へ向かう通路なども… ともすれば あの瓦礫その物が それであったと言う可能性はあるが」
バッツスクロイツが言う
「あ… うん… 改めて考えてみたんだけど 昨日は夕方近くだったのに 城の壁はもちろん 明かりなんかも見えなかったから それを考えると 城はそれ以前に壊れてたって事になるし… それにレビっちの言う通り あの瓦礫が城へ向かう為の物だったとしたら もう あそこから城へは向かえない」
レビが言う
「では 別の道を探すか」
バッツスクロイツが言う
「うん… それしかないって感じ?昨日と同じで このまま上流へ向かって 歩こうか?」
金田が男へ水を飲ませながら話を聞いて居て 男の反応に気付いて言う
「ん?もう良いか?じゃ …あ?ひょっとして食べるか?これ?」
金田がカロリーメイトを見せて言う
「携帯食料だから あんまり美味くないけど 食べられそうなら?」
金田がカロリーメイトを一口大に砕きながら バッツスクロイツたちへ向いて言う
「なぁ?水が飲めるならさ?食べ物だって 大丈夫だよな?」
バッツスクロイツが沈黙する
「…」
レビがバッツスクロイツを横目に言う
「…特に問題は無いと思うが」
金田が微笑して言う
「良かった …じゃ ちょっと食ってみるか?ほら?」
金田が男の身体を支えてカロリーメイトの欠片を口へ入れて言う
「パサパサして食い辛いだろうけど」
金田が表情を明るめて言う
「お?食えた?良かったっ!それ栄養はあるんだってさ?けど なんっつーか クッキーとパンの間みたいで あんま美味くないだろ?」
金田が笑っている バッツスクロイツがその様子に苦笑して言う
「失っ礼ーだなー?タマちんっ オレっちの貫徹のお供だった 大切なナーマカである エネルギーメイトちゃんにっ!?それ無かったら オレっち大学入試勉強も卒論も まじヤバかったんだからー?」
金田がカロリーメイトを砕きながら言う
「へぇ そうだったのか?俺の海軍入試試験勉強のお供は 煮込みうどんだったかな~?深夜に食べる暖かい味噌煮込みうどんとか けんちんうどんとか?それに 風邪ひいた時とかも …アンタにも こんなパサパサしたのより もっと消化が良くて美味いうどんを食わせてやれたら良かったんだけど」
バッツスクロイツが呆気に取られている 金田がカロリーメイトの欠片を見せて言う
「けど今はこれしかないからさ?もう少し食ってみるか?何か食べた方が 怪我も早く治るだろうからな?ほら?」
バッツスクロイツが沈黙していた状態から苦笑して眺める 金田の手を前に男が顔を背ける バッツスクロイツが軽く笑って言う
「タマちん?彼 もう要らないって?それに 無理して食べた所で 怪我が治る訳でもないんだから?無理強いしちゃダメだよ?」
金田が言う
「ん?あー それもそうだな?あ!それなら もう一回 水飲むか?パサパサのせいで 水分持ってかれちゃっただろ?」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「だ、だから…」
金田が男へ水を飲ませて言う
「だよな?やっぱ 水が欲しくなるよな?また足りなくなったら?ん?もう良いのか?それじゃ?」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「たっはは… もー タマちんってば~?」
レビが苦笑する 金田の手に残っているカロリーメイトの近くにチッピィが居る 金田が気付き微笑してチッピィへ渡す チッビィが受け取ったカロリーメイトの欠片を食べる デスとブレードが見ている
バッツスクロイツが立ち上がり荷物を背負って言う
「良しっ それじゃ… タマちん?」
金田が男の服を見て言う
「んー やっぱ 乾いてないよなぁ…」
金田が悩んで言う
「濡れたまま着せる訳にはいかないし 俺の上着で?」
バッツスクロイツが金田の前に来て言う
「はい、コレ」
金田が言う
「え?」
バッツスクロイツが服を差し出していて言う
「念の為 一着だけだけど 着替えを持って来てたから 着せてあげて?丈は分かんないけど サイズ的には着られると思うからさ?」
金田が喜んで言う
「助かった!ありがと!バッちん!」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「バ… バッちん…?」
金田が服を受け取り 男へ着せながら言う
「お?良かった ウエスト平気だ!…丈は ちょっと短いけど」
バッツスクロイツが衝撃を受け 怒りを抑えて言う
「…それ わざわざ言ってくれなくて良いし… って?それより タマちん?」
金田が言う
「ズボンは良いけど 問題はここなんだよな?肩も腕も折れちゃってるから… また ちょっと痛いだろうけど ごめんな?」
男が悲鳴を上げる
「うっ あぁあ…っ!」
金田が表情を苦しめつつ服を着せて言う
「良しっ ごめんな 痛かったな?けどこれで… お?サイズ上も大丈夫だったよ!バッちん!」
バッツスクロイツが言う
「そっちは良かったけど オレっちを 『バッちん』 って呼ぶのは ノーグット!それ止めてくれるー?」
金田が自分の荷物を背負いながら言う
「え?なんでだよ?バッちんだって 俺の事 タマちんって呼ぶんだし?だったら バッツはバッちんだろ?」
バッツスクロイツが言う
「ノー!オレっちの名前は そもそも バッツじゃなくて バッツスクロイツ!本名はバッツスクロイツ・ヒユウ・エリーゼス!それを バッツって略してるんだから それ以上の省略は オレっちに名前を与えてくれた 両親に失礼なの!ユー ルードゥ!」
レビが呆気に取られて言う
「…てっきり バッツスクロイツが本名なのだと」
金田が言う
「あぁ ごめん じゃぁ… えっと…?バッツす…黒い…飛夕えりーぜ?」
バッツスクロイツが言う
「ノーォオオ!」
金田が苦笑して言う
「なら やっぱ バッツで?」
バッツスクロイツが言う
「…ま、タマちんなら 特別に ヒユウって呼んでくれても良いけどね?タマちんの故郷の感じに ちょっと似てるでしょ?タマちんの名前聞いた時 思ったんだよね?やっぱー プラントが近いからーかな?って?…あ、勿論 レビっちも そう呼んでくれても良いんだけど?」
レビが言い辛そうに言う
「ヒユウ… か?…少し発音が難しいな?俺はやはりバッツと呼ばせてもらう」
バッツスクロイツが軽く笑って言う
「うん!どっちでも オッケーよ?」
金田が言う
「“飛夕”で良いなら 俺は言い易いけど… でも “バッツ” で通してるなら 合わせて置いた方が良さそうだな?あだ名と違って 他の人に分からないだろうからさ?」
バッツスクロイツが言う
「まぁね?それもそうだねー?レビっちだって レビって言うのは呼び名でしょ?スプローニの人の名前は長いからねー?」
金田が言う
「え?そうなのか?めちゃくちゃ短い名前だと思ってたら?…なら本名は?」
バッツスクロイツが言う
「それを聞いちゃうと…」
レビが言う
「俺の本名は… レビレロトス・アーヘンレブト・プラント・メンティレス・ビーテント…」
金田が慌てて言う
「ちょ、ちょっと待ったっ!無理無理っ!そんなの名前じゃないってーっ!?」
レビが言う
「…と、全てを呼ぶには長い為 レビ と省略している」
金田が言う
「だからって それは略し過ぎじゃないかっ!?」
レビが言う
「では… レビレロトスでも良いが?」
金田が困惑して言う
「レ、レ、レビレレ?レレ?レロ?」
レビが言う
「…レビで良い」
金田が落ち込んで言う
「…… ごめん」
バッツスクロイツが笑いを抑えきれずに噴き出す
「ぷはっ」
皆が歩いている 金田が顔を向けた先 毛布を羽織らせた男がブレードの背におぶられている 金田がブレードへ言う
「ごめんな ブレードっち 背負わせちゃって 俺が出来れば良かったんだけど」
ブレードが金田へ向き顔を左右に振る 金田が微笑して言う
「ありがとう!ホント優しいよな お前?戦えば強いしさ?」
ブレードが金田を見ていて首を傾げる 金田が軽く笑って言う
「すげぇ感謝してるって事だ!ありがとな!」
ブレードが頷く 金田が微笑してから 男へ向いて言う
「大丈夫か アンタ?ホントは動かしたりしない方が良いんだろうけど アンタの身体を見てもらえる医者を探す為でもあるからさ?辛いだろうけど 頑張ってな?」
男はブレードの背に持たれ掛かったまま小さく呻いている ブレードが顔を向ける 金田が心配そうに見てから 崖を見上げて言う
「しっかし 何処まで行っても変わらないなぁ?お城はあったけど 他の人工物なんか何にも無いしさ?オマケに 人影だって 全然見えないし?」
バッツスクロイツが言う
「お城がある世界の郊外なんてー 割とこんなモンだよー?…って言うオレっちも それを知ったのは 生まれ故郷のココじゃなくって レビっちたちの第2プラントで知った事だけどねー?」
金田が言う
「へぇ?そうなのか 俺の故郷には お城はあっても 昔のお城が保存されてるって感じでさ?町は人や建物で埋め尽くされてるから …あぁ けど どっかの田舎で 山にでも迷い入じゃったら やっぱこんな感じかなぁ?」
バッツスクロイツが言う
「同じこのプラントでも ワールドエンドマウンテンを超えた オレっちの住んでた場所はー それこそ 山も森も無い所だったんだけど 今は逆にー?オレっちも こんな大自然の景色に見慣れちゃったって感じだねー?第2プラントに居たのが長かったから」
金田が言う
「そう言えば バッツはさ?今回はその第2プラントってトコの王様に命令されて ここに来たみたいだけど それが終わったらどうするんだ?やっぱ故郷である こっちへ戻るのか?」
バッツスクロイツが言う
「うーん どうだろう?だってオレっちの住んでた自宅はー タマちんも知ってる あの地下室があった所よ?今はもう 帝国の監視下 オレっちも実際に見てはいないけど 外は酷かっただろー?レビっち?」
レビが言う
「…そうだな 少なくとも あの場所で生活をする事は不可能だろう それに あの偵察の者らが居る限りは 復興の作業を行う事も出来ない」
バッツスクロイツが言う
「そーだねー… 復興所か 見つかり次第 帝国のラボへ搬送されちゃうよ」
金田が言う
「帝国のラボって?そこへ連れて行って 何か?拷問とかされるのか?」
バッツスクロイツが言う
「ノンノン!一般ピーポーの持つ情報なんてー?帝国様は興味ナッシングー」
金田が言う
「ならバッツの住んでたって言う 向こう側でも同じなのか?機械兵士の生体部品だとかって?」
バッツスクロイツが言う
「そー言う事!」
金田が表情を落として言う
「そうなのか …何も悪い事とかしていなくても?帝国に刃向かったりとかも していなくてもか?」
バッツスクロイツが言う
「帝国にとって 人間は機械兵士を作るための 生体パーツでしかないんだよ」
金田が言う
「酷いな 人間を皆 機械兵士にしちゃうなんてさ?大体 そんな機械兵士を作って 帝国は何をしようとしているんだ?」
バッツスクロイツが言う
「さあ?帝国様のお考え何て 俺っちにはさっぱり?」
金田が言う
「けどさ?バッツは元々この… プラントに居たんだろ?だとしたら 良く生き延びてこられたよな?」
バッツスクロイツが言う
「うーん まぁね?少し前まではー 帝国に機械兵士が無かったからねー?」
金田が言う
「ん?それじゃ 帝国が機械兵士を作り始めたのは最近なのか?」
バッツスクロイツが言う
「最近と言う程では無いんだけど 機械兵士が作られ始めたのは オレっちがこのプラントからエスケープする8年前… だから 今からだと10年くらい前にはなるかな?」
金田が言う
「そんなに前なら やっぱり バッツは8年間は 帝国の手から逃げてたって事だろ?」
バッツスクロイツが言う
「それが そうでもなくってねー?帝国が人をさらってまで 機械兵士の生体パーツにし始めたのが 今から2年前 つまり オレっちがこのプラントからエスケープした その頃って事 それまでは 帝国と言えども そこまでの事はしていなかったんだ」
金田が言う
「なら その2年前から帝国は人をさらうようになったのか?それまではしていなかったのに 何で急に?帝国は どっかと戦争でも始めたのか?」
バッツスクロイツが言う
「まさかー?大体このプラントは 地区分けはされていても そもそもの国と言う概念が無かったんだから …つまり 帝国とは呼んではいるけど それで言うなら オレっちも帝国の人間 帝国の第7地区に住んでた人間って事になる」
金田が言う
「え?なら 同じ国に住む仲間をさらって 機械兵士の部品にしちゃってるって事か?」
バッツスクロイツが言う
「そー言う事!それもいきなりよ?オレっちが居た時に 急にそんな話が聞かれるようになってさ?まさかー何の冗談ー?なんて 笑ってたら その翌日には どっかーん!よ?あの地下室の入口を塞いでいた ウチの超強化扉がぶっ壊されて?ちょっと マジでー!?って 慌てて エスケープ!」
金田が呆気に取られて言う
「そうだったのか バッツが無事だったのは良かったけど 同じ国に住む人間に そんな事してたらさ?その内 このプラントに人は居なくなっちゃうんじゃないか?」
バッツスクロイツが言う
「俺もそう思う いくら帝国の主とされている 第1地区は残されて居るとは言っても それ以外はもう全滅だって?全く… ホント イカレテるよ 帝国の… クレター司令官とか言う奴は」
金田が言う
「クレター司令官?」
バッツスクロイツが言う
「そ!そもそもの発端は そいつの仕業らしい そいつの指示で 帝国の兵士たちは 生体パーツを作る為の人さらいを始めた… それが2年前のあの話に繋がるって訳 …まぁ それが分かったのは 俺っちもタマちんたちと一緒に このプラントに帰って来て 見付けた情報だけど」
金田が言う
「そうなのか クレター司令官… “司令官” だもんな?その人が指示を… 命令をするんだから 帝国の兵士は従うしかないか 例えその命令が 自分の住む場所や…」
金田が視線を落とす バッツスクロイツが言う
「一部では反対した兵士や帝国軍の士官も居たらしいんだけど そう言う者は容赦なく 反乱者として生体パーツにされちゃったんだって その中には“司令官”と言う位より 上の人間も含まれているみたいで それで尚更 今ではクレター司令官に反旗を翻す者は居ないらしい」
金田が呆気に取られて言う
「自分より上官の人間までそんな風に出来ちゃうなんてっ 今更だけど バッツは良く無事だったな?」
バッツスクロイツが言う
「そうそう!ホントに デスが居てくんなかったら オレっちも今はもう ここに居ないで とっくに帝国の機械兵士になってたって奴ー?」
金田がデスを見て言う
「そっか そうだよな?デスっちも 強そうだもんな?」
デスが金田を見る バッツスクロイツが言う
「あれー?そう見えるー?」
金田が言う
「え?それは もちろん?だって ブレードっちと同じ感じだし?…違うのか?」
バッツスクロイツが言う
「まぁ 同じと言っちゃ同じガルバディアの騎士なんだけどー デスは俺が赤ん坊の頃からこのプラントに居て 忙しい俺の両親の代わりに ずっと俺の世話をしてくれていた だから オレっちはずっと デスの事は 家政婦アンドロイドだと思ってた位なんだよねー?」
金田が驚いて言う
「えっ!?家政婦!?」
バッツスクロイツが言う
「そ!けど それは間違いで デスはアンドロイドじゃなくて 別プラントの人間で ガルバディアの騎士だった …それも ブレードっちのずっと先輩で 1世紀以上前の人だけど」
金田が言う
「1世紀以上前って!?なら?今は100歳以上って事か!?」
バッツスクロイツが言う
「そー言う事!」
金田が驚いて言う
「えぇええっ!?」
バッツスクロイツが言う
「けど この機械鎧のお陰で 肉体の年齢は止まってるらしいんだ?詳しい事は オレっちも知らない!ああ でも デスの機械鎧は この前 最新のにチューンアップして置いたから タマちんの言う通り ブレードっちと同じ で 合ってるかな?」
金田が言う
「そっか ならやっぱ 強いって事だろ?帝国の機械兵士を倒して バッツを助けられるくらいだもんな?」
バッツスクロイツが言う
「あ、いや?確かに 何体かの相手なら出来るとは思うけど デスのお陰で助かったって言うのは デスが この第5プラントと第2プラントをつなぐ 転送プログラムを実行する事が出来たからで それで俺っちは このプラントからエスケープ出来たって事!」
金田が言う
「なるほど “エスケープ”って このプラントから別のプラントへ転送するって事か?」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「えっ!?そうじゃなくて?あ、いや?そうだけど?」
レビが言う
「“エスケープ” とは “逃げ出す” と言う事らしい」
金田が言う
「あ そう言う事か!俺 たまに バッツの言葉が分からない時があるからさ?何だろうって思ってたんだよな?」
バッツスクロイツが言う
「そういう時には聞いてよっ!?プリーズ!」
金田が反応して言う
「あ!?それじゃ 今の!プリーズって?」
バッツスクロイツが叫ぶ
「ノォオオー!そこからー!?オーマイガー!」
金田が疑問して言う
「え?おーまいがー?」
レビが苦笑し デスとブレードが眺めている ブレードの背で男が沈黙している
男が地面に寝かされる 金田が毛布を掛けている横でブレードが立ち上がる 金田がブレードへ言う
「ありがとな!重かっただろ?」
ブレードが顔を左右に振る 金田が微笑して言う
「そっか?じゃあ 出来たらまた 休憩の後も頼めるかな?」
ブレードが頷く 金田が言う
「ありがと!凄く助かるよ!」
ブレードが頷く 金田が微笑してから男を見て言う
「あ、そうだ 水!飲むか?」
金田が男に近付く その様子をバッツスクロイツが見ていて苦笑する レビが言う
「あの城から大分歩いたが 真新しいものは何も見えて来ない このまま上流を目指すという方法もあるが」
バッツスクロイツが言う
「そーだねー?最悪 来た道を戻るってパテーンも 考えないとかなぁ?川沿いであるお陰で 水の心配は無いけど」
バッツスクロイツがカロリーメイトを手に言う
「食べ物はホントに これしか無いから…」
バッツスクロイツがカロリーメイトを食べる レビが言う
「上へ上がる事さえ出来れば 森の中で食料になりそうな物を 探す事も出来るのだが…」
バッツスクロイツが言う
「森の中でってー?木の実でも探すって事ー?オレっちも果物は嫌いじゃないけどー あんま 食糧って感じがしないよねー?」
レビが言う
「木の実でも良いが 森の中になら 野生動物が居るだろう あの彼を見付けた時にも見掛けた… となればアレを狩れば 食糧が手に入る」
レビが銃を片手に闘志に燃える バッツスクロイツが衝撃を受け 苦笑して言う
「レビっち… もしかして本当はー もう この携帯食料に 嫌気が差しちゃってる感じー?だったり?」
レビが言う
「あの時は城の近くで銃声を轟かせる訳にはいかないと躊躇したが 今思えばヤッて置けば良かった」
バッツスクロイツが慌てて言う
「レビっち 落ち着いてっ!?ユア ハーツ クールダウン プリーズ!?」
金田が男へ水を与えながらバッツスクロイツを見ていて苦笑して言う
「バッツの“アレ”は また 何って言ってるんだろ?後で聞いてみようかなー?…ん?あれ?全部飲んだのか?相変わらず アンタ 水ラブだな?」
バッツスクロイツがレビへ言っている
「それならレビっち そこの川で 魚を捕れば良いんじゃないー?レッツ ユア フィッシーング!」
レビが言う
「スプローニの民は 魚は食さない」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「ノオォオー!そんなの関係ナッシングー!この際 魚だってー!?」
金田が男を寝かせて言う
「まだ飲むか?今汲んで来るから ちょっと待っててな?」
バッツスクロイツがレビに言っている
「魚だって結構美味しいし!?そりゃあ オレっちだって フィッシュ オア ミーツなら ミーツ派ですけどー!?」
レビが気付き立ち上がる バッツスクロイツが疑問して言う
「って?レビっち?どうかしたー?あ?もしかして やっぱり フィッシングしちゃおーとかー?」
レビが言う
「カネダが出て行った 恐らく水汲みだろうが 俺も行って来る」
バッツスクロイツが気付き 一度男を見てから苦笑して言う
「りょーかい!それじゃ オレっちへは 新鮮なフィッシュのお土産を よろしくー?レビっちー?」
レビが言う
「言い忘れていたが 射撃では 川を泳ぐ魚は捕らえられない」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「ノォオオー!そう言う事ー!?レビっちも そう言う事は先に言ってったらっ!?プリーズ!」
金田が水を汲んでいる レビがやって来て言う
「カネダ」
金田が反応して顔を向けて言う
「ああ レビっち レビっちも水汲みに来たのか?それなら レビっちにも聞いてからにすれば 良かったな?ごめんごめん!」
レビが言う
「いや 俺の方はまだ有る だが そうでは無く 1人では動くな 特に川の近くと言うのは もっとも狙われやすい場所だ」
金田が反応して言う
「え?“狙われる”って…?」
金田が周囲を見渡して言う
「誰か 俺たちの他にも 人が居るのか?」
レビが周囲を見渡してから軽く息を吐き 半分以上水の入っている容器へ水を足しながら言う
「俺たちの他の者が 居ると言う可能性もある それに 人では無いモノも居る可能性がある 昨日見た獣や ともすれば 帝国の機械兵士… まだ見ぬ敵と言う可能性も」
金田が呆気に取られていた状態から表情を落として言う
「…そっか そうだよな?言われてみれば 俺は今 以前の俺なら 会う事も無かった レビっちやバッツ それに ブレードっちやデスっちと一緒に それこそ異世界とも言える別プラントに居るんだもんな?だったらもっと 警戒しなきゃダメだよな?分かった これからは そうする!」
レビが一瞬沈黙してから言う
「…ああ」
レビが横目に仲間たちのいる場所を見てから 男を見て目を細める 金田が立ち上がり言う
「良しっ それじゃ 俺 先に戻っても良いか?アイツ まだ飲む様だったら もう一度来る事になるかもしれないけど その時は…」
レビが軽く息を吐き 苦笑して言う
「誰でも良い 俺でも ブレードやデスでも 協力する」
金田が苦笑して言う
「ありがとう すげぇ助かるよ!…ごめんな?俺 皆に迷惑ばっか掛けてるよな?」
レビが言う
「俺はもちろんだが あいつらの誰一人として その様には思っていない 気にするな」
金田が呆気に取られてから微笑して言う
「分かった!感謝してる!」
レビが微笑して頷き立ち上がる 金田が走って行く レビが追って歩きながら崖を見上げてふと気付いて思う
(あの一部… 崖が崩れている様だが?…あれは自然現象で起きた物だろうか?)
レビが気にしつつも視線を戻して皆の下へ戻る
金田が川の水を汲んで居て言う
「ごめんなー?ブレードっち?何時も付き合って貰っちゃってさ?」
ブレードが金田へ顔を向けて左右に振る 金田がその様子に苦笑して言う
「ホント良い奴だよな?レビっちもブレードっちも 俺なんてさ?何の役にも立ってないのに 協力して貰っちゃって …俺にも何か出来れば良いんだけど」
ブレードが首を傾げる 金田が苦笑して言う
「俺はそもそも 海に生きる男だし?陸に上げられたら それこそ何も出来ないんだよな?」
ブレードが沈黙している 金田が水を汲み終えて言う
「良しっ とりあえず満タンにして置けば良いか?…って言っても アイツ水ラブだから 満タンでも足りないんだけど …まぁ その時はまた 汲みに来れば良いもんな?」
ブレードが沈黙している 金田が立ち上がって言う
「さ?それじゃ 戻ろう ブレードっち?」
ブレードが頷く 金田が歩き始める ブレードが追って歩き金田の背を見ていたブレードの視界に 崩れた崖の一部が見える ブレードが気付いて立ち止まる 金田が気付き振り向いて言う
「ん?どうした?ブレードっち?」
ブレードが金田の声に一度顔を向け 再び 崩れた崖の一部を見る 金田が疑問して言う
「何かあるのか?…ああ あそこ?少し崩れてるな?…で?それが?どうかしたのか?」
ブレードが金田の横を抜けバッツスクロイツたちの下へ急ぐ 金田が疑問して言う
「ん?ブレードっち?」
金田が追って急ぐ
ブレードと金田が向かって来ると 出発の準備を終えていたバッツスクロイツが言う
「おっ帰りー?それじゃー また 出発しますかー?それで、ブレードっち?次の休憩まで 今度は デスが彼をおぶっても良いってー?」
ブレードがバッツスクロイツの横を過ぎ 真っ直ぐデスの前へ向かう バッツスクロイツが疑問して言う
「…って?ブレードっち?…ん?」
皆の視線の先 ブレードがデスを正面から見据えている 追って到着した金田が疑問してバッツスクロイツへ言う
「…なぁ?どう言う事だ?」
バッツスクロイツが言う
「さぁ?…あのさ?ブレードっち?オレっちのデスに何か…?」
デスが疑問してブレードを見る 金田が言う
「もしかして?さっき見てた 崩れた崖の所が どうかしたのか?ブレードっち?」
デスとバッツスクロイツが反応して バッツスクロイツが言う
「崩れた崖?」
バッツスクロイツと金田がブレードへ顔を向ける デスが金田からブレードへ視線を向ける ブレードが頷く デスが一歩踏み出す ブレードが先導する様に歩き始める デスが追って行く 残った3人が顔を見合わせて疑問する バッツスクロイツが言う
「えっと?ブレードっち?」
バッツスクロイツが疑問の解決を求めてブレードを探すが ブレードとデスの2人は既に離れた場所に居る バッツスクロイツが慌てて追って言う
「あ…っ!?ま、待ってっ!?デスっ!?ブレードっちーっ!?」
金田とレビが顔を見合わせる
ブレードが立ち止まって崖を見上げる デスがその様子に倣ってブレードの視線の先を見る バッツスクロイツが追って来て言う
「なになに?なんなのよー?」
バッツスクロイツが2人の前に立って 2人の見ている先を探しながら言う
「崖がどうって?…ん?アレの事?確かに 崩れてはいるけど…?」
バッツスクロイツが疑問して2人を見る ブレードがデスを見る デスがブレードへ向き頷いてから 崖の方へ歩いて行く バッツスクロイツが言う
「え?そんだけー?レビっちたちの所へ 戻るのかー?デスー?…って?え?」
ブレードが逆方向へ向いて歩いて行く バッツスクロイツが言う
「ブレードっちは?戻んないのー?ブレードっちー?…んんん??」
バッツスクロイツが疑問して首を傾げるが一瞬の後気を切り替えて言う
「…ま?わっかんない時は しょーがない!オレっちも 戻…」
バッツスクロイツが崖の方へ向かおうとすると その横をブレードが猛ダッシュで過ぎる バッツスクロイツが驚いて言う
「ワアァオッ!?ワッツッ!?なになにっ!?っ!?」
ブレードがダッシュして行った先 デスが両刃剣を構えて居る バッツスクロイツが驚いて言う
「デスっ!?」
ブレードがデスの前で地を蹴って デスが構えている両刃剣の刃を踏み台にする デスが両刃剣を振り上げる ブレードが飛躍して 崖の上まで飛んで行く レビと金田が見上げて 金田が驚いて言う
「なぁあっ!?と、飛んだぁあっ!?」
レビが言う
「…だがそれでは」
金田が衝撃を受けて言う
「えっ!?あれ見て驚かないのかっ!?レビっちすげぇっ!?」
レビが言う
「彼らの能力を持ってすれば 出来るだろうと思ってはいた」
金田が呆気に取られて言う
「…そ、そうなのか?」
レビが言う
「ああ」
バッツスクロイツがデスの下へ来て言う
「はぁ~ びっくりしたぁ… でー?ブレードっちだけ 上にあげちゃって どうするつもりー?デスー?この後の プランズは?」
デスがバッツスクロイツを見てから 視線を向ける バッツスクロイツがその視線を追って崖側を見る
レビと金田が崖の上を見ようと少し移動すると その前にロープが降ろされる 金田とレビが反応して見上げて気付く そこは崖の崩れている個所 レビが理解して言う
「そうか… この場所であるなら 崖の淵がこちら側へ隆起していない 確かに これなら?」
レビがロープの状態を確認する 2人の下へ戻って来たバッツスクロイツとデス バッツスクロイツが困惑して言う
「ちょ、ちょっとぉおっ!?ま、まさかーっ!?このロープで 上へ上がれって プランズっ!?無理無理っ!?システムエンジニアのオレっちの細腕で上がれる筈 ナッシングー!ねぇっ!?タマちんっ!?」
金田がロープと崖の上を見て言う
「俺らは良いとして 問題はアイツか…」
金田が男を見る バッツスクロイツが衝撃を受けて慌てて言う
「ノォオーッ!?彼はもちろんだけど それ以前に オレやタマちんだって!?」
金田が一瞬呆気に取られてから微笑して言う
「俺は大丈夫だ!むしろ得意だって!何ならバッツを背負って 上っても良いぜ?」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「ワッツッ!?マジでっ!?」
金田が笑顔で言う
「その代わり 落ちない様に ガッチリ掴まっててくれよ?俺はロープを掴んでるから バッツの事は掴んでてやれないからさ?」
バッツスクロイツが衝撃を受け震えながら言う
「そ、そんなぁ オレっち自信ナッシングー…」
金田が笑って言う
「人間 命が掛かれば 割とイケるって?だから バッツは良いんだけどさ…?」
バッツスクロイツが震えながら言う
「無理無理っ!オレっち高い所も苦手だしーっ!?」
金田が男の横へ膝をつく レビがやって来る 金田が言う
「確か ロープって あの1つしかなかったよな?」
レビが言う
「ああ 現状長さもギリギリ …となると 引き上げるのに必要な程 拘束出来る長さは無い」
バッツスクロイツがやって来て言う
「なぁ?タマちん?オレっちも リアルライフ懸けでしがみ付くけどさー?念の為 この上着でオレっちとタマちんを フィッティングしても オーケー?」
バッツスクロイツが上着を見せる 金田が一瞬呆気に取られてから 喜んで言う
「そっか!それだぁっ!」
バッツスクロイツが疑問して言う
「ワッツ?」
ブレードがロープを掴んで支えている 足元の崖の淵に手が掛かる ブレードがロープを引くと 金田が引き上げられ 言う
「よっとっ!ありがと!ブレードっち!」
ブレードが頷く 金田が肩に掛けていた 3人の服を使った簡易担架を外して言う
「それでこいつを… …これで 良しっ!」
金田がロープを崖の下へ放る
崖の下
金田の顔が崖の上から現れて言う
「少し短くなっちゃったけど どうだ?届きそうか?」
デスがレビの足を持ち上げて自身の肩へ乗せて支える レビが抱きかかえて居た男の身体を簡易担架へ通して言う
「…丁度良い …離すぞ?」
金田が言う
「3秒待ってっ!」
レビっが3秒待ってから言う
「良いか?」
金田の声が聞こえる
「大丈夫だ!」
レビが頷きそっと男の身体を支えていた手を放す 簡易担架がミシっとし鳴る レビがデスの肩から飛び降りて言う
「万が一に備えよう」
デスが頷いて 視線を上げる
崖の上
金田がロープを引き上げている ブレードがロープを手繰っている 金田が言う
「良し来たっ 引き上げる!」
金田がブレードへ向く ブレードが頷く
崖の下
バッツスクロイツが冷や冷やしていると 金田の声が聞こえる
「せーのっ!」
掛け声と共に男の身体が崖の上に見えなくなる バッツスクロイツがホッとする レビとデスが顔を見合わせ頷き 肩の力を抜く
崖の上
金田が引き上げた男の身体を掴んだまま上がる息を整えている ブレードが見ている 金田がホッとして言う
「はぁ はぁ… はぁ~ 良かった!何とか上まで耐た!」
ブレードが近くへ来て身を屈める 金田が苦笑して言う
「お疲れ!ブレードっち!ああ 俺は平気だ!途中で服が破れたり 外れたりしたら どうしようかって 気が気じゃなかったもんだから ちょっと力が抜けちゃってさ?はははっ!」
ブレードが手を貸そうとする 金田が気付いて言う
「ははっ …って あっ そうだったっ!悪いっ 大丈夫か?体痛いよなっ!?今外すからなっ!」
金田が男の身体から簡易担架を外して行く
崖の下
バッツスクロイツが崖の上を見上げていて言う
「ん~?どうしたー?ターマちーん?」
金田が顔を出して言う
「ああ!大丈夫だ!」
バッツスクロイツが微笑する レビとデスもホッとしている バッツスクロイツが言う
「なぁ?タマちん?今のでさ?オレっちの事も 引き上げてもらえるとー?…って ん?何これ?」
バッツスクロイツが上から落ちてきた布を拾い上げる 金田が言う
「それ!バッツの上着な!?取り敢えず先返しとくよ!悪い 少し伸びちゃったけど まだ着れ…」
バッツスクロイツが気付き衝撃を受けて言う
「ノオォオー!これオレっちのジャケッツッ!?プリオーニの限定モデルが… oh.. break my heart..」
バッツスクロイツがうな垂れる 間を置いてハッとして言う
「って!待ってよ!?コレ戻って来ちゃったー って事はーっ!?ターマちーん!?」
崖の上
金田が自分の上着を着てから言う
「後、やっぱ 簡易担架は危ないから バッツは使わない方が良い!特に バッツのその上着 伸びやすい生地みたいで それ以上伸びたら 着られなくなる所か 途中で切れちゃいそうだからさ?」
金田がロープを崖の下へ放って言う
「だから バッツもこれで」
崖の下
金田の声が聞こえる
「自力で登った方が 断然安全だって?」
バッツスクロイツの前に普通のロープが落ちて来る バッツスクロイツが言う
「オーマイガー!さっきまでハイグレードだった あのロープが 一瞬で どノーマルにーっ!?」
金田が言う
「ここまで登って来れば 後は こっちで引き上げるから!大丈夫だって!」
バッツスクロイツが言う
「そこまでがオレっちにとっては 超ハードミッション!と言うよりも デットエンドミッションなんだったらぁっ!?」
レビが言う
「では 俺が先に行こう 先に上へ向かった2人と共に バッツを引き上げる事が出来る それなら」
バッツスクロイツが感動して言う
「センキュー!レビっち!頼れる後輩を持てて オレっちベリーハッピー!」
レビがロープを手に取り義手の調子を確かめてから登り始める
崖の上
金田がレビの腕を掴み引き上げながら言う
「せーのっ!」
レビの身体が崖の上へ上がる レビが言う
「助かった カネダ ブレードも」
レビがブレードへ向くと ブレードが頷く レビが金田へ向いて言う
「カネダの真似をしようとしたのだが 上手く行かなかった」
金田がロープを結びながら言う
「そうだったのか?俺は海軍の訓練で慣れてたから ロープを上る時には 腕の力より足で支えるんだって習ってて レビっちは腕だけでも登れて凄いなって思ってたよ?」
レビが言う
「ロープを登るには不便であろうと思っていた この義手に助けられた」
金田が言う
「なるほど 確かに 素手であの登り方をしたら 手が壊れちゃいそうだもんな?じゃぁ今度は …これで良し!」
金田がロープを投げる
崖の下
バッツスクロイツが困って言う
「あぁ~ どうしよう?オレっち マジで超シリアスに 無理なんですけどー?」
バッツスクロイツの前に輪が作られたロープが降って来る バッツスクロイツが疑問して言う
「…ん?あれ?」
バッツスクロイツがロープの輪を手に 目を閉じて首を通すような素振りをする 金田が言う
「次 バッツ!そのロープの輪に 首じゃなくて 足掛けて!それでしっかり ロープを握ってな!後は 上に居る俺らで引き上げるから!」
バッツスクロイツが感涙して言う
「タマちん…っっ」
金田が続けて言う
「それで デスっちは 万が一バッツが落ちた時に 受け止められるように 構えててくれ!」
デスが頷く バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「ノオォオー!そんな縁起の悪い事 言わなーいでくれるー!?プリーズ!?」
バッツスクロイツがデスに手を貸され ロープの輪に足を掛け息を飲み言う
「そ、それじゃ…っ オレっち乗るよー!?乗りますよー!?上の皆さーん!?アーユーレディー!?ガーイズッ!?」
金田の声が聞こえる
「何か分かんないけど 何時でもどうぞー!」
バッツスクロイツが衝撃を受けて言う
「うぅう…っ それじゃ 何時でもウェルカムって言ってるし…っ いっくぞっ!」
バッツスクロイツがロープの輪に乗り ロープにしがみ付く デスが近付く
崖の上
3人がロープを掴んでいて 金田が言う
「良しっ!それじゃ 上げるぞ!せーのっ!よーいしょっ!こーいしょっとっ!」
金田とレビがロープを引き上げる ブレードがロープを手繰り寄せる
崖の側面
バッツスクロイツがロープにしがみついて震えながら言う
「ひぃ~んっ!マジ怖っ!イッツクレイジー!?頼むよっ 皆っ!超シリアスに オレっちの命掛かってますからーって?何かスピード上がってっ!?…ギャンッ!?」
バッツスクロイツが崖の側面に激突する
崖の上
金田が反応して言う
「あっ ぶつかったかも?レビっち やっぱ あんまり急がないで ゆっくり引き上げよう?」
レビが言う
「分かった」
金田とレビがロープを引き上げる
崖の側面
バッツスクロイツが顔面ヒットした様子で泣きながら言う
「ひぃい~ん オレっちの グットルッキングフェイスが~…っ」
バッツスクロイツの身体が崖の上へ近付いて行く
崖の上
ブレードがロープを支えている 金田とレビが崖の下へ手を伸ばしていて 金田が言う
「せーのっ!」
金田とレビが引き上げる バッツスクロイツが引き上げられて バッツスクロイツがレビに抱き付いて言う
「超ー怖かったっ!メッチャ怖かっーたっ!オレっちもう お婿に行けないー!レビっち 貰ってーっ!?プリーズ~!?」
レビが言う
「…取り敢えず 落ち着いてくれ プリーズ」
金田が疑問している
ブレードが前に立ち 金田とレビが後ろに付いて 金田が言っている
「デスっちは多分重いだろうから ブレードっちが基本の支えに付いて オレっち…じゃなくて 俺とレビっちが後ろで…」
レビが頷いている バッツスクロイツが少し離れて地面に座り込んでいて言う
「ふぅ… やっぱ 人間 土に手をーじゃなくって 足を付けてー 置くべきだよねー?もう二度と あんなデンジャラスなパフォーメンスは ノーセンキュー…」
バッツスクロイツが溜息を吐くと その視界に男の姿が目に入る 男は眠っている様子 バッツスクロイツが視線を細めて言う
「…ちょっち話し過ぎちゃったかな~…」
バッツスクロイツが視線を逸らして思う
(この人が何処の誰であろうと 帝国の制服を着ていたと言う事は 少なくとも… 奴の仲間だっ …俺の両親やファクトリーの 皆の命を奪った あの… クレター司令官のっ!)
バッツスクロイツが地に付けていた手を握る 金田の声が聞こえる
「…ツ?…バッツ!?おーい?バッちーんっ!?」
バッツスクロイツがハッとして顔を上げる レビが言う
「バッツも 万が一に備え ロープを掴んで居てくれとの事だ」
バッツスクロイツが疑問して言う
「へ?万が一って?」
金田が言う
「バッちんも デスっちが落ちちゃうのは嫌だろー?」
バッツスクロイツが慌てて言う
「そ、それはもちろんっ!?」
バッツスクロイツが急いで向かうと 金田がロープを渡して言う
「まぁ 基本はブレードっちが支えてるから そんなに力入れないでも平気だよ?けど いざって時には 俺ら3人でデスっちを支える!」
バッツスクロイツが言う
「うん!その時は 俺 絶対離さないよ!」
金田が呆気に取られてから微笑して言う
「もちろん!その時は レビっちだって 俺っちだって離さないって!…って?アレ?」
レビが言う
「…バッツの口癖が 移っているぞ タマちん?」
金田が言う
「そう言う レビっちだって?」
レビが衝撃を受ける
ブレードがロープを握り身を引いている ロープが崖の岸にめり込んで行く ブレードの後ろで備えている3人が見つめ 金田が言う
「やっぱ 結構 ギリギリみたいだな?」
バッツスクロイツが言う
「ギリギリってっ?何っ!?」
レビが言う
「ブレードとデスは ほぼ同じ同じ大きさで 同じ機械鎧を装備している そうとなれば 同じ重さを支えるのは ギリギリであって当然だろう?」
バッツスクロイツが言う
「そ、そう言う事?ま、まぁ… それはしょうがないし いざって時だって …俺たちが3人で支えれば 何とかなるっしょっ!?」
金田が言う
「それはそうだけど そうじゃなくて その… …ロープがさ?その前に ちょっと酷使しちゃったから 心配だなって?そもそも あのロープ… あんまり新しくなさそうだったし…?」
バッツスクロイツが青ざめて言う
「そ…っ れじゃ…?」
レビが言う
「カネダ…っ」
金田が言う
「あっ ごめん、嫌な事言っちゃったよな?気が緩んだせいか 急に自分が登っていた時のこと思い出しちゃってさ?…大丈夫かなって?」
バッツスクロイツが泣き出しそうな表情をする レビが怒って言う
「それ以上は…っ!」
3人の前で ブチッ!っと 何かが切れる音がする 3人が息を飲み バッツスクロイツが叫ぶ
「デスッ!!」
バッツスクロイツが向かうより速くブレードが手を伸ばしていて ブレードの手がデスの手を捕らえる ブレードの身体を レビと金田が捕まえていて 金田が言う
「バッツも支えて!早くっ!!」
バッツスクロイツがハッとしてブレードの身体を掴む 金田が言う
「息揃えて!皆で引き上げるんだ!行くぞ!せーのっ!ぐぅ…っ!!」
金田、レビ、バッツスクロイツがめい一杯の力で引き上げる デスが見上げる 皆が踏ん張っている足元 バッツスクロイツの足が滑りハッとして言う
「あっ!?」
レビと金田が失われた力に驚き思う
(ダメだ…っ!) (落ちるっ!!)
3人が絶望に包まれる中 デスがブレードの手を放し宙返りして崖の側面へ両刃剣を突き刺し それを足場にジャンプ 呆気に取られている3人の後方へ降り立ち 続いて両刃剣に付けられたチェーンを引き 両刃剣を回収する レビが言う
「…無用な心配であった様だ」
金田が呆気に取られたまま言う
「す、すげぇ」
金田が振り返ると その横にバッツスクロイツが脱力して言う
「…な …なんだよ そうだよな?お前は… お前は そう言う奴で… もう…っ …はぁ~」
バッツスクロイツが倒れそうになる デスが抱き止める ブレードがやって来て皆を見る 金田が興奮して言う
「何だっ!?何だっ!?今のっ!?一体どうなってんだっ!?デスっち すげぇーっ!」
皆の様子を男が見ている
皆が歩いている 金田が言う
「これでやっと あのお城へ行けるな!?すげぇ 遠回りしたけど!」
レビが言う
「そうだな あの城の様子からして これ程順路が整っていないと言うのは 予想外だった」
バッツスクロイツが言う
「それはやっぱー?あの川の近くにあった瓦礫が ソレだったからって事でしょー?」
レビが言う
「確かに あの瓦礫が 我々の居た川辺からの ソレであった可能性は高いが…」
金田が言う
「俺もソレ 気になるんだよなー?もっとさー?俺たちが最初に あのお城を見た あの崖から 直接 こっちの岸へ行かれる 橋くらいあっても良くないか?」
レビが言う
「同感だ」
バッツスクロイツが言う
「ああ その事?そう言うんだったら オレっち分かってるもんねー?」
レビが言う
「分かっているとは?」
金田が言う
「橋のある場所を 知ってたって事か?」
レビが言う
「橋は無かった それは確かだ」
金田が言う
「そうだよな?あったら気付いてた筈だし?」
バッツスクロイツが言う
「そーじゃ無くってー?そもそも あの城へ行くのに 橋なんかはー 必要ナッシングー!」
金田が言う
「必要ないって?けど 実際 橋が無いせいで 俺たち ここへ来るまで すげぇ大変だったけど?」
レビが言う
「デスとブレードがいなければ 現状も我々は あの川辺を歩いているだろう」
金田が頷く バッツスクロイツが言う
「それはそうだけど そうじゃなくて オレっちたちが知らないだけでー 本当はあるんだと思うんだよねー?あの城へ向かう為の橋が!つまり CITCがさ!」
金田が言う
「CITC… て?何だっけ?」
レビが言う
「あのワールドエンドマウンテンを超えた 移動装置だ」
バッツスクロイツが言う
「そー言う事ー」
金田が言う
「ああ!アレな!?向こうの地下室で バッツが何か操作してた あの光が出る機械!」
バッツスクロイツが言う
「そうそう!あの光は 物質変換の光だけど それよりも重要なのは 転送先へ繋ぐためのラインコード!それさえ分かれば オレっちが超開発した このハイスペックCITCで 何処からでも 転送は出来ちゃう!」
金田が言う
「らいんこーど?ふーん?良く分かんないけど」
バッツスクロイツがガックっと脱力して慌てて言う
「送信元だけとは言え 固定式CITCを携帯可能にしたっ!これは世紀の大発明なのよー!?分かってっ!?プリーズ!?」
金田が言う
「俺にはバッツのその“プリーズ”と 同じ位分かんないけどさ?けど どの道今は使えないって事なら 結果は同じだろ?俺らはやっぱり ブレードっちとデスっちのお陰で 今ここを歩けてるってさ?」
バッツスクロイツが言う
「ノオォオー!それはそうだけどー!?ログヴェルン史上に残る 大発明だって言うのにー!?」
レビが言う
「俺たちの住む第2プラントの移動魔法と 同じと言う事ではないのか?移動魔法陣の在る場所や 知っている場所や人物の前へ向かう事が出来る… …いや?むしろ転送先のCITCの無い場所へは向かえないと言う事であるのなら…?」
バッツスクロイツが言う
「レビっち止めてーっ!実は第2プラントのその移動魔法のプログラムを 解析して組み込んだだけだとか言う スペシャルシークレットも カミングアウトされちゃうからーっ!?」
金田が言う
「移動魔法?魔法って?レビっちの居た あの第2プラントには 魔法なんて物が本当にあるのか?しかも今言ってた 色んな所へ 移動が出来るとかって?」
レビが言う
「ああ ローレシア領域の 魔力者達ならば可能だ 他にも その魔力者らが魔力を込めた魔法アイテムなどがあれば…」
バッツスクロイツが横目に男を気にしてから言う
「レビっち!…あのさ?もう その位にしない?」
レビと金田が呆気に取られて顔を見合わせる バッツスクロイツが言う
「あ~… ほら?もう直ぐ 城の近くになるし?」
金田が城を見てから言う
「ああ まぁ?そうだな?ここならまだ お城の人には 聞こえないと思うけど」
レビが言う
「逆に 我々以外の者も 周囲に潜んで居るという可能性はある となれば やはり そちらへ注意を向けて置くべきかもしれない」
金田が言う
「了解!キャプテン!」
レビが言う
「同じく」
バッツスクロイツが苦笑して言う
「う、うん… じゃ そう言う事で?」
バッツスクロイツが男を気にしてから城へ向く 金田とレビが周囲を警戒して城へ向く ブレードとデスが真っ直ぐに歩いていて ブレードが背後の男を気にする 男はブレードの背に持たれ掛かったまま沈黙している ブレードが正面へ向き直る
ログヴェルン城
皆が立ち止まっていて 金田が言う
「…こんなに崩れちゃってたのか」
レビが言う
「これではもはや 城とは言い難い …城であった場所 と言った所だ」
バッツスクロイツが言う
「そんな… これじゃ もう…」
レビが一歩踏み出し辺りを見渡して言う
「辺りに人の気配等も感じられないが 可能な範囲で探索を行ってみるか?」
金田が正門であった場所の瓦礫を見て言う
「そうだよな?門はあっても その先は瓦礫でふさがってるから お城の周囲を少し見る位しか出来ないと思うけど?」
バッツスクロイツが言う
「この城まで…っ やっぱココも…っ …帝国の連中がっ」
バッツスクロイツが手を握り締める レビが心配気に見てから 視線を戻すと気付いて言う
「うん?あれは…」
レビが向かう 金田が言う
「ん?何かあったのか?レビっち?」
皆が反応してレビの下へ向かう 皆が来ると レビが言う
「この扉であったモノだが 崩壊の後に人の手が加えられている そして やけに不自然だと思ったのだが…」
レビが扉を動かすと 地下へ続く階段が現れる バッツスクロイツと金田が驚き言う
「階段が?」 「コレならっ!?中に入られるんじゃないかっ!?」
バッツスクロイツが金田へ向く レビが言う
「同感だ それに わざわざ 入り口を隠すかの様にしていると言う事は」
バッツスクロイツが言う
「中に誰かいるっ!?」
金田が一瞬呆気に取られてから気を取り直して言う
「そうかっ!ならきっとっ!?このお城に住んでた人達だよなっ!?お城は壊されちゃったからさ!仕方なく地下にってっ!?」
レビが言う
「俺もその可能性が高いと思うのだが… キャプテン?」
金田が言う
「どうするっ!?キャプテン?もちろん 向かうよなっ!?」
バッツスクロイツが考えて言う
「…なら 2人はさ …この城は誰の手によって 壊されたと思う?」
金田とレビが一瞬呆気に取られてから 金田が言う
「誰にって… それはもちろん!バッツが言ってた あの帝国の奴らじゃないのかっ!?機械兵士って奴らだって 俺たちは あの村で見たんだしさ?」
レビが言う
「更に その機械兵士らを追った先で その時まで無事であったこの城が 夕刻には姿を崩していた… そうとある以上 カネダの言う通り 帝国の仕業であると 俺も思うが… バッツには そうではないと言える 理由があるのか?」
金田が疑問して言う
「そうではないって?大体 他に誰が居るって言うんだ?」
バッツスクロイツが言う
「…分からない」
金田とレビが疑問する バッツスクロイツが言う
「けど 何か分かんないけど 色々可笑しい様な気がしてさ…?もし 本当に帝国の仕業だとしたら この城に人が残っている事が可笑しい 帝国の狙いは生体パーツ以外の何物でもないんだから わざわざワールドエンドマウンテンを超えてまで来ていたとしたら 尚更だって?」
レビが言う
「…なるほど では それを持ってして考えたなら この先に居るものは… 帝国の者であると?」
金田がハッとして慌てて入り口から離れる バッツスクロイツが言う
「けど それも可笑しいんだよね?帝国の人間が?オレっちが言うのも癪だけど もしこの城へ奇襲を掛けたなら 既に落とした城のこんな地下になんか 居たくないって考えるのがノーマリーだと思うんだよね?」
金田が言う
「のーまりーって?」
バッツスクロイツが言う
「ああ 標準的って言うか?もっと簡単に 普通は~って感じかな?あ、うん!そうそう!それこそ帝国の人間が居るのなら 帝国の機械兵士が構えているのがノーマリー!出入口なら尚更ね?」
金田が言う
「なら…?結局… 誰が居るんだ?」
レビが言う
「少なくとも 帝国の人間ではなく 尚且つ この城の人間でもない… と?」
バッツスクロイツが言う
「だけど そんな人間なんて考え付かない だから…さ?」
金田が考えて言う
「うーん… なら?たまたま襲撃の時 出かけてた城の奴らが 帰って来た… とかは?」
レビとバッツスクロイツが衝撃を受け レビが言う
「…それは考え無かった」
バッツスクロイツが言う
「そんなのも有りーっ?」
金田が苦笑して言う
「たまにあるんだよな?出航時間勘違いして 港に取り残されちゃう奴!」
レビとバッツスクロイツが呆れ汗を流す
0
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