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1章
アナザーゲートキーパーズ 『貴族からの魅惑的な誘い』
しおりを挟むアジト
ユウヤがバーガー店の袋を持って リビングの扉を開けながら言う
「ただいま~?」
リビングに居たテールと仲間たちが振り向き テールが話しながら言う
「でもって 3回目の時なんてもう!…お!ユウヤ!帰って来たか!待ってたぜ!お帰りー!」
ユウヤが苦笑して思う
(待ってたのは 俺じゃなくて…)
ユウヤが袋を見せて言う
「テールが待ってたのはコレだろう?」
テールが言う
「おお!来た!来た!ほら皆ー!ユウヤが買って来てくれたぜ!俺の”2人でイク花道”1回目の 祝いのバーガーだ!」
ヤウが言う
「お!たまにはバーガーも良いな!」
キウが言う
「誰かさんの祝いは兎も角 バーガーは頂いとく!」
ラシェが言う
「そう言うこった!俺も いただくぜっ!」
皆がバーガーを受け取る ユキが言う
「そんな事のお祝いなんて 最初からしてあげる気はないけど どうせ人数分買わされて来たんでしょうから 食べてあげるわよ」
ユウヤが苦笑して言う
「う、うん… そうだな?」
ユウヤが思う
(祝いの内容は兎も角 こうやって皆で一緒に 何か食べるって言うのは 俺も楽しいと思う)
ユウヤが袋から最後のバーガーを取り出してから 気付いてリックを見て言う
「あ、リック… 確か リックはもう”食べない”って聞いたから… けど、もし 一緒に祝うって言うなら コレ」
ユウヤが自分の分を渡そうとする リックが言う
「ああ、俺は 2人で行こうが 何人で行こうが 祝いはコイツでしてやる… だから そいつは てめぇが食え ユウヤ 遠慮はいらねぇ てめぇの 奢りだ」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(えっ!?もしかして バーガーは全部俺の奢りか!?)
テールが言う
「お?そうなのか?ありがとな!ユウヤ!俺の祝いに バーガー買って来てくれるなんてさ!ユウヤは ホント良い奴だな!」
ユウヤが思う
(う…っ 確かに 俺も少し急いであげようとか思って …それに 最初は軽いものを食べた方が良いって言われていたから バーガー屋の向かいにあった店の お粥を掻き込んで来たから ここでバーガー食って丁度良いかとも思ってたんだけど…)
リックがワインを注がせながら言う
「気にするな テール ユウヤは見物料として 払ってくれたんだとよ?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(そ…っ それも 確かに… 偶然とは言え2回も 見物してしまった… 常識的に考えたって 覗きをされてたと思ったら嫌だろうから… そう考えれば これで お相子か…?)
ユウヤが苦笑して言う
「う、うん… その… 偶然とは言え 見ちゃったから …そのお詫びって事で 奢りで良いよ?」
テールが言う
「お詫びなんて言うなよ ユウヤ!見たかったら いつでも来て良いからな!?遠慮はいらねーぜ!あははははっ!」
ユウヤが思う
(いや 遠慮するよ… って言うか そもそも見たいなんて思わないし…)
テールが言う
「それじゃー!俺の”2人でイク花道”1回目を祝って バーガーとワインでかんぱーい!」
仲間たちが言う
「へいへい 乾杯乾杯!」 「おめっとさーん」
テールがバーガーにかぶり付いて言う
「うんうん… うっめ~っ!」
ユウヤが苦笑してから バーガーを口にする リックがワインを飲み干す テールが言う
「リックもさ!?やっぱ うっめぇ~って思いながら 噛み付いてんの?バックから!」
ユウヤが噴き出しそうになって慌てて飲み込み胸を叩く テールがリックにワインを注いでから バーガーにかぶり付く リックが言う
「そうだなぁ?噛み付く時には 女を見て 旨そうだとは思うが 吸ってる間は うめぇもなにもねぇよ…」
テールが言う
「え?なんだ?そうなの?」
ユウヤが2人の会話に視線を向ける リックが言う
「だから さっさと終らせて 代わりに満足感ってもんを 味わいてぇとは思うが… …けど そうだな?お前と一緒の時は別だぜ テール」
テールがバーガーを咀嚼しながら言う
「え?何で?」
テールの口端にケチャップが付いている リックがそのケチャップを舐め上げて言う
「俺と同じ女を味わう お前の快楽も伝わってくるみてぇでよ?その間は俺も 同じ気分を味わえるからなぁ?」
テールが呆気に取られていると リックがテールの持って居るバーガーを一口食べる テールがリックを見る リックが不満そうに咀嚼して飲み込んでから言う
「俺自身じゃ もう 味わえねぇモンだ…」
リックがワインを呷る ユウヤが呆気に取られている テールが微笑して言う
「ならさ!?これからは もっと色んな事を 一緒にやろうぜ?手始めに 今度はやっぱ… 4Pとかもさ!?」
ユウヤが飲んでいた飲み物を吹きそうになる テールが続けて言う
「でもって そん時の祝いも もちろん バーガーで!ダブルビックバーガーなら バンズが3つあるし 丁度良いだろ!?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(うっ… またそんな リアルな祝いを…っ)
テールがリックへワインを注ぐ リックがワイングラスを回しながら苦笑して言う
「ハッ!そうだなぁ?まぁ悪かねぇが… もう少し早ければ ユウヤも俺の 一応獲物として それこそ4Pも味わえたが ユウヤは俺の獲物じゃなくなっちまったから テールがどうしてもって言うなら また ”一応獲物”ぐらいの奴を決めるか…?」
ユウヤが気付いて思う
(そうか… そう言う事か?ヴァンパイアは味わえなくなってしまった快楽を 自分の獲物のそれから感じ取る… だから ヴィンの獲物になった俺が リックと一緒に快楽を味わう事は 獲物を譲ったヴィンへの裏切りになるって… リックが言っていたのは そう言う事なのかもしれない)
ユウヤがバーガーを食べようとしてふと気付き 部屋の出入り口へ視線を向ける リックが言う
「…ヴィンなら寝てるぜ?」
ユウヤがハッとしてから苦笑して言う
「あ… そうだよな?うん…」
ユウヤが思う
(それなら 俺も ヴィンと一緒に…)
ユウヤが一瞬 ヴィンと3Pをして居る姿を想像してから 顔を左右に振って打ち消して思う
(い、いや けど やっぱり…っ)
ユウヤの視線の先 リックとテールが和やかにしている ユウヤが苦笑して思う
(俺とヴィンは まだ テールとリックほど 親しくはなっていないもんな?そして… それは 俺のせいだったりもするけど こうやって 少しずつでも ヴァンパイアの事が分かってくれば いつかは 俺も…)
ユウヤが苦笑してからバーガーを食べる
翌朝 キッチン
ユキが言う
「ちょっと!見てよコレ!」
ユキがテーブルに新聞を広げる 朝食を食べていた皆が覗き込む ユウヤが驚いて言う
「なっ!?『ヤルス街の悲劇は ゲートキーパーズのヴァンパイアの仕業だ!』だって!?」
ラシェが言う
「まぁ 確かに あのヤルス街の護送車に居た警察連中を倒したのは ゲートキーパーズのヴァンパイア2人だけどな?」
キウが笑って言う
「ユキも一緒だったんじゃなかったのか~?」
ユキが言う
「私は 倒したなんて言うんじゃなくて ただ叫んだだけだけど…」
ヤウが言う
「俺も聞きたかったよな~?予定通り ”テール 私よー 助けてー!”って叫んだのか?」
テールが衝撃を受けて言う
「なっ!?そんな予定だったのか!?」
ユキが言う
「そんな事 私が叫ぶ筈がないでしょ?」
ユウヤが苦笑して思う
(そうだよな… 本当は ユキがそう叫んで テールからの応答で位置を特定するって 予定だったけど…)
ユキが言う
「ただ普通に呼んで 返事をさせただけよ」
ユウヤが言う
「普通に…」
ラシェが爆笑している ヤウとキウが疑問して言う
「普通って?」 「さぁ…?」
ユキが言う
「そんな事より こっちよ!ここ!」
皆がユキの示す記事の写真を見る ユウヤが驚いて言う
「この人たちは!」
写真には 惨殺された女たちの姿が映っている ユキが言う
「ヴァンパイアは ヤルス街の城に幽閉されていた女たちの血を吸い尽くして ラムールラムール男爵を殺害して 城にあったお金を持ち去ったってっ しかも それが全てゲートキーパーズの人間とヴァンパイアの仕業だ って書いてあるのよ!」
皆が驚いて ユウヤが言う
「そんなっ!?一体 どうしてそんな事に!?」
ユウヤが記事へ読み入る
ユウヤの部屋
ヴィンが言う
「ああ… それは恐らく 警察から我々ゲートキーパーズへの 脅しと言った所だろう」
ユウヤが言う
「脅し…?それでは?」
ヴィンが言う
「この様な事を公表すれば 今までゲートキーパーズへ向けられていた 人々の目は一変する… その結果として…」
ユウヤが言う
「警察の力で ゲートキーパーズには敵わないと分かったから 今度は他の力を… 民衆の力を使おうとしているんですね?」
ユウヤが思う
(確かに それをされれば 俺たちの不利益は大きい… 活動は狭められるし 物品の購入も難しくなって… それを得ようとすれば 額を上げられる可能性だってある)
ヴィンが言う
「しかし この写真に関しては…」
ヴィンが新聞の写真に集中する ユウヤが気付いて言う
「あ… その写真…」
ユウヤが思う
(あの城に居た 拷問を受けた女性たち…)
ユウヤが言う
「酷いですよね?俺たちは助けようとしたのに それを… それを 寄りに寄って 警察がだなんてっ!」
ユウヤが表情を怒らせて思う
(ゲートキーパーズへ罪を着せる為に 彼女たちを見殺しにしたのかっ!?彼女たちはリマの母さんよりは軽症だった… 治療さえ受けさせればっ)
ユウヤが言う
「きっと ちゃんとした治療を受けさせれば 命を落とさなかったでしょうに… こんな記事の写真を撮る為に 彼女たちは警察たちの手によって…っ」
ヴィンが言う
「いや、この写真を見る限り どうやら そうではないらしい」
ユウヤが言う
「え?」
ヴィンが言う
「彼女たちのこの様子… コレは恐らく 本当にヴァンパイアに襲われたものだ」
ユウヤが驚いて言う
「ヴァンパイアに!?では…っ 警察が作り上げたものではないとっ!?」
ヴィンが新聞を見て言う
「この記事内容に関しては 警察の偽造で間違いはない ただ、この事件その物には 我々が関わっていた事は今更だが その他にも… 恐らく我々が去ったその後に それが起き 警察はその事実を隠した上で 我々への脅迫へ用いたものと 推測される」
ユウヤが呆気に取られて言う
「我々が去った後に 何かが起きて それで… ゲートキーパーズに?」
ヴィンが言う
「ああ、だからこそ この記事の何処にも 警察が ゲートキーパーズやそこに居るとされているヴァンパイアを ”捕らえようとしている” と言う文脈はない ただ、事件にヴァンパイアが関わっていて 尚且つ ゲートキーパーズにヴァンパイアが居る事実を確認したと… だが コレを読んだ民衆は ゲートキーパーズのヴァンパイアが事件を起し 警察がゲートキーパーズの逮捕に動いていると思う 従って どの道 我々の自由は奪われる」
ユウヤが言う
「つまり… 警察から ゲートキーパーズへの逮捕状が出されていないまま ゲートキーパーズは身動きが取られなくなり… それで 警察は俺たちへ…?まさか?その もうひとつの事件を解決させようと?」
ヴィンが言う
「その可能性が示唆される そして もしそうであれば 近い内に警察は我々へ そちらの打診をして来る筈… その報酬として 警察からは ゲートキーパーズの存在を黙認すると… 警察の裏組織として…」
ユウヤが表情を強めて言う
「それで 残りの2つの貴族の城を攻め落とさせた後に ゲートキーパーズを潰すつもりですね?」
ヴィンが言う
「エクセレント 流石は 私のユウヤだ リックの獲物では とてもそこまでの理解は及ばないだろう …そんな ユウヤを獲物に持てて 私は光栄に思うよ ユウヤ…」
ユウヤがハッとしてヴィンの手を見る ヴィンが微笑する ユウヤが苦笑して言う
「では… 俺たちは…?」
ヴィンが新聞を折畳んで言う
「大丈夫だユウヤ 私はもちろん リックもそれらを見越して 既に 身構えて居る」
ユウヤが驚いて言う
「え?そうなんですか?既に…?」
ユウヤが思う
(そうか… 俺たちは 今日になって この記事を読んで慌てたけど ヴィンやリックは もっと以前から…?)
ヴィンが言う
「ああ これらの事は 754年も以前から 変わりのない流れであるのだから…」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「そんな前からっ!?」
通路
ユウヤが新聞を片手に思う
(この記事の事は気になるけど… 今はやっぱり 警察には近付かない方が良いかもしれない 例え 故郷の… メルス街の警察でも)
リビングから テールの慌てた声が聞こえる
「なぁあんだってぇええーっ!?」
ユウヤが一瞬驚いた後 急いでリビングへ向かう
リビング
ユウヤが駆け込んで来て言う
「どうかしたのか!?テール!?」
テールが頭を抱えて言う
「何てこったぁ~…っ!」
ユウヤが 周囲を見て仲間たちへ言う
「一体 何がっ!?」
ヤウとキウが言う
「いやぁ~… うっかりよぉ…」 「悪い テール…」
ラシェがユウヤへ向いて言う
「実は この町の酒場から 酒が仕入れられなくなっちまってな?それで仕方ねぇから ヤウたちの顔が知られていない 遠方の酒場まで行って 仕入れて来たんだが…」
ヤウが苦笑して言う
「とりあえず 3樽くらいありゃぁ 十分だと思ってさ?」
ユウヤが言う
「あ、うん それくらいあれば…?」
キウが言う
「ああ、俺たちのエールは十分だけど その… リックやヴィンが飲む ワインの事を すっかり忘れちまってて…」
ユウヤが気付いて言う
「あ、そっか…?」
ユウヤが思う
(そう言えば 改めて 聞いた事はないけど ヴィンも いつも当然の様に リックと同じワインを…)
テールが言う
「よし!それじゃ!ゲートキーパーズのリーダーの俺が もう一度行って買って来るぜ!リックの酒が無いなんて ジョッキの無いエール位 許されないからな!?」
ユウヤが疑問して言う
「俺は… 別に コップで飲んでも良いけど?」
テールが言う
「駄目だ 駄目だっ!そんなのは邪道だ!分かんねぇって言うなら… そうだ!借りる気満々で行ったら アダルトジャンルのDVDが全部貸し出し中で 中身の抜かれた 空のタイトルだけ見て イケって言われるのと同じだ!」
ヤウが言う
「そいつは厳しいな」
キウが言う
「ショックもデカイな?」
ユウヤが思う
(他の店で借りろよ…)
ユキが咳払いをして言う
「うんっ …それで?どうするつもり?これから その店まで もう一度行くんじゃ リックは起きて来ちゃうわよ?」
テールが言う
「ああ、そうだな?気を取り直して翌日行ったら まだ1本も戻って来て無かったって位ぇ リックはショックを受けるだろうな?でもって もしかしたら そのショックで自棄になって 店の姉ちゃんに 代わりに一発やらせてくれって 言っちまうかもしれねぇ」
ヤウが言う
「そいつは厳しいな?」
キウが言う
「きっと即ビンタだな?」
ユウヤが思う
(だから 他の店で借りろよ…)
テールが言う
「あぁ… あの時のビンタは効いたぜ… 折角 話が出来る位 仲良くなってたのにさ?今じゃもう いつも話し掛けてくれてた 『ご利用泊数は何泊しますか?』とも 言ってくれなくなっちゃったよ… それでもさ?貸し出してくれるんだからさ?きっとまだ脈はあるよな?」
ユウヤが思う
(いや 無いだろ?)
ヤウが言う
「無言か…」
キウが言う
「嫌がるでもなく 誤魔化すでも無く …そいつが一番キツイよな?」
ユウヤが苦笑して言う
「嫌われるのは当然だよ テール…」
テールが衝撃を受けて言う
「えっ!?嫌われるっ!?俺 嫌われてるのっ!?」
ユウヤが溜息を吐いて思う
(本当に 気付いてなかったのか…)
ユキが言う
「…で ワインはどうする訳?」
ユウヤが気付いて思う
(あ、そうだった 思わず忘れて…)
テールが言う
「そうだ!そいつは今 何よりも大切だ!レンタル屋の姉ちゃんの事は忘れても そいつだけは 何があっても忘れちゃいけねぇ!」
ユウヤが思う
(むしろ そいつだけを 忘れていただろ?)
ラシェが言う
「ワインなら… 確か 隣町にワインの専門の店が1件無かったか?このアジトから まっすぐ隣町へ続いている道の途中に…」
ヤウが言う
「ああ あの店か 確かに近いけど 駄目だな あの店には 以前 俺とキウとテールで行って やっぱり その時もリックのワインを買いにいったんだが テールがゲートキーパーズのリーダーだって 言っちゃったからさ?」
ラシェが言う
「あぁ そう言えば そうだったな?他の日に 俺とテールで リックのワインを買いに行った時も あのおっさん テールの事を覚えてて… それじゃ 駄目か?ここからだと 一番近いと思ったんだが…」
ユキが言う
「あぁ… そう言えば私もテールと一緒に行ったわね?やっぱりその時も リックのワインが無いって…」
ユウヤが思う
(リックのワインは 何があっても忘れちゃいけないんじゃ なかったのか?結局 全員 テールと一緒に その忘れられた リックのワインを買いに行ってるじゃない か…?)
ユウヤがハッとして言う
「あ… それなら?」
テールが言う
「ユウヤ!」
ユウヤが苦笑して言う
「ああ、それじゃ 俺が…」
ユウヤが思う
(しょうがない 面倒ではあるけど この中で 唯一 その店の店主に顔を知られていないのは 俺だけだから…)
テールが言う
「おう!一緒に行こうぜ!ユウヤ!イク時は 一緒だ!」
ユウヤが言う
「いや!だから テールは行っちゃ 駄目だろう!?」
隣町
ユウヤが地図を見てから顔を上げて言う
「ここ… だよな?」
ユウヤの前に古びた酒屋がある ユウヤが地図をしまいながら思う
(”リックみたいに湿気った酒屋”… きっとここだろう?少し古臭くて エールというより 如何にも ワインが置いてありそうだ)
ユウヤが店のドアを開ける
酒屋
ユウヤが周囲を見渡しながら店に入り思う
(わぁ… 本当に ワインばかりだ… 確かワインって 古いほど良いとか…?いや?何年の葡萄が良かったとか…?)
ユウヤが立ち止まり周囲を見渡しながら言う
「…どれを買って行ったら 良いかな?」
ユウヤが考えて思う
(確か リックが以前飲んでいたのは ”処女の血”って名前のワインだって言ってたよな…?それなら 同じのを買って行くか?)
ユウヤが周囲を見渡して言う
「え~と?…ヴァージナル…」
ユウヤが表情を困らせて思う
(”ヴァージナルブラッド”…無いな?どうしよう?)
ユウヤが店内を見渡し店主を見つけて思う
(仕方が無い 聞いてみるか?)
ユウヤが店主へ言う
「あの… すみません ワインの事に付いて 少しお伺いしたいのですが」
店主が振り向いて言う
「ああ 言葉のなっている若者だな?よもや お爺様かお父様への贈り物を お探しか?」
ユウヤが言う
「あ、はい…」
ユウヤが思う
(お爺様でもお父様でもないけど リックとヴィンの… あ、そっか?ヴィンの分も買って行かないと)
ユウヤがホッとして思う
(危ない危ない… ここで ヴィンの分を買い忘れたりなんてしたら 流石に ヴィンに自分の獲物として失格だって言われるかもな?…まぁ 獲物として合格だって言われるのも どうかと思うけど… …いや、今はそれより)
ユウヤが言う
「えっと… すみません 俺は ワインの事に付いてはさっぱり分かっていないのですが… 確か… 祖父… には 昔 冗談で ”これは 処女の血だぞ~”なんて言われたんですが 本当に ”ヴァージナルブラッド”なんて 名前のワインがあるんですか?」
ユウヤが思う
(物も言葉も使いよう… 嘘を吐くのは気が引けるけど これ位なら別に大した嘘じゃないよな?そもそもリックは 俺の祖父を越える位の歳なんだし?)
店主が軽く笑って言う
「ああ、それは ロンドモールと言うワインの別称だ そのワインを愛飲したのが ヴァンパイアだったと言う 曰くが理由でね?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(うっ… 何て 直球な…っ いや!落ち着け… ここで動揺を見せたら 俺が ヴァンパイアと行動を共にして居る ゲートキーパーズのメンバーだと勘ぐられるかもしれない だから…っ)
ユウヤが苦笑して言う
「な、なんだ… …そうですよね?いくらなんでも そんな名前のワインなんて…」
店主が軽く笑って言う
「あっはっは… いや、大した事は無い ワインには 良くある話だ 豚料理に良く会うから ピック・ブラッドと呼ばれたエルドモールや 牛料理に合うから ブル・ブラッドと呼ばれたワインもある …更には 別称ではなく 元から ”聖職者の血”と名付けられた ミニスター・ブラッドなんてワインも実在する」
ユウヤが言う
「なるほど…」
ユウヤが思う
(なんだ そんなに沢山有るなら …けど 流石に ヴァンパイアが愛飲したワインを 1ダースも買って行けば怪しいを通り越して この場で俺がゲートキーパーズだとバレるかもしれないし… 下手をすれば 俺がヴァンパイアだとでも 思われかねない だから…)
ユウヤが言う
「で、では… ロンドモールで俺を脅かした 祖父を脅かし返す為にも 同じそのワインと… 後 何が良いですかね?俺は ワインは飲んだ事が無いので 分からないのですが もし 出来たら その辺りで何かそろえて貰えませんか?1ダース分位」
ユウヤが思う
(とりあえず それで良いよな?何を買って来いとも言われなかったんだし… これが今の俺に出来る 最善の方法だと)
店主が言う
「ああ、構わないが?ロンドモールと それと同等のワインと言う事で 揃えて宜しいのかな?1ダース分ともなると 大分 値が張るが?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(うっ… 大分値が張るって?確か ワインって… 高い物は 凄く高いよな…?エールなんかとは比べられないくらい… なら?)
ユウヤが言う
「ち、ちなみに 1本で いくら位…?」
店主が言う
「ああ 1本で 15000程だが?」
店主がワインボトルを1本持つ ユウヤが驚いて言う
「1本で 1万5千!?」
ユウヤが表情を引きつらせて思う
(た、高い…っ)
店主がワインの銘柄を見せる 銘柄には ロンドモールと書かれている
ユウヤがワインの入った1ダースのビールケースを抱えて店の前を去る 店主が言う
「車まで送ろうか?」
ユウヤが言う
「いえっ すぐそこなんでっ 大丈夫です!」
ユウヤが歯を食いしばり必死に運びつつ思う
(ゲートキーパーズのあのトラックは 以前のうちに見られてるって言ってたから 念の為に 少し離れた場所に駐車して置いた 離れたって言ってもそれ程の距離じゃないけど…)
ユウヤが言う
「ク…ッ 重い…っ」
ユウヤが思う
(以前 エールを運んだ時は1ダースくらいは大丈夫だった だけど 今回は高級なワインの持ち運びを考えて ワインボトル同士を安定させる為にって おまけに買ったワインがまた 重たくて…っ これは 意外とキツイな …少し休むか?)
ユウヤが顔を上げ トラックを確認してから思う
(いや、けど もう少しだっ だったらこのまま…っ)
ユウヤが力を入れて思う
「後少しっ!」
ユウヤが肘を曲げケースを持ち上げると その肘が通行人の女性に当たり 通行人が言う
「あっ」
ユウヤがハッとして言う
「えっ!?あっ!すみませんっ!…あぁっ!?」
ユウヤが思わず通行人へ振り返った反動でバランスを崩し ケースを落としそうになる ユウヤが目を見開いて思う
(21万分のワインがっ!!)
ユウヤが慌ててケースを支えようとすると 通行人が言う
「危ないっ!」
ユウヤが思わず強く目を瞑る 一瞬の後 ユウヤが疑問して目を開くと 通行人が微笑して言う
「大丈夫?」
ユウヤがハッとする 通行人がユウヤと共にケースを支えている ユウヤが慌てて言う
「あっ!すみませんっ!有難う御座います!」
ユウヤと通行人が静かにケースを地面へ置く 通行人がケースを上から見て言う
「あら?ビールケースにワインが沢山?」
ユウヤが言う
「あ、は、はいっ えっと… そ、祖父にプレゼントしようと思って!?」
ユウヤが思う
(しょ、しょうがないよな!?今時 ワインを飲むのは 貴族か年配の方か …ヴァンパイア位なんだからっ!)
通行人が微笑して言う
「そうなの?優しいお孫さんなのね?お爺様 きっと 喜ぶわ?」
ユウヤが苦笑して言う
「そ、そうですかね?喜んでもらえると良いんですが… はは…っ」
通行人が言う
「てっきり ビールを運んでるのかと思って… でも そうよね?こんなに沢山のワインじゃ 必死に守ろうとするのも分かるわ コレだけ買ったら 高かったでしょう?」
通行人がワインを確認する ユウヤが言う
「は、はい そうなんです それで 思わず必死に… あっ そう言えば お怪我は無かったですか?ぶつかってしまって… それに こんなに重いものを 支えてもらって」
通行人が一瞬呆気に取られた後微笑して言う
「私は大丈夫 …優しいのね?ぶつかった事を 怒るんじゃ無くて 心配してくれるだなんて…」
ユウヤが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「いや、だって?俺が腕をぶつけてしまったんだし… 俺は男で 貴方は女性だし」
通行人が微笑して言う
「ありがとう でも 私、女ではあるけど 結構 力はあるのよ?」
ユウヤが一瞬呆気に取られて言う
「え…?」
通行人が言う
「だから お手伝いするわ?何処まで運ぶのかしら?」
ユウヤが言う
「あ、ああっ 有難う御座います でも、もうすぐそこで… そこのトラックなんで」
通行人がトラックを確認してから微笑して言う
「それじゃ トラックまで 一緒に運びましょう?ね?」
ユウヤが呆気に取られた後苦笑して言う
「は、はい それじゃ… お願いします」
アジト
テールがエールを飲み干して言う
「ぷっは~っ!なんだよユウヤ!?それで そのまま 運ばせるだけで お別れしちゃったのかよぉ!?」
ユウヤが言う
「う、うん そうだけど?」
テールが言う
「なにやってるんだよ!ユウヤ!?折角の出会いを!お前はそれでも 男か!?」
ユウヤが言う
「けど 俺は出来るだけ 人には会わない方が良いと思って… あのトラックだって 横から見られたら誰かに気付かれるかもしれないから わざと 両脇に車がある場所へ正面から入れて 駐車しておいたんだ」
ユウヤがエールを口にしながら思う
(だから 彼女に一緒に運んでもらった時も 見られたのはトラックの後方だけ… だったら きっと 大丈夫だよな?大体 それほど あの車がゲートキーパーズの移動トラックだって事が 世に知られて居ると言う事も無いだろうし…)
テールが言う
「両脇に車がある場所へ正面から突っ込んでおいたなら そのトラックの中で その子にも 正面から突っ込んでやれば 良かったのにさぁ?」
ユウヤが慌てて言う
「そんなんだから テールは何時まで経っても 0人なんだろっ!?」
テールが衝撃を受けて言う
「なっ!?そ、そうなのかっ!?だから駄目なの!?リック どう思うっ!?やっぱ 正面から突っ込むのは駄目なのかっ!?リックみたいに バックからが良いとか!?」
リックがワインを飲みつつ言う
「最初は正面からで良いだろ?お前はまだまだ 正面からで十分だ テール」
テールが言う
「そうだよなー?やっぱ 正面からの方が ヒーヒー言う女の姿が見えて 気分も盛り上がるしさー?」
リックが言う
「俺は そんな女を見て ヒーヒー言ってる お前を見ながら 吸うのが気持ち良いぜ?まぁ 余りそっちへ気を向けてると 思わず 吸い尽くしちまいそうになるけどよ?」
ユウヤが衝撃を受ける テールが言う
「じゃぁ リックはいつも 寸止めって感じなの?」
リックが言う
「まぁ そんな感じだ」
テールが言う
「そっかぁ~」
ユウヤがホッとする リックが言う
「それはそうと このワインのセレクトは?」
ユウヤが気付いて言う
「あ、うん… 何を買って来いとも言われなかったし 俺も分からなかったから とりあえず ヴァージナル… いや、ロンドモールと それに近い奴でって事で 店のマスターに揃えてもらったんだけど… 良くなかったか?」
リックが言う
「いや、悪くねぇな?懐かしい銘柄が揃ってるぜ お前が選んだにしては 随分と趣味が良いと思ってよ?」
ユウヤが思う
(つまり 俺が選んだら無理だっただろうって事だよな?…まぁ 無理だっただろうけど)
リックがワインの銘柄を確認して微笑する テールが言う
「そうだろー?ユウヤなら ちゃんと選んで来てくれると思ってさー?やっぱ ユウヤを向かわせた リーダーの俺の感に 間違いはなかったね!」
ユウヤが苦笑して思う
(俺しか店主に顔が割れていない奴が 居なかったって事だったんじゃ…)
リックが言う
「ああ、流石 俺のテールだ 俺のワインを選ぶのに 最適な奴を向かわせてくれたぜ」
リックがテールの頭を撫で回しながらワインを飲む テールが嬉しそうに言う
「えへへ~ そうだろ~?リック~?」
ユウヤが苦笑してからエールを飲もうとしてふと気付いて言う
「あ、その… 確かに リックのワインを買って来てくれって 頼まれて行って来たけど そのワインは ヴィンのワインでもあるから」
テールが新しいワインの栓を抜きながらユウヤを見る ユウヤが苦笑して言う
「まぁ それだけあれば 飲み切っちゃう事は無いと思うけどさ?ヴィンの分も 置いといてくれよな?テール?」
テールが呆気に取られた後言う
「え?そうなのか?ヴィンの分も…?う~ん 足りるかなぁ?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「えっ!?」
ユウヤが思う
(た、足りないのか…?だって 見張りは12時間交代だろ?12…って)
ユウヤが時計を見上げる テールがリックへワインを注ぎながら言う
「リックはいつも 大体1時間に 1本くらい 開けちゃうよな?」
ユウヤが思う
(1時間に1本っ 1時間に15000っ!?リックの見張りの時給は15000って事か…)
リックがワインを注がれながら言う
「さっきのは30分で終っちまったな?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「えぇえっ!?そ、それじゃ!?」
ユウヤがワインの入ったビールケースを見る リックが言う
「心配するな ユウヤ とりあえず これだけあれば 俺の分は何とか足りるからよ?」
ユウヤが言う
「それって つまり…」
ユウヤが思う
(ヴィンの分が無いじゃないかっ!?)
ユウヤが言う
「え~と… リック?ヴィンがどの位飲むかは 知らないけど …せめて 1本くらい残しておけないか?」
リックがワインたちを確認しながら言う
「あぁ…?1本残せだぁ?…ああ 良いぜ なら 1本…」
ユウヤがホッとして思う
(良かった それなら とりあえず それを渡して 足りないと言われたら 買いに行けば良いよな?いくら近いと言っても 流石に隣町まで 1日2回はキツイ… 特に 店からワインを運ぶ トラックまでの距離が…)
リックがワインを一本取り出して言う
「丁度1本だけ 気に入らねぇのがあったからよ けど アイツには お似合いだぜ?」
ユウヤが苦笑して思う
(自分が気に入らない物を… けど)
ユウヤが言う
「ヴィンとの付き合いの長い リックが言うなら… それはつまり ヴィンの好みのワインって事か?」
リックがテーブルへワインボトルを置いて言う
「今の アイツとてめぇの様子みてぇでな?こいつは傑作だからよ?っはははははー!」
ユウヤがワインの銘柄を見て衝撃を受ける
ユウヤが言う
「…と言う事で 残ったのは このワインだけになっちゃったんだけど …気に入らなかったら 俺 今すぐ もう一度行って買って来るので」
ヴィンが微笑して言う
「フフフ… 有難う ユウヤ しかし、大丈夫だ ワインの銘柄など 元々大した意味などは無い だからこそ 別称などが付けられる このミニスター・ブラッドも然り 元は”聖職者の血”と名付けられながらも その別称は”デビルズ・コンタクト”」
ヴィンがワインを開け グラスへ注いで飲む ユウヤが言う
「デビルズ・コンタクト… ”聖職者の血”で”悪魔と契約”だなんて 凄い別称ですね?」
ヴィンが苦笑して言う
「これを飲んでいた 聖職者たちの姿が 当時はワインを買う金の無い庶民たちからは その様に見えたと言うのが由来だが ユウヤにはどの様に見えるだろうか?」
ユウヤがヴィンのワインを飲む姿を見て言う
「なるほど… そうですね なら…」
ユウヤが思う
(”パージナル・ブラッド” …とかか?聖職者の血を飲んで ヴァンパイアの身体を清める… いや、でも)
ユウヤが苦笑して言う
「”ジェントル・ブラッド”…かな?だって 他のワインがあれば ヴィンもそちらを飲むのに… 俺が残して置けたのが そのワインだからって 不満も見せずに 飲んでくれるんですから」
ヴィンが軽く笑って言う
「フフフ… そうか その私からすれば わざわざ ヴァンパイアの為に ワインを用意してくれると言う ユウヤの方がジェントルの名に相応しいと思うが?」
ユウヤが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「本当は ちゃんとヴィンの分も用意したつもりだったんだけど… まさか リックが13本も飲んじゃうと思わなかったので すみません 今度はちゃんと 足りるように買っておくんで …あ、そうだ ヴィンの好みのワインは何て名前ですか?今度はそれを買って来ます」
ヴィンがユウヤを見てから微笑して言う
「それは光栄だな ユウヤが 私の好みを聞いてくれるとは」
ユウヤがハッとして言う
「あ、いや その… 俺も多少なりともワインの事が分かれば 選ぶ事も出来ると思うんですけど 何しろ 飲んだ事も無いから …で?何て名前の?やっぱり ロンドモール?あ、それとも いくら位のって聞いた方が良いかな?余り一杯あると覚えられないし…」
ユウヤが思う
(そうだよな?買う時はやっぱりまた いくら位のを とか どんな感じのとか… あまり銘柄をハッキリ言うと その好みで 飲むのがヴァンパイアだって事が バレるかもしれない)
ヴィンが苦笑して言う
「そうだな ロンドモール程のモノであれば 十分だが… それより ユウヤ?一つ確認をしたいのだが その13本のワインの代金は どうしたのかな?」
ユウヤが言う
「え?あ… えっと… とりあえず 立て替えておきましたが?」
ユウヤが思う
(ちゃんと買えるかどうかも分からなかったから とりあえずそれで良いと思っていたけど?)
ヴィンが苦笑して言う
「あぁ… やはりそんな事か 話を聞いていて もしやとは思ったのだが」
ユウヤが言う
「それが 何か?」
ヴィンが言う
「それなら ユウヤ 元祖ゲートキーパーズのメンバーである 私から 1つユウヤへ教えて置こう」
ユウヤが言う
「え?あ… はい?俺より大先輩のヴィンから 是非」
ヴィンが言う
「うむ では ユウヤ そもそも ゲートキーパーズのメンバーは 今も昔も 皆が仲間であり家族であると言う その概念を持って結成をされたものだ」
ユウヤが微笑し頷いて言う
「はい それは テールから最初の頃に聞いて… 俺も それは 良い事だと思ってます」
ヴィンが言う
「そうか それならば 結構なのだが 重要なのは 今世代 再結成されたゲートキーパーズの我々は やはり 仲間であると共に 家族であるという事だ」
ユウヤが頷いて言う
「はい そうですね?それが何か…?」
ヴィンが言う
「ああ 従って… その家族の間において ”支払い代金を立て替える” という言葉は 成り立たない」
ユウヤが間を置いて言う
「は… え?」
ヴィンが苦笑して言う
「もちろん、前もって 代金を預かると言う事も無い 我々は皆 共有財産の下活動をして居る 過去も現在も今後も然り …と言う事で ユウヤ?」
ユウヤが青ざめて言う
「え…?え…?えーっ!?」
ヴィンが言う
「私が何を言わんとしているかは 賢い私のユウヤなら 分かっただろう?」
ユウヤが思う
(つまりっ!21万もするワインの代金は 今回も今後も 俺の奢りかっ!?)
ユウヤが表情を困らせて言う
「そ、そんな…」
ユウヤが思う
(いやっ!いくらなんでも それは無理だっ!…確かに 今までの依頼で受け取った報酬は有るけど それだって 1日21万も使っていたらすぐに!…増して これからはヴィンの分も買うとなれば その額は倍になるかもしれないっ!?それを 全部俺が1人でっ!?)
ヴィンが押さえて軽く笑う
「クッフフフフ…」
ユウヤが慌てて言う
「ヴィ、ヴィンっ!?笑い事ではないですよっ!?大体それじゃ!ゲートキーパーズの皆の財産を使ったってっ!」
ユウヤが思う
(そうだっ 俺だけじゃない 皆の財産を使ったって…っ そもそも ゲートキーパーズの活動には ワインと同等かそれ以上の物資だって必要な筈で!)
ヴィンがワインを注ぎながら言う
「ああ、従って この様な高価なワインを毎日仕入れていては とても 活動が出来なくなってしまう …そもそも 我々ヴァンパイアに 味などと言うものは もはや 感じられないのだから」
ユウヤが呆気に取られてヴィンを見る ヴィンがワイングラスを回して言う
「ただ そのモノの銘柄や別称… そして 色や香りを見て どの様な味であったかを思い出す… 我々にとってのワインとは その様な物なのだよ」
ヴィンが香りを嗅いでからワインを飲む ユウヤが気付いて思う
(そうか… そう言えば リックが言っていた もう味わえないとかって… それと同じって事なのか?…彼らが最後まで口に出来る ワインでさえも…)
ヴィンが微笑して言う
「だから ユウヤ?これからは これほど高額のワインなどは 仕入れなくて良い 我々は唯 懐かしいワインの香りがして 赤く見える液体があれば それで良いのだから」
ヴィンがワインを飲む ユウヤが僅かに表情を落とし その様子を眺めている
翌日
ユウヤが思う
(…とは言われても)
ユウヤが顔を上げる 視線の先には酒屋が見える ユウヤが入り口を開けながら思う
(ヴィンにはそう教えてもらえて …だから安いワインで良いんだって事は 分かったけど)
店主がユウヤを見て微笑して言う
「おや、いらっしゃい」
ユウヤが店主を見て 微笑して言う
「昨日は どうも」
店主が言う
「いや、こちらこそ …お爺様には 喜んで頂けたかな?」
ユウヤが言う
「あ、はい お陰さまで」
店主が言う
「それは良かった …それで 今日は?」
ユウヤが言う
「はい それで… また 買いに来たんですが 今度は昨日ほど高価な物では無くとも良いと… 俺でも無理なく買える位の一般的なワインで良いと言ってもらえたのですが それがまた… 俺には分からなくて…」
店主が軽く笑う ユウヤが苦笑してから 思い出して言う
「ああ、それからっ 今度は祖父の友人も招待するとかで…?そんな訳で 値段は兎も角 数は倍くらい欲しいと…」
店主が言う
「そうか それでは それなりの値段でなければ 大変だな?」
ユウヤが苦笑して言う
「は、はい そんな感じで…」
店の外
ユウヤが台車にケースを2つ積んで言う
「よし これで…」
ユウヤが思う
(今回は 量が倍になるって分かってたし 台車を用意して来たから 移動も心配は無い)
店主が微笑して言う
「また何時でも 相談に来てくれ」
ユウヤが微笑して言う
「はい 有難う御座います では…」
ユウヤが台車を押して去る
ユウヤが台車を押しながら思う
(それにしても 一般的なワインに替えてもらったら 昨日の倍の量を買っても 3万で釣りが来た… 昨日は1日で21万も払ったのに)
ユウヤがトラックの荷台の後ろへ到着して ドアを開けながら思う
(こんな事なら 昨日も先にヴィンに聞いてから アジトを出れば良かったな… そうすれば)
ユウヤが溜息を吐いて言う
「17万も余計に払ったよ…」
ユウヤがビールケースをトラックへ積みながら思う
(自腹で… しかも この半分の量に…)
昨日の通行人が言う
「あら?もしかして?」
ユウヤが声に振り返って言う
「えっ?…あっ 昨日のっ!?」
ユウヤが中途半端に置いたケースが荷台から落ちそうになる 通行人が気付いて言う
「あっ 危ないっ!」
ユウヤが通行人の言葉に 荷台へ顔を向けてハッとする 通行人がケースを押さえて言う
「はぁ~ 危なかった」
ユウヤが呆気に取られた後慌てて言う
「あ、ありがとう ごめん ぼうっとしちゃって…」
通行人がケースの中身に気付いて軽く笑って言う
「今日は 余り高くないワインだったから?」
ユウヤが呆気に取られてから言う
「え?あ… 詳しいんですね?」
通行人が微笑して言う
「仕事柄 少しね?昨日も今日も お酒を運んでいるって事は もしかして 貴方も お酒を使うお店の人?」
ユウヤがハッとして言う
「え?あ、いや… 俺は…」
ユウヤが思う
(ど、どうしよう!?えっと …あぁっ そうだった!)
ユウヤが苦笑して言う
「いや、これは 祖父へのプレゼントで… あぁ いや?本当は昨日のが!…それで 今日は… お使い みたいな?」
通行人が微笑して言う
「あら そうなの?あ… 私、ラミって言うの すぐそこのお店で働いていて …貴方は?」
ユウヤが衝撃を受け慌てて言う
「え?あ… お、俺は…っ」
ユウヤが思う
(うっ!どうしよう!?働いている場所!?俺の!?ゲートキーパーズでって… それは言えないからっ!)
ユウヤが困って居ると ラミが苦笑して言う
「あぁ、ごめんなさい… 私、ただ 貴方の事 ちょっと 気に入っちゃって…」
ユウヤが驚いて言う
「え?お、俺を…っ?」
ラミが苦笑して言う
「あ、こんな事 急に言われても 嫌よね?お店だと 喜んでもらえるものだから つい…」
ユウヤが苦笑して言う
「あ、ああ… いやっ えっと?あ、そっか?お酒のお店って…」
ユウヤが思う
(なるほど つまり 彼女の仕事は ホステスか何かって事か…)
ラミが微笑して言う
「うんっ だから ビールケースとか持つ事もあるから 慣れてるの …はい!」
ラミがビールケースをトラックへ積む ユウヤがハッとして言う
「あ、ありがとう… 昨日も今日も」
ラミが微笑して言う
「明日も… 会えるかな?」
ユウヤが呆気に取られる ラミが苦笑して言う
「なんて 冗談!…それじゃ!」
ラミが走って去る ユウヤが慌てて言う
「あっ…」
車内
ユウヤがトラックを運転しながら思い出す
ラミが苦笑して言う
『あ、ごめんなさい… 私、ただ 貴方の事 ちょっと 気に入っちゃって…』
ユウヤが思う
(あれは… 本気で?…いやっ 駄目だ!ゲートキーパーズのアジトに近い あの辺りで俺に接触して来るなんて …もしかしたら 囮捜査の警察官かもしれないっ …いや それだけじゃない リックも言っていた ゲートキーパーズの敵は 警察だけじゃないって だとしたら…?どちらにしても 甘い罠には掛からない様に 気を付けないと)
ユウヤが頷き 車をアジトの前に止める ユウヤが車から降りると テールが来て言う
「お帰り!待ってたぜ ユウヤ!」
ユウヤが疑問して言う
「え?待ってたって?」
リックがトラックの荷台へ向かう ユウヤがリックを目で追う テールが言う
「ああ、ユウヤが居ない間に ゲートキーパーズに依頼が入ったんだ それで…」
ユウヤが驚いて言う
「依頼ってっ!?」
ユウヤが思う
(だって今 ゲートキーパーズは 警察から 有らぬ疑いを掛けられていてっ …その状態で 依頼を入れてくるって言うのは!?)
リックがビールケースの中身を確認しながら言う
「ゲートキーパーズへ依頼を持ち掛けて来るのは 何も 警察や庶民だけじゃねぇ… それらの敵である 貴族から入る事だってある…」
ユウヤが驚いて言う
「貴族からだってっ!?それじゃっ!?」
ユウヤが思う
(警察や庶民を苦しめる貴族からの依頼!?それを ゲートキーパーズが引き受けるって事か!?)
ユウヤが言う
「そんなのはっ!」
リックが舌打ちをして言う
「なんだ… 今日のは どれも普通だなぁ?」
ユウヤがリックの下へ行って言う
「そんな事より リック!?本気なのか!?ゲートキーパーズは 貴族からの依頼を受けるのか!?」
リックがユウヤへ向いて言う
「内容次第だ」
ユウヤが言う
「内容…?」
ユウヤが思う
(確かに 貴族からの依頼とは言え それが全て 悪い事だと決め付ける訳には行かない …そうなのかもしれないけど!?)
リックがワインの確認をしながら言う
「それよか てめぇこそ 本気か?」
ユウヤが疑問して言う
「え?」
リックがワインを1本取り出して言う
「一通り 安いワインに変えやがったくせに 1本だけ入ってる高価なワインが こいつだって言うのは… てめぇが俺らのワインの買出しへ 行かされるのは気に入らねぇって?俺らへのあてつけか?」
リックの持つワインには”ミニスター・ブラッド”の名が記されている ユウヤが気付き苦笑して言う
「いや、それは… 俺が飲んでみようと思って 自分用に買ってみたんだよ 店のマスターに聞いたら 初めてでも飲みやすいって言ってたから それに…」
ユウヤが思う
(昨日 ヴィンが飲んでいた その味を確かめてみたいって…)
リックが言う
「ハッ!…なるほど?」
ユウヤが苦笑して言う
「ほ、本当だよ それに 俺 店のマスターと仲良くなったから ワインを買いに行くのは 別に嫌じゃないし」
ユウヤが思う
(それに… もしかしたら もう一度 …彼女にも)
リックが疑問して言う
「あん?”それに” …何だよ?」
ユウヤがハッとして言う
「え?あ…っ!?」
ユウヤが思う
(しまったっ 思わず口に出てたのか!?)
リックが言う
「まぁ良い 時間がねぇ …2ケースって事は 片方はヴィンの分か?」
ユウヤが言う
「あ、うん…」
リックがワインを数本入れ替え ミニスターブラッドを上に置いて言う
「なら てめぇは こっちを持って行け ヴィンも もう起きてるからよ?テール 運転しろ 行き先は覚えてんな?」
テールが言う
「ああ、ヲルス街だろ?どの道 城へ向かうんだし 先にセンターサイドへ向かっちゃった方が早いよな?」
リックが言う
「ああ それで良い」
テールとリックが運転席と助手席へ向かう ユウヤが思う
(内容次第で ゲートキーパーズは貴族と手を組むのか…?ヴァンパイアに続いて貴族とも手を組む… 以前の俺からすれば 考えもしなかった事だ …けど)
ユウヤがテールとリックの後姿を見て思う
(リーダーのテールとリックが決めるなら それに従うのは当然だよな?俺は… ゲートキーパーズのメンバーなんだから)
ユウヤが視線を落として手を掛けているビールケースを見る 助手席に座っているリックがミラー越しにユウヤを見て言う
「…おい?」
ユウヤがハッとして顔を上げて言う
「あ、ああ…っ ごめん… それじゃ…」
ユウヤがビールケースを持ち上げようとする テールが振り返って言う
「ん?なんだ?もしかして ユウヤも一緒に行きたいのか?」
ユウヤが驚いて言う
「えっ!?良いのか!?」
テールが言う
「良いに決まってるだろ?だからいつも 言ってるじゃないか?イク時は一緒だって!」
ユウヤが呆気に取られてから微笑して言う
「テール…」
テールが微笑して言う
「それに ユウヤには 俺とリックの3Pだって見せてるんだからさ?今更 隠すものなんて無いだろう?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「うっ… それは…」
ユウヤが思う
(それはちょっと違うような… 違わないような… …けどっ!)
ユウヤが言う
「ありがとう テール!それじゃ 俺も一緒に!」
テールが言う
「ああ!なら こっちのシートに座れよ?ヲルス街まで荷台じゃ大変だろ?」
ユウヤが言う
「そうだな?それじゃ…」
リックが言う
「待て」
ユウヤがシートへ向かっていた状態からリックを見る リックが言う
「なら 先ずは そのワインをヴィンに届けて ついでに てめぇも行くって事を伝えて来い 待っててやるからよ」
ユウヤがハッとして言う
「あ、ああ!そっか!?分かった なら 急いで行って来るから!」
テールが言う
「ちゃんとイかずに待ってるから 落とさないように気を付けるんだぞー?ユウヤー?」
ユウヤがビールケースを抱えつつ苦笑して アジトへ向かう
車内
ユウヤが運転しながら言う
「先にセンターサイドへ向かってから ヲルス街の城で良いんだよな?」
リックが言う
「ああ」
テールが言う
「悪いなー?ユウヤー?運転させちまってさー?」
ユウヤが言う
「いや、大丈夫だよ」
リックが言う
「気にするなテール 運転は下っ端の仕事だ」
リックがテールの首筋を舐め上げる テールが軽く笑って言う
「あっははっ くすぐってぇよ リック~」
ユウヤが横目に見てから思う
(そう言えば ヴィンも以前 あんな風に 俺の首を舐めて…)
ユウヤがゾゾゾッと鳥肌を立てる テールが言う
「あ、でもさ?ユウヤは下っ端じゃないだろ?普通に考えれば 俺と同じで 上から2番目って感じじゃないのか?」
ユウヤが疑問して思う
(俺が 上から2番目?テールと同じでって…?)
ユウヤが言う
「テールは ゲートキーパーズのリーダーだろ?だったら…」
ユウヤが思う
(普通は リーダーが1番目 なんじゃないのか?)
テールが言う
「ああ、俺はリーダーだけどさ?やっぱ ゲートキーパーズの父ちゃんは リックだろ?」
ユウヤが言う
「それじゃ 本当はリックが リーダーって事なのか?」
リックが言う
「その俺が テールに譲ったんだから テールがリーダーで良いんだよ」
ユウヤが苦笑して言う
「ああ、そう言う事か」
ユウヤが思う
(それなら分かる 前リーダーと 現リーダー …どちらが1番目かと聞かれると難しい所だけど 言い換えればどちらも1番目って事だ)
テールが言う
「けどさ?確かに ゲートキーパーズの中では 俺はリーダーだけど ゲートキーパーズの外で考えればさ?2番目だろ?」
ユウヤが疑問して思う
(ゲートキーパーズの外で 2番目?…それじゃ 1番目は?…やっぱり 貴族って事か?)
ユウヤが言う
「ゲートキーパーズの外で テールが2番目って言うのは…?」
リックが言う
「ああ テールもユウヤも2番目だ だから これから向かう ヲルス街の貴族を前にしたって 何も怖じける事はねぇ 相手も2番目だ 例え貴族だ何だとか 勝手にほざいてやがっても そんなのは実際 何の意味もありはしねぇ」
ユウヤが言う
「え…?」
ユウヤが疑問して思う
(貴族であっても 同じ2番目…?それは…?)
テールが言う
「それじゃ そいつも ヴァンパイアの獲物なのか?」
ユウヤがハッと思う
(つまり 2番目って言うのは…)
リックが言う
「そう言う事だ だから 今回は俺が一緒に来てやったんだ テールは安心しろ 相手のヴァンパイアが万が一にも襲って来たとしても 俺は自分の獲物は何があっても守ってやるからよ?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「えっ!?それじゃ…っ!?」
ユウヤが思う
(お… 俺はっ!?)
テールが言う
「大丈夫だって ユウヤ!リックは ゲートキーパーズの仲間は ちゃんと守ってくれるからさ?」
ユウヤがハッとして言う
「そ、そうだよな!?俺は ゲートキーパーズの仲間なんだからっ!?」
リックが言う
「ああ 俺からすれば テールの次に 一応 守ってやる相手だ」
ユウヤが思う
(一応か…)
ユウヤが苦笑する リックが笑んで言う
「クッハハハッ!お前だって 2番目の癖に 何て面してやがるんだよ?ユウヤ?」
ユウヤが思う
(うぅ… 俺の身勝手だとは分かっているけど 今は ヴィンが傍に居てくれない事が とても心細い…)
車が走り去る
ヲルス街 城
リック、テール、ユウヤがソファに座っていて 向かいのソファに座って居るグレーデンが言う
「良く来てくれた ゲートキーパーズの諸君 私はグレーデン侯爵 この街を支配する者だ」
テールが言う
「ゲートキーパーズのリーダー テールだ 仲間のリックと そっちがユウヤ」
グレーデンが軽く頷いて言う
「ふむ…」
グレーデンの後ろに美女が来て グレーデンの肩へ腕を回す グレーデンが言う
「彼女はシャナ 私の… 愛する女性だ」
シャナが微笑してゲートキーパーズを見る ユウヤが思う
(わぁ… 綺麗な人だな… それに… 凄く…)
テールがシャナの見えそうな胸元へ目を細めて言う
「揉みてぇ…っ」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(テール…っ!気持ちは分かるけどっ 口に出ちゃってるよっ!)
グレーデンが気付き軽く笑って言う
「うん?ああ… はっはっは… それは 彼女のこの豊満なバストを と言う事かな?」
グレーデンがシャナの胸へ手を入れて揉む テールとユウヤが衝撃を受ける シャナが言う
「あ…っ あんっ…」
テールが腰を浮かせて言う
「い、良いっ!」
ユウヤが苦笑して思う
(テール…っ 気持ちは分かるけど やっぱり 口に出ちゃってるし… それに…)
ユウヤがグレーデンを見る グレーデンが自身の前にやって来たシャナの身体を触りまわし シャナの服がはだけて行く テールが前傾姿勢で食い入って見ている ユウヤが苦笑して思う
(大体 こんなテールが相手とは言え 客を前に この人も…)
グレーデンがシャナの身体を見せつけて テールへ言う
「良ければ 君も やるかね?」
テールが言う
「良いのかっ!?」
グレーデンが微笑して言う
「もちろん 好きにしてくれて構わない」
テールが目を輝かせて言う
「それじゃ!」
グレーデンが言う
「但し」
ユウヤが目を細め テールがグレーデンを見る グレーデンが言う
「君や 君のゲートキーパーズが 私の仲間になってくれるのであれば …の話だ」
ユウヤが表情を強めて思う
(そう言う事か)
グレーデンがシャナの身体を触りまわしながら言う
「私の仲間になってくれるのであれば 彼女を いつでも好きにしてくれて構わない どうだろうか?テール君?」
テールが言う
「…いや 駄目だ」
ユウヤがテールを見る テールが言う
「確かに 彼女はいつでも好きにしちゃいたいけど 仲間になるなら アンタの方で… 俺らゲートキーパーズの方じゃない」
グレーデンが苦笑して言う
「そうか… 残念だ …しかし良いのかな?現状 君たちゲートキーパーズは 警察からの有らぬ疑いを掛けられ 活動がし辛くなって居るのではないのかね?私の仲間になれば… 少なくとも この街の中では それらの不自由から開放される …もちろん 彼女の中へ開放する事だって自由だ」
シャナがグレーデンの股に座って声を上げる
「あぁ~んっ」
テールが反応して叫ぶ
「なあぁあっ!?マ、マジでっ!?」
グレーデンが笑んで言う
「ああ、いつでも… 何度でも…」
シャナが腰を揺らして声を上げる
「あ… あ… あん…っ」
テールが悔しそうに言う
「くぅ~っ!羨ましい…っ!」
ユウヤが言い掛ける
「テ…」
リックが言う
「テール」
テールが言う
「あ、ああ…っ 彼女とは いつでも好きな時にヤっちゃいたいけど…っ けど やっぱり 駄目だっ!だって!…そんなに いつでも好きな時にヤっちゃってたら…っ 我慢してからヤる時の興奮がなくなっちゃうだろ!?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「いや、そうじゃなくてっ!?」
リックが言う
「そう言う事だ ヤり過ぎで ゲートキーパーズのリーダーに 腹上死されても 困るからな?」
ユウヤが言う
「リックまでっ!?」
テールが言う
「そんな訳だから グレーデン侯爵 悪いが 今回のアンタからの誘いは ゲートキーパーズとして 断らせてもらう!」
ユウヤが思う
(そんな理由で良いのか!?)
グレーデンがシャナの胸を揉み上げて笑んで言う
「そうか… 残念だ… 実に残念だよ テール君 …君とは趣味が合うと思っていたのだが」
テールがシャナの身体を見詰めて真剣に言う
「ああ、俺も すげぇ残念だ… アンタとなら 4Pの相手としても 合いそうだと思ったんだけど」
ユウヤが顔を逸らして思う
(本当に残念そうだよ 2人共…)
ゲートキーパーズが立ち上がる グレーデンとシャナが上目遣いに見る シャナがテールを見詰める テールが唾を飲む グレーデンがシャナの腰を突き上げ シャナが声を上げる
「あぁあっ!」
テールが反応して全力で堪える リックに諭され歩き始める
車内
テールが悔しんで言う
「くぅう~~っ!惜しかったなぁあっ!?シャナちゃ~ん!」
ユウヤが運転しながら苦笑する テールが言う
「あのシャナちゃんの ナイスバディをいつでも好きな時に 好きに出来ちゃうなんてさっ!?あのグレーデン侯爵は何て 羨ましい奴なんだぁあっ!?」
ユウヤが苦笑して言う
「けど 良く堪えたよ テール やっぱり テールは ゲートキーパーズの…」
テールが言う
「ああ、だってさ?もし あのシャナちゃんと いつでも好きな時に ヤれる様になったら 俺はゲートキーパーズの事なんてほったらかしにして それこそ 一日中 シャナちゃんの中に入り浸っちゃうだろうからさ?でもって シャナちゃんの中も 浸浸にしちゃう~ みたいな~?」
ユウヤが顔を逸らして思う
(あぁ… こんなテールを ゲートキーパーズのリーダーとして 尊敬した俺を 誰か慰めてくれ)
リックが言う
「アイツの中を浸浸にするほど放出した上で 吸われたんじゃ お前は一発で 腹上死決定だな?テール?」
テールが疑問して言う
「え?出した上で吸われるって?」
リックが言う
「あの女はヴァンパイアだ」
テールが驚いて言う
「え?そうだったのか?」
ユウヤが驚いてリックを見て思う
(彼女がヴァンパイア!?)
リックが言う
「しかも あのヴァンパイアは ヴィンと同じで 頭脳派だ あの女の中に 仕掛けがあって 野郎に突き上げられるたびに そのスイッチが入れられる音がしていやがった」
テールが言う
「そうだったのかっ!?だから グレーデン侯爵は あんなに激しく彼女をっ!?」
ユウヤが思う
(スイッチなら 1度で良いだろ …それなのに あんなに何回も 激しく… って あれ?俺も何考えてるんだ?)
リックが言う
「それに 最初からあの部屋には 性欲を掻き立てる香が焚かれていた 恐らく スイッチが入れば もっと強力な薬が撒かれる仕掛けだったんだろう そいつが作動していれば… きっと てめぇでも 釣られただろうな?ユウヤ?」
ユウヤが驚いて言う
「え?俺が!?」
ユウヤが思う
(そ、そう言えば… 確かに あの城へ入る前までは 貴族に会うって事で 凄く身構えていた筈なのに いざ対面した時には その意識も弱まっていて… もしかしたら その香のせいだったのか?その上 もっと強い薬を使われていたら…っ)
リックが言う
「ユウヤ お前 ヴィンから 何か預かって来ただろう?」
ユウヤが言う
「え?…あっ そう言えば?」
回想
ユウヤがワインの入ったビールケースを持って来て言う
『ヴィン これ 自由に飲んで下さい このケースにあるのは全て ヴィンのワインなので』
ヴィンが振り向いて 微笑して言う
『ああ、ユウヤ ご苦労様 また 我々の為に…』
ユウヤがヴィンの近くへビールケースを置いて言う
『それから 俺 今、外でテールとリックに会って』
ヴィンが言う
『ああ、彼らは ヲルス街の貴族からの依頼を 聞きに行くとの事だが?』
ユウヤが言う
『はい、それで 俺もゲートキーパーズとして 依頼の内容も気になりますが その貴族の事も気になるので… だから 俺も テールたちと 一緒に行って来ます』
ユウヤが立ち去ろうとする ヴィンが言う
『待ち給え ユウヤ』
ユウヤが反応して振り返る ヴィンが来て苦笑して言う
『それなら こちらを持って行くと良いだろう』
ヴィンが小型の機械を差し出す ユウヤが疑問してそれを受け取って見て言う
『これは…?』
ヴィンが言う
『本当は 私が一緒に行ってあげられるのが一番なのだが… 生憎 私はリックが離れるとなれば このアジトに留まらなければならない 従って そちらは ユウヤを守るお守りだ』
ユウヤが言う
『お守り…?確か 以前にも?』
ヴィンが言う
『彼らがヲルス街へ行くと聞き そのリックやテールへ持たせようと作ったものなのだが… リックは力尽くで事を済ませるタイプだから 不要かとも思ってね?しかし ユウヤが行くというのでは …これは そのユウヤと共に行けない 私の代わりだと思って 持っていてくれ給え』
ヴィンが微笑する ユウヤがヴィンを見てから機械を見る 外からテールの声がする
『おーい ユウヤー?まだかー?』
ユウヤがハッとして言う
『ああ!今行くよ テール!』
ユウヤがヴィンへ向いて言う
『えっと… では 受け取って置きます』
ユウヤが機械を見せる ヴィンが頷いて言う
『ああ、気を付けて…』
ユウヤが言う
『有難う 行って来ます!』
ユウヤが外へ向かう テールがドアを開けていて言う
『もしかして ユウヤは 焦らすタイプなのかー?俺はー…!』
ユウヤが言う
『そんなんじゃないってっ!それに テールは聞かなくても 分かってるから!』
回想終了
ユウヤが内ポケットから機械を取り出して言う
「そう言えば コレを…」
テールが覗き見て言う
「何だ?それ?小型のバ●ブ?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「まさかっ!?」
リックが言う
「あぁ そいつだ」
ユウヤが言う
「え?それは?」
テールが言う
「やっぱり 小型のバ●ブって事?」
リックが言う
「そいつは 機械への信号を止める装置だ そいつの力で あの城にあった仕掛けの類は 全て動かなかったんだろう 俺らがヲルス街に行くと聞いて ヴィンの奴は やっぱり作っていたな?」
テールがユウヤの手から機械を取って言う
「なんだ~?機械を止める機械か~?」
リックが言う
「俺なら どんな機械が動いたって テールを守ってやれるから そいつは必要は無ぇんだが ユウヤまで守ってやれるかは 分からねぇからな?そうとなれば ヴィンはユウヤへ そいつを渡すだろうと …読んでいた俺の思惑通りで 助かったぜ いくら俺でも テールが本気でヤリたがるのを 止めるのは 気が引けるからよぉ?」
リックがテールを撫でる リックが言う
「俺は そんな機械なんかが動かなくったって あのシャナちゃんのお色気だけで 本気でヤリたくなったけどなー?」
リックが言う
「機械が動いていたら きっとそれ所じゃ無かっただろうぜ?お前は 俺を殴ってでも あの女へ挿しに向かってただろう」
テールが衝撃を受けて言う
「俺がリックを殴ってでもっ!?」
リックが言う
「ああ ヴァンパイアが使う薬は 人間には強過ぎる 惚れ薬なんざ使われた日には 一発だ」
テールが言う
「一発で 一発ヤっちゃうって事か…」
リックが言う
「ああ、一発で 果てるまでヤって その間に 吸い尽くされて終わりだ」
ユウヤが言う
「もしかして… それが 女ヴァンパイアのやり方?」
ユウヤが思う
(ヴァンパイアにも男と女が居るのなら きっと力の差だってある筈だ …そうとなれば 女のヴァンパイアが生き残るのに使うのが そんな…)
テールが言う
「天国から 本物の天国へ逝っちまうって事だな… 恐ろしくも魅力的な誘いだぜ…っ」
リックが言う
「ああ、だから てめぇも 十分注意しろよ?ユウヤ?」
ユウヤが言う
「え?俺が…?」
リックが言う
「コイツの他にも ”お守り”は受け取ってるだろ?」
リックが機械をユウヤへ向ける ユウヤが言う
「え?あ、ああ…」
ユウヤが受け取りつつ思う
(確かに お守りはもう1つ…)
ユウヤが銃フォルダーに入れられている 試験管を意識する リックが言う
「ヴィンが傍に居ねぇ時は そいつをしっかり持って置け …テールは心配ねぇ 俺の獲物だからなぁ?」
リックがテールの頭を撫でまわす テールが喜びながら言う
「え~?そうなのか~?でも 俺も何か欲しいなぁ~?リックも俺にさぁ?」
リックが言う
「なら… お前にはコイツで十分だ」
リックがテールの首を舐め上げる テールが笑って言う
「あっはははっ くすぐってぇって リック~?」
リックが微笑して言う
「お前は俺の 大切な獲物だって印だ 嫌がるんじゃねぇよ?」
リックがテールの首を舐め愛撫する テールが言う
「嫌がってるんじゃ無くて くすぐってぇんだって… あはははははっ!」
ユウヤがテールとリックを見て 苦笑して思う
(大切な獲物か… そうじゃなくて 大切な… 息子だ とか言えば もっと 気持ちも伝わるのに)
ユウヤが苦笑する
続く
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