上 下
48 / 55
21章

アールスローン戦記Ⅱ ログヴェルン帝国との開戦

しおりを挟む
【 ART 司令塔 】

オペ子Aが言う
「ART本部メインシステム再起動 データチェック開始」
オペ子Bが言う
「再起動によるセキュリティシステムへの影響 及び 異常無し」
オペ男Aが言う
「ART本部 各種システム及びセンサー類の数値 異常無し」
オペ男Bが言う
「ART本部 外部モニター 映像及び温度センサー 異常無し」
ラキンゼスが周囲を見て言う
「ART本部 内部モニター 目視による監視実行中 異常無し!」
グレイゼスがコンソールを操作しながら言う
「ART本部メインシステムから 帝国セントラルコンピュータへアクセスを開始 双方のセキュリティシステムによる抵抗は無し」
オペ子Aが言う
「ART本部メインシステム再起動完了 メインシステムデータ数… す、凄いっ 今までの 何十?何百!?な… 何千倍の記憶データを確認中!多過ぎて データ数チェック止まりませんっ!」
グレイゼスが言う
「ART本部メインシステム データ数チェックは強制停止!相手は このアールスローンの数百年分のデータだ ここのシステムで数え切れる筈が無い!」
オペ子Aが言う
「了解 中佐っ ART本部メインシステム データ数チェック強制停止!カウント1億4千ヒットで 強制停止しました 推計残数 算出不能!」
グレイゼスが考えて言う
「うーん データ自体を 帝国から引っ張るとなれば その数やチェックの方も帝国のコンピュータを介して見られると思ったんだが… 駄目だったかぁ… 」
グレイゼスが頭を抑えると アースが言う
「それで?記憶データの個数さえも 数えられないと言う事は 当然 そちらのデータを検索する事や 参照する事は出来ないと言う事か?」
グレイゼスが言う
「そう言う事になります 双方のメインコンピュータを 並列化しては在りますので これから入力されるデータに関しては どちらで入力を行なっても 共有される事となりますが…」
アースが言う
「では やはり この司令塔に関しては 帝国へ常備させるのが良いのかもしれないな?あちらであるなら当然 この本部はもちろん アールスローン国内の事は全て把握出来る」
グレイゼスが言う
「更には アールスローンや我々の知る仲間が居るこの大陸の事以外の …言ってしまえば 別プラントの事も調べられますかね?」
アースが言う
「かもな?生憎 私自身では そこまでを見た事は無いが 必要か?マスター?」
グレイゼスが言う
「そちらの必要性が 無ければ 一番なのですが 万が一にも また あの彼や それ以外の者からの 襲撃を受けるという可能性も 否定は出来ないと思いますので」
アースが言う
「そうだな こちらからはもちろん 仕掛けるつもりは無いが 防衛上に置いても 相手の情報を把握して置くに越した事は無い …戻ったばかりではあるが 早速 こちらへ来るか?」
グレイゼスが言う
「はい お願いします」
周囲の隊員たちが顔を見合わせてから頷き合う アースが微笑して言う
「分かった それなら」
アースの周囲に数字の羅列が纏われると 次の瞬間光の羽根が舞い 黒い羽根が混じる

【 帝国 】

隊員たちが顔を上げると 玉座に座ったアースが言う
「では 励んでくれ 諸君 このアールスローンはもちろん 我々の世界を守る為の 重要な任務だ」
隊員たちが言う
「「了解!司令官!」」
皆が作業を開始する中 ラキンゼスが振り向いて言う
「…って あれ?司令官?中佐は…?」
皆が反応して振り返りグレイゼスの空席に疑問する アースが言う
「ああ、アイツなら…」

【 ART 食堂 】

ハイケルが言う
「…で?」
グレイゼスが昼食を食べながら言う
「あの 司令官様の事だからなっ!?しっかり 昼休憩を取ってから来なさいって!?そう言う事だと思うからさっ!?」
グレイゼスが急いで昼食を食べている ハイケルがコーヒーを手に言う
「…そうか それは 私にも理解が出来るのだが しかし グレイゼス それ程急いで掻き込んでは… 詰まるぞ?」
グレイゼスが食べ物を喉に詰まらせ衝撃を受ける グレイゼスが慌ててコーヒーを飲むとホッとする ラミリツが紅茶を片手に言う
「それじゃぁ つまりさ?今は司令塔の皆は… ハブロス司令官も?帝国に居るって事だよね?それに これからの任務の時も 現場へ向かう僕らは兎も角 司令塔の皆とハブロス司令官は 帝国から指示を送るって事?」
グレイゼスが食べ物をフォークに刺した状態で考えて言う
「あー それはー… えーっと… 何と言いますか… … …」
グレイゼスが考え事に集中すると フォークに刺されていた食べ物が食器の上に落ちる ハイケルやART1隊員が視線で追う グレイゼスが気付かないまま言う
「その~… そうであって そうで無いと言うか… う~ん…」
グレイゼスがそのままの体勢で沈黙する ラミリツが呆れてから紅茶を一口飲んで言う
「なら 質問変更!つまり 僕が聞きたいのは 僕らは基本的に アールスローン国を守る形で 防衛体制を取るけど どうしてもって時には 一番重要な場所だけでも 守らなきゃって事になるでしょ?だから 僕は その場所を聞いてるの 司令塔の皆やハブロス司令官が 帝国の城内に居るって言うのなら 僕らはそう言う風に意識をする訳だし?」
グレイゼスが気付いて言う
「あぁっ そう言う事ね?それなら… …あら?」
グレイゼスが食べ物を食べようとして無くなっている事に気付く ラミリツが言う
「それって 一番重要な事だけどさ?逆に答えるなら一番簡単な所でしょ?それを… マスターレベルで悩むって どう言う事?」
グレイゼスが苦笑し食べ物をフォークに取り直して言う
「あぁ はい そちらはその… 色々ありましてね?うんっ まぁ しかし ラミリツ隊長からの 簡単な方への 答えと言う事でしたら そちらは本当に簡単で?」
ラミリツが気を取り直して言う
「そうだよね?アンタたちやハブロス司令官が 帝国に居るって言うのならさ?」
グレイゼスが言う
「皆さんは全力で… このART本部を守って下さいね?」
皆が衝撃を受けて言う
「「えっ?」」
グレイゼスが食べ物を口に入れ咀嚼しながら疑問して言う
「ん?」

【 帝国 】

オペ男Bが通信ブザーに反応するとスイッチを押して言う
「こちら司令塔 どうぞ?」

【 ART本部 司令塔 】

オペ男Bの前にあるコンソールに通信表示が出ている

【 ART本部 マシーナリー開発整備室 】

エミーがコンソールのスイッチを押した状態でマイクへ向って言う
「こちら整備部!ART2マシーナリーのジェットエンジン装備作業 全機完了したよ!」
コンソールスピーカーからオペ男Bの声が聞こえる
『ART2マシーナリーのジェットエンジン装備作業の全機完了 了解しました それでは…』

【 ART本部 第二訓練所 】

ラミリツがコンソールへ向いて表情を明るめて言う
「ホント!?それなら これでやっと マシーナリーを使った訓練を 再開出来るね!」
コンソールスピーカーから オペ男Bの声が聞こえる
『整備を終えたマシーナリーは 第二格納庫の方へ送られていると言う事ですので 訓練への利用も可能です』

【 帝国 司令塔 】

司令塔隊員たちが作業を行っている グレイゼスが部屋に現れ 周囲を見てから言う
「遅くなって すまない どうかな?皆?作業の方は?」
オペ子たちが顔を向けて言う
「作業の方は順調です 本当に処理速度が速くて 快適で」 「それより中佐?中佐は 朝からずっとこちらで作業をされていたのですから 休憩時間は 十分に休憩された方が 良かったのでは?」
オペ男たちが言う
「処理速度が速くて快適な分 作業量は増えるもんな?」 「中佐も お疲れでしょう?」
グレイゼスが微笑して言う
「気遣ってくれて有難う けど 今は 調べたい事が山ほどあるからさ?こっちで作業を出来る間に 思う存分やって置きたいんだよ 休憩に関しては後で いくらでも取られるだろ?」
オペ男Aが言う
「それは確かに」
オペ男Bのヘッドホンにラミリツの声が聞こえる
『分かった ありがと!それじゃ 早速 マシーナリーを使った訓練を開始するから!』
オペ男Bが言う
「了解」
グレイゼスが気付くと言う
「ああ、だけど スペアの用意もあるとは言え まだ 十分な数は確保されていないから くれぐれも 大切に扱ってくれよ?ラミリツ隊長?」
オペ男Bのヘッドホンにラミリツの声が聞こえる
『了ー解!』
グレイゼスが苦笑する オペ男Bが疑問してグレイゼスへ振り返ると言う
「あの… 中佐?」
グレイゼスが疑問して言う
「うん?」
オペ男Bがヘッドホンを見てから言う
「ひょっとして…?ラミリツ隊長の声が 聞こえてましたか?ヘッドホン出力にしていたのに?」
グレイゼスが疑問して言う
「あれ?そうだったか?外部スピーカーに聞こえていたと…?なぁ?他の皆も聞こえたよな?」
皆が反応して言う
「はい 聞こえましたけど?」 「俺も聞こえてたよ?」
オペ男Bが疑問して言う
「あれ?おっかしいな?ヘッドホンにも 出力されていたんだけど…?」
オペ男Bがヘッドホンを見る ラキンゼスが言う
「まぁ 良いじゃねぇの?何てったって ここは帝国様なんだからさ?不思議な事は一杯起きるって?」
オペ男Bが反応してから苦笑して言う
「そ、そっか…?そう言う事なら…?」
グレイゼスが言う
「ともすれば 皆にも必要な音声情報だったから 聞こえたのかもしれない ラミリツ隊長が率いるART2がマシーナリーの使用を開始すると言う情報は 俺たち司令塔のメンバーにとっては 共有していなければいけない情報だからな?」
オペ子Aが言う
「やっぱり 不思議な所なんですね?帝国は…」
オペ子Aがコンソールを見る グレイゼスがオペ子Aを見てから苦笑する

【 ART本部 第二訓練所 】

ART2マシーナリーたちが整列している Mラミリツ内 ラミリツが周囲の様子を見てから言う
「見た感じは 特に 変わった所は感じられないけど… 皆はどう?」
Mラミリツが ART2マシーナリーたちを見渡す ART2マシーナリーたちが周囲を見渡してから Mシュナイゼルが言う
「私も 特には 変わったとされる 感覚はありません」
ラミリツが言う
「そ?それじゃ 以前と同じ様に 訓練を開始しようか?」
ART2マシーナリーたちが言う
「「了解!隊長!」」

【 ART本部 第一訓練所 】

モニターの中で射撃が行われ 100%の数値が表示される 隊員Bが反応し言う
「少佐ぁー!」
サブモニターのハイケルが振り向くと 隊員Bが喜んで言う
「少佐 少佐ぁー!俺 サブマシンガンの射程外命中率 100%になりましたでありますー!少佐ぁー!」
ハイケルが言う
『上出来だ』
サブモニターの隊員Eが驚いて言う
『すっげー バイスン隊員… 俺なんて まだ85%の壁 越えられないのに』
サブモニターの隊員Nが言う
『何言ってんだよ!?エッちゃん隊員 85%の壁まで行ってるなら十分上出来だって!?』
隊員Eが苦笑して言う
『あ… 有難う ナクス隊員 慰めてくれ…』
隊員Nが笑顔で言う
『慰めなんかじゃねぇよ?俺なんて まだまだ 60%の壁 越えてねぇもんねー!?あっははははー!』
隊員Eが衝撃を受け呆れつつ言う
『えっと… それは… もう少しは頑張った方が良いんじゃ…?』
隊員Nが軽く言う
『あ、やっぱり?』
隊員Bが言う
「けど 俺 知ってるよー?ナッちゃんは シミュレート訓練ではダメでも 実際の射撃の時には 命中率 超ー上がるんだよねー?」
隊員Eが言う
『え?実際の射撃の時に?』
隊員Nが言う
『おうよー!やっぱ 実際に撃つ時は 気合と魂が入るからなっ!』
ハイケルが反応して言う
『魂が…?』
ハイケルが考える 隊員Bが疑問して言う
「少佐ぁー?」
サブモニターの隊員Eと隊員Nがハイケルの映るサブモニターへ向く

Mハイケルの中 サブモニターに隊員Bと隊員Eと隊員Nが映っている ハイケルが考えながら言う
「以前にも言われた事だが 銃弾へ魂を込めろと… それに 気合…」
サブモニターの隊員Bが言う
『少佐ぁー?』
サブモニターの隊員Eと隊員Nが向き合って言う
『何か 悩ませちまったみたいだけど?』 『まぁ 少佐ぁだから 大丈夫だろう?』
ハイケルが言う
「魂とは それを込める事で 銃弾がすり抜ける天使を 捕獲する事も出来ると言う程の物 更には 気合… あの非戦闘員である筈の 悪魔の司令官を それこそ 天使を殴る悪魔へ変える事も可能とされる力…」
隊員Eが言う
『少佐は ナクス隊員の言った 魂と気合を 本気で考えちゃっているみたいだけど?』
隊員Nが言う
『おうよーっ 魂も気合も 本気じゃないと使え無い力だからな?』
ハイケルが顔を上げて言う
「そうなのか?」
隊員Eが衝撃を受ける 隊員Nが気合を込めて言う
『もちろんだぜぃっ!少佐ぁっ!』
ハイケルが言う
「そうか それでは…」

Mハイケルが起動し一歩踏み出して言う
「ART1総員は 現時刻を持ってシミュレーション訓練を中止する」
隊員たちが疑問して言う
「え?」 「それじゃ…?」
隊員Cがモニターの数字を前に言う
「何だ… 折角 シミュレーション訓練に慣れてきたのに?」
隊員Fが言う
「俺は 少し飽きてきた所だから 丁度良かったよ」
隊員Fのモニターに100%の数字がいくつも表示されている サブモニターの隊員Cが呆れて言う
『そりゃ フレッド隊員は 良いだろうけどよ?』
隊員Aが言う
「シミュレーション訓練を中止と言う事は…?」
サブモニターの隊員Cが言う
『また マシーナリーを降りて 基本訓練か?』
隊員Vが言う
『マジかよ?さっき 終わらせた ばかりだぜ?』
皆がMハイケルへ向くと Mハイケルが言う
「総員マシーナリーを起動させろ これより …実戦訓練を開始する」
隊員たちが衝撃を受けて言う
「「えっ!?」」
隊員Aが困りつつ言う
「実戦訓練をやらない為にも シミュレーション訓練を 使う様にって言われていたのに?」
隊員Cが呆れて言う
『じゃねぇと 折角 用意したマシーナリーを壊すからな?主に… 少佐が』
隊員Aが苦笑して言う
「少佐は 銃火器はもちろん その他の武器なんかも 何でも使いこなすのに どう言う訳か マシーナリーだけは加減が苦手みたいだからな?」
ART1マシーナリーたちが起動する M隊員Aが言う
「ART1マシーナリー 全機 起動しました!少佐ぁー!」
Mハイケルが言う
「よし それではこれより ART1総員は 魂と気合を込め 全力で 訓練を行なう!」
ART1マシーナリーたちが衝撃を受ける 隊員Cが呆れて言う
「これ… また 壊れるんじゃねぇ?」
隊員Fが苦笑して言う
「あ、いや?でも 訓練なら… 大丈夫?」
訓練所出入り口から ラミリツが顔を出して言う
「あ、ART1もマシーナリーが起動してる!丁度良かったよ!」
隊員Fが衝撃を受ける 隊員Aが苦笑して言う
「まさか?」
隊員Fが言う
「ひょっとして…?」
Mハイケルが顔を向けて言う
「ラミリツ隊長?」
ラミリツが入室しながら言う
「やぁ?ART1諸君?実は 僕らART2のマシーナリーが ついさっき やっと全機が揃ってね?折角だから…」
隊員Cが呆れて言う
「悪魔の誘いが…?」
Mハイケルが言う
「そうだったのか ならば 我々としても丁度良い 我々もまた 実戦訓練を行なおうとしていた所だ そして 実戦訓練とするからには やはり 相手が居る方がより 実戦らしい訓練となる」
ラミリツが微笑して言う
「交渉成立?それなら 早速!」
隊員Cが呆れて言う
「これで間違いなく 壊れるな?双方の隊長機が…」
隊員Aが苦笑して言う
「それを言っちゃ…」
隊員Bが言う
「えー?」
緊急警報が鳴り響く
『緊急事態発生 緊急事態発生』
皆がハッとする 緊急警報が鳴り響く
『ART全隊員は 直ちに 各自の待機場所へ向かって下さい 繰り返します 緊急事態発生 緊急事態発生 ART全隊員は…』
ラミリツが呆気にとられた状態から視線を強め走り去る 

【 帝国 司令塔 】

オペ子Bが言う
「正体不明 大型機械兵士 更に増加!尚も 帝国城壁へ向け 接近中です!」
スピーカーからハイケルの声が聞こえる
『こちらART1 集合は完了している』
スピーカーからラミリツの声が聞こえる
『ART2も 同じく!』
グレイゼスが言う
「ART1及びART2 了解だ こちらは現在 正体不明の大型機械兵士らが 帝国城壁へ向け接近している状態を認識した 共に 奴らの正体と攻撃性を確認している ART1及びART2総員は 別命あるまで現状維持 待機せよ」
ハイケルが言う
『帝国の城壁へ接近していると言うのであれば 我々もこちらのART本部にての待機では無く 帝国へ向かって置いた方が良いのではないのか?』
ラミリツが言う
『そうだよっ マシーナリーを運ぶのなら 陸路を行かないといけないんだし 相手が接近してから向かったんじゃ間に合わないよっ』
グレイゼスが言う
「現在 我々に分かっている事は 対象は 我々アールスローンのマシーナリーとは異なる構造にて 武器と認識される物を所持した 大型ヒト型機械である事 そして こちらからの識別信号 及び 通信への返答は一切無い それでも現状は 対象からの直接的な我々へ対する攻撃は 確認されていない 従って マシーナリーの運搬を含め 出動指示は追って行う ART1及びART2は 現状維持 待機だ」
ハイケルが言う
『対象が 武器を所持した兵士であると言うのなら…』
ラミリツが言う
『そうだよっ 攻撃を受けてからじゃ間に合わな…っ!』
周囲に轟音が響く オペ男Aが言う
「帝国城壁へ向け!正体不明大型機械型兵士からの攻撃を確認!」
ラミリツが言う
『言ってるそばからっ!』
グレイゼスがオペ子Bへ向けて言う
「応答要求に 返答はっ!?」
オペ子Bが言う
「対象からの返答は 音声 その他 データ上にも 確認はされていません!」
周囲に轟音が響く オペ男Aが言う
「帝国城壁へ向け!再度 正体不明 大型機械型兵士からの攻撃を確認!」
周囲に轟音が響く オペ男Aが言う
「正体不明 大型機械型兵士からの 複数攻撃を確認!中佐!?」
グレイゼスが言う
「攻撃回数及び その手法から 現時刻を持って 事態は 正体不明 大型機械型兵士による 我々アールスローン帝国への襲撃と認識する!」
ハイケルが言う
『…と言う事は?』
ラミリツが言う
『だったら 急がないとっ!?』
オペ子Aがハッとして言う
「っ!?ハブロス司令官っ!?」
皆が反応すると メインモニターが起動し 屋上城外に立つアースの姿を映す 皆が衝撃を受けると グレイゼスが慌てて言う
「あぁあっ!?またっ!?あの人は まさかっ!?」
ラミリツが言う
『ほらっ!だから 言ったじゃないっ!?』

【 帝国 屋上 】

アースが目下に見える機械兵士らの襲来に視線を細めて言う
「我々の世界に 土足で踏み入るだけに留まらず このアールスローン帝国へ 攻撃を持って挨拶に来るとは 良い度胸だ 一体何所の…」
グレイゼスの声が届く
『ハブロス司令官っ!?この襲撃状態に 屋外に出るとはっ!?何をやっているんですか 貴方はっ!?いくら城壁のシールド内だからってっ!』
アースが言う
「そのシールドが役に立たない」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
『えっ!?』
アースが言う
「この城のシールドは この世界の者からの攻撃から アールスローン帝国を守る為のもの 従って 別の世界… 他のプラントからやって来た 奴らの攻撃は防がれない …となれば 現状 この国を守る方法は2つに1つだ マスターグレイゼス中佐!」

【 帝国 司令塔 】

アースの声が聞こえる
『直ちに ART本部を 第一防戦体勢へ移行 ART1 及び ART2を 城内へ転送 同所の保管マシーナリーを起動させ 防衛体制を取らせろ』
グレイゼスが言う
「了解っ!司令官っ!」

【 ART本部 】

緊急警報が鳴り響く
『第一防戦体勢発令 ART全隊員は 直ちに 各自の待機場所にて 緊急防戦体制を構築 司令塔からの指示へ備えて下さい 繰り返します 第一防戦体勢発令 第一防戦体勢発令 ART全隊員は…』
ART本部各所の人々が反応し各々の行動を開始する

【 ART本部 第一訓練所 】

ART1隊員 ART2隊員たちの視線の先 モニターに映るグレイゼスが言う
『ART1 及び ART2 総員は これより帝国城内へ向け 緊急転送を行なう 総員 準備は良いな?』
隊員Bが言う
「転送ってー?」
隊員Nが言う
「えっと…?また 輸送ヘリに乗って 帝国へ向かえって事か?」
隊員Cが衝撃を受けて言う
「えっ!?ヘリに…っ?」
第一訓練所にラミリツの声が届く
『準備は万全!転送って事は 操縦者だけが 帝国へ向かうって事だよね?ARTマシーナリーを搬送するには これからじゃ時間が無いんだし!?』
グレイゼスが言う
『ラミリツ隊長の言う通り 今は時間が無い 従って 詳しい説明は省かせてもらう ART1 及び ART2 総員は…』
ハイケルが第一訓練所の出入り口を見て居て言う
「輸送機発着場所までは 凡そ2分 発着処理に1分 更に 輸送飛行時間が加わるとなれば…っ」
グレイゼスが言う
『双方訓練所内マシーナリー格納庫にて 自分たちのマシーナリーへ搭乗しろ』
ラミリツが呆気にとられて言う
『…え?』
ハイケルが反応して言う
「…マシーナリーへ?」
ラミリツが慌てて言う
『今からマシーナリーで移動するんじゃ 間に合わないよっ!?何言ってんのっ!?』
グレイゼスが言う
『これは ART司令塔からの指示だ ART1及びART2隊員は 直ちに 指示内容を実行せよ』
ラミリツとハイケルが沈黙する 緊急警報が鳴り響いている
『第一防戦体勢発令 ART全隊員は 直ちに 各自の待機場所にて 防戦体制を構築 司令塔からの指示へ備えて下さい 繰り返します 第一防戦体勢発令 第一防戦体勢発令 ART全隊員は…』
ハイケルが言う
「司令塔からの指示… ART1了解 ART1総員は 直ちに 自分たちのマシーナリーへ 搭乗しろ」
ART1隊員たちが一瞬呆気に取られ顔を見合わせてから言う
「「了解!少佐ぁっ!」」
ハイケルとART1隊員たちが格納庫へ向かって走る

【 ART本部 第二訓練所 】

ラミリツが顔を上げると言う
「ART2 了解 ART2 総員… マシーナリーへ!」
ART2隊員たちが気を引き締めて言う
「「了解!隊長っ!」」

【 ART本部 第一訓練所 】

ハイケルがマシーナリーコックピットへ座ると言う
「こちらART1 マシーナリーへ搭乗した 次の指示を要求する マシーナリーを起動させるのか?グレイゼス?」
グレイゼスの声が聞こえる
『マシーナリーへの搭乗を済ませた隊員は その状態にて待機だ』
ART1隊員たちがマシーナリーの起動へ向けていた意識を疑問させ 隊員Iや隊員Fが起動準備態勢で疑問して言う
「え…?」 「あれ…?」
隊員Bが言う
「えー?」
隊員Nが疑問して言う
「起動させねぇの?」
隊員Cが困惑して言う
「…なんて言っといて!?土壇場で起動させろとかって そう言うのは ちょっと…っ!」

【 ART本部 第二訓練所 】
ラミリツが言う
「こちらART2 総員マシーナリーへの搭乗を完了したっ 次の指示を!司令塔っ!」
グレイゼスの声が聞こえる
『ART1及びART2総員の マシーナリーへの搭乗を確認 …気持ちは分かるが そう焦らないでくれ ラミリツ隊長』
ラミリツが表情を怒らせて言う
「焦らないでなんかいられないっ そっちには…っ!」

【 帝国 司令塔 】

メインモニターに映るラミリツが言う
『ハブロス司令官が 居るんだからっ』
グレイゼスが苦笑して言う
「同じ場所に居る俺らの事は 二の次三の次… ハブロス司令官の次の次って所かな?流石は…」
ラミリツが言う
『無駄話なんて要らないよっ 指示はっ!?』
グレイゼスが言う
「分かった分かった 指示なら もう少し待ってくれ 今 転送準備を進めている …ライム大尉 どうだ?」
ラキンゼスがコンソールモニターを前に言う
「ああ、やっぱり マシーナリーへ乗り込んだ後の方が 良い数値が出てる これならきっと大丈夫だろ?」
グレイゼスが頷いてから正面モニターへ向って言う
「ハブロス司令官 こちら ART司令塔!ART1及びART2隊員らの転送準備 完了しました!数値の状態も問題ありません!」
アースの声が聞こえる
『良し では カウントと共に 転送処理を実行しろ マスターグレイゼス中佐』
グレイゼスが言う
「了解 では…!」

【 ART本部 第一訓練所 第二訓練所 】

オペ子Bの声が聞こえる
『これより ART第一訓練所 及び 第二訓練所を 緊急凍結します 第一訓練所 及び 第二訓練所 ゲート類を閉鎖』
第一訓練所と第二訓練所の出入り口が閉まりレッドシグナルが点灯する 訓練所から格納庫へのゲートが閉まりレッドシグナルが点灯する

第一格納庫

第一訓練所の外部へのゲートが閉まりレッドシグナルが点灯する 隊員たちが呆気に取られていて 隊員Bが言う
「あれー?閉まっちゃったー?」
隊員Fが言う
「しかも レッドシグナルって事は 正しく閉鎖だ 通常の解除方法じゃ 内側からだって開かないぞ?」
隊員Bが言う
「えー?」
グレイゼスの声が聞こえる
『これより ART1及びART2隊員たちの 転送処理を実行する 総員 マシーナリー内にて 転送体勢を取れ』
隊員Cが衝撃を受けて言う
「転送体勢ってっ!?何それっ!?」
ART1隊員たちが衝撃を受け困惑する

第二格納庫 

ART2隊員たちが呆気に取られている グレイゼスの声が聞こえる
『あ… そうだったな?言われてみれば 初めての諸君には 指示の言葉だけじゃ 分からないか?』
ラミリツが気を取り直して言う
「もっと 具体的にはっ!?」
グレイゼスが言う
『えーっと それなら…』
ラキンゼスの声が聞こえる
『転送処理のカウント開始を確認 カウント5秒前 4!3!2!』
ラミリツと隊員たちが呆気に取られる

第一格納庫

ラキンゼスの声が聞こえる
『1…!』
隊員Bが呆気に取られて言う
「えー?転送されちゃうー?」
隊員Nと隊員Vが慌てて言う
「ま、間に合わないんじゃっ!?」 「なんだってーっ!?」
隊員Cが衝撃を受けて叫ぶ
「だから 有り得ねぇってーっ!こんな事するのはー!」
ラキンゼスの声が聞こえる
『転送開始!』
ART1隊員たちが息を飲む

【 帝国 司令塔 】

ラキンゼスが言う
「ART1 及び ART2 総員の転送を確認!転送先…」

【 帝国 マシーナリー格納庫 】

マシーナリー内にて 隊員たちが各々目を開き疑問して周囲を見る ラキンゼスの声が聞こえる
『帝国内 マシーナリー格納庫!』
隊員たちが衝撃を受け 隊員Cが叫ぶ
「まじでーっ!?」
隊員Iが呆気に取られて言う
「帝国の…?」
隊員Aが呆気に取られて言う
「あの一瞬で…?」
隊員Fが自分の両手を見て言う
「とても信じられないが…」
隊員Bが呆気に取られて言う
「帝国のマシーナリー格納庫に 到着ー?」
隊員Cが表情を引きつらせて言う
「あ、有り得ねぇ… けど 有り得る… 流石は あの…」
ハイケルが言う
「悪魔の司令か… んがっ!?」
ハイケルの頭にコルク栓が当たる ハイケルが頭を抑えつつ振り向くと コンソールの上にエルムの人形が居て小銃を構えている ハイケルが言う
「エ、エルム少佐!?」
エルムの人形が小さな鉄砲の構えを解除すると グレイゼスの声が聞こえる
『ART1 及び ART2隊長 双方状況は?』
ハイケルが気を取り直して言う
「状況…?状況は…」

【 帝国 マシーナリー第二格納庫 】

ラミリツがマシーナリーから身を乗り出して周囲を見て居て言う
「こちらART2隊長 周囲 共に 隊員らに問題なし!…となれば!」
ラミリツがマシーナリーのコックピットシートへ座り言う
「状態は分からないけど このマシーナリーを 起動させるよっ!?良いよねっ!?」
周囲に轟音が轟く ラミリツが閉じていた目を開くと同時にマシーナリーが起動する ART2隊員たちがハッとしてから頷き合いコックピットシートへ向かう

【 帝国 城外 】

アースとエルムαたちが佇んでいる 機械兵士らが近くまで来ると アースたちの前方で止まる アースが言う
「ほう?どうやら 物事を理解する能力は 有している様だな?」
機械兵士がアースを見て識別している アースが言う
「私は このアールスローン帝国の者だ お前たちは何者だ?何故 この地へ訪れ 破壊活動を行なう?この地に住まう 我々と 親睦を深めたいと言う様子には とても 見られないが?」
機械兵士が識別を完了させると アースへマシンガンを向ける アースが言う
「それが答えか?」
機械兵士が銃撃を開始する Mラミリツが猛スピードで現れると機械兵士のマシンガンを斬り上げ 空かさず機械兵士を切り捨てる 機械兵士が倒れると爆発する Mラミリツが振り返って言う
「ハブロス司令官っ!無事っ!?」
Mラミリツの視線の先 エルムαが2体倒れ その後ろに居たアースが顔を上げ口角を上げる ラミリツがホッとすると言う
「良かった… …もうっ いくらエルムを連れているからって 危ないじゃな…っ!」
機械兵士らから銃撃が開始される ラミリツがハッとして Mラミリツが向き直ると その前でシールドに銃撃が防がれる Mラミリツが反応すると アースが手を振り払うと共に防がれた銃弾が払われ アースが言う
「戦場へ転送された ART総員は これより防戦任務を開始する アールスローン帝国 及び 我々ARTへ襲撃を行なう者へは 反撃を許可する アールスローン帝国軍レギスト特殊部隊 第1第2機動部隊 始動っ!」
ラミリツとハイケルが言う
「「了解!司令官っ!」」
アースの前 左右にART1とART2が集結している

【 ? 】

男がモニターに口角を上げ言う
「ほう…?奴が?」
司令塔隊員たちと共に 男がモニターに映るアースの姿を見ている 男が言う
「アールスローン帝国の… 司令官か?」
男がニヤリと笑む

【 帝国 城外 】

城壁前で攻防が開始される 周囲に機械兵士らの銃撃が被弾する アースが顔を向けるとその前でエルムαが爆片からアースを庇って被弾して倒れる アースが言う
「ここでは 彼らの邪魔か…」
アースが正面のMラミリツの背を見る Mラミリツはアースを庇って移動を留めている アースが言う
「私は城内へ戻る ここは任せるぞ ラミリツ隊長」
ラミリツが微笑して言う
「了解!司令官!」
アースとエルムαたちが立ち去って行く ラミリツが横目に見てから言う
「…これなら 安心して…」
ラミリツが顔を上げるとサブモニターへ視線を向けて言う
「シュナイゼル!敵部隊の後方は!?」
シュナイゼルの声が聞こえる
「こちらシュナイゼル 現在 敵部隊の末端を確認すべき 進行中!」
ラミリツが視線を強めて言う
「これだけ数が多いとなれば 出現元の確認は必須っ …ART1隊長!」
Mハイケルが振り向く Mラミリツが振り向いて言う
「今 シュナイゼルが ART2の小隊を率いて 敵部隊の後方を確認に向ってる 僕はここを任されているから アンタ ちょっと 行って来て!」
Mハイケルが衝撃を受けて言う
「何?私が か…?」
Mラミリツが言う
「そ!早く!」
Mハイケルが言う
「いや… しかし そうと言われようとも 私も こちらでART1を率いているのだが…?」
ラミリツがモニターを見て言う
「率いてるって言ったって アンタは 隊員たちと一緒に 唯 戦っているだけでしょっ!?それなら アンタんトコの副隊長の2人で十分!それに 何かあれば 僕が ART1をフォローしてあげられる だから アンタはうちのシュナイゼルたちのフォローに行ってやって!」
Mハイケルが言う
「そうか それならば… いや?そもそも その お前が そちらの副隊長のフォローへ向かったら良いのでは無いのか?そして こちらのフォローは 私が…」
Mラミリツが怒って言う
「僕はハブロス司令官からここを任されているのっ それに フォローをするなら 別の武器を持った者が行った方が 対処の幅が広がるだろ!?ART1とART2が異なる武器を専用にしている理由でもある!分からないかなあっ!?」
Mハイケルが押されて言う
「う…っ す、すまん それは 確かに…」
MハイケルとMラミリツが 近くへ現れた機械兵士を倒す Mラミリツが言う
「分かったら良いの!それじゃ?」
Mハイケルが言う
「了解 では…」
Mハイケルが向き直ると滑走する Mラミリツが機械兵士を切り捨てる

【 帝国 司令塔 】

アースが現れるとグレイゼスの横へ来て言う
「情報は?何か得られたか?」
グレイゼスがコンソールの操作を止めてから顔を左右に振って言う
「いえ 生憎… 現ターゲットが この大陸で作られたマシーナリーでは無いと言う事と この帝国の膨大な情報の中にも その存在は記録されていないと言う事の2点以外には 何も…っ」
ラキンゼスが言う
「ART1隊長 ハイケル少佐 急速移動を開始っ 敵部隊の後方へと向う模様!」
アースが言う
「情報で分からなければ 直接 確かめようと言う事か」
オペ男Bが言う
「そちらのハイケル少佐の移動先には 既に ART2シュナイゼル副隊長と数名のART2隊員たちが到達しています」
アースが言う
「通信は可能か?」
オペ男Bが言う
「何とか ギリギリ 通信可能範囲ですっ 通信繋ぎます!」
スピーカーから雑音と共にシュナイゼルの声が聞こえる
『…ちら ART2 副隊長!』
アースが言う
「シュナイゼル副隊長 聞こえるか?敵部隊の末端は確認出来たか?」
シュナイゼルの声が聞こえる
『はっ!我々は敵部隊の末端を確認しました!そちらの映像を お送ります!』
アースがオペ男Bを見ると オペ男Bがコンソールを操作してメインモニターを見上げる アースが視線を追って見上げると メインモニターに録画映像が映り アースと周囲の隊員たちが反応して オペ子Aが言う
「あれはっ まさかっ!?」
アースが言う
「ゲートか?」
オペ子Aがコンソールを操作する シュナイゼルの声が聞こえる
『我々も当初は そちらの様にとっ …しかし』
映像に映っている転送風景が移動魔法の様子を見せる アースが視線を細めて言う
「なるほど?我々も以前に使用した ヴァンパイアたちのゲートとは 異なる様にも見えるが… 映像からの解析は可能か?」
グレイゼスがコンソールを操作していて言う
「確かに 異常な数値が 我々にとっては未知のデータ情報が記されています これを解析するとしても…」
オペ子Aが気付いて言う
「…これはっ」
アースと皆が反応し アースが言う
「何だ?」
オペ子Aが振り返って言う
「分かりましたっ!このデータ!同じです!あの…っ 先日 ART本部の襲撃に現れた あの剣士を現していたプログラムと 同じ構造です!」
グレイゼスがハッとするとコンソールを操作する アースが言う
「奴の…?そうか そう言う事か」
グレイゼスが見付けて言う
「在りましたっ 確かに!彼女の言う通り システム自体は異なろうとも 性質は同じ!間違いなく 奴らは!…ターゲットは ログウェルンからの刺客ですっ!奴らの再々来となれば これはもう …アールスローン帝国への 侵略と言う事でしょう!?」

【 帝国 敵部隊末端 】

Mシュナイゼルが機械兵士を切り捨てると 周囲を見て言う
「相手は限りなく現れる機械兵士… まるで 以前の我々とマシーナリーとの戦いの様だ …このままではっ」
Mシュナイゼルがハッとすると 機械兵士がMシュナイゼルへマシンガンを向けている Mシュナイゼルがプラズマセイバーを向けようとするとエネルギーが弱まる Mシュナイゼルがハッとすると 機械兵士が被弾して倒れる Mシュナイゼルが振り向くと Mハイケルが射撃した姿で居て言う
「クリア」
シュナイゼルがホッとして言う
「助かりました ハイケル少佐」
Mハイケルが言う
「問題ない それより…」
周囲に機械兵士たちが集まって来る Mハイケルが次々に撃ち取ると 弾倉を変えて言う
「必要な確認が済んだのであれば 本部隊へ合流しろ 我々だけでは この場を押さえきれない」
Mハイケルが銃撃を行なう 機械兵士が被弾して倒れると 続く 機械兵士の襲撃をMシュナイゼルが切り捨てて言う
「了解です ハイケル少佐 可能な報告は済ませましたので この場は退却します …ART2小隊!退却だ!本部隊へ合流する!」 
ART2隊員たちが言う
「「了解!副隊長!」」
Mハイケルが言う
「援護する 先に向かえ」
Mシュナイゼルが言う
「了解っ!少佐!」
MシュナイゼルとART2隊員たちが退避する Mハイケルが銃撃を行なう

【 ? 】

男が笑んで言う
「気付かれたか?…フッ」
メインモニターにMハイケルが映っている

【 帝国 敵部隊末端 】

Mハイケルが後方を確認してから弾倉を変えて言う
「ART2小隊の退却を確認 これより 私も…」
Mハイケルにアースの声が聞こえる
『ハイケル少佐 聞こえるか?』
Mハイケルが反応してから言う
「こちらART1隊長 ハイケル少佐 通信は聞こえている 司令官」
アースが言う
『よし ならば 命令だ ハイケル少佐』
Mハイケルが反応してから言う
「…?何だ?」

【 帝国 司令塔 】

グレイゼスが呆れて言う
「あの… 本気ですか?ハブロス司令官?」
アースが言う
「何か問題か?マスターグレイゼス中佐?」
グレイゼスが視線を逸らして言う
「そりゃぁ… 普通は…」

【 帝国 敵部隊末端 】

Mハイケルにグレイゼスの声が聞こえている
『問題ですかと…?』
アースの声が聞こえる
『これが 再三に渡る彼らからの挨拶へ対する  私からの 返答だ …やれ!ハイケル少佐!』
Mハイケルが言う
「了解 悪魔の司令官」

【 ログウェルン帝国 】

男がメインモニターを見ながら言う
「…うん?」
メインモニターに黒い玉が放り込まれて来る 男が呆気に取られると 周囲の隊員が言う
「対象から 強烈な 熱源反応の発生を 確認!」
黒い玉が強い光を発して爆発する 男と周囲の隊員たちが思わず防御体制を取って 映像からの強い光に目を逸らす

【 帝国 敵部隊末端 】

Mハイケルにアースの声が聞こえる
『残りは?』
Mハイケルが手榴弾を手に言う
「後2つ程 有しているが…?」
オペ子Bの声が聞こえる
『敵部隊のゲートらしきデータの消失を確認!』
オペ子Aの声が聞こえる
『同時に 敵部隊の通信データらしき情報も 消失しました!』
グレイゼスが慌てて言う
『あぁあっ これでは 敵本部隊の詳細を掴む事も もう出来ませんよっ!?司令官っ!?』
アースが言う
『必要ない …それよりも ハイケル少佐』
Mハイケルが言う
「何だ?悪魔の司令官?」
アースが言う
『これからは 必要量の有無に関わらず 喧嘩を買う際は ありったけの爆薬を放り込め』
グレイゼスが衝撃を受けて言う
『なぁあっ!?』
Mハイケルが手に持っている手榴弾を見て言う
「そうだったのか… 私はあの規模であれば 1つで十分であると 判断をしたのだが?」
アースが言う
『こちらの本気はもちろんだが こちらの能力を提示してしまう事にも繋がる しかし それが 礼節と言うものだ』
Mハイケルが言う
「礼節…?いや、そうとは言え こちらの本気は兎も角 敵へ己の力を提示してしまうと言う事は それは… こちらへは 不利と言うものでは無いのか?」
アースが言う
『そうだな?俗に言う 敵に塩を送ると言う言葉の 実践と言った所だが お前も 真に不甲斐ないなりにも 悪魔の兵士であるなら その様な小さな事は考える必要は無い やるからには 全力で潰せっ!』
Mハイケルがハッとして言う
「っ!全力で…」

【 帝国 司令塔 】

隊員たちとグレイゼスが呆れている ハイケルの声が聞こえる
『…そうか そう言う事だったのか …了解 悪魔の司令官』
アースが言う
「結構 では お前も お前のART1本部隊へ合流しろ …急げよ?」
ハイケルの声が聞こえる
『了解』
アースが言う
「それで?既に送り込まれている あちらの機械兵士どもの 解析は済んだのか?」
グレイゼスが気を取り直して言う
「それがどうも… 我々のマシーナリーとは異なり 人間が乗り込んで操作をするものでは 無いと言う所までは分かっているのですが…」
アースが言う
「だろうな?そちらは私の目にも見えていた しかし 1人分では無いが 間違いなく光が見える そして、そちらと共に 確か以前 奴が口にしていた言葉だが…」

ウィルシュが言う
『帝国の機械兵と同じだと思って 甘く見た まさか 人間が自分から乗り込んでいるだなんてな?同じ人間として 反吐が出るぜ!』

アースが言う
「…奴は 我々のマシーナリーへ対し ”人間が自分から乗り込んで” と言う言葉を発していた となれば その奴らの機械兵士とは?」
グレイゼスが言う
「”人間が自分から乗り込んで”?それは 何と言いますか 嫌悪感の様のものも感じられる言葉で… 言い変える所の 彼らの機械兵士には 人間が自分からは 乗りたくは無い と言っているような?では… 自分からは 乗っていない… つまり あの光は… 無理やり 乗せられている?と言う事で?」
アースが視線を強めると身を翻して言う
「ここは任せたぞ マスターグレイゼス中佐」
グレイゼスがハッとして言う
「え?あ、はい …それで?ハブロス司令官は どちらへ?あ…」
アースの姿が消える グレイゼスが苦笑してから言う
「…また 何か 飛んでも無い事を されなければ良いんだが…?」
ラキンゼスが言う
「とは言っても 今は そんな飛んでも無い事でもしてもらわないと 既に送り込まれている奴らを 処理しきれないだろう?」
グレイゼスがメインモニターへ向き直る

【 帝国 城壁 】

Mラミリツがプラズマセイバーのバッテリーを変えて言う
「…これで最後」
Mラミリツが視線を上げると ラミリツが言う
「こちらART2隊長っ 司令塔!マシーナリーのっ プラズマセイバーのバッテリーって 帝国にスペアは無いのっ!?」
オペ男Bの声が聞こえる
『その”スペア”が 今までラミリツ隊長たちが 使っていた物なんです だから 言ってしまえば…』
Mラミリツがプラズマセイバーを構えて言う
「これが ホントに最後って事?」
オペ男Bが言う
『…と言う事です なので…』
Mラミリツが機械兵士らを次々に倒して行く オペ男Bが慌てて言う
『な…っ なので!?出来れば 大切にとっ!?』
Mラミリツがバッテリーの残量を見てから言う
「とても倒し切れない…っ」
Mラミリツの見渡す先 機械兵士らが押し寄せる Mシュナイゼルが到着して言う
「ART2小隊 只今戻りましたっ 隊長!」
Mラミリツが言う
「任務ご苦労 シュナイゼル 通信は聞いていた 良く突き止めてくれたね?」
Mシュナイゼルが言う
「お褒めを賜り 光栄に御座いますっ」
ラミリツが微笑してから言う
「と言っても…」
Mハイケルが到着する Mラミリツが言う
「ART1の連中には 今 帝国内に残っているマシーナリーたちから 銃弾の配給を受けに行かせてる アンタも必要なら今の内に …僕らが抑えられる内に 行っておいでよ」
MハイケルがMラミリツを見てから言う
「グレイゼス?ART2のプラズマセイバーのバッテリーチャージは 既存のマシーナリーらから調達出来るよう 改良したのではなかったのか?」
グレイゼスの声が聞こえる
『生憎 そこまでは手が回っていないんだ 今までの俺たちは 攻撃の届かない相手と戦う事へ着手していたから そちらの改良作業は後回しになっちまっていて… とは言っても ART2マシーナリーだって やろうと思えば セイバー以外の銃火器で戦う事だって出来る』
Mハイケルが反応して言う
「…そうか?言われてみれば そうだったな?」
Mラミリツが言う
「仕方が無いから アンタたちART1が戻ったら 今度は僕らが銃火器を調達しに 城壁内へ一旦下がる」
Mハイケルが言う
「了解 それなら…」
ART1マシーナリーたちがやって来ると M隊員Bが言う
「あー 少佐ぁー!お帰りなさいでありますー!少佐ぁー!」
Mハイケルが言う
「”先ほど”戻った しかし そうだな?私の弾薬残量は 確かに少なくはあるが もうしばらくは戦える 彼らが戻ったと言うのなら ここは…」
Mラミリツが言う
「それなら 次は 僕らが …司令塔!ART2の皆が使える銃火器は?何所にあるの?」
グレイゼスが言う
『ああ それなら 今…』
城壁の扉が開く Mラミリツが振り向いて言う
「分かった 今開いた あの扉へ 向かえば良いんだね?」
グレイゼスが呆気にとられて言う
『え?いや?そこは…』
ラミリツが疑問して言う
「え?違うの…?あれ?あのマシーナリーは…?」
MラミリツとMハイケルの視線の先 開かれた扉から RDD001が現れる ラミリツが言う
「確か 以前 新しく入ったって… 資料の上で見ただけだったけど えっと… 防衛特化 RDD001マシーナリー?」
Mハイケルが言う
「…と言う事は 操縦者はハブ…がぁっ!?」
Mラミリツが疑問して言う
「え?」
Mハイケルが自分のコックピットを見て言う
「私の中の 無防備な私を…っ」
ラミリツが疑問して言う
「は?」
Mハイケルの中モニターに映っているラミリツが呆れて言う
『…アンタ何言ってるの?』
モニターの上に居るエルムの人形が小さな小銃を構えている 小銃の先失神したハイケルが居る

【 帝国 司令塔 】

オペ男Aが言う
「起動マシーナリーは RDD001マシーナリーと識別!操縦者は… 識別不能っ!操縦者の情報と共に コックピット内へのアクセスも出来ません!」
グレイゼスが慌てて言う
「ハブロス司令官っ!?ハブロス司令官ですよね!?一体 何をするつもりですかっ!?いくらそのマシーナリーが防衛特化であろうともっ 相手がプラズマレーザーではなくとも!被弾許容限界と言うものはあります!ハブロス司令官っ!聞こえていますかっ!?応答をっ!」

【 帝国 城壁 】

RDD001マシーナリー内

アースの携帯が置かれていてグレイゼスの声が聞こえる
『ハブロス司令官っ!?こちら 司令塔!応答を お願いしますっ!』
アースが一度携帯へ視線を向けてからモニターを見て言う
「モニター越しでは やはり見え辛くはなるが…」

RDD001が前進する ARTマシーナリーたちが呆気に取られて見つめると RDD001が立ち止まる 

RDD001マシーナリー内

アースが言う
「…いや 光だけではない… 近くへ来た事で 今ならハッキリと分かるぞ?お前たちの 魂の叫びが!」
RDD001マシーナリーの前で 機械兵士たちがマシンガンを構える

Mラミリツの中

ラミリツが言う
「司令塔!こちらART2隊長!あの001マシーナリーは何!?誰が乗ってるのっ!?」
グレイゼスの声が聞こえる
『そ、それは…っ!』
エレキギターの音が聞こえる ラミリツがハッとする

ARTマシーナリーたちの視線の先 RDD001からエレキギターの曲が響く ART1隊員たちとART2隊員たちが呆気に取られる 隊員Nと隊員Vが慌てて言う
「「ア、アニキィー!?」」
ラミリツが慌てて言う
「ま、まさかっ 操縦者はっ!?」
MラミリツがRDD001へ向かう RDD001の前 マシンガンを向けていた機械兵士たちが停止している Mラミリツが到着すると言う
「アニキっ!?ここでは危険ですっ 僕が援護するので 退避をっ!」
Mラミリツがプラズマセイバーを構えるがエネルギー切れで刃が出ない Mラミリツが衝撃を受けて言う
「…ってっ!?あぁあっ そ、そうだったっ!」
ラミリツが慌てて言う
「バッテリー切れっ!?アニキが居るって時にっ こんな時に限ってっ!?ホントにもうっ!?」
ラミリツが思う
(僕って ナックキラーやアニキと関わる時に限って 本当に運が悪いってっ!)
ラミリツが手を握り締めて言う
「こうなったら もう…っ!」
MラミリツがRDD001マシーナリーの横で身構えて言う
「格闘術ででもっ!?」
ラミリツが意を決して言う
「さあっ 掛かって…っ!…って?」
Mラミリツが疑問して言う
「…来ない?」
Mラミリツが呆気に取られると 機械兵士らが皆停止している ART1とART2隊員たちが皆呆気に取られて言う
「何で…?」 「動きが… いや?」 「攻撃が 止んだ?」

RDD001マシーナリー内

アースがエレキギターを弾きながらモニターを見て思う
(魂の光が… 怯えと怒り 戸惑いを示していた 彼らの光が変わった …これなら)
アースが微笑すると言う
「もう 大丈夫だ 戦いは これで…」
アースの携帯からグレイゼスの慌てた声が聞こえる
『緊急事態っ!戦地に居る者は総員!城壁内へ退避だっ!急げっ!!』
アースが疑問して言う
「どうした?何事… …っ!?」
アースの視線の先 モニターに映っている機械兵士らのサーモモニターが一気に赤く染まる アースが呆気に取られると同時に RDD001が防御体制を取りシールドを展開する

一瞬の閃光の後 周囲一体に大爆発が起きる


続く
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

空前のプレリュード 〜虚空の魔女の物語〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:2

ここは猫町3番地の2 ~限りなく怪しい客~

ミステリー / 完結 24h.ポイント:340pt お気に入り:36

離婚しようですって?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,711pt お気に入り:15

魔族と組んで異世界無双!リメイク

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:326pt お気に入り:63

ハーレムから逃げられた男

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,386pt お気に入り:116

タクシーA

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:0

ポンコツ奈々子の恥さら誌

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:696pt お気に入り:0

小さな町の 冬の おはなし

現代文学 / 完結 24h.ポイント:1,640pt お気に入り:3

魅了ってチートになりますかね

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:461pt お気に入り:3

私を捨てた元婚約者は、新しい恋人に飽きられてきたらしい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,592pt お気に入り:1,076

処理中です...