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魔女狩り
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シーリンには不思議な力があった。
それは人の傷を癒す力だ。
教会には今日も病や怪我を負ったたくさんの人であふれかえっていた。
シーリンは教会の見習いシスターでもあった。
「シーリン、一旦休憩したらどうだい」
神父のリドルフがそう声をかけてきた。
「でも、まだまだ患者さんがいますから。私は大丈夫です」
そう言いにっこり微笑んだ。
リドルフはその笑みに見惚れた。
「そうか、君がそう言うなら大丈夫なのだろうね」
「はい」
そう言い、シーリンはまた治療を再開した。
シーリンにも何故自分がこのようなことが出来るのか分からない。
物心をついた頃から出来たので何も不思議に感じることはなかった。
暫く治療を続けていると見知らぬ男たちに囲まれた。
「え・・・?あなた方は?」
「お前が魔女シーリンか?」
「魔女・・・?私が?」
「今までの治療を見せてもらっていたがとても人間が出来る事とは思えない」
「したがって我々は貴様を魔女だと断定した」
「何ですって・・・!!?」
シーリンは教会から連れ出され町はずれのさびれた場所へと連れて来られた。
木に手足を括りつけられ、足元には藁を敷かれた。
「まさか・・・火あぶりにでもするつもりですか!?」
「そのまさかだ」
「俺たちは魔女狩りをしている者だ」
シーリンは必死になって訴えた。
「私は魔女ではありません!神に仕える身です」
「皆、死ぬときにはそう言う事を口走る」
「シーリン!」
「神父様!!」
「どうかシーリンを離してください。彼女は魔女なんかではありません!!」
「庇い立てするのならお前も魔女の仲間だとみなすが?」
「~っ!」
神父は黙った。
「神父様に手を出さないでください!」
「あなた方の目的は私でしょう?」
「ああ、お前が大人しく焼かれれば他のシスターやその神父には手出ししない」
藁に火が落とされた。
足が熱くなってきた。
「誰か助けて!!」
シーリンがそう叫ぶと空から男が降ってきた。
シーリンの戒めを解き、彼女を抱きとめた。
空がから降ってきた男はシーリンを連れ去った。
後ろから怒鳴り声がする。
「待て!」
「必ず捕まえてやるからな」
シーリンはその声を聞きぞくりとした。
今の特殊な状況にも驚いた。
シーリンは男に抱きかかえられたまま空を飛んでいた。
「あの・・・危ない所をありがとうございました」
「・・・お前、俺の事が怖くないのか?」
「はい」
「・・・」
男は目を見開いて驚いていた。
綺麗な水色の瞳だった。
シーリンは男の整った顔に思わず見惚れてしまった。
「どこか安全なところへ運んでやりたいんだが、どこがいい?」
「私には他の町には知り合いがいません。それにあの人たちまた追ってきそうで怖いです」
「そうか・・・」
「あのあなたの名前は?」
「レンだ」
「レンさんの所においてくださいませんか?」
「俺のところにか?」
急な事でやはり迷惑だろうか・・・。
でも、レンの傍で恩返ししたいとも考えている。
「掃除、洗濯なんでもします!お願いします」
そう言うとレンは困った顔をしてこう言った。
「危険がなくなるまでだからな?」
レンは、はぁーっと重たい溜息を付いた。
「ありがとうございます」
シーリンは喜んだ。
シーリンが連れて来られた場所は大きな屋敷だった。
ここが今日からシーリンの職場になる。
「そう言えばどうして空を飛ぶことが出来たんですか?」
「俺はヴァンパイアだ」
「!!」
シーリンは後ずさった。
「そう怯えなくても人の血はもう吸っていない」
「え?」
「人と同じものを食しながら生活している。シーリンは料理は得意か?」
シーリンは頷いた。
「それは楽しみだな」
そう言いレンは歩き始めた。
シーリンは見失わないようにその後姿を必死で追った。
「今日からこの部屋を使うと良い」
質素でベッドと椅子と机しかない部屋だったがシーリンには充分だった。
「ありがとうございます」
「浴室や洗面所には後から案内しよう」
「はい」
シーリンは受け入れられたことが本当に嬉しかった。
これから恩返ししていきたい。
今、自分が生きていられるのはレンのおかげなのだから。
それは人の傷を癒す力だ。
教会には今日も病や怪我を負ったたくさんの人であふれかえっていた。
シーリンは教会の見習いシスターでもあった。
「シーリン、一旦休憩したらどうだい」
神父のリドルフがそう声をかけてきた。
「でも、まだまだ患者さんがいますから。私は大丈夫です」
そう言いにっこり微笑んだ。
リドルフはその笑みに見惚れた。
「そうか、君がそう言うなら大丈夫なのだろうね」
「はい」
そう言い、シーリンはまた治療を再開した。
シーリンにも何故自分がこのようなことが出来るのか分からない。
物心をついた頃から出来たので何も不思議に感じることはなかった。
暫く治療を続けていると見知らぬ男たちに囲まれた。
「え・・・?あなた方は?」
「お前が魔女シーリンか?」
「魔女・・・?私が?」
「今までの治療を見せてもらっていたがとても人間が出来る事とは思えない」
「したがって我々は貴様を魔女だと断定した」
「何ですって・・・!!?」
シーリンは教会から連れ出され町はずれのさびれた場所へと連れて来られた。
木に手足を括りつけられ、足元には藁を敷かれた。
「まさか・・・火あぶりにでもするつもりですか!?」
「そのまさかだ」
「俺たちは魔女狩りをしている者だ」
シーリンは必死になって訴えた。
「私は魔女ではありません!神に仕える身です」
「皆、死ぬときにはそう言う事を口走る」
「シーリン!」
「神父様!!」
「どうかシーリンを離してください。彼女は魔女なんかではありません!!」
「庇い立てするのならお前も魔女の仲間だとみなすが?」
「~っ!」
神父は黙った。
「神父様に手を出さないでください!」
「あなた方の目的は私でしょう?」
「ああ、お前が大人しく焼かれれば他のシスターやその神父には手出ししない」
藁に火が落とされた。
足が熱くなってきた。
「誰か助けて!!」
シーリンがそう叫ぶと空から男が降ってきた。
シーリンの戒めを解き、彼女を抱きとめた。
空がから降ってきた男はシーリンを連れ去った。
後ろから怒鳴り声がする。
「待て!」
「必ず捕まえてやるからな」
シーリンはその声を聞きぞくりとした。
今の特殊な状況にも驚いた。
シーリンは男に抱きかかえられたまま空を飛んでいた。
「あの・・・危ない所をありがとうございました」
「・・・お前、俺の事が怖くないのか?」
「はい」
「・・・」
男は目を見開いて驚いていた。
綺麗な水色の瞳だった。
シーリンは男の整った顔に思わず見惚れてしまった。
「どこか安全なところへ運んでやりたいんだが、どこがいい?」
「私には他の町には知り合いがいません。それにあの人たちまた追ってきそうで怖いです」
「そうか・・・」
「あのあなたの名前は?」
「レンだ」
「レンさんの所においてくださいませんか?」
「俺のところにか?」
急な事でやはり迷惑だろうか・・・。
でも、レンの傍で恩返ししたいとも考えている。
「掃除、洗濯なんでもします!お願いします」
そう言うとレンは困った顔をしてこう言った。
「危険がなくなるまでだからな?」
レンは、はぁーっと重たい溜息を付いた。
「ありがとうございます」
シーリンは喜んだ。
シーリンが連れて来られた場所は大きな屋敷だった。
ここが今日からシーリンの職場になる。
「そう言えばどうして空を飛ぶことが出来たんですか?」
「俺はヴァンパイアだ」
「!!」
シーリンは後ずさった。
「そう怯えなくても人の血はもう吸っていない」
「え?」
「人と同じものを食しながら生活している。シーリンは料理は得意か?」
シーリンは頷いた。
「それは楽しみだな」
そう言いレンは歩き始めた。
シーリンは見失わないようにその後姿を必死で追った。
「今日からこの部屋を使うと良い」
質素でベッドと椅子と机しかない部屋だったがシーリンには充分だった。
「ありがとうございます」
「浴室や洗面所には後から案内しよう」
「はい」
シーリンは受け入れられたことが本当に嬉しかった。
これから恩返ししていきたい。
今、自分が生きていられるのはレンのおかげなのだから。
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