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図書館から異世界へ番外編 (綾香)2
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愁宋は綾香によく触れてくる。嫌だといえばそれ以上のことをしてはこない。
愁宋は優しい。綾香の心の準備ができるのを待ってくれている。
でも、はやく彼につり合うようになりたいと綾香は焦っていた。
この世界のことは全く知らないし、知り合いや仲の良い人は軍事責任者である加賀という男と沙希だけだった。
愁宋が王宮内は危険だからと綾香を外へ出すことを控えている。身の回りの世話をするのは愁宋が一番信頼している女官の沙希だけで、加賀は暇を持て余している綾香の様子をちょくちょく見に来てくれる。愁宋は毎夜必ず会いに来てくれる。
そのことに不満はないが、守られているばかりではこれからこの世界になじんでいくことはできないと感じていた。
今は色々学んで少しはこの世界についてわかってきたところだ。
愁宋にはまだ内緒だが綾香は正妃になるために最近努力を怠らない。
朝から晩まで書簡に目を通し少しでも暗記しようとした。
そんなある日、いつもより早い時間に愁宋がやってきた。
「え!?愁宋?どうしてこんな早い時間に?」
バサバサと書簡が床に落ちた。
愁宋が不思議そうに思いその一つを手に取った。その書簡をぱらぱらとめくっていく。
(あー・・・ばれちゃった)
綾香はがっくりと項垂れた。
「綾香は正妃になる決心をしてくれたのか?」
今、愁宋が手にしている書簡は正妃になるための事柄が書き綴られているものだった。
綾香はうつむいて小さく返事をした。
「うん、でもまだ勉強不足で・・・」
蒼い色の瞳が狂おしそう愛情を湛えて綾香を見つめた。
「綾香がその気になったならなんだって協力する」
「え?」
綾香は驚いた。ほかに何か色々言われるだろうと思っていたのに真剣に協力してくれるらしい。
「書簡では暗記することくらいしかできないだろう。実際、公の場で同席してみないか?」
「明日、また妃候補たちが来る。それをやんわり断る協力をしてくれたらいい」
「そんなこと、私にはできないわ。何の知識もないんだもの」
愁宋は綾香を包み込むように抱きしめた。
「大丈夫だ。俺がついているし、絶対一人にさせないから。必ず守るよ」
愁宋の手に力が入った。
綾香は少し考えた後、口を開いた。
「わかった。明日同席してみる。私に何ができるかわからないけど、それでもいい?」
「ああ」
愁宋は嬉しそうにしている。
愁宋の表情を見てうれしくなった。
「沙希」
愁宋がそう呼ぶと外で待機していた沙希が部屋に入ってきた。
「愁宋様、およびですか?」
「綾香に似合いそうな衣装を用意してくれ、明日の公務に同席させる」
一瞬固まった沙希だがずぐに答えた。
「はい、わかりました。明日の衣装でございますね。・・・ふふふ、ちょっと楽しみです」
「ああ、俺も楽しみだ。奴らの反応が早くみたいな」
「そうですね」
沙希と愁宋はとても楽しそうな表情を浮かべている。
本当に大丈夫なのか少し不安になってきた綾香だった。
次の日の朝バタバタとあわただしく綾香の着付けが始まった。今までは小さな花の簪を付けているくらいだった綾香だが、今回は公務に同席するためそれなりの恰好を要求されているのだ。
真っ白な絹の衣を素早く着せられた。ボリュームもいつもよりある。幾重にも広がる裾、まるで西洋のドレスのようにも感じる。首元の袷だけが着物っぽい。
(純白って・・・ウエディングドレスみたい)
あたまには金の飾りが付けられた。少し重みを感じる。首元を彩る宝石たちもかなり重たい。これが正装なのだろうか?
「沙希ちゃんこの服って、この国の正装?」
「いいえ、これは愁宋様が綾香様をお披露目するときのために作られた衣装になります。この国の正装ではありません」
どういうつもりなのだろうか。何かの策なのだろうか。
見た目はすごくかわいくて白い牡丹をイメージしたような衣装だった。
この国の正装じゃないにしても綾香は気に入った。
着付けが終わってしばらくすると愁宋が自ら迎えに来てくれた。
愁宋はすっと手を綾香に差し伸べた。
「想像以上にに美しいな。さぁ、行こうか。俺の愛しい正妃、綾香」
「ええ、参りましょう」
綾香は芝居がっかったセリフを言う愁宋にあわせた。今から行くところは未知の場所。どんなことが待ち望んでいるかわからない。それなら一番信頼できる愁宋にすべて任せようと思った。
彼に合わせ乗り切ろう。
綾香はそう思った。
王宮に来たのは初めてだった。綾香は後宮の正妃の間しか出入りが許されていないから外の空気が新鮮に感じた。
愁宋に手を引かれやってきたのは大広間。
扉越しに人々の色々な声が聞こえた。
愁宋が扉に手をかけ開いて上座に進んでいく。もちろん綾香への配慮もありゆっくり進む。
人々の視線が綾香に集中している。
(人の視線ってこんなに怖かったっけ?)
そんなことを思いながら綾香は愁宋の隣に用意された椅子に腰かけた。
その瞬間それをとがめるようね視線を送られる。まるで突き刺さるような敵意の視線。
「王よ、本日も正妃候補、妃候補の娘たちを連れてまいりました。気に入った娘があればどうぞご存分にかわいがられてください」
広間に集められた娘たちは皆美しい容姿をしていた。
綾香は平凡でどこにでもいるような娘だ。こんな美女と比べられてはたまらない。
綾香は恥ずかしくなり俯こうとした。
(うつむいてはいけない!今日は正妃(仮)としてここに来たんだもの)
そう思い綾香は顔をあげ、愁宋に話しかけた官吏を見つめた。
彼と目が合ったので綾香はにっこりっと微笑んで見せた。
愁宋がそのやり取りを見ていたようだ。
「綾香、こちらへ」
「はい」
言われるがまま席を立ち愁宋の元へ行った。
愁宋は綾香を自分の膝の上で横抱きにした。とても大切なものでも扱うように触れてきた。
周囲の者がそんな王を見て固まっている。
「俺はこの娘しか正妃に迎える気はない。妃もいらん。そう何度も言っているのにもかかわらずお前たちは毎回見目麗しい娘たちを連れてくる」
「はい、王に喜んでいただきたく思いー・・・」
一人の官吏が一歩、歩み出て王の前へ出てきた。
王はそのものはじっと見つめ冷たい声音で言った。
「俺に喜んでほしくば、これをやめよ!俺は綾香以外必要ない」
「ですが、王ももう21になります。そろそろお世継ぎを・・・」
「世継ぎができたからと言って俺の死後子供に力が移行するという確率は低いぞ?」
「お前たちは余計なことをせず仕事に励め」
「ですが」
「くどい!」
愁宋のその一言で何かを言うものは誰もいなくなった。
「世継ぎなら、この綾香に産ませる!それなら何の問題もないだろう?」
その発言に驚いた綾香は愁宋の膝の上で呆然としていた。
(私が・・・?世継ぎを、愁宋の子を産む・・・?)
「そうであろう?綾香?」
「あ、はい」
真っ赤になりながら綾香は答えた。
こんなにたくさん人のいる場所で子づくり宣言されてしまった。
これを恥ずかしくないという女はいないだろう。
そんなことを考えていると愁宋の瞳が怪しげに揺れた。
胸がじんっとして愁宋に気づかれないようぎゅっと寄り添った。
彼の手が髪のひと房を救い戯れるように指先で弄る。
心地よさとくすぐったさに首をすくめると、愁宋が上半身をかがめて綾香の唇に唇を重ねてきた。
やさしい口づけに綾香はめをとじたが、やがて唇を食まれ舌先でなぞられた。
綾香は人前だということを思い出して慌てて抗議の瞳で愁宋を見つめた。
「駄目です、見られて・・・」
「見られてるから、意味があるんだろう?」
綾香はそのまま激しい口づけを受けた。
一瞬辺りを窺ったが、皆、唖然とこちらを見ていた。
「ほら、皆もう何も言えまい」
そう笑う愁宋は意地悪な少年にも見えた。
私は今日なぜこの場に連れてこられたのかを理解した。
(確かにこれならば誰も何も言う気が起きなくなるだろう)
愁宋は優しい。綾香の心の準備ができるのを待ってくれている。
でも、はやく彼につり合うようになりたいと綾香は焦っていた。
この世界のことは全く知らないし、知り合いや仲の良い人は軍事責任者である加賀という男と沙希だけだった。
愁宋が王宮内は危険だからと綾香を外へ出すことを控えている。身の回りの世話をするのは愁宋が一番信頼している女官の沙希だけで、加賀は暇を持て余している綾香の様子をちょくちょく見に来てくれる。愁宋は毎夜必ず会いに来てくれる。
そのことに不満はないが、守られているばかりではこれからこの世界になじんでいくことはできないと感じていた。
今は色々学んで少しはこの世界についてわかってきたところだ。
愁宋にはまだ内緒だが綾香は正妃になるために最近努力を怠らない。
朝から晩まで書簡に目を通し少しでも暗記しようとした。
そんなある日、いつもより早い時間に愁宋がやってきた。
「え!?愁宋?どうしてこんな早い時間に?」
バサバサと書簡が床に落ちた。
愁宋が不思議そうに思いその一つを手に取った。その書簡をぱらぱらとめくっていく。
(あー・・・ばれちゃった)
綾香はがっくりと項垂れた。
「綾香は正妃になる決心をしてくれたのか?」
今、愁宋が手にしている書簡は正妃になるための事柄が書き綴られているものだった。
綾香はうつむいて小さく返事をした。
「うん、でもまだ勉強不足で・・・」
蒼い色の瞳が狂おしそう愛情を湛えて綾香を見つめた。
「綾香がその気になったならなんだって協力する」
「え?」
綾香は驚いた。ほかに何か色々言われるだろうと思っていたのに真剣に協力してくれるらしい。
「書簡では暗記することくらいしかできないだろう。実際、公の場で同席してみないか?」
「明日、また妃候補たちが来る。それをやんわり断る協力をしてくれたらいい」
「そんなこと、私にはできないわ。何の知識もないんだもの」
愁宋は綾香を包み込むように抱きしめた。
「大丈夫だ。俺がついているし、絶対一人にさせないから。必ず守るよ」
愁宋の手に力が入った。
綾香は少し考えた後、口を開いた。
「わかった。明日同席してみる。私に何ができるかわからないけど、それでもいい?」
「ああ」
愁宋は嬉しそうにしている。
愁宋の表情を見てうれしくなった。
「沙希」
愁宋がそう呼ぶと外で待機していた沙希が部屋に入ってきた。
「愁宋様、およびですか?」
「綾香に似合いそうな衣装を用意してくれ、明日の公務に同席させる」
一瞬固まった沙希だがずぐに答えた。
「はい、わかりました。明日の衣装でございますね。・・・ふふふ、ちょっと楽しみです」
「ああ、俺も楽しみだ。奴らの反応が早くみたいな」
「そうですね」
沙希と愁宋はとても楽しそうな表情を浮かべている。
本当に大丈夫なのか少し不安になってきた綾香だった。
次の日の朝バタバタとあわただしく綾香の着付けが始まった。今までは小さな花の簪を付けているくらいだった綾香だが、今回は公務に同席するためそれなりの恰好を要求されているのだ。
真っ白な絹の衣を素早く着せられた。ボリュームもいつもよりある。幾重にも広がる裾、まるで西洋のドレスのようにも感じる。首元の袷だけが着物っぽい。
(純白って・・・ウエディングドレスみたい)
あたまには金の飾りが付けられた。少し重みを感じる。首元を彩る宝石たちもかなり重たい。これが正装なのだろうか?
「沙希ちゃんこの服って、この国の正装?」
「いいえ、これは愁宋様が綾香様をお披露目するときのために作られた衣装になります。この国の正装ではありません」
どういうつもりなのだろうか。何かの策なのだろうか。
見た目はすごくかわいくて白い牡丹をイメージしたような衣装だった。
この国の正装じゃないにしても綾香は気に入った。
着付けが終わってしばらくすると愁宋が自ら迎えに来てくれた。
愁宋はすっと手を綾香に差し伸べた。
「想像以上にに美しいな。さぁ、行こうか。俺の愛しい正妃、綾香」
「ええ、参りましょう」
綾香は芝居がっかったセリフを言う愁宋にあわせた。今から行くところは未知の場所。どんなことが待ち望んでいるかわからない。それなら一番信頼できる愁宋にすべて任せようと思った。
彼に合わせ乗り切ろう。
綾香はそう思った。
王宮に来たのは初めてだった。綾香は後宮の正妃の間しか出入りが許されていないから外の空気が新鮮に感じた。
愁宋に手を引かれやってきたのは大広間。
扉越しに人々の色々な声が聞こえた。
愁宋が扉に手をかけ開いて上座に進んでいく。もちろん綾香への配慮もありゆっくり進む。
人々の視線が綾香に集中している。
(人の視線ってこんなに怖かったっけ?)
そんなことを思いながら綾香は愁宋の隣に用意された椅子に腰かけた。
その瞬間それをとがめるようね視線を送られる。まるで突き刺さるような敵意の視線。
「王よ、本日も正妃候補、妃候補の娘たちを連れてまいりました。気に入った娘があればどうぞご存分にかわいがられてください」
広間に集められた娘たちは皆美しい容姿をしていた。
綾香は平凡でどこにでもいるような娘だ。こんな美女と比べられてはたまらない。
綾香は恥ずかしくなり俯こうとした。
(うつむいてはいけない!今日は正妃(仮)としてここに来たんだもの)
そう思い綾香は顔をあげ、愁宋に話しかけた官吏を見つめた。
彼と目が合ったので綾香はにっこりっと微笑んで見せた。
愁宋がそのやり取りを見ていたようだ。
「綾香、こちらへ」
「はい」
言われるがまま席を立ち愁宋の元へ行った。
愁宋は綾香を自分の膝の上で横抱きにした。とても大切なものでも扱うように触れてきた。
周囲の者がそんな王を見て固まっている。
「俺はこの娘しか正妃に迎える気はない。妃もいらん。そう何度も言っているのにもかかわらずお前たちは毎回見目麗しい娘たちを連れてくる」
「はい、王に喜んでいただきたく思いー・・・」
一人の官吏が一歩、歩み出て王の前へ出てきた。
王はそのものはじっと見つめ冷たい声音で言った。
「俺に喜んでほしくば、これをやめよ!俺は綾香以外必要ない」
「ですが、王ももう21になります。そろそろお世継ぎを・・・」
「世継ぎができたからと言って俺の死後子供に力が移行するという確率は低いぞ?」
「お前たちは余計なことをせず仕事に励め」
「ですが」
「くどい!」
愁宋のその一言で何かを言うものは誰もいなくなった。
「世継ぎなら、この綾香に産ませる!それなら何の問題もないだろう?」
その発言に驚いた綾香は愁宋の膝の上で呆然としていた。
(私が・・・?世継ぎを、愁宋の子を産む・・・?)
「そうであろう?綾香?」
「あ、はい」
真っ赤になりながら綾香は答えた。
こんなにたくさん人のいる場所で子づくり宣言されてしまった。
これを恥ずかしくないという女はいないだろう。
そんなことを考えていると愁宋の瞳が怪しげに揺れた。
胸がじんっとして愁宋に気づかれないようぎゅっと寄り添った。
彼の手が髪のひと房を救い戯れるように指先で弄る。
心地よさとくすぐったさに首をすくめると、愁宋が上半身をかがめて綾香の唇に唇を重ねてきた。
やさしい口づけに綾香はめをとじたが、やがて唇を食まれ舌先でなぞられた。
綾香は人前だということを思い出して慌てて抗議の瞳で愁宋を見つめた。
「駄目です、見られて・・・」
「見られてるから、意味があるんだろう?」
綾香はそのまま激しい口づけを受けた。
一瞬辺りを窺ったが、皆、唖然とこちらを見ていた。
「ほら、皆もう何も言えまい」
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