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真実の愛を探して
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吸血鬼の姫、葵は真実の愛を手に入れる為人間界へとやってきた。
正確にはお互い愛し合い、その血を体に取り込むために。
吸血鬼の王族は18歳の誕生日までに相手を探し出さなければ灰になり消滅してしまうのだ。
人間界にやってきて早10年が経った。
人間として今は生活している。
葵は日光も十字架も、にんにくも平気な吸血鬼だ。
吸血鬼の王族は強い力を持っているため、普通の吸血鬼に比べると力が強い。
葵が吸血鬼であることを知っているのは幼馴染の陽介だけだった。
まだ人間界に来たばかりのころ、うっかり血の匂いに誘われて、その血を吸ってしまった。
その為、葵が吸血鬼であることを知られてしまった。
陽介には全て話、説明もした。
陽介は成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗。この三つを兼ねそろえていた。
それに対して、葵は成績も悪く、運動音痴、良いのは容姿だけだった。
しかし、葵は自分の容姿が良い自覚がない。
自分に自信が持てずいつも劣等感に苛まれていた。
葵は両親が海外に行っているため、一人暮らしをしている設定で高校生活を送っていた。
今日も真実の愛を手に入れる為、好意が持てそうな人間の男を探していた。
そうはいってもなかなか見つからない。
自分の理想は高い方ではないと思うが、自分が好きになれそうな人と巡り合えずにいた。
葵は17歳になっていた。
あと数ヶ月後には消えていなくなってしまうかもしれない。
葵はその事に怯えながらも半ば諦めていた。
そんな時そう思える男性が現れたのだ。
その人は転校生で、外見は陽介に劣るものの優し気な人だった。
髪は長めの黒髪。伏し目がちな瞳。陽介より少し身長は高かった。しっかりした体つき。
葵は一目で恋に落ちた。
放課後教室にいると隣のクラスの陽介がやってきた。
「葵!一緒に帰ろうぜ」
陽介は何かにつけて葵にちょっかいをかけてくる。
陽介からすると葵は妹のような存在なのだろう。
だからほっとけないと思っているに違いない。
葵はそう思っている。
「もう、馴れ馴れしく声かけないで!陽介といると他の女子から嫌がらせを受けるから嫌なの」
そういうと陽介は頭をガシガシ掻きながら言った。
「それは、悪いと思ってる。何で嫌がらせ何てするのか、俺には分らないがな」
陽介は飄々とした様子だった。
「陽介の事が好きだからでしょう。それで、幼馴染の私が邪魔なのよ」
葵は溜息をつきながら言った。
「でも、直接告白されたりしてないぜ」
「女子は陽介が思っているより陰湿なの」
「?」
陽介は頭がいいはずなのにこういう所は鈍かった。
「ところで葵お前もうすぐ18歳になるだろう?相手は見つかったのか?」
「・・・今日見つけたわ。でも今からアタックしても時間が足りないかもしれない」
陽介は暫く何かを考える素振りを見せてこう言った。
「お前は外見だけいいんだし大丈夫だよ!頑張って来いよ」
そう。頑張らなくては灰になり消えてしまう。
どうして自分は人間に産まれなかったのだろう。
(灰になるなんて嫌・・・絶対この恋うまくいかせてみせるわ)
正確にはお互い愛し合い、その血を体に取り込むために。
吸血鬼の王族は18歳の誕生日までに相手を探し出さなければ灰になり消滅してしまうのだ。
人間界にやってきて早10年が経った。
人間として今は生活している。
葵は日光も十字架も、にんにくも平気な吸血鬼だ。
吸血鬼の王族は強い力を持っているため、普通の吸血鬼に比べると力が強い。
葵が吸血鬼であることを知っているのは幼馴染の陽介だけだった。
まだ人間界に来たばかりのころ、うっかり血の匂いに誘われて、その血を吸ってしまった。
その為、葵が吸血鬼であることを知られてしまった。
陽介には全て話、説明もした。
陽介は成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗。この三つを兼ねそろえていた。
それに対して、葵は成績も悪く、運動音痴、良いのは容姿だけだった。
しかし、葵は自分の容姿が良い自覚がない。
自分に自信が持てずいつも劣等感に苛まれていた。
葵は両親が海外に行っているため、一人暮らしをしている設定で高校生活を送っていた。
今日も真実の愛を手に入れる為、好意が持てそうな人間の男を探していた。
そうはいってもなかなか見つからない。
自分の理想は高い方ではないと思うが、自分が好きになれそうな人と巡り合えずにいた。
葵は17歳になっていた。
あと数ヶ月後には消えていなくなってしまうかもしれない。
葵はその事に怯えながらも半ば諦めていた。
そんな時そう思える男性が現れたのだ。
その人は転校生で、外見は陽介に劣るものの優し気な人だった。
髪は長めの黒髪。伏し目がちな瞳。陽介より少し身長は高かった。しっかりした体つき。
葵は一目で恋に落ちた。
放課後教室にいると隣のクラスの陽介がやってきた。
「葵!一緒に帰ろうぜ」
陽介は何かにつけて葵にちょっかいをかけてくる。
陽介からすると葵は妹のような存在なのだろう。
だからほっとけないと思っているに違いない。
葵はそう思っている。
「もう、馴れ馴れしく声かけないで!陽介といると他の女子から嫌がらせを受けるから嫌なの」
そういうと陽介は頭をガシガシ掻きながら言った。
「それは、悪いと思ってる。何で嫌がらせ何てするのか、俺には分らないがな」
陽介は飄々とした様子だった。
「陽介の事が好きだからでしょう。それで、幼馴染の私が邪魔なのよ」
葵は溜息をつきながら言った。
「でも、直接告白されたりしてないぜ」
「女子は陽介が思っているより陰湿なの」
「?」
陽介は頭がいいはずなのにこういう所は鈍かった。
「ところで葵お前もうすぐ18歳になるだろう?相手は見つかったのか?」
「・・・今日見つけたわ。でも今からアタックしても時間が足りないかもしれない」
陽介は暫く何かを考える素振りを見せてこう言った。
「お前は外見だけいいんだし大丈夫だよ!頑張って来いよ」
そう。頑張らなくては灰になり消えてしまう。
どうして自分は人間に産まれなかったのだろう。
(灰になるなんて嫌・・・絶対この恋うまくいかせてみせるわ)
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