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リハの引退
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リハはある事を考えていた。
人間を愛してしまった自分は王である資格がないのではと。
この世界では人間は家畜、食糧と同じ扱いを受ける。
リハは唯奈を手放す気はない。
そうかといって簡単に引退できるものでもない。
引退するにはそれ相応の覚悟と次の王に相応しい人材を探さなければならない。
リハは王座に未練はない。
むしろ他の誰かに変わってもらいたいくらい重荷になっている。
そこで思い至ったのが弟のティだ。
独裁的な国造りをするかもしれないが、他に良い人材が見つからない。
リハは翌日、王の間にティを呼び出した。
「ティ、お前王になる気はないか?」
「俺が王に!?」
さすがにティは驚いた。
「私は、唯奈と静かに暮らしたい」
「何だよ、国を捨てて逃げる気か?」
「・・・」
そう言われリハは返す言葉が見当たらなかった。
「国を捨てて逃げるなんて事は俺は許さない。もっといい方法を思いつくことだな」
ティは踵をかえして王の間から出て行った。
「逃げる・・・か・・・」
自分の不甲斐なさを弟に指摘され、リハは落ち込んだ。
しかし、王族や貴族たちはいつか唯奈に危害を加えるかもしれない。
そう思うとどうにかしなくてはと気だけが焦る。
ティを唯奈の護衛につけられると一番いいのだがそれも出来ない。
ティは唯奈を愛しているからだ。
ティは本能のままに生きているような奴だから唯奈の身の安全が保障されない。
「一体どうすればいいのだろうか・・・」
リハは王の間で1人呟いた。
唯奈は昨日しつこくまたリハに抱かれた。
今日もベッドから起き上がるのが辛くてベッドの中にいた。
その時戸をノックする音が聞こえた。
「は、はい」
戸が開き、姿を現したのはティだった。
ティはいつもと違う雰囲気を纏っている。
何かあったのだろうか?
「ティ様?何かあったんですか?」
「兄貴が王を引退しようと考え始めている」
「えぇ!?どうして!?」
暫く沈黙が落ちた。
「・・・唯奈に危害が及ばないためだと思う」
「私に・・・?」
「この世界では人は食糧だ。その事は知っているよな?」
「はい」
「王に恨みを持つ者も当然いるし、王族や貴族たちは唯奈が妃である事を認めていない」
「はい・・・」
「だから、それらから唯奈を守るために言い出したんだと思う」
「唯奈はどう思う?」
「そんなの駄目だと思います!私も逃げたくありません!!」
そう言うと一瞬驚いたような顔をしてティが言った。
「唯奈、俺と来る気はないか?俺ならお前を守ってやれる」
「え・・・?」
唯奈は目を見開き驚いた。
「でも、私は逃げたくありません」
「だがこのままでは唯奈は外に出る事さえままならないだろう?」
「それはそうですが・・・」
ティは溜息を付き言った。
「もし気が変わったら言ってくれ」
人型になりティは唯奈にキスをし、部屋から出て行った。
あまりの速さに避けられなかった。
軽く触れあうだけのキスだったが、まるで自分が浮気をしているみたいで申し訳ない気持ちになった。
どうして獣人たちはああも手が早いのか・・・。
キスされた感触が残っている唇に触れ、唯奈は唇を拭った。
唯奈は不思議なことにティとリハに対して嫌悪感が無かった。
リハの事は愛しているからだと思うが・・・。
ティの事はどう思っているのだろうと自分でも自分の気持ちがわからなくなた。
・・・ティの事は嫌いではない。
あんな事があったのにどちらかというと好ましく思っている。
これは二股というやつなのだろうか・・・。
唯奈はそんな自分が嫌になり考えることを止めた。
今考えなくてはいけないことはリハが引退を考えているという事だ。
「何としても止めなくちゃ・・・」
唯奈はベッドから出て、ドレスに身を包み王の間へ行ってみることにした。
人間を愛してしまった自分は王である資格がないのではと。
この世界では人間は家畜、食糧と同じ扱いを受ける。
リハは唯奈を手放す気はない。
そうかといって簡単に引退できるものでもない。
引退するにはそれ相応の覚悟と次の王に相応しい人材を探さなければならない。
リハは王座に未練はない。
むしろ他の誰かに変わってもらいたいくらい重荷になっている。
そこで思い至ったのが弟のティだ。
独裁的な国造りをするかもしれないが、他に良い人材が見つからない。
リハは翌日、王の間にティを呼び出した。
「ティ、お前王になる気はないか?」
「俺が王に!?」
さすがにティは驚いた。
「私は、唯奈と静かに暮らしたい」
「何だよ、国を捨てて逃げる気か?」
「・・・」
そう言われリハは返す言葉が見当たらなかった。
「国を捨てて逃げるなんて事は俺は許さない。もっといい方法を思いつくことだな」
ティは踵をかえして王の間から出て行った。
「逃げる・・・か・・・」
自分の不甲斐なさを弟に指摘され、リハは落ち込んだ。
しかし、王族や貴族たちはいつか唯奈に危害を加えるかもしれない。
そう思うとどうにかしなくてはと気だけが焦る。
ティを唯奈の護衛につけられると一番いいのだがそれも出来ない。
ティは唯奈を愛しているからだ。
ティは本能のままに生きているような奴だから唯奈の身の安全が保障されない。
「一体どうすればいいのだろうか・・・」
リハは王の間で1人呟いた。
唯奈は昨日しつこくまたリハに抱かれた。
今日もベッドから起き上がるのが辛くてベッドの中にいた。
その時戸をノックする音が聞こえた。
「は、はい」
戸が開き、姿を現したのはティだった。
ティはいつもと違う雰囲気を纏っている。
何かあったのだろうか?
「ティ様?何かあったんですか?」
「兄貴が王を引退しようと考え始めている」
「えぇ!?どうして!?」
暫く沈黙が落ちた。
「・・・唯奈に危害が及ばないためだと思う」
「私に・・・?」
「この世界では人は食糧だ。その事は知っているよな?」
「はい」
「王に恨みを持つ者も当然いるし、王族や貴族たちは唯奈が妃である事を認めていない」
「はい・・・」
「だから、それらから唯奈を守るために言い出したんだと思う」
「唯奈はどう思う?」
「そんなの駄目だと思います!私も逃げたくありません!!」
そう言うと一瞬驚いたような顔をしてティが言った。
「唯奈、俺と来る気はないか?俺ならお前を守ってやれる」
「え・・・?」
唯奈は目を見開き驚いた。
「でも、私は逃げたくありません」
「だがこのままでは唯奈は外に出る事さえままならないだろう?」
「それはそうですが・・・」
ティは溜息を付き言った。
「もし気が変わったら言ってくれ」
人型になりティは唯奈にキスをし、部屋から出て行った。
あまりの速さに避けられなかった。
軽く触れあうだけのキスだったが、まるで自分が浮気をしているみたいで申し訳ない気持ちになった。
どうして獣人たちはああも手が早いのか・・・。
キスされた感触が残っている唇に触れ、唯奈は唇を拭った。
唯奈は不思議なことにティとリハに対して嫌悪感が無かった。
リハの事は愛しているからだと思うが・・・。
ティの事はどう思っているのだろうと自分でも自分の気持ちがわからなくなた。
・・・ティの事は嫌いではない。
あんな事があったのにどちらかというと好ましく思っている。
これは二股というやつなのだろうか・・・。
唯奈はそんな自分が嫌になり考えることを止めた。
今考えなくてはいけないことはリハが引退を考えているという事だ。
「何としても止めなくちゃ・・・」
唯奈はベッドから出て、ドレスに身を包み王の間へ行ってみることにした。
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