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ランタンを置いた人物
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さすがに慎也がランタンを置いた人物だとは考えにくい。
だったら、誰がランタンを貴子の傍に置いたのか。
貴子は、もう亡くなっていたのだから、もちろん違う。
後は、奈美か、理人か、紗栄だ。
あの観測会の夜。
紗栄は、貴子の遺体を見て悲鳴をあげていた。
だったら、紗栄は、あそこで『貴子の遺体を見せびらかす』という行為をしたとは、考えられない。
だよね?
だって、演技には見えなかった。
紗栄は、恐怖で震えて立ち上がることも出来なかったんだもの。
「理人か奈美ってことだよね?」
私は、恐る恐る慎也に自分の考えの答え合わせをする。
慎也の顔は、強張っていた。
慎也は、コクリと首を縦に振る。
「間違いないだろう」
「そうよね……最初に遺体を見つけた奈美が、皆に見るように誘導したと考えるのもありだと思うし、理人が妙に冷静だったのも、不思議だったもの」
「一番怪しいのは、やっぱり理人だ」
慎也が断言する。
「どうして?」
「だって、貴子を女神のように崇拝している理人が、あの場面であんなに冷静だったのも変だし、奈美は、有り得ない」
「何でよ?」
私は、首を傾げる。
どうしてそこまで理人がランタンを置いた人物だと断言できるのかが、私には分からない。
「遺体を運ぶんだぞ。ランタンを置いた人物が、貴子を殺した犯人かは分からないが、遺体を奈美一人で運べるはずがないだろ」
「あ……そっか」
そうだよ。
ランタンを置いた人物は、後でランタンをこの部室に戻って元の位置にランタンを返しているんだ。
だったら、消えた遺体の行方も、ランタンを置いた人物が知っていると考えておかしくない。
紗栄の遺体を支えることが出来た理人ならば、貴子の遺体を移動することは可能だが、奈美には、無理だ。
奈美は、さすがに一人で貴子の遺体を運ぶことはできない。
「ランタンを置いたのは、理人だ……」
私も確信する。
どうしてそんなことをしたのかは分からないが、理人が、貴子の遺体を見せびらかすために、貴子の遺体の傍にランタンを置いた。
「でも、どうして? だって、理人は、慎也を疑っていたのよ?」
そうよ、変よ。
理人は、慎也を疑っていた。
ランタンを置いた犯人が理人ならば、どうして理人は慎也を疑っていたのだ。
犯人ならば、変に騒がずに、大人しくしておいた方がいいに決まっている。
「あ……」
私は、一つ思い出す。
「犯人は、一人じゃないんだ……」
そうだ。
犯人は、一人ではない。
理人がランタンを置いたとしても、もう一人の犯人がいるはずなのだ。
貴子の死に関わる人物が。
その犯人が、慎也ではないかと、理人は疑っていたのではないだろうか。
「理人は、『中本先輩のためだ』って、言っていたのよ。信じてって……」
じゃあ、理人が貴子の横に置いた理由も、初めから明白なのだ。
「貴子のためなんだ……」
私の考えに間違いはないはずだ。
でも、貴子のため? どうして?
どうして、貴子の遺体を天文部のみんなにさらすことが、貴子のためになると理人は考えたのか。
私には、さっぱり分からなかった。
だったら、誰がランタンを貴子の傍に置いたのか。
貴子は、もう亡くなっていたのだから、もちろん違う。
後は、奈美か、理人か、紗栄だ。
あの観測会の夜。
紗栄は、貴子の遺体を見て悲鳴をあげていた。
だったら、紗栄は、あそこで『貴子の遺体を見せびらかす』という行為をしたとは、考えられない。
だよね?
だって、演技には見えなかった。
紗栄は、恐怖で震えて立ち上がることも出来なかったんだもの。
「理人か奈美ってことだよね?」
私は、恐る恐る慎也に自分の考えの答え合わせをする。
慎也の顔は、強張っていた。
慎也は、コクリと首を縦に振る。
「間違いないだろう」
「そうよね……最初に遺体を見つけた奈美が、皆に見るように誘導したと考えるのもありだと思うし、理人が妙に冷静だったのも、不思議だったもの」
「一番怪しいのは、やっぱり理人だ」
慎也が断言する。
「どうして?」
「だって、貴子を女神のように崇拝している理人が、あの場面であんなに冷静だったのも変だし、奈美は、有り得ない」
「何でよ?」
私は、首を傾げる。
どうしてそこまで理人がランタンを置いた人物だと断言できるのかが、私には分からない。
「遺体を運ぶんだぞ。ランタンを置いた人物が、貴子を殺した犯人かは分からないが、遺体を奈美一人で運べるはずがないだろ」
「あ……そっか」
そうだよ。
ランタンを置いた人物は、後でランタンをこの部室に戻って元の位置にランタンを返しているんだ。
だったら、消えた遺体の行方も、ランタンを置いた人物が知っていると考えておかしくない。
紗栄の遺体を支えることが出来た理人ならば、貴子の遺体を移動することは可能だが、奈美には、無理だ。
奈美は、さすがに一人で貴子の遺体を運ぶことはできない。
「ランタンを置いたのは、理人だ……」
私も確信する。
どうしてそんなことをしたのかは分からないが、理人が、貴子の遺体を見せびらかすために、貴子の遺体の傍にランタンを置いた。
「でも、どうして? だって、理人は、慎也を疑っていたのよ?」
そうよ、変よ。
理人は、慎也を疑っていた。
ランタンを置いた犯人が理人ならば、どうして理人は慎也を疑っていたのだ。
犯人ならば、変に騒がずに、大人しくしておいた方がいいに決まっている。
「あ……」
私は、一つ思い出す。
「犯人は、一人じゃないんだ……」
そうだ。
犯人は、一人ではない。
理人がランタンを置いたとしても、もう一人の犯人がいるはずなのだ。
貴子の死に関わる人物が。
その犯人が、慎也ではないかと、理人は疑っていたのではないだろうか。
「理人は、『中本先輩のためだ』って、言っていたのよ。信じてって……」
じゃあ、理人が貴子の横に置いた理由も、初めから明白なのだ。
「貴子のためなんだ……」
私の考えに間違いはないはずだ。
でも、貴子のため? どうして?
どうして、貴子の遺体を天文部のみんなにさらすことが、貴子のためになると理人は考えたのか。
私には、さっぱり分からなかった。
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