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もう一度、体育倉庫へ
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私と慎也は中庭に降りる。
鍵のかかってないコンテナの前に立って、私は息を飲む。
慎也も緊張しているのは、強張った顔から分かる。
私は、ゆっくりとコンテナに手を掛ける。
蓋を開ければ、そこには、タイルが入っているはずだ。
私は、コンテナを開いた。
中には、ジョウロや植木鉢、ホースなどの園芸に使うための道具が入っていた。
そして、端に積みあがっているのは、中庭のタイルだ。
十五センチ四方くらいの大きさのタイルが、隅に四十枚ほど積まれている。
「タイルだ。このタイルが中庭のよね」
一番上には、綺麗なタイルが載っている。
その下のタイルのは、良く見えないが、所々葉っぱが挟まっている。土も付いている。
これは、新品ではないな。
どこかで使ったタイルを、ここに片付けたんだ。
「待ってろよ。俺がめくる」
慎也が、園芸用品の間にあった軍手をして一枚目のタイルをめくる。
そこにあったタイルを見て、私は、「ひっ」と、小さな悲鳴を上げた。
だって、タイルは、変色していた。
ベッタリと付いているのは、きっと血液だ。
一面赤茶色のものが付着している。
一番上に綺麗なタイルを載せて誤魔化したのだろう。
だが、一枚めくれば、血に染まったタイルが、入っていた。
「これ、理人がしたのかな?」
「そうだろ。だって、ランタンを持って来たのが理人ならば、タイルを片付けたのも、理人だ」
「ということは、貴子の遺体の行方は……」
「理人が知っている」
理人が、知っている。
そう、慎也は断言した。
貴子を殺したのは、理人ではない。
だが、貴子の遺体を隠したのは、理人でやっぱり間違いないのだろう。
慎也は、そっとタイルを戻して、コンテナの蓋をしめる。
「犯人は誰だろうな……」
慎也の言葉に、私は答えを持たなかった。
謎だらけの貴子の死。
犯人の分からない貴子の死。
いまだ貴子が死んだことを隠そうとする、貴子のお母さん。
でも、このタイルを見れば、それは嘘だと明白だ。
中庭のタイルを入れ替えて、血濡れのタイルをこのコンテナに隠したのは、きっと理人。
理人が、ランタンを使って犯人をあぶりだそうとしたのは、確かだ。
「どうして、紗栄は、死ななくてはならなかったのだろう」
紗栄は、貴子が死んだことは、知らないはずだ。
だけれども、体育倉庫で死んだの。
どうして?
警察の西野さんとの電話から考えて、自殺じゃないかもしれない。
だったら、どうして、紗栄は、あんな風に体育倉庫で首を吊らなければならなかったのか。
「ねえ。体育倉庫へ行ってみようよ」
私は、慎也の腕を引っ張った。
何か、分かるかもしれない。
天文部の皆のことを知っている私達ならば。
貴子が死んでいることを知っている私と慎也ならば、体育倉庫をもう一度みれば、何か。
それが何かは分からないが、きっと、犯人に繋がることを、掴めるはずだ。
「うん……」
血に染まった生々しいタイルに呆然としていた慎也も、私に同意してくれた。
鍵のかかってないコンテナの前に立って、私は息を飲む。
慎也も緊張しているのは、強張った顔から分かる。
私は、ゆっくりとコンテナに手を掛ける。
蓋を開ければ、そこには、タイルが入っているはずだ。
私は、コンテナを開いた。
中には、ジョウロや植木鉢、ホースなどの園芸に使うための道具が入っていた。
そして、端に積みあがっているのは、中庭のタイルだ。
十五センチ四方くらいの大きさのタイルが、隅に四十枚ほど積まれている。
「タイルだ。このタイルが中庭のよね」
一番上には、綺麗なタイルが載っている。
その下のタイルのは、良く見えないが、所々葉っぱが挟まっている。土も付いている。
これは、新品ではないな。
どこかで使ったタイルを、ここに片付けたんだ。
「待ってろよ。俺がめくる」
慎也が、園芸用品の間にあった軍手をして一枚目のタイルをめくる。
そこにあったタイルを見て、私は、「ひっ」と、小さな悲鳴を上げた。
だって、タイルは、変色していた。
ベッタリと付いているのは、きっと血液だ。
一面赤茶色のものが付着している。
一番上に綺麗なタイルを載せて誤魔化したのだろう。
だが、一枚めくれば、血に染まったタイルが、入っていた。
「これ、理人がしたのかな?」
「そうだろ。だって、ランタンを持って来たのが理人ならば、タイルを片付けたのも、理人だ」
「ということは、貴子の遺体の行方は……」
「理人が知っている」
理人が、知っている。
そう、慎也は断言した。
貴子を殺したのは、理人ではない。
だが、貴子の遺体を隠したのは、理人でやっぱり間違いないのだろう。
慎也は、そっとタイルを戻して、コンテナの蓋をしめる。
「犯人は誰だろうな……」
慎也の言葉に、私は答えを持たなかった。
謎だらけの貴子の死。
犯人の分からない貴子の死。
いまだ貴子が死んだことを隠そうとする、貴子のお母さん。
でも、このタイルを見れば、それは嘘だと明白だ。
中庭のタイルを入れ替えて、血濡れのタイルをこのコンテナに隠したのは、きっと理人。
理人が、ランタンを使って犯人をあぶりだそうとしたのは、確かだ。
「どうして、紗栄は、死ななくてはならなかったのだろう」
紗栄は、貴子が死んだことは、知らないはずだ。
だけれども、体育倉庫で死んだの。
どうして?
警察の西野さんとの電話から考えて、自殺じゃないかもしれない。
だったら、どうして、紗栄は、あんな風に体育倉庫で首を吊らなければならなかったのか。
「ねえ。体育倉庫へ行ってみようよ」
私は、慎也の腕を引っ張った。
何か、分かるかもしれない。
天文部の皆のことを知っている私達ならば。
貴子が死んでいることを知っている私と慎也ならば、体育倉庫をもう一度みれば、何か。
それが何かは分からないが、きっと、犯人に繋がることを、掴めるはずだ。
「うん……」
血に染まった生々しいタイルに呆然としていた慎也も、私に同意してくれた。
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