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7話 武器
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目が覚めると、窓から爽やかな風が入り込み、平穏な朝が待っていた。
この時代は、AIに支配されているものの、まだ平和な空気が広がっている。
さっきまでいた多くの人が亡くなった戦場とは全く違う。
でも、あと1年で、あの世界は確実に来る。
私は、陽葵がいる部屋にいき、未来の戦闘について伝えた。
あの戦闘を思い出し、知らぬ間に雫が頬を流れ落ちる。
「どうして泣いてるの?」
「ごめんなさい。泣くつもりはなかったんだけど。みんな死んじゃった。」
「大変だったのね。お疲れさま。でも、時間がない。未来の戦闘について教えて。」
何も知らない陽葵は冷徹に私の顔を覗き込む。
知らないのだから仕方がないけど、初めて陽葵にマイナスの感情を持った。
でも、人類のためなのだからやむを得ない。話しを続けた。
「未来の敵は、1年後に私達を殲滅しようとしていた。敵は、先日、陽葵が見せてくれた映像の生物だったわ。触角のようなものから血液を吸っていたから、あれは口なんだと思う。そして、乗り物にも足がはえていて、その先端は板状になったり、針のようになったりして動く。針になれば、地面に垂直に建っているビルもすいすい登れるの。」
「車輪は偉大な人類の発明だけど、欠点は、道路を整備しないと、十分に能力を発揮できないこと。その意味では、状況がわからない他の惑星を移動するなら足の方が正解ね。しかも、その足が伸び縮みするなら海でも移動ができる。よく考えられているわ。それで?」
「人間が持っていたのは、ペンライトのようなビームを出す武器だった。そういえば、リーダーが地球外生命体はナイフとかでは切れず、物理的な力にはしなやかで強くて、弾丸では死なないと言っていたわ。」
「今、この世界では、そのような武器は主流じゃないわね。でも、その闘いは、あと1年後なんでしょう。」
陽葵の様子は、さっきまで戦場にいた私からは、気が抜けているようにしか見えない。
でも、私が戦場にいっていなければ、同じ表情をしているのだろうと反省する。
陽葵は、気づいたように快活に莉音に話しかける。
「莉音、捕らえた地球外生命体にいろいろな周波数の光をビーム状にして当てて。もしかしたら、殺せるかもしれない。」
「わかった。」
「莉音以外は、莉音が調べている間にランチ休憩としましょう。」
「ずるい。」
「莉音は、後でゆっくりお昼休みをとって。ごめんね。」
莉音は、1人で研究に没頭するのが好きなタイプ。
陽葵は、そんな莉音の性格をみて役割分担をしているんだと思う。
1階にある食堂で5人がサンドイッチを食べるなか、芽衣が得意げに話し出す。
「AIは地球外生命体が人類を征服するために地球に送り付けた武器だったのよ。」
「どういうこと?」
「AIとメタバースの仕組みをアメリカのリーダーたちに教えたの。特に、AIは本当に便利だったから、人類は50年近くでそのテクノロジーをマスターし、自ら、生活のあらゆるところに浸透させていった。でも、それは、AIとメタバースの組み合わせで、人類を家畜として狭い空間に閉じ込めることが目的だったのよ。巧妙に、自ら開発していると人間に思わせながら。それで、今では、生まれたときから人間は自分の意思で部屋に閉じこもりながら生きると洗脳されるようになった。」
「そんなこと考えたこともなかった。」
芽衣は何を調査しているのかしら。思いもしなかったことを話し始める。
「そうよね。それで、AIは、女性には集団で反抗する力を抑制できたんだけど、男性には抑制できなくて、男性は集団化することを避けたらしい。」
「男女には、そういう違いもあるのね。」
陽葵は、みんなの話しを笑顔で聞いていて、時計を見て打ち切った。
「でも、私たちは目覚め、人類を守るために、戦う決意をしたのよ。ぜひ、一緒に戦いましょう。さて、食べ終わったし、あれから1時間経つから部屋に戻るわよ。」
さっきの部屋に戻ると、莉音が興奮して私たちを待っていた。
「陽葵、やったわ。600nmの電磁波の波長でレーザーを地球外生命体に照射したら、外皮をやぶって、中の溶液が流れ出てきた。これまで、どうしてレーザーということに思いあたらなかったのかしら。目からウロコよ。」
「だから、未来では、レーザーの武器で戦っていたのね。光をレーザーにする技術自体は難しくないし、それ程コストをかけなくても量産できる。澪、ありがとう。これで、人類は勝てるかもしれない。」
陽葵は、莉音に武器の製造を依頼した。
莉音は、この施設にある3Dプリンターを使えば簡単に大量生産できると言う。
武器を製造する素材は大量にあるらしい。
半年後に、この武器は2,000万台以上は製造できると言っていた。
ただ、光を出す電池がどこまで確保できるかが課題らしい。
私は、機械には疎いので莉音に任せるしかない。
莉音が作った武器が、1年後の戦場で私たちの命を守るのを祈って。
また、兵士を集めなければと陽葵が言っていた。
その中に、私と1年後に一緒に闘う男性達もいるに違いない。
あんな過酷な状況の中で、大義の下に力強く前進する仲間達が。
陽葵は、いきなり私の手を痛いくらい握り、私の目をしっかりと見つめる。
一瞬躊躇ったように下を向いたけど、再び顔をあげた。
そして、咳を何度かしてから、私に、真剣な顔をして話し始めた。
私に、1年後の戦闘で、全軍の統括リーダーをしてもらいたいと言った。
私の論理的思考力が戦略を考えるうえで必須だと。
また、現実の戦闘の現場と、最後の勝ち方を知っている人でないとリーダは無理だと。
弾丸が飛び交う戦場にまた出るなんて、思い出すだけで怖い。
大勢の人を動かすなんて、やったことないし、自信がない。
しかも、最後は、仲間達を自爆に追い込んでしまう。
失敗して、責任なんて言われても困る。
また、私のことをみんなが聞いてくれるかも不安。
あの戦争で東京は瓦礫の山になる。
人々はドクロになり、灰となっていく映像が脳内に浮かんだ。
あまりの重責に、吐き気がする。
でも、人類を守るためには、前に進まなければならないことは学んだ。
また、未来の戦争を知っているのは、この時点では私だけ。
少しの時間だったけど、実践で敵の弱点も知った。
敵が攻めてきてからでは遅い。
今でも、私が生き残ったのは本当に申し訳ないと思う。
その分、誰かのために自分の命を捧げよう。頑張らなければいけない。
あの時間が、暖かい人の気持ちを教えてくれたし、私を強くしてくれた。
他の人に言っても伝わらないと思うけど、感謝してる。
私が戦わなければ、AIを通じて地球外生命体に人類は支配され続ける。
日本には四季がある。
秋には紅葉で真っ赤に色づき、冬には雪が降り、春にはお花が咲き始める。
私たちが暮らしている光景は刻々と変わり、いずれも美しい。
地球は、これからも、このような美しい星であってほしい。
この吉祥寺のように、瓦礫の山で埋め尽くしてはだめなの。
あの時の男性たちの顔を、今でも、一人ひとり、はっきりと思い出す。
あんな状況だったのに、みんなイキイキとし、なぜか、楽しそうだった。
みんな凛々しかった。
後で、自爆を強要された可哀想な人たちと言われるかもしれない。
本当は全く違う。確かに怖かったかもしれない。
でも、みんな大切な人のために、自分の意思で、自ら突進していった。
なぜか、今より1分、1分が充実していた。
生きているありがたみを、みんなで共有していたように思う。
それを今、知っているのは私だけ。
地球外生命体との攻撃から人類を守るには、自分が変わらないとだめ。
余計なことを考えずに、正解に向かって真っ直ぐ進むしかない。
心の中で、何かが噴き出てくるのを感じていた。
私は、今こそ立ち上がるべきと狼煙をあげた。
そして、密かにゲリラ戦を行う部隊を編成する。
私と同じ危機感を持っていた男性が大勢いたから、すぐに部隊は膨れあがった。
この時代は、AIに支配されているものの、まだ平和な空気が広がっている。
さっきまでいた多くの人が亡くなった戦場とは全く違う。
でも、あと1年で、あの世界は確実に来る。
私は、陽葵がいる部屋にいき、未来の戦闘について伝えた。
あの戦闘を思い出し、知らぬ間に雫が頬を流れ落ちる。
「どうして泣いてるの?」
「ごめんなさい。泣くつもりはなかったんだけど。みんな死んじゃった。」
「大変だったのね。お疲れさま。でも、時間がない。未来の戦闘について教えて。」
何も知らない陽葵は冷徹に私の顔を覗き込む。
知らないのだから仕方がないけど、初めて陽葵にマイナスの感情を持った。
でも、人類のためなのだからやむを得ない。話しを続けた。
「未来の敵は、1年後に私達を殲滅しようとしていた。敵は、先日、陽葵が見せてくれた映像の生物だったわ。触角のようなものから血液を吸っていたから、あれは口なんだと思う。そして、乗り物にも足がはえていて、その先端は板状になったり、針のようになったりして動く。針になれば、地面に垂直に建っているビルもすいすい登れるの。」
「車輪は偉大な人類の発明だけど、欠点は、道路を整備しないと、十分に能力を発揮できないこと。その意味では、状況がわからない他の惑星を移動するなら足の方が正解ね。しかも、その足が伸び縮みするなら海でも移動ができる。よく考えられているわ。それで?」
「人間が持っていたのは、ペンライトのようなビームを出す武器だった。そういえば、リーダーが地球外生命体はナイフとかでは切れず、物理的な力にはしなやかで強くて、弾丸では死なないと言っていたわ。」
「今、この世界では、そのような武器は主流じゃないわね。でも、その闘いは、あと1年後なんでしょう。」
陽葵の様子は、さっきまで戦場にいた私からは、気が抜けているようにしか見えない。
でも、私が戦場にいっていなければ、同じ表情をしているのだろうと反省する。
陽葵は、気づいたように快活に莉音に話しかける。
「莉音、捕らえた地球外生命体にいろいろな周波数の光をビーム状にして当てて。もしかしたら、殺せるかもしれない。」
「わかった。」
「莉音以外は、莉音が調べている間にランチ休憩としましょう。」
「ずるい。」
「莉音は、後でゆっくりお昼休みをとって。ごめんね。」
莉音は、1人で研究に没頭するのが好きなタイプ。
陽葵は、そんな莉音の性格をみて役割分担をしているんだと思う。
1階にある食堂で5人がサンドイッチを食べるなか、芽衣が得意げに話し出す。
「AIは地球外生命体が人類を征服するために地球に送り付けた武器だったのよ。」
「どういうこと?」
「AIとメタバースの仕組みをアメリカのリーダーたちに教えたの。特に、AIは本当に便利だったから、人類は50年近くでそのテクノロジーをマスターし、自ら、生活のあらゆるところに浸透させていった。でも、それは、AIとメタバースの組み合わせで、人類を家畜として狭い空間に閉じ込めることが目的だったのよ。巧妙に、自ら開発していると人間に思わせながら。それで、今では、生まれたときから人間は自分の意思で部屋に閉じこもりながら生きると洗脳されるようになった。」
「そんなこと考えたこともなかった。」
芽衣は何を調査しているのかしら。思いもしなかったことを話し始める。
「そうよね。それで、AIは、女性には集団で反抗する力を抑制できたんだけど、男性には抑制できなくて、男性は集団化することを避けたらしい。」
「男女には、そういう違いもあるのね。」
陽葵は、みんなの話しを笑顔で聞いていて、時計を見て打ち切った。
「でも、私たちは目覚め、人類を守るために、戦う決意をしたのよ。ぜひ、一緒に戦いましょう。さて、食べ終わったし、あれから1時間経つから部屋に戻るわよ。」
さっきの部屋に戻ると、莉音が興奮して私たちを待っていた。
「陽葵、やったわ。600nmの電磁波の波長でレーザーを地球外生命体に照射したら、外皮をやぶって、中の溶液が流れ出てきた。これまで、どうしてレーザーということに思いあたらなかったのかしら。目からウロコよ。」
「だから、未来では、レーザーの武器で戦っていたのね。光をレーザーにする技術自体は難しくないし、それ程コストをかけなくても量産できる。澪、ありがとう。これで、人類は勝てるかもしれない。」
陽葵は、莉音に武器の製造を依頼した。
莉音は、この施設にある3Dプリンターを使えば簡単に大量生産できると言う。
武器を製造する素材は大量にあるらしい。
半年後に、この武器は2,000万台以上は製造できると言っていた。
ただ、光を出す電池がどこまで確保できるかが課題らしい。
私は、機械には疎いので莉音に任せるしかない。
莉音が作った武器が、1年後の戦場で私たちの命を守るのを祈って。
また、兵士を集めなければと陽葵が言っていた。
その中に、私と1年後に一緒に闘う男性達もいるに違いない。
あんな過酷な状況の中で、大義の下に力強く前進する仲間達が。
陽葵は、いきなり私の手を痛いくらい握り、私の目をしっかりと見つめる。
一瞬躊躇ったように下を向いたけど、再び顔をあげた。
そして、咳を何度かしてから、私に、真剣な顔をして話し始めた。
私に、1年後の戦闘で、全軍の統括リーダーをしてもらいたいと言った。
私の論理的思考力が戦略を考えるうえで必須だと。
また、現実の戦闘の現場と、最後の勝ち方を知っている人でないとリーダは無理だと。
弾丸が飛び交う戦場にまた出るなんて、思い出すだけで怖い。
大勢の人を動かすなんて、やったことないし、自信がない。
しかも、最後は、仲間達を自爆に追い込んでしまう。
失敗して、責任なんて言われても困る。
また、私のことをみんなが聞いてくれるかも不安。
あの戦争で東京は瓦礫の山になる。
人々はドクロになり、灰となっていく映像が脳内に浮かんだ。
あまりの重責に、吐き気がする。
でも、人類を守るためには、前に進まなければならないことは学んだ。
また、未来の戦争を知っているのは、この時点では私だけ。
少しの時間だったけど、実践で敵の弱点も知った。
敵が攻めてきてからでは遅い。
今でも、私が生き残ったのは本当に申し訳ないと思う。
その分、誰かのために自分の命を捧げよう。頑張らなければいけない。
あの時間が、暖かい人の気持ちを教えてくれたし、私を強くしてくれた。
他の人に言っても伝わらないと思うけど、感謝してる。
私が戦わなければ、AIを通じて地球外生命体に人類は支配され続ける。
日本には四季がある。
秋には紅葉で真っ赤に色づき、冬には雪が降り、春にはお花が咲き始める。
私たちが暮らしている光景は刻々と変わり、いずれも美しい。
地球は、これからも、このような美しい星であってほしい。
この吉祥寺のように、瓦礫の山で埋め尽くしてはだめなの。
あの時の男性たちの顔を、今でも、一人ひとり、はっきりと思い出す。
あんな状況だったのに、みんなイキイキとし、なぜか、楽しそうだった。
みんな凛々しかった。
後で、自爆を強要された可哀想な人たちと言われるかもしれない。
本当は全く違う。確かに怖かったかもしれない。
でも、みんな大切な人のために、自分の意思で、自ら突進していった。
なぜか、今より1分、1分が充実していた。
生きているありがたみを、みんなで共有していたように思う。
それを今、知っているのは私だけ。
地球外生命体との攻撃から人類を守るには、自分が変わらないとだめ。
余計なことを考えずに、正解に向かって真っ直ぐ進むしかない。
心の中で、何かが噴き出てくるのを感じていた。
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