ちょっとハッとする話

狼少年

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カーテンの向こう側

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酷い頭痛で目が覚めました。
白い壁が見えました。
最初に思ったのはここは何処?です。
身体には無数の管が刺さっていて、生きているのか?と思いました。
病院?手術でもしたのだろうか?と思い返してみました。
だけど……何も思い出せません。どういう事?そこで気が付きました。
あれ?私って誰?
歳も愚か名前さえ思い出せません。わかったのは胸の突起から私は女だという事。
これは夢なのかもしれない。そう思い再び眠りにつきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー長い長い夢を見ましたーーー誕生ーー保育園入園、卒園、七五三ーーーー小学校ーー中学校、修学旅行ー高校入試ーーー大学入学ーーーーーーーー国家試験ーーー看護師免許ーー就職ーー

私は都内の病院で働く看護師で、夜勤中、そろそろ消灯時間だと、病室を一部屋、一部屋、回っていました。すると、4人部屋の仕切られたカーテンの向こう側に何かがうごめく気配を感じます。
おかしい……
あのベットは今日は使われて無い筈だが……
徐にカーテンの中を覗き込むと。。。。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どのくらい眠っていたでしょうか?私の体感ですが……たぶん日にち単位では無いと思います。月?もしかしたら年?そのくらい長い時間眠っていたと思います。
実際身体を起こすのに数10分はかかりました。これも体感なので実際の時間はわかりませが。
身体を起こすと、ビックリしました。私のお腹はパンパンに膨らんでいる様にみえます。

どういう事?薄いシーツを捲ってみると、案の定、私のお腹は風船が破裂する寸前かの如くに膨らんでいます。

次の瞬間……

猛烈にお腹を襲う産気……!!

「あっ!!あっ!!あっ!!う…
    
      う……あっ!!れる!!」

    プチュ……
プチュ…プチュッ…プチュプチュプチュップチュップチュプチュプチュップチュップチュプチュプチュプチュップチュップチュプチュプチュプチュップチュプチュップチュプチュップチュプチュップチュプチュプチュプチュップチュプチュプチュップチュプチュップチュプチュプチュッ………………。。。。。

物凄い勢いで、私は何かの卵をベットの上へと産み付けていきます。

「ハァハァ………」

見るとそこには、ゴルフボール程の青白い無数の卵が、ネバっとした羊水にまみれて、不気味に光っています。

ですが……何故か……
何故でしょうか.………。
あり得ない事なのに。気持ち悪いのに。

心の奥底から込み上げて来る。


        
       母性……

   何が産まれるかはわかりません……

   それでも私は、

   今日も卵を暖めます。

   ー【新人類】最初の母の手記よりー
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