人生に飽きた俺は異世界召喚されて最強の魔法剣士になる〜特殊能力は無限魔力?〜

ただの林檎

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来世こそは⋯⋯!

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「来世こそは、刺激しげきのある楽しい人生を送りたいな⋯⋯」

 俺は今、学校の屋上にある鉄柵てつさくの外に呆然ぼうぜんと立っている。少しでも強風が吹けば、直ぐにでも飛ばされて地面へ急降下きゅうこうかしてしまうだろう。

「死ぬのは怖い、けどこの世界にいる事の方がもっと怖いんだよ⋯⋯だから俺はここに立っている」

 昔から地味だった俺は何をしても駄目で運動も勉強も中の下、得意な事と言えば格闘ゲーム位で平凡な人間と言うより駄目人間に近い存在だった。
 それが悔しくて悔しくてたまらなかった。普通の人は今の話を聞いたら努力しろとか自分のせいだとか言うのだろうが、そんな事自分が一番わかってる。⋯⋯分かってるからこそ新たな人生を歩もうとしているんだ。だから今ここに立っていることは後悔こうかいしていない。遺書 いしょも書いた、親に「行ってきます」とも言った、もう思い残す事は無い。そう心を落ち着かせて──

 僕は飛び降り自殺をした。


「起きて下さい、圭人さん。新たな人生を始めるんじゃなかったんですか?」

「ん⋯⋯あぁ何処どこだここ」

 誰かの声で意識を取り戻した俺は氷盤ひょうばんのような冷たい地面に横たわっていた。飛び降り自殺をしてから精神的な時間感覚で言えば、ほんの数秒程度。起き上がって周りをぐるりと見渡すが永遠と真っ白な空間が続いているだけ。俺がここが何処か瞬時しゅんじさっした。

「おはようございます。どうですか? 亡くなった感想は。実際にはまだ死んでいませんが」

「うわっ!」

 さっき見渡した時には誰も居なかった俺の背後に立っていたのは羽衣はごろもを身にまとった羽の生えた女性。百合ゆりの花のように清楚感せいそかんを漂わせた彼女はこちらに優しく微笑みかけていた。

「自己紹介していませんでしたね。私はザドキエル、人間界で言う所の天使ですよ」

 確かにぴょこんと頭の上に異様いようなほど輝いている輪っかが浮いているが本当にイメージ通りなんだな⋯⋯。

「あんたが天使って事は分かったが、俺は死んだんだろ?」

「いいえ、正確にはいません。確かに午後4時35分、貴方は学校の屋上で飛び降り自殺をしました。しかし、その後すぐに病院へ運ばれて今はまだ意識不明の重体です。そして貴方にはこれから条件付きで生き返る権利を与えます」

「生き返る権利って俺は死にたくて死んだんだぜ?」

貴方あなたは刺激のある人生を送りたかったのですよね? なので自由な願いをひとつだけ叶えて生き返らせて差し上げます。お金が欲しいでもモテモテになりたいでも何でも良いんですよ?」

 女神とやらは優しい表情でそう言った。悪くない話だけど旨みがありすぎやしないか? この話⋯⋯裏がありそうだな。

「って思いましたよね?」

「心の中読めるんかい!」

「天使ですから。確かにご察しの通り条件があります。貴方には魔王を討伐たおして頂きます」

「ま、魔王?」

「はい。貴方には魔法と魔獣が存在する異世界へ召喚されてもらいます。簡単に言えばファンタジーの世界です」

「あんなの人間が作った空想上の世界じゃないのか?」

「それが実在するんですよ。人間界と並行世界へいこうせかいとして⋯⋯そしてそこに魔王が居ます」

「それを倒せって事か。でも俺異世界について何も知らないぜ?」

「それは重々承知じゅうじゅうしょうちしております、なので貴方には特殊能力を与えて召喚しますのでご安心下さい」

「特殊能力ってのはどういうやつだ?」

「簡単に言えば魔法が無限に使える【無限魔力むげんまりょく】という能力です」

「へぇ⋯⋯無限魔力ねぇ」

 正直、願いを叶えてもらって生き返る事はそんなに魅力みりょくを感じないけど、異世界召喚ってのには少々興味があるしやってみるか。特殊能力も貰えるらしいし⋯⋯。

「いいぜ、異世界召喚受けて立つ!」

「そのお言葉を待っていました。それでは早速さっそく、装備を差し上げるのでお着替え下さいね」

 朗らかな笑みを見せた途端とたん、目の前の空間からいきなり革製のローブや短剣が落ちてきた。俺は言われた通りに着替えて装備を整え、ニヤリと女神に合図あいずをした。

「お似合いですよ! それでは召喚しますね!」

「あぁ、それじゃあレッツ異世界しょ──」

 俺が台詞セリフを言っている途中とちゅうさえぎるかのように一瞬で目の前が森のような場所に変わり、女神が消えていた。

「まだ言ってる途中だっただろぉ!」

 樹木がひしめきむらがる森中に俺の怒りの雄叫おたけび声が響き渡った。
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