3 / 3
俺は圭人じゃねぇ、ケイトだ!
しおりを挟む
「そういう事だ、すまなかったな」
「つまり瞬間移動で転移させられたって訳ね! 理解したわ、この私エリス=バレンタインがこの王国を案内してあげるわ! エリスって呼びなさい!」
一旦彼女に着替えさせてから異世界召喚の事をオブラートに包んで説明すると、彼女は馬鹿なのか単純なのか一瞬で理解した。
「貴方名前は?」
名前か⋯⋯三雲圭人って言っても通じないだろうしな⋯⋯。バレンタインってのパクってケイト=ホワイトとかにしとくか。
「お、俺はケイト=ホワイトだ。ケイトって呼んでくれ」
「分かったわ。でも呼びにくいからホワイトって呼ぶわね!」
そっちで呼ぶなよ⋯⋯偽名だぞ。まぁいいか、とりあえず王国とやらを案内してくれるらしいから着いていこう。
「エリス様!! どうなされましたか!」
「来客よ、ホワイトって言うの。それじゃ友達を街に案内してくるわね!」
甲冑を身に付けた兵士が3人ほどやって来て、俺の方を強く睨んだが、エリスの一言で途端に表情が穏やかになり接し方が変わった。こいつ余程の権力者なのか⋯⋯。
「ホワイト様、ご無礼お許しください!」
「いえいえ大丈夫です⋯⋯」
こうして俺達は城下町へ足を運んだ。
夜の城下町はお祭りのように盛り上がっていて、度々通りかかる酒屋では呻き声や叫び声が聞こえる。良くも悪くも賑やかなのであろう。噴水広場とやらに来ると、それまでとは違って静寂な雰囲気が醸し出ていた。エリスはそこで立ち止まると目の前の石レンガで出来た巨大な要塞のような建物を指さした。屋上には大きな旗が立っていて龍の絵が描かれている。
「あそこがこの王国が誇るギルドよ! クエストの受注や報酬の受け取りなんかは全てあそこでやっているの! この王国のギルドはとても強いのよ」
「へぇ⋯⋯そりゃ魔王ってのも倒せるくらいなのか?」
「魔王? そんなの居るわけないじゃない。いつの神話の話をしてるのよ」
「え?」
一瞬、予想外の事実に背筋が凍りついた。俺の思考サイクルは一時停止をして、それから数秒経ってやっとカラカラと音を立てて動き始める。
「魔王が居ないってどういう事だ?」
「その言葉の通りよ、魔王なんてこの世に存在すらしないんだから。ひとつ言えるとしたら有名な予言書に魔王っていう存在が記されてる位よ?」
「そ、そうなのか」
ならこれから魔王が降臨するとでも言うのか? あの天使の話によれば魔王が俺の特殊能力を狙いに来るって言ってたが⋯⋯。今は様子見でもしておけってことか。
「さ、宮殿に戻りましょ! ホワイト君、泊まるところが無いなら暫く家で泊まりなさいよ。ち、丁度部屋が1つ空いてたから貸してあげるわ⋯⋯」
「それは有難い、お言葉に甘えるとしようかな」
若干のツンデレ要素を滲み出して来たが、そこはスルーしてエリスの宮殿に戻った。
「つまり瞬間移動で転移させられたって訳ね! 理解したわ、この私エリス=バレンタインがこの王国を案内してあげるわ! エリスって呼びなさい!」
一旦彼女に着替えさせてから異世界召喚の事をオブラートに包んで説明すると、彼女は馬鹿なのか単純なのか一瞬で理解した。
「貴方名前は?」
名前か⋯⋯三雲圭人って言っても通じないだろうしな⋯⋯。バレンタインってのパクってケイト=ホワイトとかにしとくか。
「お、俺はケイト=ホワイトだ。ケイトって呼んでくれ」
「分かったわ。でも呼びにくいからホワイトって呼ぶわね!」
そっちで呼ぶなよ⋯⋯偽名だぞ。まぁいいか、とりあえず王国とやらを案内してくれるらしいから着いていこう。
「エリス様!! どうなされましたか!」
「来客よ、ホワイトって言うの。それじゃ友達を街に案内してくるわね!」
甲冑を身に付けた兵士が3人ほどやって来て、俺の方を強く睨んだが、エリスの一言で途端に表情が穏やかになり接し方が変わった。こいつ余程の権力者なのか⋯⋯。
「ホワイト様、ご無礼お許しください!」
「いえいえ大丈夫です⋯⋯」
こうして俺達は城下町へ足を運んだ。
夜の城下町はお祭りのように盛り上がっていて、度々通りかかる酒屋では呻き声や叫び声が聞こえる。良くも悪くも賑やかなのであろう。噴水広場とやらに来ると、それまでとは違って静寂な雰囲気が醸し出ていた。エリスはそこで立ち止まると目の前の石レンガで出来た巨大な要塞のような建物を指さした。屋上には大きな旗が立っていて龍の絵が描かれている。
「あそこがこの王国が誇るギルドよ! クエストの受注や報酬の受け取りなんかは全てあそこでやっているの! この王国のギルドはとても強いのよ」
「へぇ⋯⋯そりゃ魔王ってのも倒せるくらいなのか?」
「魔王? そんなの居るわけないじゃない。いつの神話の話をしてるのよ」
「え?」
一瞬、予想外の事実に背筋が凍りついた。俺の思考サイクルは一時停止をして、それから数秒経ってやっとカラカラと音を立てて動き始める。
「魔王が居ないってどういう事だ?」
「その言葉の通りよ、魔王なんてこの世に存在すらしないんだから。ひとつ言えるとしたら有名な予言書に魔王っていう存在が記されてる位よ?」
「そ、そうなのか」
ならこれから魔王が降臨するとでも言うのか? あの天使の話によれば魔王が俺の特殊能力を狙いに来るって言ってたが⋯⋯。今は様子見でもしておけってことか。
「さ、宮殿に戻りましょ! ホワイト君、泊まるところが無いなら暫く家で泊まりなさいよ。ち、丁度部屋が1つ空いてたから貸してあげるわ⋯⋯」
「それは有難い、お言葉に甘えるとしようかな」
若干のツンデレ要素を滲み出して来たが、そこはスルーしてエリスの宮殿に戻った。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
めっちゃ面白いやんけ久々にハマったわ
コメントありがとうございます!
これからも執筆活動を頑張らせていただくのでよろしくお願いします!