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五話 添い寝

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 「鈴木さーん。起きて下さーい。ハンバーグできましたよ?早くしないと冷めますよー?」
 鈴木さんにそう声を掛けた。
 体は若干動いてはいたが、すぐにすんっと止まった。
 これこそ本当に気が引けるが、布団を引っ剥がすしかないのか?
 とりあえずもう一度声を掛けて無理そうだったら布団を引き剥がすとしよう....
 「鈴木さーん。鈴木さーん!ほっぺツンツンしてイタズラしますよー?」
 「んん...」
 少し唸り声を出していたが、すぐに静かになった。
 これもう引っ剥がすしかないのか?てかもうそれしかなくないか?
 とりあえず優しく剥がしたら声かけて、後ついでにほっぺたツンツンしても起きなかったら諦めるか。
 とりあえず僕は布団を優しく引っ剥がした。
 少し寝返りみたいなのはしたがまだ起きてこなさそうだった。
 そして次に鈴木さんに声をかけた。
 「鈴木さーん、キスしますよぉ~?鈴木さーん?」
 鈴木さんはこの通り寝ているから僕はいつも言えないことを、欲望のまま好き勝手に言った。
 これも無理そうだったので僕は次にほっぺたをツンツンしていた。
 恐る恐るそのほっぺたを指で....押した。
 とても柔らかい、気分は最高で嗜好でそれで何より落ち着く様な気分になった。
 そして物で表すと、マシュマロにスライムを足して割る5をした感じだ。
 「鈴木さーん。イタズラしますよー。こちょこちょしますよー」
 っと言いながらほっぺたをツンツンしていたのだった。
 「んゆ....ん....」
 そんな声を出しながらも、少しずつ目を開き始めた。
 「起きましたか....」
 っと言った後僕はため息をついてしまった。
 「あれ、私いつの間に寝てたの?」
 「寝たタイミングなんて聞かれても僕はわかりませんよ。それよりもご飯できましたよ」
 早くご飯が食べたいから僕は鈴木さんを急かした。
 「うん、今起き上がる」
 そう言って起き上がった。
 だがその瞬間鈴木さんは前に倒れ掛けた、
 「ちょっ!」
 っとそう言って鈴木さんを受け止めた。
 「大丈夫ですか?」
 僕がそういうと鈴木さんは頭を抑えながら「大丈夫、立ちくらみだから」っと言った。
 そう言われても、立ちくらみ最悪酷いと倒れるから心配なんだけど。
 「とりあえず一回ベッドに座って下さい」
 「うん」
 そう言って鈴木さんは僕のベッドの上に座った。
 「ご飯上に持っていきましょうか?」
 「いや大丈夫、治ったしもう立ち上がれるから」
 そう言っているが、心配なのだが。
 「とりあえず、立ち上がられます?」
 「うん」
 顔色は先ほどと比べて大丈夫なのだが、一様心配だし手を繋いで降りるか。
 そう思い鈴木さんに手を差し伸べた。
 そうすると鈴木さんは僕の手を取って立ち上がった。
 「それじゃ下に行きますよ」
 そう言って僕たちは下に降りた。

 そうしてその後何事もなく夕食を食べ終わり、自分はと言うと今風呂に入っている途中だ。
 個人的に風呂は好きだ。
 ある意味一番の自由はここだしな。 
 湯船に浸かっている時は、何かを考えるのもありだし、歌を歌うこともありだ。
 何も考えずにゆっくり浸かるのもありだ。
 
 そうしてじっくり風呂に浸かり、風呂場から出て体を拭いている。
 洗面所の鏡からは自分の裸が映し出されている。
 こう改めて見ると体を鍛えるのをやめて一年経つが、いまだに体はバキバキとまでは言えないが筋肉は一様ある。
 とりあえず体拭いて下履いたら出るか。
 
 そう思い、体を拭いてパンツとズボンを履き鈴木さんに次は言っていいよと言おうとした瞬間僕はある事に気づいてしまった。
 そう、自分は上の服はあまり着ない派なのだ。
 着るとしても布団に入る時とかだ。
 だから今自分の上のパジャマというものは自分の部屋にあってここにはない!
 そして鈴木さんはリビングにいる。
 コソコソして上に行けるほどの隙があるか?
 否!ない!
 さてこの状況をどうやって打開をするか....
 などと考えていると洗面所の扉をトントンっと叩く音がした。
 「秀くんまだ終わんない?」
 「いえ、終わっていますが終わってません!」
 と矛盾しかない言葉を言った。
 「どういうこと?とりあえず入っていいってこと?」
 「いや待ってください!」
 いや僕こそ待つんだ。
 逆に考えてみろ、俯瞰して考えてみろ。
 僕はそこまで貧相な体を持っているわけではない。
 身長は180以上、筋肉もかなりある。
 100点とまでは言えないが合格点とは言えるのではないのか?
 なら逆にここは平然としてみられてもいいのではないのだろうか?
 確かに恥ずかしい、恥ずかしいだけだ。
 そんなことぐらい僕なら我慢できるだろう?
 あぁそうだできる!
 この間の思考はたったの1秒で施行されたものだった。
 
 「鈴木さん扉開けていいですけど、少し洗面所の床が濡れているので気を付けてください」
 「分かった」
 っと言って鈴木さんは勢いよく扉を開けた。
 わーお、っと一言だけ言ってそのまま入ってきた。
 鈴木さんが持っている服は多分パジャマや下着類があるだろうからあまり見ないでいた。
 服を置けそうな場所に置き、僕の方まで来た。
 「秀くん前から思ってたけど、結構筋肉あるね!」
 っと言いながら僕の腹筋をパシパシと触る鈴木さん。
 なんかくすぐったい。
 
 自分は服を着るために一度自室まで行った。
 部屋に入るとカバンが置いてあった。
 多分、鈴木さんのだろう。
 逆に鈴木さんじゃなかったら怖いから鈴木さんのであれ。
 クローゼットから服を出し着た。

 そして自分はリビングでコーヒーを淹れて、それを飲みながら本を読んでいた。
 ちなみに言うが、これは鈴木さんが出版した本だ。
 あまり見ないでと怒られているが、世間では天才小説家と多々言われる事があるからどんなものを書いているのだろうと気になるからしょうがない。
 だから見てしまう、だからしょうがない。
 そしてその小説を読んでいると洗面所から鈴木さんの声が聞こえてきた。
 「秀くん、ドライヤーってどこにある?」
 「あぁ、引き出しの所に入ってるから勝手に漁っていいよ」
 「分かった!ありがとう」
 そう言ってまた僕は小説を読み始めた。

 とてもどうでもいいことなのだが、僕の両親は海外やいろんな所に行っている。
 仕事は父親は医者で母親は女優で超有名人だ。
 周りから見たら凄い家庭なのだ。
 そう凄い家庭だから、僕への世間からの圧力がすごいのだ。
 過去母親が女優だからテレビ番組などのアレで何回か出たことはあるし、父親は天才と言われているほどの医者だ。
 何度も難病を救ったこともあるほどの天才だ。
 そんな二人の息子だ、世間からの期待とかが凄いのだ。
 だからと言って僕に才能があると言えば、ない。
 得意なものとあるとすれば戦闘スキルだとかそんなものだ。
 後頭もいいが、父と比べれば天と地の差。
 そんな圧力に耐えられないと思ったのか、こうやって一人暮らしを科せられてもらっている。
 まぁ両親も僕が何気にメンタル強いことやしっかりしていることは理解していると思う。
 しかも近くに彼女もいる訳だしなんかあったら助けてくれるだろうと両親はそう思っているのだろう。
 まぁ鈴木さん側からしたら迷惑なことなのだが。

 そうして鈴木さんがパジャマ姿で洗面所から出てきた。
 可愛い。
 
 そうしてなんやかんやあり、今から一緒に寝る。
 「いやぁ、秀君と寝るの楽しみだなぁ!」
 っとウキウキしているところ悪いが、僕は神に誓って彼女に手を出さない事を誓う。
 「悪いですけど、僕は普通に寝かせてもらいますからね」
 「ふーん、あっそ」
 そう言ってそっぽを向いた。
 「んじゃ電気消しますからベッドの中に入ってください」
 そう言って僕は部屋の電気を消した。
 ちなみに鈴木さんは壁側で僕が壁がない方側だ。
 鈴木さんが落ちたら危ないので僕がこっち側に寝る事を提案したのだ。

 そうして僕もベッドの中に入り、眠りにつこうとした。
 「あ、そうだ。寝る前にする事を忘れてた」
 っとそんな事を言ってきた。
 「なんですか?変な事とかしないで下さいよ」
 「大丈夫大丈夫、とりあえずこっち向いてよ」
 嫌な予感がするがここで駄々こねらせたら最悪な状況になるかもしれないので、正直にその指示に従った。
 「なんですかも....」
 僕がそう言った瞬間、鈴木さんは直近まで寄って僕の頬っぺたを掴み僕の唇に触れてきた。
 それだけならまだ良かったが、そのまま口の中に何かを入れてきた。
 その何かとは言わなくても分かるだろう。
 そうして数秒、数十秒時間が経過し、離れた。
 「秀君の味、なんかコーヒーの少し臭い匂いがする」
 「失礼ですね、一様歯磨きましたから!」
 そういうと何か鈴木さんベッドで横になりながら考える素振りをした。
 「おかしい、ベロチューすると相手からやる気になってくれると誰かが言ってたけど、なんでやる気にならないんだ?」
 「誰なんですかそんな変な知識をねじ込ませたやつ!」
 「漫画」
 くっそ誰だよそんなベロチューした漫画!感謝するぜこの野郎!
 そう、内心僕は嬉しい。
 ノーマルのキッスならしたことあるけど、こんな濃厚でやばいキッスは初めてだ...まぁ絶対に手は出さないけど。
 「てかなんで手を出さないの?そんなに私の体に魅力がないの!?」
 っと勝手に自爆してうるうるし始めた。
 「そういう訳ではないですよ...そういうのは順を追って、まぁせめて後二年ぐらい経ってからにしてくださいよ本当に」
 僕はため息をついた。
 「ふーん、二年ね.....分かった」
 っと言って鈴木さんは壁側の方を向いた。
 僕もこれ以上何かされることはないと確信し、眠りについた。
 
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